Fate/Grand Order たっちゃんがグランドオーダーに挑むようです 作:這い寄る影
ジョージ・オーウェル 1984年より抜粋。
「これで終わるのか?」
エジソンはたった一人、黒塗りの塔の中で呟いた。
今の彼にはアメリカを守るという思いしかない。
なぜそうなったのかと言えば歴代大統領を憑依させ、
尚且つACやデヴァユガシステムを見てそれが実行可能だったからだ。
加えて特異点全域に張り巡らされている噂結界の裏技的コントロール法をアイザックから授けられたというのもある。
住人の脳髄を摘出しユニット化、演算機に繋げ仮想VRに接続。
都合の良い夢を見せ続け、都合の良い共通認識を作り上げ、噂結界を通じ現実に適応させる。
そうすることによってアイザックや神取の齎した未来の技術を強引に適応可能。
故に負けるはずが無かった。
AC軍団やACが活躍していた時代に使用されていた兵器。
イレギュラーな脳ユニットはデザインド技術によってACパイロットか狗兵に加工して使いさえすれば問題ない。
これによって未来技術とかなりの戦力が整った。
加えてデンバーに核融合の炎すら弾く超々磁場防壁を張って布陣は完璧だったはずだった。
現に敵対するケルト陣営を壊滅一歩手前に押し込み、
デヴァユガシステムによるアメリカ大陸全土を高次元座標に転送することによってアメリカは永遠の国になるはずだったのだ。
「全てが終わるのか? この最善手がたったちっぽけなイレギュラーで?」
エジソンはたった一人、黒塗りの塔の中で呟いた。
今の彼にはアメリカを守るという思いしかない。
なぜそうなったのかと言えば歴代大統領を憑依させ。
尚且つACやデヴァユガシステムを見てそれが実行可能だったからだ。
加えて特異点全域に張り巡らされている噂結界の裏技的コントロール法をアイザックから授けられたというのもある。
住人の脳髄を摘出しユニット化、演算機に繋げ仮想VRに接続。
都合の良い夢を見せ続け都合の良い共通認識を作り上げ噂結界を通じ現実に適応させる。
そうすることによってアイザックや神取の齎した未来の技術を強引に適応可能。
故に負けるはずが無かった。
AC軍団やACが活躍していた時代に使用されていた兵器。
イレギュラーな脳ユニットはデザインド技術によってACパイロットか狗兵に加工して使いすれば問題ない。
これによって未来技術とかなりの戦力が整った。
加えてデンバーに核融合の炎すら弾く超々磁場防壁を張って布陣は完璧だったはずだった。
現に敵対するケルト陣営を壊滅一歩手前に押し込み。
デヴァユガシステムによるアメリカ大陸全土を高次元座標に転送することによってアメリカは永遠の国になるはずだったのだ。
このまま時間さえ掛ければエジソンたちの勝ちは揺るがなかった。
だがそうはならなかった。即ちカルデアの介入である。
彼らは正しくイレギュラーだった。
レジスタンスを仲間につけ、インド最高峰の英霊たるラーマを仲間にしたばかりか彼に掛けられていた呪いを解呪しシータさえも救い自陣営に組み込んだ。
更にはアルジュナとカルナの蟠りを解決し、そこを起点にケルト陣営さえも取り込み、
絶対に突破できぬはずの超々磁場防壁を合体宝具とかいうインチキで突破して見せた。
だったらインチキにはインチキで対応しようと思えば今度はチートで殴って来た。
リバース・イド、玉座に座る資格在りし者が玉座へと至る過程で使える反転せしアルカナによる神威。
これで神取は脱落、さらにデヴァユガシステムもコア部分が宇宙に飛ばされ起爆。
あと一歩の所でエジソンの計画していたアメリカ大陸高次元化計画はならなかった。
其処に追撃を加えるようにAC軍団も殲滅されつつあった。
如何に鋼の装甲を持つとはいえマシュのペルソナ、インド勢の火力、一部カルデア勢の火力さえあればぶち抜ける。
切り札の一枚である既存兵器を上回るネクストACもフローレンスによって道連れにされ、
AC操作技量ナンバーワンであるJすらも失った。
もはや残っているのはエジソンだけ。
「まだあるじゃないですか?」
そんな絶望に沈むエジソンの背後に一人の青年が現れる。
「アイザック、あれは制御不能だったはずじゃないかね?」
「ええ、起動の為のキックスタートも足りていない。だから一部起動し、使った訳ですが・・・、それは万全に使えるという前程があってこそ。リスクを恐れぬならばアナタの霊基と聖杯で十分起動可能です」
まだ彼らには切り札があった。
デスザウラー、在りえたかもしれない未来の遠い星で製造された終末兵器。
一つの文明を文字通り終わらせた破壊衝動の怪物。ニャルラトホテプの駒の一つである。
それを脳ユニットにその文明を仮想体験させ噂結界で呼び出した。
しかし完全起動とまではいかず、星全土を射程圏に収める荷電粒子砲も見るも形もない状況で使うしかなかった。
それでも二十八人の戦士で呼び出され連結された魔神柱を消し飛ばし、クー・フーリン・オルタですら半壊させたレベルだった。
だがこれを使うのはサブプランだった。
当たり前だ。終末兵器としては規格外なのである。
まだデヴァユガシステムによる高次元接続あるいは、終末の獣、つまり人類悪No.Ⅶであるオルガマリーの接続による米国以外の終焉が必要だった。
だがデヴァユガシステムの接続実験は失敗した。
もう後がない。サブプランに移行すべきだとアイザックはお茶らけた様子で言う。
だがデスザウラーの起動には先にも言った通り膨大な電力が必要だ。
加減した荷電粒子砲を撃つのだって、三機の原発をフル動員してやっとだったのだから。
現実問題、二機の原発は制圧され、一機の原発は達哉のユニオギアスで完全消滅している。
これではキックスタートも出来ないのではないかとエジソンは言うものの、
アイザックは変わらぬ様子で言い切る。メイヴから奪った聖杯と歴代大統領の霊基と融合したエジソンがいるではないかと。
後はリスクを恐れぬか恐れないかの問題だとアイザックは語る。
エジソンは数巡考えた後に、
「良いだろう、これ以上アメリカを奴らの好きにさせるわけには行かない」
禁忌の引き金を引く事を決意したのだった。
無論、アイザックは内心ほくそ笑んだ。
歴代大統領の意識に引っ張られている訴訟家風情が、文明一つを終わらせる知生体の愚考の極みの破壊衝動に耐えられるわけないだろうと。
「人類に可能性など在りはしないのさ」
エジソンが部屋を去り一人残ったアイザックはそうぼそりと呟き、
まるで魂でも抜けたかのように倒れた。
「はぁはぁ・・・足が・・・」
ACの残骸の上。マシュは両膝を突き、ウリエルを杖として何とか両膝立を維持している。
だがウリエルを展開しているにも拘らず下半身の感触が無い。
其処だけごっそりと抜け落ちたように。
「マシュ、大丈夫かい?!」
慌ててロマニも駆け寄る。彼もボロボロだった。
幾らインド勢と途中合流出来たカルデア勢がいたとはいえ、それほどの量のACと狗兵が殺到してきたのである。
もう撃墜数を数える気にもならない。
ロマニが必死で回復魔術を掛け、ベルベットルームやサトミタダシを利用できるようになったマシュはチャクラポットを飲むが効果は現れず。
仕方なしに後ろ腰のポジェットから一本のペン型注射器を取り出し首の静脈に打ち込む。
「うっ」
「マシュ!!」
マシュのうめき声と共にロマニが心配そうに両肩を掴む。
当たり前だ。心臓は早鐘のようになり、血液循環が加速、脳内麻薬の全種が分泌したのだ。
呻き声一つも上げたくなるというもの。
「こっれは強烈ですね・・・」
「劇薬だからね・・・、どうする? 此処はいったん下がるかい?」
「先輩も所長も下がっています。私が指揮を執らないと」
そう既に達哉もオルガマリーも限界を超えて後方で指揮を取っている長可の所まで搬送中である。
前線指揮を執るものが必要だ。
デミサーヴァントとしての力は失った代わりにペルソナ能力とマスター権限を手に入れ、今やマスターなのだから当たり前である。
それに薬は事前に説明された効力を立派に発揮した。
失われた下半身の力が戻ってくる。
息を荒げながらペン型注射器を投げすてて立ち上がる。
「とりあえず皆が合流してから攻め込みましょう。戦局はこちらが優位ですから」
AC軍団はとりあえず片づけた。
狗兵も超電磁防壁が解除され町に突入して来た長可率いるケルト兵に駆逐されている。
後方での全体指揮は孔明とチェンジする形だ。
というか孔明は超電磁場防壁が解除した時点で下がらせた。
この乱戦に孔明が付いて来れる筈もないからだ。
故に今は後方で全体指揮や情報共有を行いつつ、気絶した達哉とオルガマリーを見ている。
ロマニは魔術がチートすぎてACの装甲をぶち抜けるので乱戦に参加していた訳だ。
伊達にグランドキャスターやってない。
此度の原因の聖杯戦争を勝ち抜き優勝したのである。
あの対魔力Aのアーサー王を魔術で殺したのだ宝具抜きでもACの装甲をぶち抜ける規格外である。
という訳で最前線で治療&高速機動砲台として盛大に暴れた。
尚それに触発されてインド勢も暴れまくった結果、
ビルとか色々と倒壊しかつてのデンバーの名残は無くなっていた。
「お待たせしました」
其処にアルジュナが短距離ワープを使って後方から帰ってくる。
「アルジュナさん。先輩と所長の様子はどうです?」
「達哉の方は問題ありませんがオルガマリーの方が問題でして・・・イドタイマーが強引に精神安定剤を連続注入した影響で過剰摂取状態です」
リバースを正常位に戻しても負荷が多少マシになりネガスキルを自由自在に使えるようになっただけだ。
そう大分マシになっただけ。依然、No.Ⅶとして覚醒する危険性は残っている。
と言うよりもアンビーストとしての覚醒しているかもしれないのだ。
危険性は依然そのまま、故にイドタイマーの精神安定剤連続供給は間違っていないのだが。
誰しも容量の限度と言う物がある。ペルソナ使いだから死んで無いだけで普通の人間ならとっくにあの世行きの量だ。
それでも、
「毒抜きは必要だろう。ボクは一旦下がる、マシュもそれでいいね?」
ロマニはキャスターとしてではなく一医者として判断した。
だからこそロマニの医療術と魔術の腕が必要となる。
マシュは薬の負荷を吐く様に重く溜息を吐いて、
「所長と先輩をよろしくお願いします、ドクター」
「任された」
ロマニは空間転移で場を離脱した。
達哉とオルガマリーを救うために。
「それでどうする?」
カルナがマシュの隣に降りてきて問う。
今の火力ならこの黒塗りの塔を消し飛ばせるがと言いたいのだ。
翻訳機の真似事をしていたフローレンスは居ない。
彼女もその身を人理に捧げて去ったからだ。
だけど彼の敬愛する達哉も言葉足らずな方なので意図は理解できる。
通常の聖杯戦争なら理想的な組み合わせだ。
「内部突入して制圧します」
「その訳は?」
「噂結界が都合よく動きすぎなんですよ。第三を思い出してしまいます」
都合よく噂結界を操作する。
その方法は良く在る物だ。人に夢想の夢を与えればいい。
世界はそう言う物だと認知させれば良いのだ。
第三では実際アトランティスでそう言うシステムを具現化させた。
即ちハーモニープログラム。
マシュはその生まれ故、ビブリオマニアだ。
無論SFも履修している。ともなれば状況証拠から予測も付くと言う物。
つまり人を脳に加工して脳髄だけのユニットにして仮想現実を味あわせ現実に適応させるという手段だ。
SF物では脳ユニットは定番とは言え此処までするかとマシュは歯を軋らせた。
「ですので特異点解決時には生身に戻っているでしょう。まだ私達は人質を取られているのです」
死んだ者は外部から補填される。
だが幾ら脳ユニットに加工されたとはいえ生きているなら肉体くらいは戻るだろうとマシュは推測していた。
現実、カルデアに通信して見ていたがこれ程、ACや狗兵を片付けたのに人理定礎の悪化は見られない。
そう、逆に楽な攻略方法に身を委ねた刹那、崩壊する罠なのだ。
「今すぐにでも塔内部に突入し、エジソンを排除し聖杯を奪還したいですが・・・」
「アレでは無理ですね」
マシュの言いように続けてラーマとシータもマシュの近くに降りてきてそう言う。
フローレンスは最大の成果を叩きだした。
オルガマリーを守り切り、ネクストとかいうインチキ兵器が本格駆動する前に滅殺し、
自分の霊基ごと、周囲を地獄へと落とした。
それは良い。だが逆に言ってしまえば、この漆黒の塔の入り口前を地獄の業火で沈めてしまったわけで。
勢いが収まりつつあるも、その地獄の業火は止んでいない。
「ダヴィンチちゃん、あと何分ぐらいで炎は鎮火します?」
無価値の炎は地獄の業火。自然鎮圧を見守るほかない。
故にマシュはダヴィンチに問うた。
されど返って来た答えは意外な物だった。
『勢いから算出した結果、あと10分くらいで鎮火するよ。彼女は向こう見ずで無かったみたい』
「ならいいですが・・・」
鎮火まで10分。本当にいい仕事をしたんだと思った。
仮にも地獄の底を具現化したような宝具である。10分で鎮火するならまだいい方であった。
マシュは再度後ろ腰のポジェットを漁りカロリーバーを取り出し包装を剥き口に突っ込む。
彼此数時間戦っていたのだ腹も減るし、先ほどの薬の投与で脳に糖分が足りていない。
「・・・」
シータは目を逸らした。
何が英霊だ。
何の役にも立ててはいないかと。本来後方にいるはずのマスターたちが劇薬を駆使してまで戦っているこの戦場は実におかしいし狂っていると思う。
本来の聖杯戦争の形から逸脱している事を嘆く。
だが戦争なんてそんなものである。
戦える者は武器を握り、戦い抜かねば勝利の栄光なんて無い。
それが戦争の本質だ。
「ふぅ・・・10分後に総突入です。間違っても脳ユニットを傷つけないように」
脳ユニットの破壊=人理定礎の悪化に他ならない。
他の人間はエリザベートとネロ、この特異点に抑止力として呼び出されたレジスタンスに保護されている。
だから内部突入しエジソンだけを殺し聖杯を回収する必要性がある。
しかしだ。
『あーあー聞こえるかな? カルデアの諸君?』
嘲笑うような声がレイライン通信で響き渡る。
「アナタは・・・」
『財団かアイザックとでも呼んでもらおうか、最もボクとしてはどちらでも構わないけどね』
「ニャルラトホテプの化身!!」
『どう呼んでもかまわないよ、君たちの都合の良い呼び名で構わない』
嘲りは止まらない。
そう、いくら味方や自分たちが血反吐を吐く思いで正気を保っていても”相手が正気である”などと言う保証が何処にあるのか?
いいやそう言う保証はない。
それは歴史が示して来たことだ。
漆黒の塔の表面が剥がれ落ち轟音を立てる。
まだ中に生きた人がいるにもかかわらずにだ。
『さぁ、速攻で倒さないと人理が崩れるよ!!』
嘲る声と共に表すは黒い鋼の巨龍だった。
『カルデアァ!! まだだ!! まだ終わっていない!!』
エジソンの絶叫が響き渡る。
そう、彼と言う歴代米国大統領と言う極上の霊基によるOS。
魔術王の聖杯という極上のエネルギーで強引に起動させたのだ。
黒い鋼の巨龍こと、遥か未来あり得たかもしれない人類の可能性を滅ぼし尽くした
「デスザウラー」というあり得たかもしれない人類悪を。
『かつて世界を破滅させた力、その一つがこの機体。コトワリ、ナホビノ、神殺し・・人類の可能性、そんな物は妄言に過ぎない。人は人によって滅びる。それが必然だ!!』
「それを証明させないために私達は此処にいる!!」
アイザックの持論を打ち砕くべくマシュも言葉を返しながら剣を解放する。
―裁剣、抜剣―
空中に放り投げられたウリエルが外装を外し光の玉となる。
そこからマシュの拳に乗せられ光の剣となって巨大化。
彼女の意志、彼女の殺意によって無限出力を発揮する根絶の聖剣となりて炸裂するが・・・
「ぐっぅ!?」
その威力は折り紙付きだ。
あのポセイドンすら屠れる威力を発揮している。
エジソンの馬鹿思考のせいで要らぬ犠牲に人理定礎悪化という結果にアイザックの煽りで、
あの時と変わらぬ殺意を発揮しているのだ。鋼の意志で。
だと言うのに炸裂したイノセントダストはデスザウラーに直撃する寸前で拡散していた。
理由は超単純、超々磁場による防壁に重力防御と言う二重防壁だ。
主要時間軸ではORT亜種が使っていたスーパーセルとほぼ同種に近い。
これを破るには、ジャンヌ・オルタレベルで殺意に堕ちなければマシュでも抜けないのだ。
一つ例外として達哉が上げられる。暴走する前程ではあるが、ユニオギアスによる緩めるという行為からの各力場の拡散だ。
と言ってもこれ程の出力となると暴走前程であるから論じるに値しない過程と言うものである。
『消しとべぇ!! アメリカの為に!!』
「ッッ皆さん私の背後に!! それは全ての疵、すべての嘆きを包み癒す我らの郷里!!」
荷電粒子砲が放たれる。
マシュの付近にいたサーヴァント達はマシュの呼び声に彼女の背後に集まる。
「ロード!! カルデアスゥゥウウウウウウウウ!!」
展開される光の盾。こちらはイノセントダストと同じでマシュの心が折れぬ限り保ち続け、イノセントダストとは逆で守りたいという精神があればあるほど出力を上昇させる絶対防壁なのだ。
だが荷電粒子砲は一発で星の聖剣レベルの射撃となる。
奴の射程範囲内の物は守れないが、逆に言えば範囲外の物は守れる。
こうして守り切り、次射のその隙に、
「魔人ラーヴァナを討ったこの一撃。耐えれば名誉、屈服には破滅。汝は何方に立つ身だ?行くぞ!!」
「これが、わたくしにとっての幸せな記憶。ラーマ様の勇姿は、今もなお我が胸に・・・行って!」
「神性領域拡大、空間固定。神罰執行期限設定、全承認。シヴァの怒りを以って、汝らの命を此処で絶つ――」
「アルジュナの真似事では無いがな・・・我が身を呪え!!」
インド英霊による最大火力の叩き込みである。
「
「
「
「
炸裂する四種の光。
されど・・・
『フハハハハハ!! このデスザウラーに過去の遺物は効かぬわ!!』
エジソンの笑い声と共に出現したのは発光するデスザウラーだった。
超々磁場防壁と重力力場防壁で光っているのである。
もっとも全員嘘だろと思った。
マシュのイノセントダストを防ぎ切った事といい、
インドの四大英雄の全力を防ぎ切った事といい何処まで規格外なんだと思わずにはいられない。
ともすると手持ちの手札ではどうしようもないとマシュは絶望に打ちのめされると同時に、
何時もこんな状況だったなという事も思い出し脳細胞をフル回転させる。
このような状況であっても常に達哉もオルガマリーも脳細胞を全力稼働させて正解に至ったのだから。
考えろ、考えろ、考えろ、マシュ・キリエライト。
されど時間は待ってくれない故に、今まで戦略、戦術を二人に投げてきた分自分で考えろと。
そう遂にマシュが一人で考え決断する時が来た。
ミスは許されない。
その間にもデスザウラーは重力制御リングを足元から現出させ天空へと浮かび上がらせ、
其処に首を向けて最大出力の荷電粒子砲をチャージする。
『いいぞぉ、この力、まさしくアメリカの為にぃ!!』
『ハハ、やっぱり大統領とやらもこの程度か。終末の意識に飲まれる愚者だったか。ハハ、なぁカルデア、そうは思わないかい? 人って奴は力を与えれば己が欲の為だけに使う!!』
もうすでにエジソンは口ではアメリカの為と言いながらデスザウラーの破滅衝動に飲まれていた。
理由は単純、元からして魂の容量がオーバーしているのだ。
考えても見て欲しい。エジソンは確かに訴訟王としても有名で発明家としても有名であるが、
歴代大統領の一人のネームバリューには劣る。
つまり一人でもいっぱいいっぱいなのに歴代全員だ。
自我を保てる方が可笑しい。故に限界だった。
かと言ってデスザウラーの破壊衝動にエジソンが耐えられるかと言ったらまぁ無理だろう。
デスザウラー自体はニャルラトホテプの眷属神、即ちエレボスと同じような存在だ。
前提条件が違うのである。
元から耐えられるようなものではなかった。
「どうする?! マシュ?!」
そしてさしもの宝具の渾身の一撃、特にシヴァ神の武具の一つである鏃を具象化する
インド最強格のラーマがシータを取り戻したことによる
マシュのイノセントダストも通用しない今、どうするとラーマが問う。
だが手が無いとは言い切れない。
「カルナさん」
「なんだ?」
「インドラの槍を使ってくれますか?」
「・・・いいが後がなくなるぞ?」
「世界中に荷電粒子砲がぶち込まれるよりマシです。私達にはあとが無いんです」
マシュはロマニからカルナの最大火力宝具を聞いていた。
即ち
逸話に乗っ取り、彼の鎧防護を全て捨てて使用する究極の一撃。
神話には記されなかった神すらも屠る一撃でありカルナの最大火力。
されど一度使えば、鎧は消失し下手したら飛行能力さえ失いかねない。
文字取り後を見ない一撃なのだ。
だがデスザウラーは見た限り世界全土に荷電粒子砲を拡散させようとしている。
最大チャージは恐らく先ほどの物が目じゃないだろうが、チャージに時間が掛かるらしく一向に発射の気配を見せないし、
此方も眼中に無い様子だった。
「ですがそれでも」
「いいえ、シータさん。私のスキルで四人の宝具をまとめ上げます。それで防御を抜きます、マリーさん、クー・フーリンさん聞こえていますか?」
『ええ聞いていたわ』
『それで俺らなにすりゃいいんだ?』
防壁はそれで気合と根性でどうにかするとして。
それではデスザウラーの超電磁場防壁と重力防壁を一時的に無力化することしかできない。
貫けても止めまで行けるかどうかも分からない。
だが確実なのは超電磁場防壁と重力防壁は無力化できるという自信だけ。
最期の一手は誰かに押してもらう必要があるのだ。
その大役を任せられるのは、ペルソナを使えるマリー・アントワネットとクー・フーリンオルタの霊基を乗っ取ったクー・フーリンしかいない。
彼女と彼なら合体宝具で超電磁場防壁と重力防壁を打ち破った後のデスザウラーの装甲ならぶち抜けるはずだという信頼である。
「マリーさんは
マシュのいう事は無茶苦茶だった。
死んで来いと言っているようなものだったが・・・
マリー・アントワネットとクー・フーリンは顔を見合わせ互いに苦笑した。
漸くマスターの為に本格的に何かできる喜びもあったからだ。
『わかったが・・・そのコアユニットの場所は?』
故にそれを了承、されど効果が無ければ意味が無い。
「ダヴィンチちゃん、奴の一番エネルギーの高い場所はわかりますか?」
『一番高い場所は胸部だね、続いて口内だけど荷電粒子のチャージング中だから口内は別だと思っていい。だから胸部だね』
「だそうです」
『わかったわ、タイミングは?』
「集中しますのでそちらにお任せします」
『『了解』』
マシュのイノセントダストには欠点がある。殺意が上がれば上がる程威力も無限に上がるが逆に萎えると低下していく。
今は問題ないからその部分は置いておくとして意思の力が物を言う故に集中しないと使えないのだ。
ぶっちゃけ使用中は指示を飛ばす余裕は無い。
それにマシュにとってこれが初めての合体宝具である。
訓練で何度かやったが今回は本番だ。ミスれない。
だからタイミングはあえてクー・フーリンたちに丸投げしたのだ。
「では行きましょう」
「「「「了解」」」」
さぁもう議論は尽くした。
後は成すべきことを成すだけだと、皆が立ち上がった。
「裁剣、抜剣!!」
「魔人ラーヴァナを討ったこの一撃。耐えれば名誉、屈服には破滅。汝は何方に立つ身だ?行くぞ!!」
「これが、わたくしにとっての幸せな記憶。ラーマ様の勇姿は、今もなお我が胸に・・・行って!」
「神性領域拡大、空間固定。神罰執行期限設定、全承認。シヴァの怒りを以って、汝らの命を此処で絶つ――」
「神々の王の慈悲を知れ。絶滅とは是この一刺。インドラよ、刮目しろ。灼き尽くせ――」
炎が具現化する。それは正しく神威だった。
「イノセントダスト!!」
「
「
「
「
裁剣と各々の宝具が融合し正しく破壊神の全力の一撃に匹敵する閃光が射出される。
「「「「「ジ・エンド・マハーカーラ!!」」」」」
射出される閃光。
それはデスザウラーに直撃し消し飛ば・・・
『小賢しい』
さなかった。
デスザウラー未だ健在。照射される閃光は拡散し無力化される。
だがそれでも皆は諦めていなかった。
「「「「「ォォッォォオオオオオオオオオオオ!!!!」」」」」
もう何もかも突っ込む勢いで超電磁場防壁と重力防壁を突破せんと魔力をつぎ込むものの・・・
「うっ」
「マシュ!?」
右手を翳しながらもマシュは片膝を突いてしまう。
下半身の感覚がまた抜けてきた。
インド四英雄との合体宝具だ。負荷は相当大きい物になっている。
当然、消耗も激しい訳で。マシュの下半身が動かなくなるというのは当然の帰結とも言えた。
だがしかし、マシュは空いた左手で後ろ腰のポジェットをまさぐり本日二本目のペン型注射器を取り出し、
それを首筋に打ち込む。
もう意識もくたくただが背に腹は代えられなかった。
此処で止める訳には行かなかったから。
例え無駄だと分かっていてもと抗う為にだ。
その時だった。
「ルシファー!! 明けの明星!!」
「スルト!! インフェルノ!!」
「息吹の芽よ、大地に芽吹くがごとく進め!!」
「先輩!? 所長!? ドクター!?」
其処に転移してきたのは達哉とオルガマリーとロマニだった。
ロマニの治療魔術で意識は戻っていたが戦闘を出来る状態で無いのを無理をすべく、
ロマニを説得し前線に戻って来た。
正直ペルソナどころか体を動かすのさえ辛いと言うのに手持ちの最上級ペルソナを使い、
マシュたちの合体宝具の出力を上げる。
ロマニも魔力の倍化魔術を使って出力上昇をサポートする。
「今更、無理しすぎですとかは無しだ」
「無理すべき場面だしねぇ」
達哉とオルガマリー二人はそう苦笑しながらそう言う。
それを見たアイザックは何処までも冷ややかだった。
『馬鹿だねぇその程度、想定の範囲内だよ』
幾ら気合と根性、精神論持ち出そうが超えられないものは超えられない。
現実とはそう言う物だと嘲笑おうとして、
「「「「まだだ!!」」」」
ここに来てインド勢が無謀を行った。
所謂アレである、自分の霊基も宝具に出力した壊れた幻想を慣行したのだ。
「皆さんここです!!」
「「「「「「「了解ぃ!!」」」」」」」
『『なにぃ!?』』
エジソンもアイザックも驚愕する。
超電磁場防壁と重力防壁が破られ解除させられた挙句、胸部装甲の一部が損壊したのだ。
それと同時にデスザウラーの姿勢が崩れ、荷電粒子砲も在らぬ上空へと射出。
世界全土への射出は失敗したのである。
「「「クー・フーリン!! マリー!!」」」
マシュ、達哉、オルガマリーが、英霊たちがぶっ倒れながらレイラインに向かって叫ぶ。
既にクー・フーリンとマリー・アントワネットはいつでも発進できるように待機済みだ。
「咲き誇り、絢爛に駆け抜けよう。我が行く道は刹那の軌跡!!
「全呪開放、加減は無しだ・・・絶望に挑むがいい。
マリー・アントワネットが手綱を握るガラスの馬の後ろにクー・フーリンも乗りクリードの外殻を完全開放する。
それはジュノンのクリスタルパレスと魔力同調し
そして
「「
黒く光る宝石の様な閃光と化した二人がデスザウラーに吶喊した。
「「オオオオオオオオオオオオオオ!!」」
『死ねぇ!!』
だがエジソンの咆哮と共にそれに向かって荷電粒子砲が向けられ放たれる。
無論直撃コースだ。
最速を出す以上直進しかない。
だがしかし、本来はクー・フーリンの
マリー・アントワネットの
馬に城塞を被せた様なものである。
故に弾頭としての硬さはこの二つが合体した宝具である
故に荷電粒子の中でその身を砕きながらも。
『なぁ!?』
「「行っけぇぇえええええええええええええ!!!」」
荷電粒子を貫通、そして彼らの雄たけびと共にデスザウラーの胸部装甲を貫き。
『ぬぁぁぁぁああああああああああああああああああ!!!!???』
コアをも貫通。響き渡るエジソンの絶叫と同時に背中もぶち破り。
クー・フーリンとマリー・アントワネットはデスザウラーの背後に落着と言うか地面に着弾した。
無論二人ともズタボロである。
自らを弾丸とした特攻なのだから当たり前だ。
荷電粒子砲に強力な装甲を撃ち抜いたのだから当たり前の話である。
そしてこの戦場でまともに立っていられる奴は居なかった。
聖杯も先ほどのクー・フーリンとマリー・アントワネットの特攻でエジソンごと消し飛んだ。
カルデア勢も息が上がりマシュは両膝を突き、達哉とオルガマリーに至ってはロマニの治療を受けたとはいえ無理しすぎたらしく荒く息をしながら仰向けに倒れている。
ロマニも青吐息だ。
インド勢も自身の霊基を犠牲にしたのだ。じきに退場するだろう。
後はまぁ全員疲労で膝を突いていたりぶっ倒れている。
そしてドンドンと音を立てて各所から爆炎を上げて崩れていくデスザウラーを見ながら皆が一安心した時だった。
『認めない。人の可能性など僕は認めない。僕の人生を全て破壊した。君たちが至るもしかしたらの汚れた世界を忘れることはない』
呪詛のようにアイザックの言葉がレイラインで伝えられる。
そう、彼は終わってしまった世界の住人。人の欲の先に至る一つの可能性の中で絶望し、
ニャルラトホテプと契約し、より絶望してしまった者。
『既にニャルラトホテプとフィレモン、悪魔と天使たちは動き出している。君たちはその掌の上だ』
「なに?」
『たとえ僕や特異点の連中が居なくても止まることはない。星を巡る戦いは既に始まっている』
「ゲーティアの事?」
『奴は都合の良い舞台装置・・・故にこの戦いは全ての破滅まで続く。もう僕から言えるのはそれだけだ』
そしてデスザウラーが巨体をぐらりと揺らし倒れ、
『だがもし君たちが抗える人になるというのなら、生き延びるが良い。君たちにはその権利と義務がある』
「ああ、抗うさ。俺たちが生き続ける限り」
アイザックの言葉に達哉はそう返す。生きている限り全てを受けれ抗うとあの日誓ったから。
そしてデスザウラーは爆散した。
聖杯も取り除かれこの特異点を特異点らしめている物は排除された。
人理定礎の復元が始まる。残ったケルト兵も外部補填に当てられるだろう。
そう言う訳もあって全員が光に飲まれ現地サーヴァントは退去し、
カルデア一行はレイシフトアウトしたのだった。
第五特異点 定礎復元完了
ここでのデスザウラーはアニメ版の巨体、防御力、火力、連射力に重力制御装置+荷電粒子砲の供給源もコンバータ方式に加えバトスト版の格闘能力、機動性を持っている正しくチート級のメカです。
伊達に古代ゾイド人を滅ぼしたメカではない。防御面だけで言えばORTUFO形態ぶりの理不尽です。
本来登場予定のJが乗ってたらマジ試合終了でした。
マジで戦闘才能無いエジソンが乗り込み慢心王した上で事前にマシュがウリエルに覚醒してインド勢の火力を合体宝具として総まとめにして、兄貴がタニキに進化して止めに行かなきゃ勝てない相手でした。
アイザックはアレです。ネタバレになるかもしれないけどACVDの財団の総括AIです。
ファンタズマビーングで人間からAIになった存在で何よりも汚染されたACV系列を憎み人の可能性なんぞないと憎んでいた存在です。
其処ら辺はACVD設定資料集で書かれています。
故にニャルと契約し様々な終末機械を呼び出し人類の可能性を否定する存在であり試練でもあります。
アイザックと言うのは財団になる前に人間の頃に名乗っていた名ですね。
さて次の章はFate/ZEROとのコラボ章になりますね、AUO過労死モード。孔明胃痛モードですね。
皆でワイワイ焼き肉回とかやりたい。
なおニャルに葵さんと雁夜はボコられるけどいまさらだよね!!
因みに桜からも拒絶されるという追撃が二人には行われます。
あとケイネス先生は女心が分かっていないとオルガマリーとマシュに言葉の刃でめった刺しにされる様子。
その後反省してソラウとちゃんと向き合えるようになる予定だから必要経費ってことで。
トッキーはまぁ察してください。EXTRAの件があるからねトッキー。
という訳で、鬱が酷いので次回も遅れます。
ニャル「玩具はっけーん♪」
切嗣「!?」
今回のぐだイベを見てのニャルの感想。
ニャル「河上ぃ、新選組ぃ、松永ぁ、お前ら可愛いなぁ(新しい玩具を見つけた眼光)」
といっても予定詰まっているので新選組は出番なしです。
あっと言っても沖田さんならバビロニアで行けるかも、ノッブとの腐れ縁で。
その場合ノッブと賢王の胃痛が激しくなるけど。