Fate/Grand Order たっちゃんがグランドオーダーに挑むようです   作:這い寄る影

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チャドの霊圧が・・・消えた・・・?

BLEACHより抜粋。


07 不意打ち

「気にしなくて良いよ」

「マッケンジーさん」

「それよりも二人とも生きて帰ってきておくれ・・・」

 

ウェイバーはマッケンジー夫妻に暗示を解いたうえで今までの事を謝罪。

だが二人への暗示は不完全な物だった。

それでも夫妻は新しい孫が出来たように受け入れていたのだ。

だから今までウェイバーの侵入を許していたが、

イスカンダル陣営はカルデア陣営へと移る。

これ以上の滞在は無理だったがゆえに今回のようなことへと踏み切った。

だがマッケンジー夫妻は許した。

本当に孫の様に思っていたからである。

だから二人の生還を願った。まるで戦いに行く兵士を彷彿とさせたが故に。

 

「この御恩忘れません」

 

そう言って頭を下げてウェイバーはマッケンジー家を去った。

短いながらも世話になった夫妻だ。

こんな聖杯戦争に巻き込んではいけないんだとしてだ。

 

「気は済んだかしら」

 

マッケンジー邸の外でレンタルハイエースに背を預けココアシガレットを齧っていたオルガマリーがそう言う。

 

「ああ、全部済んだ。僕はライダーとお前たちに全額ベットする」

 

ウェイバーも決意の籠った表情でそう言う。真の勝利の為に。

 

「ならこれ持っておきなさい」

 

オルガマリーがそれを確認し、

包装された何かを手渡す。

 

「おっと中身は拠点に帰ってから開けてね、今開けて職質されたらたまったものじゃないから」

「中身なんなんだよ」

「LARグリズリー、ウチの正式採用拳銃よ可。装填されている弾丸はサーヴァントも殺傷可」

「ほぅ、カルデアはついにサーヴァント殺しまで出来る品を用意したのか」

 

いきなり渡されたのが拳銃ですと言われ放心するウェイバーを他所にイスカンダルが感心した様子で言う。

ただ引き金を引くだけでサーヴァントすら殺傷でき、攻撃魔術媒介としても優秀な神経弾が装填されていることに驚きを隠せない。

 

「最も当たればの話だけどね。ペルソナ使いでもなければ掠りもしない」

 

最もサーヴァントの機動性に動体視力と肉体の反射神経が追い付かないとまず当たらないので、

本当に緊急時の護身用としてしか意味はないがウェイバーに落ちてもらっては困るのだ。

 

「だったらあのキリツグとかいう奴は大丈夫なのかよ・・・テロリストなんだろう?」

「日本の保安体制ってしっかりしているのよねぇ、そう何丁も狙撃銃持ち込め無いはずだし、WA2000なんて高級品に多目的スコープ使ってる時点でお察し。海外じゃ入手は楽でしょうけれど、日本はそうもいかない。師曰く米軍に伝手があるなら話は別だけれど、この都市は米軍基地からも遠い。再度調達するのには時間もかかるってわけ」

 

ステアーAGUやらならともかくWA2000は希少な銃だ。それに多目的スコープとなれば調達に時間が掛かる。

海外であればWA2000以外はそうでもないのだが、

此処は銃規制が厳しい日本だ。米軍に伝手でもなければそう安々と再入手できるものではない。

日本のお役所仕事を舐めてはいけない訳だ。

 

「兎に角、今は移動しましょう」

 

そう言ってオルガマリーはレンタルハイエースの運転席に座り、ウェイバーやイスカンダルもそれに続く。

目指すは間桐家だった。

 

「そう言えばな、余は今夜、セイバーの拠点に行こうと思っている」

「えぇえええ!? いきなり何をいってやがりますか!! お前は!」

「理由は?」

 

ウェイバーは動揺したがオルガマリーは動揺していなかった。

もう散々ぱら、英霊どもに振り回されたし慣れている。それにイスカンダルは王であるとともに軍を率いた身だ。

策謀家としての面を持つ。無駄なことはしない。

 

「理由は三つ、まず王である我らがもしも聖杯を手に入れた場合何を願うかで格を計る事」

「それでもう二つは?」

「アサシンだ。まさかあのような体たらくで脱落したとは思えん。連中をおびき出す事、何もなければそれでよしとしたい」

「正解、アサシンはまだ脱落していない。あれは分裂した個体の一種よ」

「そっちでは掴んでいたか、だったらある意味丁度いいであろう?」

「まぁね・・・落とすことはこっちとしても望んでないのだけれど」

「だけどアサシンが寝首を掻いて来ると分かった以上、落さないわけにも行かないだろう?」

「そうよねぇ~」

 

オルガマリーはウェイバーとイスカンダルの言葉に納得の声を出す。

アサシンだって聞けば自分の人格を統括したい類の人種だ。そういうのニャルラトホテプの好物である。

何かしらの形で嗾けてくれるか、あるいはカンニング知識通りに、自分たちが集まった所で奇襲を仕掛けてくるかの二択だ。

 

「そう言えば他の奴らはどうしたんだよ」

「今資料整理中よ・・・掘れば掘る程、出るわ出るわ不具合の状況が・・・」

「・・・もしかして僕も、着いたら資料漁り?」

「ケイネスの奴が期待してたわよ。資料整理と情報整理、そして教え方は一級品だから期待しているってさぁ」

「Noooooooooooooo!!」

 

オルガマリーの言いようにウェイバー絶叫した。

いや評価してくれるのはうれしいが、どう考えても提出間際の書類を終わらせられない上司に書類整理地獄に引きずり込まれた感が否めない。

 

「まぁその前に昼飯ね、付近に美味しいラーメン屋さんがあるのよ」

「ラーメン?? なんだそれは??」

 

昼飯にラーメンを食おうと提案するオルガマリー。

頭に?マーク上げるウェイバーとイスカンダル。まだこの時代はグローバルではない。

ネットが発展して以降の時代にようやく海外でもラーメンの概念は広がる。

因みに中国のラーメンと日本のラーメンは別物だ。

それくらい魔改造されている。

因みに料理雑誌を見て食べたくなったオルガマリーは一度から作った経験があり、オルガマリーラーメンなんてものを開発していたりする。

手間と時間と食材が厳しいので作っていないし、一度作ったら部屋の臭いがエライことになったので作っていないだけだ。

故になんだかんだ言って、昔ながらの志那そばラーメンこと醤油ラーメンを食べるのはこの特異点が初めてである。

という訳で今のオルガマリーのトレンドはラーメンだった。

 

「ラーメンって言っても、数多くの味があるのよ。この時代だと醤油、味噌、塩って感じかしら。無論出汁に拘るとなるともっと細分化するけど、鶏がら 豚骨、牛骨、挙句の果てには魚系で出汁を取って味も店ごとに違うのよ」

「おおそりゃ、是非に征服してみたいのう」

「それまで僕の財布が持たないよ!!」

 

そんな会話をしつつ件のラーメン屋に到着。

駐車場に奇麗にレンタルハイエースを駐車してオルガマリー、ウェイバー、イスカンダルがハイエースから降りる。

因みにラーメンの代金は無論の事オルガマリー持ちだった。

そして三人が暖簾を潜って店へと入る。

 

「店主、塩ラーメンとビールお代わりだ」

「あいよ、塩ラーメンとビール、カウンター三番席さん追加でー」

「「「あいよ」」」

 

店長と店員さん達の勢いのいい掛け声が響き、

オルガマリーとウェイバーとイスカンダルはソレを認識する。

何故かアーチャーこと、ギルガメッシュが塩ラーメンとビールを自棄食い&自棄飲みしていた。

 

「アーチャー何をしておるのだ?」

「見てわからぬか? 魔力補充よ。時臣め、前の戦いで振り絞れる魔力がないとかほざきおってな。自分で調達している訳だ」

 

前の戦いとはカルデアとの交戦の件だろう。

アレは両者共に振り絞った。最もギルガメッシュ的には手加減はしたが慢心はしていない状況なので、

あの程度の状況で魔力切れに陥る時臣が貧弱と言っても過言ではない。

いや時臣は一流なのだが一級品を投射したことによってさすがの時臣も疲弊したのだ。

故に出せる自衛を除外した出せる魔力がないため、こうやってギルガメッシュは王律権ダムキナを併用しつつ食べ物を食べて自力で魔力補給しているのである。

そうしてギルガメッシュのすぐ隣に三人は居たたまれない気持ちで座りつつ各々に注文する。

 

「まぁ醤油ね」

「じゃぁ僕はあっさりな塩で」

「余は醤油の大盛のチャーシュー麺で、後ビールもだ!!」

 

という訳で各々の注文も決まり後は待つだけだった。

ビールはギルガメッシュが頼んだのと同時に出てきたため。

ギルガメッシュとイスカンダルはビールを飲んでいた。

 

「ところで金ぴか、余は今夜セイバー陣営の拠点へと行く」

「この我に貴様らと組んで、セイバーを袋叩きにでもしろと?」

「いいや、カルデアから聞いたがセイバーは名だたる騎士王とか、それで語らいで王の格を決めるというのは?」

「はっ下らんな、だがその挑発に乗ってやらんこともない。ただし条件がある」

「ほう、その条件とは?」

「カルデアも同席させろ。特に罪人こと周防達哉は連れて来い」

「気になったが・・・嫌にあの周防達哉とかいう坊主に肩入れするな貴様」

「世界初の称号を我を退けて取った男が気になるというだけの事よ」

「・・・それほどの男か?」

「同時に罪を成したソレを清算し、あの男は此処に来た。今宵の王談議の見届け役としては十分だ」

 

達哉はそれだけ犯した罪と成した偉業、そして受けた罰を受け入れ清算した功罪がデカすぎる。

ギルガメッシュも其処は認めているところだった。

故に第三者として見届け人には実に相応しい人間であるとも思っている。

もっともやらかしたことがやらかしたことなので偉業は認めるが罪人呼ばわりを撤回する気は毛頭なかった。

それが裁定者としての在り方故にだ。

 

「それとカルデア、周囲にも耳を張って置け、怪異が噂によって具現化しまくっているぞ」

 

そして話題切替の為にギルガメッシュが言った言葉にオルガマリーは水を吹きかけた。

 

「・・・マジ?」

「ああ、そして具現化した怪異の全ては聖杯に還元されている。怪異から悪魔にでもランクアップして見ろ、一瞬で杯は満たされ、大地の怒りの化身が裏世界から出て来るぞ。そうなったら我も自爆覚悟で原初の地獄を顕現させざるを得ん。最小でこの町が、最悪関西全域が吹き飛びかねん」

「解決方法は?」

「もう犠牲覚悟で聖杯をふっ飛ばすか浄化するしかない」

 

ギルガメッシュがビールを飲みつつそう言う。

それでさえ最悪の手段なのに、状況は克明に酷い方向へと傾いていく。

具現化した怪異をベースに魔界の悪魔の分霊が現出し地脈という大聖杯に還元されれば、

サーヴァント以上に容量を圧迫しかねなかった。

ああ、ニャルラトホテプの嘲笑が聞こえるようだとオルガマリーは思った。

だがまだ余裕はある。明日にでも聖杯を破壊すればまだ間に合う。

 

「まぁ情報ありがとう」

「雑種に啓示を与えるのも裁定者の務めよ。気にするでない、己が思う道を行くが良い」

 

そう言うやり取りをして出てきたラーメンを四人は啜った。

そんなやり取りをしている中、一方の間桐邸では。

 

「桜強すぎません?」

「ああ強すぎる・・・」

「いやお兄ちゃんお姉ちゃんが下手すぎるだけですよ」

 

ピコピコと順番を変わりながらストリート〇ァイターⅡをやっていた。

兎にも角にもめがっさ桜が強かった。

なぜ桜が強いのかと言うと、ぶっちゃけ暇だったからである。

達哉、マシュ連敗だった。

達哉はバイク弄りで忙しく、金もそっち方面につぎ込んでいたしSFC世代なのにSFC知らないのである。

ついでにゲーセンに行ったのはルシファーを作る為に景品狙いで行ったのが初だった。

マシュはマシュでゲーム機の世代が違う。古くてペペロンチーノから使わないとして渡されたPS3である。

SFCなんてマシュにとっては骨董品だしそのコントローラーにも一向に慣れなかった。

つまり桜最強なのである。

 

「達哉お兄ちゃん、マシュお姉ちゃん弱い・・・」

「返す言葉もありません」

「マシュに同意・・・」

「ならくにおくんやろ」

「ああ、これなら何とか」

 

桜の提案でくにおくんシリーズすることにしたのだ。

その時である。

 

「やぁやぁ楽しんでるかい?」

 

蝿声と共に神野が桜の背後に現出したのは。

 

「ニャルラトホテプ、貴様何しに来た!!」

 

咄嗟に桜の襟首を掴んで後退。

達哉はアポロをスタンバイかつ地下の工房で資料漁りに精を出している人たちに緊急連絡。

マシュはウリエルを展開しいつでも行けるように戦闘態勢だ。

 

「あの本体気取りと同じような扱いは困るな~。けど弄るところないよね君、せいぜい舞耶ねぇの事を引きずってるくらい?」

「彼女の事も清算した、兄さんがいる」

「またまた~、本当は自分の手で幸せにしたいくせに」

「あのな・・・いい加減天丼展開も俺は飽き飽きしているんだよ。この未練は断ち切る。今は守るべきものを守るだけだ」

「はぁこれだから覚悟ガンギマリってのはさぁ~。マシュちゃんも寿命の観点で突こうにもさぁ、覚悟決まっているし」

「えっ」

「おやぁおやぁ桜ちゃん、聞いてないのかい? そこのお姉さんは寿命一年もないんだよぉ。おじさんと一緒!!」

 

桜の反応に神野は得物を定める。

これは影の手口である他者をも巻き込むことによって試練と強制的に相対させる手口。

自身と他人がそれに向き合えるかと言うえげつないトラップ。

故に他人すらも悪意の渦に引きずり込んでいく。

 

「あの間男と一緒にしないでください。桜ちゃんに迷惑はかけるつもりは在りません」

「うんそりゃ掛からないねぇ。だってこの騒動終わったらカルデア以外は君たちの事忘れるんだからさぁ」

「えっえっ」

 

桜は錯乱した。当たり前だまさかの命の恩人の事を忘れるなんて聞かされていない。

だがそれが特異点の特性だ。修復完了の後、

得た結果は一緒でもカルデアの事は皆が忘れる。

 

「だが安心して欲しい!! 桜ぁ、君の掴み取った結末は変わらない。カルデア助けたという結果からケイネス陣営に助けられたという結末は得られるんだ。どのみち君の幸せは決定している!!」

 

そう特異点解決時には失った人員は外部補填、偉業は他者によってなしたことにされ、

忘れられないのはペルソナ使いと退去したサーヴァントのみに限られるのだ。

 

「忘れたくないよねぇ!! 酷いよねぇ!! 彼らもワザと黙っていたんだからさぁ!!」

「・・・それは本当の事なんですか?」

 

神野の言葉に愕然とした様子で桜が達哉を見上げ問う。

 

「ああ、それは本当だ」

「・・・」

 

達哉は敢えてそれを肯定する。

なにせ嘘偽りのない真実だったし、

第一に考えてみれば桜の幸せに自分達カルデアと言う存在は重しになるからだ。

 

「私、忘れたくないです・・・」

「忘れろ・・・一番哀れな人は人を縛り付ける存在なんだ。君は君自身の幸せを追求して良いんだ」

「・・・」

 

そう此処は忘れていいのだ。

寧ろ忘れた方が幸せになると達哉は説く。

それを見た神野は得物を見つけたライオンの様に口を引きつらせて、

 

「いいよぉ!! その絶望した顔!! これで桜は人生が許す限りでの時間戦いに赴く事になった!!」

「なにを!!」

「まぁ仕組み的には忘れるけどさぁ、一つの特例になってしまえば忘れられない」

 

神野は桜の適性を見た上で嘲笑う。

 

「即ちペルソナ使いになってしまえばねぇ!! 無論僕からは何もしないとも!! そこだけは安心していいよぉ!! でもね今時ペルソナ使いってのは適性さえあれば自力で覚醒できるんだよ!! イゴールからは伝えられていた筈だけど、聞き逃した?」

「桜はこれ以上戦場に連れて行かない!!」

「いいや連れて行くしかないのさぁ! 君たちが少なくともこの特異点を攻略するに限ってはねぇ。じゃ、程度も見せてもらったし、君らの攻撃は僕に効く、まだ死ぬわけにもいかないだもんでねぇ。撤退させてもらうとしよう!! クフフフフフ・・・アーハハハハハハハ!!」

 

そう言って神野は去る。

最悪の予言だった。ペルソナ使いになる=ニャルラトホテプ絡みに巻き込まれる&皆が忘れる中で一人だけ忘れられないという最悪の事態だ。

幸せ掴むどころではない忘れられない記憶を抱いて影に一生挑み続けなければならなくなる。

ペルソナ能力とはそんな対価を支払わされる忌力なのだ。

 

「くっそ」

「先輩落ち着いてください。まだ賽の目は出てません」

「そうだな、マシュ、そうだな・・・桜?」

「私・・・忘れます」

「・・・」

「だって達哉お兄ちゃんいつもつらそうなんです。忘れられなくてずっと引っ張ってる、それじゃ幸せになれません。そして達哉お兄ちゃんもマシュお姉ちゃんもオルガマリーお姉ちゃんにも忘れてください。達哉お兄ちゃんの言った通り人を縛り付ける女にはなりたくありませんから」

「わかった」

「わかりました」

 

桜の決意表明を聞いて達哉とマシュが二人で桜を抱きしめながら頷く。

桜は感じ取っていた。子供故の感性より達哉が忘れられず今でも苦しんでいることに。

だからせめて、桜は自分は人を縛るような女にはなりたくなかったのだった。

そして、

 

「と言う訳でアサシン引きずり出して、聖杯に叩き返して、明日に全て終わらせるわ」

 

オルガマリーのそう言った宣誓に、

 

「早すぎではないかね・・・」

 

とケイネスが苦言を呈する。

掘れば掘る程出て来る不具合の数々に神野のからの情報、特異点修復が成ったらを聞かされて彼も疲弊気味だ。

更にギルガメッシュがら伝えられた情報にとパンク状態だった。

世界の裏側からの大災害が現出しかねないという話である。

 

「だから今夜が最後、アサシンを排除して十全に明日聖杯を破壊するか少なくとも機能不全にするわ」

 

そう、戯れは今夜まで。明日に成ったら大聖杯を落とすか機能不全にすると告げる。

これでカルデアの最終目標は達成することになるからだ。

 

「と言う訳で今から全員でアイツベルン城にお出かけです!!」

 

オルガマリーがヤケクソ気味にそう言う。

 

「アーチャーの御機嫌取りかね?」

「アレと真っ向勝負は分が悪いもの・・・機嫌取っておけば傍観ぐらいで許してくれるかもしれないし」

 

ぶっちゃけ本当にギルガメッシュは洒落になっていない。

リバース・イドや下手なペルソナを降ろせば天の鎖かエアに最上級宝具が飛んでくる上に、

達哉、マシュ、オルガマリーの固有スキルも封殺してくる。

マジで加減とか良いから慢心していてほしい。

だがカルデアがなした偉業ゆえに加減はしてくれるが慢心は決してしない。

故にここで機嫌を取っておいて傍観者に徹してもらうというのも有りだった。

アサシンは絶対殺すが。

 

「と言う訳でハイエース発進準備完了だから、全員乗って」

「余は戦車があるから「戦車で出るなんて言ったら秘蔵の酒アンタだけには飲ませないわよ」すまん!!」

 

かの英雄王をお出迎えするのだ。

さしものオルガマリーも秘蔵のワインをセラーから出さざるを得ない。

現代では製造元が潰れて手に入れるにはオークションで手に入れるしかない一品の数々を出すと言っているのである。

昨晩、イスカンダルが飲んだゆーじーのワインも美味だったそれ以上を出され余計な事したら飲ませないと言われたら彼も率直に従う他なかったのだった。

今夜もぎゅうぎゅうづめで白いハイエースが行くのだった。

無論、アインツベルンには何も告げないで。だってそうだろう?

テロリスト相手に律儀に今から酒宴開きに行きますwwwwwとか言ったら罠張られるに決まっているからだった。

これも隠密の一つである。

 

 

「それで私達には何も告げずに来たと・・・」

 

アイリスフィールの冷たい目線が一堂に突き刺さる。

 

「衛宮切嗣とかいうテロリスト相手に馬鹿正直に伝えるほうが馬鹿ではなくて?」

「馬鹿!?」

「馬鹿でしょう? 魔術師を排除する為なら手段を選ばない奴にそれ以上の言葉はないでしょう? 影のヒーローやっているつもりでもあるなら余計に馬鹿よ」

 

そう言ってオルガマリーは嘲笑する。

 

「罠の類はエントランスのクレイモアのみ」

「ほらね?」

 

既に織を召喚し先行調査済みだ。

無論クレイモアもワーイの指示を受けつつ織が解除している。

 

「っっ」

「と言う訳で中庭借りるわよ」

「理由は、ライダーが王の格付けしたいんですって。極上の酒も用意したからセイバーにも是非にってよ」

 

罠を仕掛けられていたことにすら意に返さずオルガマリーはそう言った。

切嗣は唇を噛んでカメラ越しに見守るしかなかった。

という訳で全員がアインツベルン城の中庭に移動。

先ず駆けつけ一杯とばかりにサルルブ・シャルトルーズのコルクをコルク貫で引っ張って開ける。

周囲に芳醇な香りが広がった。

 

「おほぉう!! こりゃ美味い!!」

「なんと言う美味!!」

 

その味にセイバーもイスカンダルも驚愕する。

製造法が断絶し今では幻とまで言われるワインの当たり年だ。

彼らが過去飲んでいた物とは違い技術のみで神域にまで至る至高のワインである。

 

「我を差し置いてもうおっぱじめて居たか雑種共」

「おお来たか!! 金ぴか!! 今始めようと思っていたところだ!!」

 

ギルガメッシュは昼の様なラフな姿ではなく何時も通りの金色の鎧に身を包んでいた。

 

「それでなぜ我々の所に来たのですか?」

「雑種ゥ貴様ァ我の蔵から酒を盗んだのかぁ!!」

「クソ親父の遺品よぉ!!」

 

セイバーがなぜここにと問うた瞬間。

ワインを飲んだギルガメッシュがなぜか怒る、まぁそれだけ至高の品であるのだ。

ギルガメッシュの激昂にも怯えずオルガマリーは言い返す。

 

「それで来た理由ですが・・・」

「聖杯とは相応しい物に召喚の切符を与え、我らもそれに応じる。王が三人も集まったのだ。ここでもしも誰が聖杯を手にするか相応しいか格付けしようという話をしたかったのだ」

「・・・たしかにもしもの話ですね」

 

セイバーも間桐の資料は読んでいる。

自分たちは所詮生贄である事、そして聖杯自体が汚染され猿の手爆弾になっているという事は十分に理解している。

 

「だからこうやって集まってもらったわけだ。カルデア&ランサー陣営は見届け役よ」

「そう言う事でしたか。確かに討論には第三者目線が欠かせません」

 

そうセイバーの言う通り議論討論の類に置いてフラットな目線と言うのは大事だ。

故にギルガメッシュは念のためカルデアとランサー陣営を呼んだのだ。

 

「まずは金ぴか貴様の願いはなんだ?」

「古今東西遍く財は我から派生したものに過ぎん。無限の財を持つがしかし我の死後で発生した物もある。この酒のようにな」

 

サルルブ・シャルトルーズはギルガメッシュの死後に発生し断絶した幻のワイン故にギルガメッシュ的には人間が神域に至った証として愛でる価値がある。

それはさて置いて置いて聖杯もある種、その一つだ。某神の子の血を入れたがゆえに願望機となった杯。

ギルガメッシュ的には興味をそそられ、召喚に応じたが。

 

「故に回収と漫遊がてらに足を延ばしたが期待外れも良いところだ。聖者の杯の贋作とは笑わせる。その実態は地脈を利用した大術式なのだからな。アレは我の蔵に入れるものではない。むしろあのような駄作は壊すべきだろう」

 

もうギルガメッシュは聖杯について興味を完全に失っていた。

それどころか壊すべきだと皮肉気に応じる。

普通なら間引きの道具として使うという手もあるが、

ニャルラトホテプが居る時点で間引き所ではない損害が出るのは明らかである為、

今回は破壊にシフトしていた。

 

「そう言う貴様はどうなのだ。使えるとすれば何に使う征服王」

「うむ、余か? 至極単純だ。受肉し新しく生まれ、転生したこの時代に一個の命として根を下ろしたいのだ。裸一貫で我を張って天と地に向かい合い覇道を再び謳う!! それが征服と言う行いの全て!!」

 

ギルガメッシュの問いに気恥ずかしそうにイスカンダルは言う。

何が飛びだしてくるのかと思えば極些細な願いだった。

受肉し裸一貫で再び第二の生を謳歌する。

ぶっちゃけ過去変えたいだの未来がどうのこうのより遥かに健全な願いだ。

 

「そうして全てを推し進めてこその我が覇道なのだ。カルデアよ、余の夢をどう思う?」

「良いんじゃないか? 要するに受肉して裸一貫で政治家になり大統領になって世界を統一したいってことだろう? 不可能な点に目を詰めれば、今成し遂げたい事を穏便に進めたいってわけだから」

「不可能とは?」

「受肉の下りじゃなくて覇道の下りの事だ。今や人の意思、思想は濁乱している。一つにまとめるなんて不可能だ」

「それでも良し!!よりやる気が出たわい!!」

 

達哉はそう評する。特異点化の恐れも無い、第一現代でイスカンダルが頑張っても全盛期アメリカくらいが関の山だろう。

この世は太古みたいに武力制圧だけでは制圧できぬ時代へと変貌したのだから。

冷戦が終わり非対称戦闘やテロが行われ人の意思は濁乱しているのだから。

だがそれが逆にイスカンダルの野心に火をつけた。

 

「と言っても聖杯仕えないんだよなぁ」

「・・・言うな坊主」

 

ウェイバーの言葉にシュンとなるイスカンダル。

そもそも聖杯が猿の手爆弾な訳で、浄化している暇もないので此度の遠征は無駄足に終わった。

これには草葉の陰でニャルラトホテプも爆笑しているだろう。

因みにギルガメッシュの願いもカルデア的には許容範囲だ。

だって彼、漫遊がてらに聖杯回収しに来ただけなんだもの。

主要時間軸なら先にも述べた通り間引き装置にでも使っていただろうが、

それどころじゃない爆弾装置になっているのでとりあえずは傍観か破壊だろう今の彼の目的は。

 

「征服王・・・それは王の在り方ではない」

 

此処に至ってセイバーはイスカンダルの在り様を否定した。

 

「ほう?では懐の内見せてもらおうではないか」

 

英雄王と征服王が見守る中で騎士王は数巡の後、口を開いた。

 

「私は我が故郷の救済を願う」

 

そう過去改変してでもブリテンの救済を願うと。

 

「それは無理だ」

 

ギルガメッシュと征服王が反応を示すまでに達哉が速攻で口を挟む。

何故ならそれをやって間違ったのが達哉なのだ。

 

「何が無理なのだ。忘れられなかった愚か者!! 影から貴様のしでかしたことは聞いているぞ!!」

 

カムランの丘に現れた嘗て姉だった女を吸収し嘲笑しに来た影から達哉の事は聞いている。

 

「今更、聞いていながら問うか? 雑種」

 

酒を飲みつつ冷たい目線を放ちつつまさかのギルガメッシュがフォローに入ってくれた。

 

「恐らく貴様の、救済とはやり直しの事だろう。それなら徒労よな、ここに来た時点で貴様は詰んでいる」

「なにを・・・」

「シュレディンガーの猫の理論だ。箱の中の猫が死んでいるかどうか開けて見んと分からぬ思考実験があってな、開けてしまえば結果は確定する。今貴様は未来というここに来て箱を開けてしまったのだ。そうなった以上結末は代えられん」

 

そうセイバーは未来に来てしまったことによってシュレディンガーの箱を開けてしまった状態なのだ。

結末は抑止力と修正力によって強制され、

例え選定の場に戻ったとしても変えられないとギルガメッシュは実に退屈そうに述べる。

イスカンダルは頭を掻きながら言いたいこと言われてしまったなぁと呟いた。

 

「なら選定をやり直す、それなら私よりも優れた人物が・・・」

「それをどうやって証明するんだ・・・自分は忘れているのに」

「ッッ」

 

正しく天啓として降ってきた思考も達哉に否定される。

そうだとも。忘れているのにいい結末になったと誰が観測するのか。

第一に、

 

「その思考はもっと愚考だ。暗君にも劣るわい。自分だけ責任を逃れ、他者へと押し付ける事と何が違う?」

 

まるで失敗した政治家が辞任と言う形で全てチャラになった気で天下りするのと変わらんではないかとため息を吐きつつイスカンダルはそう言う。

と言うかこの時点でカルデアの核地雷をセイバーが踏んでしまったことにセイバー自身が気づいていなかった。

 

「なぜそう否定し冷たい目で見る!! 王たるもの故郷の繁栄を願って何が悪い!!」

「悪いですよ」

 

セイバーの言いようにマシュがコキュートスのルシファーの様な冷えた声で言う。

 

「それをやった瞬間、今が消し飛びます。最低でも英国は消し飛びますし最悪世界も消し飛びかねません。そして何よりあなたを信じてきた人たちに対する冒涜です!!」

 

過去の改ざんとは今を消し飛ばし新世界を創るという愚考である。

達哉はそれをやってしまったのだ。

それは間違いなく罪である。現に詩織の件がある。彼女の弟は達哉達の忘却の結果犠牲になったのだから。

故に今の世界の住人からすればたまった物ではないし、もう終わってしまった物なのだ。

 

「だったら彼の様に・・・!!」

「アンタ本気で言っている?」

 

終わってしまったのだったら達哉の様に世界線を分岐させればいいと言い放とうとして、

オルガマリーが銃とペルソナを抜きかける。

彼がどんな思いして、たった一人、終わってしまった世界を彷徨っていたのかを知っているからだ。

 

「過去を変えようとするなら特異点案件、何が何でもウチで潰すか抑止力が潰しに来る。分岐させても無意味よ。カムランの戦いは覆らない。世界線を分岐させたとしても剪定事象となって剪定されるだけ」

「それは・・・」

 

もう完全にセイバーは理論詰めで追い込まれていた。

何をどうしようが結末は変わらない。未来に来てしまった時点で詰んでいる。

何よりもこの宇宙はアマラ宇宙の様に寛容ではない。世界線を分岐させたとしても上手く生き過ぎたという時点で剪定事象だ。

仮にも最初期の願いが叶っても特異点案件である。カルデアが潰しに掛かるか抑止力が潰しに掛かるかの違いでしかない。

 

「だから止めてくれ、俺の様になっちゃいけないんだ。だから頼む止めてくれ」

 

達哉が懇願するように言う。

当たり前だ自分のような存在は自分ひとりで十分なのだから。

そんな愚かな選択をしないでくれと懇願する。

 

「我も征服王もやらかさなかったと言えばウソになろう。だがな後に託すという義務だけは放棄しなかった。その一点で貴様は王足り得ぬ」

 

ギルガメッシュの視線は相も変わらず冷たい。

 

「セイバー、一つ言っておこう。貴様のしようとしているのは、あの罪人と同じことだ。いいや、ある一点においては貴様の方が愚物極まる。影からは逃れられぬと自覚できぬのなら、我自らの手で殺してやる」

 

そう言って酒を飲み干す。

セイバーはもう何も言えずにプルプルと震えるだけだ。

何をやっても無駄。結末は決定し、出た賽の目は変わらないのだから。

それが自然の摂理と言う無情さだった。

その時である。

 

「時臣めトチ狂ったか」

「まさかこう仕掛けてくるとはな、用兵家としてどうなのだ、アーチャーのマスターは」

「三流よ」

 

アサシン全員が出現した。

令呪を持っての奇襲攻撃である。

と言っても真正面から堂々と攻撃指示している時点でアサシンの優位性を壊しているのだが。

 

「ならば余が、ここで王たる姿を見せねばなるまいて」

 

そう言ってイスカンダルは衣類をチェンジ、宝具を起動させる。

 

「王とは孤高なる否や?」

「王ならば、孤高であるしかないっ!」

「だめだな、全くもって分かっておらん。そんな貴様には今、余がここで真の王の姿を見せ付けてやらねばなるまいて」

 

暴風が吹き上げる。世界が浸食される。

即ち固有結界の起動。

広がる晴天と砂漠。

そしてやってくるのは無数の軍勢。

アサシンは察する。自分達は捨て駒にされたのだと。

其処からは語るまでもない量も質でも圧倒されアサシンは王の軍勢の前に敗れ去ったのである。

 

「ふむ、最後は興ざめ・・・っておい桜大丈夫か?」

「ライダーのおじちゃん・・・右手が痛いよぉう」

 

アサシン勢を始末し固有結界を解除した瞬間だった。

桜が右手を抱えて蹲る。

それを診るカルデア陣営とウェイバー。

そして彼女の右手の甲には、

 

「そんな嘘だろ令呪なんて」

「アサシンのマスターでもくたばったのか」

 

ウェイバーが驚愕しケイネスが冷静に分析する。

そしてギルガメッシュが驚愕に目を見開き。

 

「時臣からの魔力が・・・消えた?」

 

ギルガメッシュも驚愕に目を見開きながら言った。

つまるところマスターを失ったのはギルガメッシュだったのである。

 

 

 

所を移して遠坂邸。

カルデア陣営がセイバーの思想をフルボッコしている頃。

葵は夫の時臣の部屋を無表情で掃除していた。

桜がアーチボルト家に引き取られることが決定した日から葵の心には桜の言葉の刃が刺さり、

膿んでジクジクと傷み切っていた。

夫婦間のすれ違いも多くなったような気がする。

そんなんでそれを忘れるかのように無心で時臣の部屋を掃除していた。

 

「彼の愛が気になるぅ?」

 

そしてそれを神野が逃すはずがない。

彼にとっては遠坂の城塞染みた結界も無いも当然。

侵入もホレこの通りという訳である。

 

「アナタは」

「安心してくれ、僕は今日君の手伝いをしに来ただけさ」

「それが信じられるとでも」

「信じるとも、ほら箒と塵取りも持って来たしねぇ」

 

そういって神野は箒と塵取りをどこからともなく取り出す。

 

「そう言えば夫婦仲冷めきってるんだってねぇ、凜ちゃんも悲しむよぉそれじゃ」

「本当にアナタは何もできないのね」

「まぁね♪悪魔だけどサーヴァント規格に収められて賑やかしくらいしかできないもんで、でこれ如何する?」

「アナタ勝手に、夫の開けてはいけない戸棚を・・・ってこれって」

 

神野は勝手に動き回り掃除や資料整理をしていく。無駄に手際が良かった。

だが開けてはならぬと葵が時臣に言い聞かされていた戸棚をどうやってか解除して勝手に開けてしまう。

それを注意することしかできない葵は戸棚の中を見てしまった。

其処には金髪の美女と親しそうに腕を組んでいる写真やキスをしている写真まで在るではないか。

 

「あーあ、やってることやってましたねオタクの夫。まぁ男だからしゃーなしでしょ」

「嘘よ」

「嘘なもんか♪ だってオタクの夫、ハーレム思考だぜ♪ というか貴族としては予備用意しておくのごく普通な事でしょ♪ 君も桜ちゃんていう予備用意してたんだからさ!実に似た者夫婦じゃないか♪」

 

いやぁ似てる似てるお似合いの夫婦だよと神野は祝福する。

一方の葵は精神的に限界が来ていたというか決壊した。

元から体もメンタルも強くなくその精神性は時臣に依存している。

桜に事実を突きつけられ夫婦間のすれ違いが起き、絶対視している時臣がまさか浮気だなんてとなれば、

決壊するのも当然の事だ。

しかも似た者夫婦と煽られれば余計に拗らせる。

そして愛と憎悪は対局である故に愛が反転すれば憎悪へと変貌する。

信仰はアイツが悪いのだという感情に反転した。

散々暴れ散らかしたのち葵がふらりと歩み出す。

 

「どうする気だい?」

「許せない、許せない、許せない、許せない、許せない、許せない」

「うーん、その憎悪実に正しいよ!! だって最初から裏切ってたんだもんね時臣の奴。ちゅーわけでこれ!!」

 

神野は嘲笑いながらごく普通の包丁を葵の手に握らせる。

 

「あと時臣、普通に刺したら死なないから滅多刺しにしてやると良いよ。いっけー裏切られた妻の憎悪をみせてやれ♪」

「ありがとう・・・」

 

葵が包丁もってフラフラと出て行くのを見て神野は、

 

「チョッロッッ、まぁお菓子くらいにはなるかなぁ」

 

そう言って掻き消えた。

 

そして件の時臣であるが、

 

「アサシンが敗れたか」

『はい』

「だがライダーの宝具は分かった。最早我が王の敵ではない」

 

使い魔同士で通信しつつ戦果報告を上げる璃正。

そしてそれを聞いて満足する時臣。

彼が選んだ戦術は速攻戦だった。兎に角英雄王を煽て時計塔や聖堂教会に宮内庁が来る前に各陣営を倒す。

幸いにもカルデア同盟は間桐家に居座っているのだ。

其処をエアで吹き飛ばして貰えば一気に脱落者が見込める。セイバー陣営も王の財宝でどうにかできるだろう。

英雄王曰く自ら処断すると言ったのだ。そこら辺を煽ってやればいいとして。

そして通信が切れる。

するとそこに葵が入って来た。

俯いていて表情は見えない。

 

「ああ、葵か、丁度よかった紅茶を・・・」

 

紅茶を淹れてくれと頼もうとした瞬間、葵が時臣の胸に飛び込んで来てそのまま彼を押し倒す。

 

「おいおい葵まだ・・・え?」

 

まだおっぱじめる時間じゃないだろうにと言おうとして、

気づいた。腹に包丁が突き刺さっている事に。

そして葵はそのまま時臣のマウントポジションを取りつつ突き刺した包丁を引き抜き再度振り上げる。

 

「葵・・・?」

「裏切ったな・・・よくも・・・こんなに愛していたのに裏切ったなぁ!!」

 

女の怨念の籠った絶叫が屋敷中に響き渡る。

葵は何度も何度も時臣に包丁を突き立てる。魔術刻印持ちと魔術回路持ちはそう安々と死ねぬが故に。

そして気づいたらあたり一帯は血のプール。

 

「信じてたのに!! 尽くしたのに。アナタワァァァアアアアアアアア!!」

 

そして気づけば時臣は息絶えていた。

 

「よかったね♪真実の愛の証明だよ」

「アナタは・・・なにを」

 

また神野が具現化し葵を祝福する。

そう今この瞬間に愛の証明はなったのだ。

 

「よぉぉぉぉく考えて見なよ。心臓一突きならともかくも腹に包丁一刺しで魔術師が戦闘不能になるわけないじゃないか。それで抵抗されてたら君消し炭だよ。ただの道具としてしか見ていなかったのなら今頃君はこの世にはいない」

「あっあ・・・」

「故にぃ時臣は相手が君だと知って最後まで説得しようとしていたわけだ。これって君を妻として見ていたから魔術行使しなかったんじゃない?」

 

そう普通に道具として見なしているなら魔術で消し飛ばすことくらい可能だったはずだ。

時臣にはそれくらいの腕がある。だがそれをしなかったのは妻として愛していたからじゃないと神野は指摘。

それに気づいた葵は血で濡れた両手で顔を覆い尽くし、

 

「あああああああああああああああ!!」

 

その場から逃げるように走り去った。

もう何も考えたくはなかった自分の手で家族を壊したなんて考えたくも無かった。

そのまま家を飛び出て、車道に飛び出してしまい。

肉と骨が潰れる音と共に葵の意識は途絶えたのだった。

 

 

 

 

「警察から確認取れたわ」

「それでどういう状況だ? 雑種?」

「葵が時臣を滅多刺しにしたことは確定、凶器に付着していた指紋と彼女の指紋が一致。動機は痴情の縺れみたいね。書斎から浮気の写真が出てきたらしいわ」

「だからあれほど女性関係は清算しておけと・・・」

 

聖杯問答が終わった後、なんか嫌な予感がするから貴様らの拠点に連れていけと言われギルガメッシュも連れて帰った後。

オルガマリーが電話で警察に連絡とってとアーチャー陣営の状況を確認。

そしたら痴情の縺れで時臣死亡、葵はトラックに跳ねられて意識不明の重体との事だった。

危うかった。下手にギルガメッシュが戻っていたら彼が指名手配されかねなかった。

間桐家に来て正解と言えよう。

 

「それでいいのね? 桜?」

「うん、私も戦う」

 

ギルガメッシュの維持の為にカルデアのラインを回そうとしたが彼が断わった。

理由は不明本人曰く貴様等と契約したらそれこそ過労死寸前で働かせられそうだからとの事。

そこで脱落した時臣の代わりに令呪が配布された桜が契約することにした。

最もカルデアもケイネスもギルガメッシュも彼女の意思を尊重することにしたのだが。

桜は自分も戦うと言ってきかなかった。

 

「じゃ教えた通りに呪文を」

「うんわかった。告げる! 汝の身は我の下に、我が命運は汝の剣に! 聖杯のよるべに従い、この意、この理に従うのなら我に従え! ならばこの命運、汝が剣に預けよう」

「うむ、良いだろうその心意気に答え我を王として一時的な臣になることを特に許す」

 

こうしてギルガメッシュが陣営に加わった。

 

「英雄王よ、先の聖杯問答は興ざめだった飲みなおさんか?」

「そうだな、カルデアが秘蔵の酒を出したのだ。どれ我も一つ王の酒と言う物を出してやろう」

「おおそりゃいい」

「アーチャーさん私もお酒飲みたい!!」

「ええい!! 未成年はダメに決まっているだろ戯け!! 貴様には至高の葡萄ジュースを出してやるからそれで我慢せい!」

 

そんなこんなで夜は更けていく。

明日は決戦だ。今日は屋敷内なら皆がフリーだ。

そして次の朝、ニュースで時臣が殺された件と監督役の言峰璃正が何者かに殺された事が報道される。

時間がないと思った陣営は朝飯を掻っ込んで大空洞へと向かうのだった。

 




答えを出しても出してもボコられるセイバーの巻きでした。
因みにもし聖杯が順当に動くならライン越えでアインツベルン城事セイバーカルデア勢に消し飛ばされているところでしたね。
あとAUOですが時臣が初戦で魔力切れ起こしたせいで魔力自分で調達してますし。
なんだかんだ言って一級品の店に入ってます。
更に裏で悪魔化する前の怪異討伐もやっているので地味に過労気味。

そしてトッキーですが遂に精神的に限界に来ていた葵さんに浮気ばれて刺される。

葵さん「アゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾォ!!」
徐々の奇妙な冒険第五部の処刑用BGMが流れながら。
トッキー「ちょま、話しを・・・」
葵さん「アゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾォ!!」
葵さん「AZOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!」
葵さん「アゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾアゾォ!!」
トッキー「ヤダヴァァァアアアアアアアア!!?」
葵さん「アナタの死亡原因はたった一つ。シンプルな答えです、アナタは私を怒らせた・・・アハハハハハ!!(発狂して外に飛び出る)」
トラック運転手「あぶなぁい!!」
葵さん「え?」

という訳でトッキー魔術刻印があろうがなかろうが滅多刺しにされて死亡。
葵さん無事トラックに跳ねられ原作よりもひどい結末に。
凛とトラックの運ちゃん可哀そう。
更に結果として令呪再分配、桜ちゃんAUOのマスターになる。
尚ニャル

ニャル「m9(^Д^)プギャハハハハハハハハハハハハハハ!!」

AUOの忠告無視して滅多刺しにされて死んだトッキーと都合の良い物しか見てなくて自爆した葵さんをみて笑い転げていた模様。

コトミー「wwwwwwwwwwwwwwwwww(ワイン飲みながら)」

なおニャル経由で自分のパパ殺して時臣の結末見て大空洞で待機しているコトミーも愉悦していた模様。
次回大空洞大決戦。
ニャルとコトミーが最悪の結果を引き起こすの巻きでお送りします。



今回もおビール様パゥワーで早く書けましたが次回は遅れます。
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