Fate/Grand Order たっちゃんがグランドオーダーに挑むようです   作:這い寄る影

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時の経つのが速いと思うのは、 人生というものがわかってきたからだ。

ジョージ・ギッシング


08 そして別れの果てに

「セイバーは此処で見張っていろ」

「・・・了解しました」

 

切嗣はセイバーにそう命じ大空洞の奥へとある大聖杯を舞弥と共に調べるために潜った。

アイリは新都のセーフハウスに避難させておいた。

戦況はかなり不利だ。既に時計塔、聖堂教会、宮内庁に資料が渡っている可能性が高く。

近いうちに部隊が差し向けられるだろう。特に宮内庁の部隊は不味い。

動く時こそ滅多にないが上位戦力は宝具抜きの上位サーヴァントにも匹敵し得ると噂されている。

ただでさえカルデアが複数のサーヴァントを持ち込んでいるのにそんな怪物が派遣されたらデットエンドだ。

ここは大聖杯が資料通りなのかを確かめ早急に撤退「そんなわけないよねー」

大聖杯が安置されている所に到着するとそんな思考を打ち切るように神野が中枢に存在し話しかけてきた。

 

「本当は現実逃避の産物なんだろう? 汚染されてないって確率買うためのさぁー、でもそれ宝くじを買う人間の思考と何が違うのさ。かっすりもしねぇ確率のを買って心の安息を買うのと一緒!!」

「神野・・・!!」

「それとも何かい? 町一つ消し飛ばす程度なら強行してでも願いを叶えるつもりだったのかなぁ? そりゃ無理でもないんだよねぇ・・・僕を倒せればねぇ」

「なに?」

「僕こう見えても悪魔だよん。僕は僕自身の手で死ねないけど、僕を殺す事が出来れば、七騎分の魂は埋まる」

 

そう神野はニャルラトホテプの化身の中でも最も本体気取りに近い個体であり悪魔の分霊とも融合している存在だ。

彼一人が脱落すれば聖杯一つ満たすことはできる。

 

「でも君じゃ僕を殺すことはできない。出来るとすれば本体気取りを張っ倒したカルデアじゃなくてはむりだ。セイバーなんか特にダメ!! 宝具も仕えないしメンタルボロボロ、自分の影さえ見ていない正しさの操り人形じゃあねぇ」

 

かと言ってセイバーはこの場に居ては邪魔だっただろう。

メンタルもボロボロで宝具も使えないサーヴァントが何の役に立つのか。

それでは神野を倒せないし大聖杯も破壊出来ない。

 

「と言っても僕から君たちへもなんもできない。ただの賑やかし役だからねぇ!! 死なない事と、ほかに出来るとすればちょろっと悪魔の力をおすそ分けすることしかできないし」

「なら僕たちがお前を倒せばいいだけだ」

「確かに町の人口と世界平和を天秤に掛ければ町一つの人工なんて君にとっては今更だよねぇ。と い う わ け でぇ!!」

 

まるで手土産も渡すかのように神野は懐に手を突っ込み黒い何かを取り出し、ぽいっと切嗣に放って寄越す。

それは攻性のあるものではないがゆえに切嗣は受け取ってしまった。

ドロリと受けとったそれは指の間から黒い何かが溢れ、切嗣の足元へと落ち切嗣を飲み込んでいく。

 

「くっこれは?!」

「聖杯の中身♪ そこで君の本質を目のあたりにすると良い♪」

「切嗣!!」

 

舞弥が駆け寄るが。

其処をカソック姿の男に阻まれる。

 

「君は近づいてはならない、これは彼への試練なのだから」

「貴様は」

「キャスターのマスターをしている言峰綺礼だ」

 

綺礼によって道を阻まれ舞弥はたじろいだ。

そして切嗣は意識が其処に沈み。

問いが始まる、いつも通り淡々と答える切嗣に。

 

「では次のクエ「はーい!!カットォ!!」

 

悪魔が沸いてくる。すなわち神野明影が。

 

「さっきからちょろちょろさぁ。そんなんだから君は出来損ないなんだよ」

「ここから先も問いを続けるのか?」

「うんつづけるさ、難問になるけど、なに周防達哉なら正解で来たんだし自称正しい正義のヒーローさんなら選べるさ!!」

 

そうしてアインツベルン城の一角に景色が映る。其処にはアイリとイリヤが居た。二人とも状況を飲み込めていない様子だった。

なにをしでかしたのか分からないが周防達哉も一度は間違え二度目は正解をもぎ取り世界を救ったというのは聞いていた。

なら自分が間違うはずがないと思い。

 

「この空間内誰かを選んで殺せ。あー因みに状況設定はこの空間内の一人選ばないと世界が滅ぶいう設定で、あくまでさっきのペライ自称人類悪(笑)みたいな設定だけだから」

 

そう今まで多数対少数への問いだったが。

今度は一対一大事な物を選んで殺せという事である。

 

「ちなみに、選ぶ方法はこれ!!」

 

神野が手渡すのはコンテンダー。切嗣の愛用の品だ。

 

「弾は込めておいたよ、あと忠告―!! それでドタマぶち抜かないと選んだことにはならないからねぇ!! ついでにドタマぶち抜けばもちろん人は死ぬよ、だから選ばれた奴は死ぬって寸法さ!!」

 

そして銃で人を撃てば人は死ぬ。

其処に悪魔的に嘘はない、選べば死ぬ、さらに今度は大数対少数とか少数を切り捨てるという糞甘えた選択法は許されない。

現実に人は死ぬ。アイリを殺すかイリヤを殺すかを突きつけられている。

だがそこは神野、逃げ道は用意してある。悪魔は嘘を吐かない言葉の真意を理解すれば。

この空間を脱出出来る。

だが今まで嫌な思いまでして現実から目を向けるお題目として大数体少数の小の方を切り捨ててきた切嗣にはその言葉の真意は分からない。

特に英雄たちが認める周防達哉が選べたという事実がそれを後押しするのだ。

 

「さぁさぁ何時もの言い訳は聞かないよ、大事な方を大事じゃない方を決める時が来たんだ♡」

「切嗣・・・」

「キリツグ・・・」

「うぁ」

 

呻き声を上げて声を上げる。

その時切嗣に電流走る。そうだアイリが死んでも聖杯は壊れない。

このまま一気に逆転して世界平和を成し遂げれば、全てがチャラ、イリヤも平和に暮らせると思い込んでしまった。

そんな甘えた幻想なんて現実にはないのを知っているくせに。

 

「うぁぁああああああああああああああ!!!」

 

まるで殺人童貞の様に叫びながら両手でコンテンダーを構えアイリの頭部を狙って引き金を引いた。

 

「キリツグ・・・なんでお母さまを!!」

 

実の娘から仇の様にみられる。

だが大丈夫だ。世界平和は・・・

 

「そうだよね!! イリヤちゃん!! こいつ馬鹿親父だよね!! 嫌なら責任放棄して後ろの扉から出ればよかったのさ!!」

 

そう言いつつ神野はイリヤを慰める。

そして切嗣はこう思った。

 

―コイツハナニヲイッテイルンダ?―

 

「貴様ぁ!! だましたのか!!」

「いや、僕ひっっっとっことも、選ばなきゃこの空間から出れないって言ってないよ、世界滅亡ってのも状況設定って言ったでしょ。あくまでもしもの場合の事だよ、ゲームの仮想設定に何マジになっちゃってんの??」

 

そう神野は真実と仮想的状況と誰かを選んで撃てば精神的に死ぬ事しか言っていない。

嘘は一つも行っていないのだ。

つまり選択肢から逃避するという意味では後ろの扉から出ればよかっただけ。

そうすればこの空間から脱出できる。嘘を言わず只々言わなかっただけなのだ。

もっともよく考えればよくわかる引っ掛け問題に過ぎない。

 

「ああでも世界救済が成るって言ったらたっちゃんの場合自分の頭ぶち抜いていたね。それと同じことを彼はしたんだから」

 

もしもである世界が滅びるという状況設定が真実だったら達哉は自分の頭をこの状況下でならぶち抜いていただろう。

もう彼はそうした。罪を清算する為に理想郷のような世界から誰も居ない世界に戻ったのだから。

 

「扉を開けて逃げることはたっちゃんの犯した罪と同じで、自らの頭部をぶち抜き世界を救済するというのはなんもない場所に一人帰ったたっちゃんと同じ方法、過程はどうあれ自己犠牲なんだからね!! それが在る意味で本当の正解さぁ」

「お前は誰かを選べと「二人って限定してないだろ、それ即ち自分も含まれているってっ事!! 僕嘘言ってないよぉーん」!!??」

「だからお前はダメなんだよ。結局責任逃れしたくて少数を切り捨ててヒーロー気分になっていただけじゃん。僕は死にたくなーい!! でも僕はわるくなーい!! いい大人が何時まで現実逃避して殺しまくってんのさ。たっちゃん見習えよ。アイツ全部を認めた上で一人ぼっちになったんだぜ? ここに来るまでライフラインの断絶した何もない世界で足掻いていたんだぜ?」

 

神野は呆れた様子で耳穿りながら言った。

空間が大空洞に戻るそこには。

 

「舞弥・・・」

 

物言わぬ舞弥の死体が転がっていた。その隣に立つのはサイピストルを持つ言峰の姿があった。

切嗣はもう何もかもが限界だった。新都に居るアイリに会いたいと思い。

叫び声を上げつつカルデア勢とすれ違う形で一目散に新都に逃げ帰った。

 

切嗣が問答中の頃

 

「はぁはぁ・・・少し足を・・・」

「そう言っている暇はない、第一俺は桜を抱えているんだぞ!」

 

柳洞寺に到着するなり、皆がハイエースを降りて墓場を通り過ぎ裏山を上っていった。

そこでケイネスとソラウにウェイバーは青吐息だった。

最も他のメンツは息すら上がっていなかった。

兎に角皆で山を登る。

 

「ダヴィンチ!! 状況は!!」

『周辺のサーチ結果が出たビンゴだ。大聖杯は資料通りこの大空洞にある。地図を送るよ、あとちゃんを付けてくれたまえ!!』

 

オルガマリーの叫びにダヴィンチとのいつも通りのやり取り。

 

『だがしかし大空洞付近は悪性情報が酷く、こちらでも正確なナビゲートは出来ない。最悪通信切れるかも!!』

「広域戦場で切れるよりましよ!!」

 

そう言いつつ全員が急ぐ。

そして大空洞の前には。

 

「邪魔だセイバー」

 

さしもの達哉もこれには額に青筋を浮かべた。

当たり前だが状況が分かってなさすぎる。あるいはもうここまでくれば現実逃避の一環だろう。

 

「キリツグからは一人も通すなと言われました。すいませんが・・・」

「原子炉がメルトダウン寸前なのに管制室に行かない奴が何処にいる、其処を退け!!」

「罪人に同意だ。此処までくると我自らの手で縊り殺してやらねば気が済まん」

 

達哉は桜を下ろし兼定を抜き放つ。ギルガメッシュも怒髪天と言う感じで王の財宝を展開。

その時である。

 

『皆さんは大聖杯に急いでください、此処は私が止めます』

 

サモライザーからのレイライン通信、カルデアからの通信は途切れたがこっちは身近にハンディカムPCがある為通信は可能だった。

 

「でもあんたじゃ・・・」

『散々、宗矩さんにしごかれましたし、セイバーの宝具はディルムッドさんが封じてくれました。一番戦力に成らない私が止めるのが最善です!! それに未来の私ですから、私が止めなきゃならないんです!!』

「わかったわ・・・CALL!! アルトリア・リリィ!!」

 

そしてCALLされるアルトリア・リリィはその勢いのままセイバーに切りかかり鍔攻め合いに持ち込む。

 

「任せたわよ!!」

 

オルガマリーがそう言って全員が大聖杯に向かって走り出す。

 

「待て!!」

「行かせません!!」

 

アルトリア・リリィがカリバーンを振り下ろし。

駆け出したカルデア勢を止めようとしたセイバーを止めに入る。

十分殺傷圏内だったのでソレを受け止めるセイバー。

 

「私の過去であるアナタ風情が勝てるとでも?」

 

セイバーは怪訝な表情をしながら言う。

そう、どのような可能性であれアルトリア・リリィはセイバーの過去。

始まりの原点でしかない。技量も経験も劣っているはずだと思い込むのは無理が無い事。

だが計算違いがあった。アルトリア・リリィは柳生宗矩に柳生新陰流の秘剣や魔剣を除く全てを叩き込まれていたことによって技量はセイバーを凌駕する事、そして・・・

 

「・・・もう良いですか、幸い大聖杯のお陰でカルデアとの通信と観測も無茶苦茶に断絶していますし、正体が露見する恐れもありません。それに達哉さんの苦悩と懇願をあれだけ足蹴にしたんです、本体からも抹消命令が下りました」

「なにを・・・」

「虚空より、陸空海の透明なる天使たちをここへ呼ばわん。この円陣にて我を保護し、暖め、防御したる火を灯せ。幸いなれ、義の天使。大地の全ての生き物は、汝の支配をいと喜びたるものなり。さればありとあらゆる災い、我に近付かざるべし。我何処に居れど、聖なる天使に守護される者ゆえに。斑の衣を纏う者よ、AGLA──来たれ太陽の統率者。接続―我が本体(アクセス・我がオリジン)。モードリリィからモードウリエルへ移行」

 

刹那大爆発と共に現れたのは天使だった。

アルトリア・リリィの背から光の翼が生え天空からセイバーを見下ろしている。

そう、最果ての女神アルトリアが取り込み神の戦車としても機能する為に必要な要素をカルデアにある者を回収すべく召喚させたスパイ。

自らの身を切り落とし分霊として生み出した存在こそがこのアルトリア・リリィ。否、四大天使の内一人ウリエルの力を与えられているからこそアルトリア・ウリエルと言うべき存在であろう。

真のクラスはセイバーなどではなくエンシェントエンジェルともいうべき存在が。

セイバーの眼前に絶対的絶望として顕現したのだった。

そしてこの悪性情報の中、存在証明以外の観測が途絶えているため、彼女の真の正体を知る者はいないのだ。

 

「では無情に死んでください」

 

無条理な蹂躙劇が始まる。

 

そしてカルデア勢は大空洞の奥へと到着した。

道中切嗣とすれ違ったが、

 

「放って置け、負け犬風情の雑種がようやく真実に気づいただけだ。アレはもう何もできん」

 

とギルガメッシュが言ったのでスルーして奥へと到着したのだった。

 

「・・・あれ炎上都市と変わらないじゃないか・・・」

 

達哉の感想がそれだった。

まだ起動前だ、炎上都市ほどではないが禍々しい気配がする。

 

「アレはダメだ。いかようにも出来ん」

 

ケイネスもこれには頭を抱えたソラウと桜は今にも吐きそうであるのを結界張って気分を良くする。

と言うか全員不快そうだった。

 

「アインツベルンは何考えてあんなものを・・・」

「これが魔術師の業だウェイバー、根源到達、魔法技術会得、世界平和の為ならこんな物さえ起動する無辜の民の犠牲すら容認してな」

「お前はそれを容認するってのかよ」

「するか!! 自分の手段で賄う為に私は今でも走っている。胸を張っていられるように、決してこのような手段なんぞ容認しない」

 

ウェイバーに真理を説き、その真理を容認するのかと問われた孔明は断じて違うという。

何故ならこんな物自分の目指した覇道や王道とは違うのだから。

 

「しかしどう破壊する? 余の神威の車輪でも王の軍勢でも破壊するのは困難だぞ」

 

イスカンダルがそう言う。

そもイスカンダルと汚染された大聖杯は相性が悪い。

兎に角大規模攻撃が必要だった。

だがしかし。

 

「織行けるか?」

「ああ、死の線入りまくりだ殺せるぜ」

 

直死の魔眼持ちの織が居るのだ、解体は楽と言えよう。

 

「ええ、それじゃ詰まんない~」

「ニャルラトホテプ・・・」

 

無数の羽音と共に神野が具現化する。

 

「此処に折角来たんだしさ、楽しんでいきなよ」

「定数は達して無いわよ!!」

 

オルガマリーがそう叫ぶが。

 

「いやぁ僕一人で賄えるんだよねぇコレが」

「お前は奴の形の一つだ。悪魔と言う形を取り契約と言う形を取る以上、自死は許されんはずだ」

「おお見事、さすがは時計塔のロード、よく見ているねぇ」

「貴様に褒められたところでなにも嬉しくはない」

 

そう神野はどう足掻いても死ねない。

その特性上死ねないのだ、そして賑やかし役として戦闘能力も持っていない、出来るのはシャドウを引き釣り出して雁夜の様にするのが精々だが。

此処にいる全員がメンタルお化けである。

五月蠅い蝿の声だとでも思ってゆっくり聖杯を解体すればいい。

 

「だけど、一つ忘れていないかい?」

「なに?」

「僕もサーヴァント!! マスターが存在するってことにさぁ!!」

「馬鹿なそのような自爆するような真似するはずが・・・」

 

ケイネスもカルデア勢も気づいた。

確かに賑やかし役しかできない死ねない程度サーヴァントであるが悪魔ゆえにその魂はド級。

一人単独で聖杯を満たしてしまう。

だが自死は許されない悪魔であるが故に、

自分で実行したとしても再生するだけ。だがしかし此処に例外が存在する。

即ち。

 

「キャスターよ、令呪を三画もって勅命とする。自害しろキャスター」

 

物陰から現れた言峰が愉悦に表情を染めながら令呪を三画使って勅命として自害を命じる。

カルデア勢全員がこいつ正気かと言う顔をした。

 

「アハハハハハハハハ!! 了解!!」

 

神野も嘲笑いつつそれを至極当然の様に受け入れる。

ぐしゃと音がして神野の霊核が潰れた。

同時に振動地面が激しく揺れる。

大聖杯が震える。

 

「来るぞ、百鬼空亡が」

「百鬼空亡って太陽が妖怪と解釈されたアレか?」

「否、大地の化身、成り損ないのTYPEーEARTHではあるが星の地脈を担当する者、五行で言う黄龍そのもの最強の龍種が星を人が汚染したことによって落ちた神威となったものよ」

 

達哉の問いにギルガメッシュも慌ててというか慢心も加減もかなぐり捨ててそう言う。

百鬼空亡とは日本では太陽を妖怪としたものであるが此処では違う。五行で地を担当する黄龍。

神代の時代に星によって製造された星の代弁者の一つである。

今は人が大地を征服した事によって零落し世界の裏側に潜り百鬼空亡と成り果てた黄龍の成れの果て。

千里眼持ちやらアトラスが見た滅びの一つ。

それが具現化しようとしていた。

 

「オン・コロコロ・センダリマトウギソワカ」

 

そしてそれが具象化する。

大聖杯から溢れ出す泥、それはまるで何かから逃げようとするようにも見えた。

それに対抗しカルデアも高火力持ちを切る。逆に技量系は不利として出さない。

織が泥を殺し、ケイネスたちは結界を、カルデアマスターズは高火力をブッパ泥を退け、ギルガメッシュは財宝の出し惜しみをせず皆で泥を打ち消す。

 

「エミヤ、固有結界切って」

「了解、だが詠唱時間が掛かるぞ!!」

「だからあれほど第三でメディアから詠唱省略学んでおけといったのに」

「私には無理だからな!!」

「漫才やっとる場合かぁ!!」

 

オルガマリーとエミヤのやり取りにギルガメッシュ切れる。

そりゃこんな緊急時の中で漫才みたいなやり取りやってれば誰だってキレる。

そして粗方の泥が流れ去った後に現れたのはズタボロの天の衣に無数の札を張り付けた美しい女性だった。

アイリにも似ているが、その眼孔は開ききっている。

 

「よかった・・・まだマシな状況だ。アレは聖杯製造の為に利用された女の亡骸を依り代に具現化した空亡の影よ」

 

ギルガメッシュは額の汗を左手で拭いつつそう言う。

 

「アレが影だって?」

「そうだ。罪人、アレはまだ出現できんと見える。出現するには相応の穴を開けなければならぬ故な。だからこそ大聖杯を作る際の生贄の女の遺骸を利用して影を憑依させ具象化させたのだ。こちら側と向こう側の穴を拡大し本体が出現する為にな」

 

空亡はまだ影だった。ユスティーツァの遺骸を使って表の世界と裏側の世界への通路をこじ開けるためにユスティーツァを空亡の意思で染め上げて依り代として利用しているに過ぎない。

 

「逆に言えば、アレを倒せばことは収まるってことか」

「ああ、向こうも此方への干渉手段を失う訳だからな。だからと言って」

 

逆に言えば空亡は具現化し切れていない。

倒すなら今しかないのだ。影は所詮影、本体叩くと星が死ぬが影だけなら、そうすれば必然的に向こうも干渉手段を失い必然と眠りに就く。

だがしかし、

 

「アレを倒すには大聖杯ごとやるしかなさそうだな」

「総火力で行けるか?」

「地の理ではアレの前では相殺される」

 

まだ空亡の影は本気ですら出していない。

此処から何をされるかもわからない。

だがギルガメッシュのエアとて地の理では無理と判断できた。

だったら被害が出ない様に固有結界で包んで天の理で固有結界事切り捨てるか?

理論上は可能である。

相手が先手を打って固有結界を破壊してこなければの話だが。

 

「やるしかないかよな」

 

たとえどのような状況になろうともやるしかないのだ。

 

一方その頃アルトリア・ウリエルとセイバーの一騎打ちは一方的状況を呈していた。

切嗣が脱兎の如き速さで逃げたのを追おうとしたセイバーであったがアルトリア・ウリエルに止められる。

 

「邪魔だぁ!!」

 

風王結界を解除したエクスカリバーとカリバーンが互角に打ち合わされる。

普通に評するならエクスカリバーをビームサーベルとしたらカリバーンは鉄骨程度の強度さがある、

普通は打ち合えないが天使の持つ武器として肉体の延長線上と化しているがゆえに真っ向勝負できるのだ。

 

「邪魔なのはアナタです」

 

ギャリィと音を立てて手甲でエクスカリバーを受け止める。

完全に存在強度も身体能力も技量もセイバーが負けていた。

如何して勝てぬ、どうして攻め切れぬ、どうしてこんなことになったと内心絶叫し涙を流す。

そんなに母国の救済が許されないのかと。

だが冷酷にアルトリア・ウリエルは言葉の刃を突き刺す。

 

「今の英国を見ましたか?」

「なにを・・・」

「確かに領土としてみれば狭くなりましたね、ですが様々な経緯を得てなお繫栄しているではないですか」

 

そう領土こそ小さくなったとはいえ未だにイギリスはEUの重鎮だ。

表ではEUの重鎮、裏では魔術産業の大都市。

 

「救済はなっているんですよ既に」

 

そう既に救済はなっているしする必要がない。むしろセイバーが救済を願った所で只の迷惑としてしか映らないだろう。

 

「それに不老不死が権力握ったら国政が停滞します。アナタはもう必要とさえされていない」

 

人間一人には何事も限度という物がある。価値観のアップデートさえだ。

無限にアップデートでき不老不死の真実の永劫を成せてしまったら、それは新種族か超越者と言うべきものだろう。

だがセイバーはそうではない自分と同じ少女染みた夢を持つ愚者でしかないんだとアルトリア・ウリエルは誰よりも痛感している。

 

「ですが安心してください」

「え?」

「より良き世界の為に今は滅ぼしますから」

「うぁ・・・あああ」

 

にっこりと悍ましい微笑を浮かべながらアルトリア・ウリエルはセイバーに語り掛ける。

涙を流しながらもう堪え切れないとばかりにセイバーは・・・

 

「もう一人の私ぃぃぃぃぃいいいいいいいいい!!」

 

もうその剣には術理も何もなく怒りのままエクスカリバーを叩きつける。

 

「そうですもう一人の私、その怒りを私にぶつけてくると良い」

 

他人事のように呟きながら、セイバーの隙だらけの左膝をカリバーンで抉り。

 

「友情、愛情、信頼、そんな生温い感情では私には届かない」

 

膝を着いたところを右肩を抉る

 

「怒りの中で今を生きる私には」

 

そしてもう何も動かせなくなってそれでもと見上げたセイバーの霊核をカリバーンが穿った。

そのままカリバーンを引き抜き、セイバーの完全消滅を見届け後にモード・ウリエルからモード・リリィへと戻る。

そこから新都方面を見る。

彼此20分は過ぎていただろうか。

故に新都方面が大爆発した。

切嗣がアイリの元にたどり着いていた時は泥の溢れる小聖杯へとなっていた。

それを起源弾で破壊した結果、空亡の影から逃げる泥が溢れて大災害へと移行したのだった。

 

「こうしてはいられません、達哉さんたちが死んでは計画に支障が出ます」

 

だがゆっくりもしてられない。自分の計画にはカルデアマスターズが必要なのだから。

故にアルトリア・ウリエルからリリィに戻ったアルトリア・リリィは大空洞の中へと向かうのだった。

 

その頃既にカルデア陣営はズタボロだった。

当たり前だ、超振動の波霰に泥の大洪水、発生した逃げまどう怪異に攻めあぐねていたところだった。

無限の剣製で一時的に押し返したが空亡の影の発する魔振で粉砕され再び形成が逆転する。

もうかれこれ先ほども言った通り20分以上全員が戦い続けていた。

特にランサー陣営と桜の消耗が激しい。桜なんかケイネスから習った初歩的魔術で応戦していた。

ペルソナ使いやらカルデアのバックアップがあるカルデアさえきついのだ現地協力者たちのきつさはもっとだろう。

 

「坊主まだいけるか!!」

「無論だとも!!」

 

イスカンダルもウェイバーが心配になり声を掛けるがウェイバーも魔力を絞りって限界に達しつつある。

もう限界に近い。

 

(もう一手もう一手でいい何かあれば)

 

そうもう一手何かあればいい、それで届く。

それがリバース・イドの切時だ。

 

「あっ」

 

その時桜が泥に飲み込まれんとした。

 

「ソラウ!!」

 

ケイネスが悲鳴を上げる。

ソラウが結界から抜け出して桜を咄嗟に庇ったのだ。

 

「お姉ちゃん、ソラウお姉ちゃん!!」

「ケイネスゥ!!」

 

泥に飲まれ必死で桜を投げ飛ばして救わんとするソラウ。

だから愛する不器用な夫に向かって叫ぶ。桜を投げ飛ばすから彼女だけはと。

しかしケイネスにとっては二人とも大事なのだ飛び込んで助けようとする。

だがそれはディルムッドによって止められた。

このままでは、ケイネスも飲み込まれてしまうかもしれぬが故に。

そしてソラウが桜を投げ飛ばし片腕を目一杯振るって。

 

「ごめんね桜」

 

ソラウは微笑ながら泥の中へと飲み込まれていった。

 

「あ――――――」

 

その瞬間、桜の何かが覚醒し、彼女を虚空へと誘う。

彼女の属性は虚無であるがゆえにそう言う固有スキルなのだ。

それでも踏ん張って何とか現実世界に留まろうとする。

だが既に天も地もチェス盤の様なカラーリングの床と天井によって閉ざされ、

どこぞと知れない空間に放り出される。

 

「うぁ・・・ソラウお姉ちゃん・・・どうして・・・」

 

そのまま蹲り泣くことしかできない。

だって桜は弱い子なんだから誰かに助けてもらう事しかできないのだから。

だけど、そんな自分のままでいたくなかった。

 

「うぅ・・・嫌ぁ・・・」

 

地面を叩く。

そして彼女の背後に現れるのは影。

 

「何をしているの? 気が可笑しくなったの?」

 

それは桜のシャドウだった。

 

「うぁ、うぁぁぁあああ!! ああああああああ!!」

 

それでも桜は地面に向かって手を振り下ろす。

此処から出るんだとばかりに。

 

「扉は開かないわ、もう助けられないのよ。だってあなたが望んだことじゃないもう痛いことはしたくないって」

「ソラウお姉ちゃん! 私はもう怖くない!! だから行かないで!!」

 

シャドウを無視して手に裂傷が出来ていたくても地面を叩き続ける。

そして振り上げられる手をシャドウが止め無数の鎖が桜に巻き付いて彼女の行動を止める。

 

「もういい、もういいのよ」

 

そうもう十分に苦しんだではないか後はカルデアが自分を助けてくれたみたいに何とかしてくれる。

桜の弱い部分に影がそう問いかけ制止する。

 

「うっうぅ、こんなイザコザが終わったらお洋服買いに行くって約束したのに」

 

でもそんな弱い部分を見てでも、約束があった。

 

「動いてぇ」

 

故に彼女の覚悟は変わらない。此処は一種の固有結界の中。

自分だけを守り他者を廃絶する一人ぼっちの空間。

それに亀裂が入る。

 

「動いてよぉ!!」

 

そのまま鎖を引きちぎり両手で地面を叩きつける。

亀裂は益々広がりそして。

 

「この臆病者!!」

 

自分に言い聞かせるように地面を砕いた。

その先は無限奈落、悪性情報の塊だ。

だが桜は強い意志をもってそれを受け流し、底へと潜行を開始。

途中現れる怪異たちに肌を引き裂かれる。

痛みにも耐えて奥に奥に。

だがついに鬼の様な怪異に捕まり身動きが取れなくなってしまう。

幼いながら必死に抵抗する桜。

 

「お願いもう一人の私。私と一緒にあのずっとずっと私達を閉じ込めていた牢獄から助けてくれた皆を助けに行こう!!」

 

何も助けたいのはソラウだけではない。達哉、マシュ、オルガマリー、ディルムッド、イスカンダル、ウェイバー、孔明、ギルガメッシュ色々な人に助けられたから。

だから今度は自分がと弱い部分を認め、引きこもるのをやめて此処に覚醒はなる。

 

「本当に馬鹿ね、でもいいでしょう」

 

シャドウは呆れたように桜を後ろから抱きしめながら。

 

『「ペルソナ!!」』

 

彼女ペルソナとなる。

 

「ヘカテ!! 冥府鳴動!!」

 

炸裂する漆黒の閃光。

呪殺重視のスキルに怪異たちや泥が呪殺されていく。

そしてソラウを見つけ、

 

「ソラウお姉ちゃん!!」

 

桜はヘカテの手を伸ばさせ彼女を掴み取り一気に浮上した。

 

 

一方地上ではケイネスが呆然としていた。

当たり前だ。妻と養子を一気に失ったのだそうもなろう。

破魔の紅薔薇で泥を薙ぎ払いつつディルムッドがケイネスを庇う。

さしものディルムッドももうだめかと思った時だった。

 

「亡ォォォオオオオオオオオオオオ!!??」

 

空亡の影が完全によろめく。あり得ない物でも目にしたかのように。

それと同時に泥から桜のペルソナに支えられてソラウも無事脱出して来た。

泥の影響は桜がソラウからペルソナを使って取り除いた。

 

「皆!! 今です!!」

「令呪を持って我が盟友告げる固有結界を即時発動せよ!!」

「ライダー固有結界!!」

「来なさい来て私は此処にいる!! シュレディンガー・ニヒト・イド!!」

 

発動される二種の固有結界。

それを、

 

「ヴォイドフォール!!」

 

ヴォイドフォールで融合し同時発動を可能とする同時に超広域展開だ。

大聖杯と空亡の影を現世から隔離。

 

「今だやれ!! アーチャー!!」

「心得ている。百鬼空亡、貴様には地の利は通用せんだろう。故に天の理を示してやる」

 

固有結界という天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)を最大発揮できる場を壊しかねない魔振の権能を使えない今がチャンスだった。

ギルガメッシュは上半身の鎧をパージしながら天の鎖で空亡の影を縛り上げ、

エアを最大出力で廻す。

 

「原子は混ざり、固まり、万象織りなす星を生む。死して眠りに就くが良い!!天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)!!」

 

形成される三つの銀河。それがエアが振り下ろされると同時にグレートアトラクター染みた挙動を生み固有結界を破壊しながら炸裂する。

そして空亡の影と大聖杯は跡形もなく消滅した。

周囲はクレーターと化している。

 

「良かった本当に良かったソラウ、桜・・・」

 

無事だった二人に感涙の涙を流すケイネス。

 

「あー感動の再会中悪いが」

「どうしたのかね?? 達哉」

「ここ崩壊しそう」

 

達哉の言葉に全員が絶叫する。

そりゃ散々空亡の影が暴れて、その上固有結界を犠牲にしたとは言え天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)の全力全開だ。洞窟なんて崩壊する。と言うか今まで持っていた方が不思議だったのだ。

 

「脱出するわよ脱出!! 全員撤収!!」

 

それと同時に洞窟が崩れ始めて、

皆で急いで脱出する羽目になった。死が先ほどよりも近いためか現地魔術師組も火事場のクソ力でダッシュ。

其処にアルトリア・リリィが合流し、彼女も半泣きで引き返す羽目になりつつも外に出る。

それで丁度大空洞は完全に崩落した。

もう全員が腰を地面に落し肩で息をしていたのである。

 

「なんで新都方面が燃えてるんだ?」

 

ウェイバーが疑問を呈する。

新都方面大炎上中だった。

 

『あ繋がったみたいだね、特異点の元凶は排除されたミッションコンプリートだ』

「ダヴィンチ、あのさぁ、新都方面燃えているみたいなんだけど、そっちでサーチングして何かわからない?」

『ちゃんを付けてくれ給えよ、新都の方ではなんかこう魔力爆発が起きたんだ。でも特異点化の影響はなさそうだよ』

「そう」

 

新都の方面の大爆発は何の影響もないとの事だった無情で胸糞悪く締まらない話であるが何時もの事である。

 

「最後に改めて聞きたい、ウェイバーよ余の臣になる気はないか?」

「いろいろあったけどさ、うん決めた、僕はアナタと同じ夢を見ていたい、見せて欲しい」

「なら縁があったら次は見せてやろう、それまでいい男になっておるのだぞ」

「はい!!」

「ディルムッド、此度は忠道大儀であった。次もあるなら呼ぶが、呼ばれた瞬間に黒子抉って置け」

「感謝の極み、あと忠告は必ずや守ります」

「行っちゃうの王様」

「ああ、ここからは貴様自身歩いて行け、それが人だ」

「うん」

 

サーヴァントが粒子化を始める、それでそれぞれの別れを済ませていた。

カルデアもまた特異点解決終了レイシフトアウトを開始する。

 

「達哉お兄ちゃん!!」

「なんだ? 桜?」

「助けてくれてありがとう!!」

「気にするな、それよりも桜も元気にな」

「達哉お兄ちゃんも気にしないで、私頑張るから」

 

そしてカルデア組も消える。

それと同時に特異点も修復され関係者の記憶も都合の良い様に改ざんされる.

介入したカルデアと聖杯に答え呼び出されたサーヴァントとペルソナ使いとなった桜以外は。

そしてこの年は冬木にとって最悪の年となった。

新都起きた大災害とも呼べる大火災生存者は少なかった。

 

「生きてくれてありがとう」

 

そんな中でそんなやり取りが行われたのも誰も知ることはなかった。

それから十年後。

 

「時間が経つのって早いですね」

 

桜は再び冬木に戻って来ていた。髪の毛も左側も伸ばした。あの後、入れ墨の様な物が浮かびあがったからだ。

あの後桜はアーチボルト家の養子になった。鉱石科と現代魔術科に所属し魔術師としては大成している。

最もアーチボルト家の後継者争いには加わらないと公言しているしケイネスとソラウの間に二児の子が設けられている余計なお家騒動を避けた結果だった。

だが魔術的トラブルにウェイバーと一緒に巻き込まれたりニャルラトホテプの策略を潰したりなどで功績は大であり学院長に都合よく使われる日々である。

お陰でエルメロイの底なし穴だとか死徒喰いなんて物騒なあだ名付けられる羽目になったが。

良い出来事と言えばグレイを筆頭とした友人に恵まれた事だろうか。

だが下手すればそれもこの一週間で終わるかもしれない。なぜなら右手の甲に令呪が現れたからだ。

だから冬木に戻って来た。全てに決着をつけるためにニャルラトホテプの罠だと分かっていても。

そして駅をでて歩く。

すると。

 

「あっ」

「とすいません」

 

赤毛の少年とぶつかった。

 

「い、いやこっちも上の空だったし・・・ごめんな・・・、ところでアンタ、外人さんか? なんか困ってる事とかあるのか?・・・・」

「・・・いえ、元日本人ですよ、昔は此処に住んでいて。仕事の都合で戻ってきたんです。もう十年になりますかぁと思いに耽ってまして」

 

そう言って二人で平謝りして別れる。

この時、桜と少年は気づいていなかった運命に出会ったことに。

そして桜は空を見上げる。

 

「皆さん、元気でしょうか・・・私は元気です、生きて此処に居ます・・・だからありがとう・・・」

 

再会は叶わない、願うけれど望みはしない。

私はこの痛みを抱えて一生を過ごして納得して死ぬ。

だから・・・最後に礼を言って。

彼等の面影を背負いながら彼女は足掻き続ける・・・

 

 

 

そしてカルデア時間軸。

忙しい第四次聖杯戦争の日々が終わったと案の定達哉、マシュ、オルガマリーはコフィンから這いずり出てくるようにして出てきた。

 

「ようやくスピード解決が終わったか」

「次の特異点までまだ捜査が掛かるわけだしゆっくり休みましょ今度こそ」

「所長に同意です、百鬼空亡とか影であっても二度と戦いたくありませんから」

 

ハァとため息吐きつつサモライザーから全サーヴァントを解放し自由時間にする。

三人は私室に戻ることにした。のたのたと歩きつつ思う。今からでも布団にダイブしたいと。

書かなかったが達哉はリバース・イドを使い魔振からカルデアを守り切っていた。

オルガマリーも瞬発発動していたりなどで5分を切っている。

マシュもイノセントダストで怪異や泥を薙ぎ払っていた。

兎に角疲れているのだ。

その隙を奴は逃さなかった。

 

ズブリと音が響く。

 

達哉の腹から剣先が突きでる。

 

「最重要人物を確保。残りを回収します」

 

アルトリア・リリィが淀んだ目で機械的にそう告げて本性を現した。

 




切嗣先んじて聖杯泥を浴びてニャルられるの巻き。
不意打ちだったんで避けられませんでした。
そして突きつけられる二者一択、なお嵌められた模様。
だって直接誰かに影響でない幻想の様なもんだもの。選択せず部屋を退出するというのも選択ですもん
舞弥さんも死亡してアイリさんの保護に走る物の。
無事カルデア到着、セイバー無視してアイリさん保護に走る物の時既におすし状態。
下手に聖杯ぶっ壊したため結局冬木大火災発生、士郎君は衛宮士郎に。

そしてセイバーはアルトリア・ウリエルの手によって精神と肉体と共にボコボコに。




空亡ちゃん「僕の上で勝手なことしてんじゃねぇええええええええ!!」
ユスティーツァ「ぎゃぁぁあああああ!?」
アンリマユ「ぎゃぁぁぁあああああああ!?」
空亡ちゃん「ゆるさねぇ、ゆるさねぇぞ!! 人類!!」
人類「!?」
空亡ちゃん「でも僕も裏世界から出るのに相応の依り代使って穴開けないと・・・あっさっき取り込んだいい奴再利用しようっと♪」
ユスティーツァ「ぎゃぁぁあああああ!?」
アンリマユ「ぎゃぁぁぁあああああああ!?」

てな感じ、具現化したのは悪魔でユスティーツァとアンリマユを依り代とした空亡の影みたいなもんです。
無論あそこで討伐しておかないと世界の裏側から百鬼空亡の本体が現出した上で神代回帰し世界が吹っ飛びます。
というかあそこでしか討伐タイミングなかった。
空亡が出現したらエアフルパワーでもない限り無理ですからね。
最も本体討伐しちゃうと地球の地脈そのものだからどのみち世界吹っ飛ぶんですけど。
だから影を討伐できた今回が分水領でした。

ニャル「頑張った桜ちゃんにはニャルニャルスタンプを進呈してあげようwwwwww」
桜「え?」

桜、無事ニャルに目を付けられ左目周辺にニャルニャルスタンプ付けられた挙句。
一生をニャルに付きまとわれる羽目に・・・
第五次頃にはお陰で魔術の行使のしすぎて普段は化粧やら魔術やらで隠しているけど色素が薄まってカラーリングが黒桜状態にまでなってます。

因みに本作の凛ですがセカンドオーナーの立場は失ったけれどコトミーの杜撰な資産運用無くなり新たに赴任にしてきた監督役ライコ(ニャルの化身)が資産管理キチンとやっていたため八極拳は出来なくなった代わりに魔術の腕は原作以上です
けれど場数を踏みケイネスとウェイバーの薫陶を受けペルソナ能力に目覚めた桜には瞬殺されるけども・・・
そして桜ちゃんも第五次の間にウェイバー君の事件簿やニャルの策謀を乗り越えニャル主催の第五次聖杯戦争へ。
士郎の導き手でありセイバー絶対殺すウーマンへとなりつつつ。
士郎の無限の剣製を覇道から求道型にした上でニャルの化身と戦って最後は一矢報いて死にます。

もう一度言いますが桜死にます。

で士郎はニャルに煽られケイネス先生たちにはお前は悪くないと言われ桜の大親友となったグレイからは責められつつも許され、悲しみのあまり士郎は仮面ライダーとなります。


その上、桜の遺体はパールヴァティーやらカーマの依り代利用される流れとなりますね。

桜(某三代目みたいな表情で愛刀の村正を構えながら)
カーマ「なんかすっごい寒気がするんですけどぉぉぉおおおおおおおおお!?」


そしてたっちゃん、アルトリアに刺された上で掻っ攫われるの巻き。
これで分霊ととして切り離していたアルトリア・ウリエルが戻った事によってアルちゃん。神の戦車として完成する事に&柳生新陰流収めている完全体に。
いまのアルちゃん、日系鯖の技量に各種宝具融合装備、竜の心臓完備、最果ての女神としての権能、神の戦車としての肉体と言うパーフェクトアルちゃんなのだぁぁああああ!!

では次からアルトリア・ウリエルの逃走経路から第六特異点割り出して所長とマシュの第六特異点攻略が始まります~
あと次回も遅れます。
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