Fate/Grand Order たっちゃんがグランドオーダーに挑むようです   作:這い寄る影

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わたしが平安をあなたがたに残して行く。
わたしの平安をあなたがたに与える。
わたしが与えるのは、世が与えるようなものとは異なる。
あなたがたは心を騒がせるな、またおじけさせるな。

ヨハネによる福音書14章27節



二節 「塩の荒野」

兎にも角にもカルデアには時間がなかった。

達哉を連れさられた事。

特異点の定理がEXになっている事を考えれば最早時間はない。

下手すれば自分たちが詰んでいる可能性だってあり得てくるのだ。

何時もの様に一日休暇を挟み朝になったらオルガマリー特製のプロテイン・スクランブルをかっ込んでさぁ出撃という訳にもいかない。

だから此処は栄養剤を注入(本当にただのニンニク注射)をして

突入開始だ。達哉のサモライザーはダヴィンチがマシュ様に突貫で50分以内に調整。

ロマニの言いようだと今回も範囲が広くなるとの事なので予備機のアスモデウス引っ張りだして使用することにした。

ただし予備機という事だけは在り、中破状態の二機と比べて細かい調整はされていないじゃじゃ馬である。

だが背に腹は代えられない。

そしてレイシフトした先は、

 

「何よこれ・・・」

 

オルガマリーも唖然とするほどの荒野だった。

強化された視力であっても見渡す限りの白、白、白。

土の匂いすらもしない。ただただ殺菌された無臭だけが漂っている。

 

「これは・・・塩ですか?」

「うん純粋な塩みたいだね」

 

マシュが車椅子から身を乗り出し地面を掬ってみる。

白い土だと思われていたそれは粒子の荒い塩だった。

ロマニも見て成分分析を行うがただの塩としか結果は出てこない。

加えて、

 

「まるで無菌室の様です」

 

長い事、無菌室で暮らしていたマシュはそう思った。

それを補強するようにダヴィンチから通信が来る。

 

『正しくマシュの言う通りだよ、雑菌すらも存在していないんだ』

 

そう雑菌すらも存在していなかった。

正しく塩の荒野と言った方が正しい。

完璧にまで滅菌された塩の荒野。

 

「何があった。マジで・・・」

 

本当に驚愕の連続だ。

達哉が攫われ第六特異点は見る限り塩の荒野で空気すら滅菌されている。

異常を超えた異常事態だ。そりゃ定礎EXも行くわと納得する。

 

「兎に角付近に生体反応は?」

『3km先に複数存在してるね・・・何かの群れかキャラバンのようだ』

「なら兎に角そっちに向かいましょう。ロマニ後ろに乗って、マシュは車椅子をサイドカーモードして横に引っ付けて」

「「了解」」

 

そしてオルガマリー達はアスモデウスを走らせる。

 

「やっぱ調整してないのはピーキーね、加重移動式操舵とはいえ反応が敏感すぎる」

「ですね・・・あのドクター大丈夫ですか?」

「ヴァァァイィィィィィィィィイイイイイイイイイイイイ」

「いい加減慣れなさいよ」

 

ロマニは相変わらずスピードに煽られ背を仰け反らせて奇声を上げていた。

慣れないという物は慣れないのだ。

幾らグランドキャスターだからと言ったって元々は人間なのだから当たり前である。

そしてキャラバンへと追いついた。

 

「うお!?」

 

キャラバンの一同が驚き戦闘態勢へ。

オルガマリーは両手を上げて戦闘の意思表示が無い事を示す。

最も彼女の手捌きであれば相手が動いてからリペアラーで射殺出来るのだが。

水を分け与え彼らは和解した。

この塩の荒野、オアシスなんかもある訳もなく。主要時間軸におけるオジマンディアスのエジプト領域の様にオアシスがあるわけでもない。

強烈に殺菌された塩の天獄であるが故に何もないのだ。

 

「うぐ、ぷふぁー、水分けてもらって済まねぇな。もうここ等は全部塩で飲み物も枯渇しかけてたんだ。それで聞きたいことって?」

「アナタたちは何処に向かっているのか聞きたい」

「聖都だよ」

 

キャラバンの長はオルガマリーの質問にそう答えた。

曰く人類の楽園、食うにも困らず飲むにも困らずの千年王国であるらしい。

 

「胡散臭いですね」

 

マシュはずっぱりと切って捨てる。

千年王国なんてものはない。古今東西、国の運用体系は変わっているが故にだ。

あの徳川幕府も終わった。偉大な王なんて大概一代のみの傑物であるが故に。

 

「でもよぉ、本当に天使様の軍勢が出てきたんだぜ」

「天使?」

 

この世界において天使は厄事である。

天使とは力を型に嵌めた存在だからだ。

だがアマラでは違い真性悪魔と同じような存在なのだ。

此方の宇宙に当てはめてもアマラに当てはめても厄介事なのは間違いはない。

 

「千年王国に関する噂は?」

「それは少し前からあったな、獅子を語る偽王が来るとき天から神の戦車とそれに引きつられた天軍が降臨し千年王国の楽園を作るだろうってな」

「ハイブリット型か~!」

 

そう言う形で来たかとオルガマリーは頭を抱える。

恐らく偽王と神の戦車は呼び水と考え、天使が来る土壌を整え国を作る。

メガテニストの方々ならよくご存じな天使共のマッチポンプ方式であった。

というか連中その類しか使わないのはまだ天使と相対した事のないカルデアではわからぬことでもあった。

もしも噂結界がアマラの神殺しの物語に適応されたのなら天使共は喜んで背乗りするだろう。

まぁ事態は最悪だ。

完全に出遅れているのだからカルデアは。

もう計画は最終段階とみて良いだろう。なにせ達哉を攫われたのだから。

なぜいつも時間がないのか、特に今回は三連だ、第五から此処まで特異点攻略立て続けだったのである。

過労が凄まじく溜まっていた。

ペルソナは心の力、精神力が疲弊すれば出力も自然と少なくなる。

つまるところ、電撃戦を仕掛けたいのに仕掛ける余裕がないという事だ。

オルガマリーも先の第四次聖杯戦争特異点でニヒト・イドを切っている。残り時間も5分を切っているのだ。

だからここは様子見と情報収集である。何を悠長な事をと思われる方々も存在するかもしれないが、

今はそれが最善手である。

故に人の集まる千年王国とやらに行く必要があった。

キャラバンとの歩行速度を合わせていた為進行速度は遅い。

アスモデウスを引っ張って馬で歩くキャラバンと速度を合わせる。

食料もカルデアから取り寄せキャラバンと食事を共にした。無菌に殺菌された塩の荒野。

助け合いしていかないとやっていられない。

正しく地獄、いやあらゆる汚れが浄化されているから天獄かともオルガマリーは思ってしまった。

 

「所長、アスモデウスを引っ張るの大変でしょう。私が変わりますか?」

「大丈夫よ、なんだかんだ言って体力付いたし、あと一週間は持って歩けるわ」

 

エンジンを止めてアスモデウスを引っ張るオルガマリーを見かねてマシュがそう提言するが、

オルガマリーは断固として譲らなかった。

マシュも此処に来る前に既に一本打っている。

何度も言うが劇薬だ。無理させて副作用なんて出たら洒落にならない。

合間合間の休息にロマニが薬抜きをしているがそれでも完全に抜ききるまで間に合うかどうかわからないのだ。

 

「ふぅ・・・マシュ調子は?」

「いつも通りです、はい」

 

故にマシュも強がらない。下手に強がって土壇場で気絶したなんてなったら目も当てられないからだ。

ロマニの問いに右手掌を開いては閉じをしながらいつも通りと言う。

そんなこんなで三日がたった。

ヘトヘトになりながらも白亜の城のテント町に着くことになる。

 

「ありがとう、嬢ちゃんたちがいなかったら干からびてたぜ」

「持ちつ持たれつよ。私達も道案内してもらったし、では幸運を」

「ああそっちもな、幸運を」

 

キャラバンと分かれ、三人は白亜の門へと近づいていく。

 

「どう思うこれ・・・この地域にはなかったわよね?」

『少なくともないね』

「どうして、これほどの建築物が探査に掛からなかったのよダヴィンチ」

『ちゃんを付けてくれたまえ。はっきり言えば全域の魔力量がフラットすぎるんだ。だからどこをサーチしても何処も一緒ってわけ』

「・・・黒幕は特異点自体を使って何かしようとしてるって訳か・・・」

『そう言う事になる』

 

ダヴィンチに通信しながらそう考察する。

今までの特異点はどこらかしかに集中させていたが、

この特異点は極めて魔力がフラット状態なのだ。

ともすると、魔力を一点集中して何かを成すのではなく特異点ごと何かを成すと推測できる訳だ。

何れにしろ碌なもんじゃない。

特異点全域をさらにゆがめて何がしたいかなんて想像もつかなかった。

 

「兎にも角にも黒幕はアルトリアで決定ね」

 

オルガマリーはそう溜息を吐きつつ語った。

カルデアから達哉を拉致したのはアルトリア・リリィで、

そして目の前には白亜の城。状況証拠で考えればアルトリアが犯人だろう。

あの松島で出会った女神アルトリアなのかはさておいて、アルトリア族がやらかしたことに変わりはない。

 

「それで先輩の反応はどうなんです? ダヴィンチちゃん?」

『未だ反応なし・・・いいや逆説的に考えてみよう、ムニエル、オルガマリー達を起点にサーチの及ばない場所を探ってくれたまえ』

 

此処は発想の転換だ。

無い物が無いのなら逆にない場所を探ればいいという発想。

それを指示し、ムニエルがキーボードを走らせる。

 

『見つけました城の中央、隠匿結界が多重に張られています』

『とすると。彼は其処か』

 

見事にビンゴ。

 

『解析結果、マツシマで使われていた物と酷似しています』

 

ムニエルがそう言う。

同じ手はカルデアには通用しない。一度解析したサンプルさえあれば逆算で解析可能だ。

 

「となると・・・」

「マツシマでのアルさんなのでしょうか・・・黒幕」

 

状況証拠から導き出されるのはマツシマで出会った存在、かのアーサー王ことアルトリア。

それが黒幕なのかと。

 

「だったらなぜこんな事を・・・」

「ニャルラトホテプでしょうね、言っては何だけど精神が復調したてで碌でもない情報を叩き込まれて狂った可能性があるわ」

 

そう精神的病で一番再発の恐れがあるのは復調したての頃である。

アルトリアは女神となった時、人間性を忘却したが、記憶喪失によるリセットが掛かった事によって記憶を取り戻したとき人間性が戻った。

即ち女神病ともいうべき精神的欠落を取り戻し復調したわけだが、

その時が一番精神的に脆い。狙うなら其処だろう。

達哉の過去の記憶でも見せたかと推測するオルガマリーであったがあくまで推測の域を出ない。

考えても仕方がないとオルガマリーは頭を横に振るった。

いけないどうも疲れが出てきているなと。

 

「兎に角、飯にしましょう飯に」

 

なんだかんだいって夜になった。

故に夕食を取ろうと薪を買って、着火剤で火をつけた。

カルデアからニンニク、オリーブオイル、鷹の爪に乾燥パスタ麺に水を送ってもらい。

薪でペペロンチーノを作る。

現在では湾曲されているが絶望のパスタと呼ばれる所以はどんな貧乏人でもニンニク、オリーブオイル、鷹の爪に乾燥パスタ麺に水という極めて入手しやすい素材で作れることに由来するのだ。

なお本当に美味いペペロンチーノを作ろうと思えばそれこそ湾曲されこそすれど並みの料理人が絶望するレベルでの腕が必要なのは言うまでもない。

そう言った意味ではオルガマリーは一流だった。

イタリアンにフレンチを専攻して来たのだから当然である。

手早く作って紙皿の上に盛り付ける。調理器具は食堂の洗い場に突っ込んでおいてくれといって送り返した。

 

「しかしどう攻め込むべきか・・・」

「アルさんなら名だたる円卓従えている上に天使も呼んでいるみたいですし・・・」

「ぶっちゃけこちらの戦力だけじゃ・・・」

 

そう戦力が足りない。どこぞの雨後の竹の様に生えて来る残党軍の様に初撃は上手く行くだろう。

だが後が続かないのも事実だ。数と質で劣っているのはカルデアなのだから。

相談しつつペペロンチーノを三人は喰う。時間も無い。救援も見込めない。手の内もすっぱ抜かれそれに比例して休む時間も無い。

正しく負け戦に近い形だった。まだ籠城戦の方が幾ばくか勝ち目があるという物。

まぁ末期の日本軍よりはマシだろう、物資はあるのだから。

問題は戦力が足りない事だった。今までは現地サーヴァントの力も借りて何とかやりくりしてきたのだが。

ここに到着するまでそう言った者には出会っていない。

厳密に言えばあったというべきか、なんかピラミッドを中心に都市があったらしい。

最も、天使たちによって破壊されたが。

ロマニの事前知識と組み合わせるとオジマンディアスの宝具だろう。つまりカルデア側から見るとエジプト勢の生存はごく低確率な訳だが。

 

「はぁ・・・どうすれば・・・」

 

オルガマリーが溜息を吐いたときだった。

一人の幼女が口惜しそうにオルガマリー達のぺぺロンチーノを眺めている。

 

「何か用? 言っておくけどあげないから乞食なら去って」

「・・・食べたいけど、そうじゃないんです。あるおじちゃんからこれ渡すようにって言われて」

「おじちゃんから?」

「うん・・・あと伝言、カルデアの皆様方、第一と第四次聖杯戦争ではまこと迷惑かけましたって、あとすぐさまキャメロットからも逃げて、この紙に書いてある場所に逃げるようにだって」

「・・・聖別のことね。という事はアナタ・・・って」

 

ロマニの事前知識で分かっている事だった。

この千年王国ことキャメロットに入れるのは清き魂の持ち主だけだと。

ともすると常時三倍ガウェインが出てくることも予測済み。

ガウェインへの対策は立てていた。と言うかメタ張れるのが二人もいるからその二人を出せば詰ませられる。

だが粛清騎士と天使の群れがプラスされてはそれもなせない。

それにもうだいぶロマニの事前知識から大分ズレている。まさかランスロットが裏切っているとは思ってもいなかった。

もうロマニの事前知識は投げ飛ばした方が良い。

そう思考し、ふとオルガマリーが顔を上げれば幼女は消え失せていた。

 

「・・・幼女消えたんだけど」

「どちらかと言うと霊体化に近いね」

「ハサンの仕業でしょうか?」

「うーん、ボクがいた時間軸では百貌のハサンでもあんな個体は居なかったけどなぁ・・・」

「もうロマニの事前知識役に立たないから投げ捨てましょ、マシュ」

「そうですね」

「二人とも酷い!!」

 

そんなやり取りをしている時だ。

夜から昼になった。

当然、今の時間帯は月が浮かんでいけないといけない。

即ち、

 

「聖別が始まったのですか?!」

「アスモデウスのエンジンかけておくわ。管制室、城のポイントをマーク。後で攻め込むときに使うから!!」

『了解!』

 

何にせよ攻め込めないがしかしポイントはマークしておく必要がある。

さっきの幼女が渡して来た紙には地図があった。

それも管制室がサーチ、ロマニの事前知識によると山の民の住む山岳地帯の位置が書かれていた。

なんせロマニもポイントは覚えているが、

この塩の地獄のせいと魔力フラットのせいで地形サーチすら覚束ないのである。

故にさっきの幼女のハサンのお陰で、山にまで逃げることは出来る。

メタユニットがあるとはいえ、アルトリア・リリィが敵側に寝返った以上、こっちもメタ張られている可能性が高いからだ。

故に此処は逃げる。

オルガマリーがアスモデウスのエンジンを吹かしマシュは車椅子をドッキングさせロマニがオルガマリーの後ろに乗り込む。

難民たちを見捨てるようで後味悪いが、自分たちが死んだらそれこそ終わりであるが故にだ。

だがしかし聖別は行われなかった。

 

「待ちなさい!!」

「なんで!! こっちに!! 来るのよ!!」

 

ガウェインは飛行をしていた、光の翼を生やして。

それで追いかけて来る。天使たちも同様、粛清騎士も馬に乗って追いかけて来る。

聞いていた聖別ではなく、丁度、千年王国にオルガマリーとマシュが来たから捕えに来たらしい。

と言っても捕まってしまえば碌でもないことになるのは明らかなので、

必死になって逃げている。

アスモデウスフルスロットル、管制室からは山の民が住まうべき場所へのナビゲーション。

もう全力で逃げていた。

聖別ではなく自分たちが目標なら被害を抑えるためにそうする他ない。

 

「我が王がアナタたちをお求めなのです!!」

「だったら第一接触段階で武力行使するなぁ!! 脳味噌まで筋肉かよお前!!」

「アナタたちに王の神聖な思考は理解できない」

「だったら言い返してやる!! 五月蠅い死ね!! 迷惑なんだ!! どっか遠い所でマス掻いてろ腐れボケナス共がぁ!!」

 

ガウェインの物言いようにそう言いつつリペアラーを一丁抜き放ち直撃させる。

直撃させる事さえできればサーヴァントも殺傷できる特殊改造神経弾が装填されているのだ。

如何に三倍ガウェインとも言えど神秘の乗った近代兵器の威力を筋肉で封じる事は・・・可能であった。

鎧こそ貫かれはしたが、弾丸は皮膚一枚穿つ程度に終わり、

潰れた銃弾が地面に転がる。

天使と融合した霊基を三倍にしているのだ。カルデアの持つ対サーヴァント兵装では彼の筋肉すら貫けない。

かと言って、ペルソナのスキルは通用するが事前察知され回避される。

天使や粛清騎士共は薙ぎ払えるがガウェインだけ的確に避けているのがその証拠だ。

そして戦場は高機動戦闘に移っている。

下手にサーヴァントも召喚できやしない。

唯一、アスモデウスについて来れる宝具持ちのマリー・アントワネットを呼び出した所で彼女と天使の相性は最悪だ。

光系スキルが通用しないのだから当たり前である。

状況は最悪だった。

 

「大人しく捕まりなさい!!」

「誰が捕まりますか!! この三倍ゴリラ!!」

 

マシュがウリエルを呼び出し急降下して剣を振りかざして来たガウェインのガラディーンを弾く。

馬鹿にしたような口で言うが、天使と融合し常時三倍ガウェインなんかとまともにはやってられない。

此処は盾ではなく剣で逸らし弾くほかないのだ。

 

「このまま消し飛べ!! 裁剣、抜剣!! イノセントダストォォォオオオオオオオオオ!!」

 

マシュの殺意は既にポセイドンの時と同じだ。

故に躊躇なくスキルを切る。もうここでガウェインを殺し切る算段だったがしかし、

 

「紡ぐは焔の裁き、太陽の現身、転輪する勝利の剣・過重極光(ガラディーン・オーバーロード)!!」

 

相手とて馬鹿ではない。本来ガラディーンは放射状に薙ぎ払うタイプで収縮率の関係上、

エクスカリバーとかマシュのイノセントダストには競り負ける。

だがその弱点を克服してこその英雄だ。

当然、収束特化前方薙ぎ払いようの技も用意しているのである。

裁剣の光の刃と太陽の現身の焔の刃が衝突し、衝撃波で粛清騎士やら天使たちの一部が消し飛ぶがしかし、

サイドカー上で展開したマシュには分が悪い。走行中な上に接合部から嫌な音がする。

対してガウェインは融合した天使のお陰で空中にあれど大地を踏みしめるが如く十全に踏みこめている。

如何に収縮率と出力で優れているとは言っても、足場が悪いのでは鍔迫り合いで不利なのは明らかだった。

 

「ぐ、つぅ・・・!?」

 

足場さえしっかりしていれば問題ないと言うのにとマシュは呻く。

それよりも車椅子サイドカーの接合部が軋みを上げていた。

オルガマリーやロマニも周囲の天使や粛清騎士に掛かり切りきりだ。

万事休すと思われていた時だった。

 

「驕りましたね、ガウェイン卿」

「ットリスタン卿!!」

 

戦場に相応しくない音色が鳴り響く。

それと同時にガウェインの肉体を真空の無数の刃が切り刻んでいた。

カルデアの逃走方向から赤毛の長髪をはためかせた糸目の美丈夫が片腕で抱え込むように琴の様な弓を鳴らし無数の真空の刃を発生させガウェインを切り刻んだのだ。

されど筋肉の厚みと硬度は柔き鋼の如しなガウェインには通用しないが、

怯ませただけでも十分である。

その隙をマシュが逃すはずがない。既に接合部は限界に達しつつもマシュは踏み込み、

ガラディーンの炎の刃を絡め捕るように交差。

そのままガウェインに向けて根絶の剣を振り下ろす。

周囲の飛行する天使たちも巻き込みながらガウェインも根絶の光に飲み込ませそのまま地面に振り下ろし粛清騎士までも巻き込んで炸裂させる。

指揮を取っているガウェインが一時的に行動不能になった事によって、敵指揮系統が混乱。

追撃部隊は止まらざるを得ず。

 

「久しぶりですね、カルデアの方々」

「トリスタンさん!!」

「とりあえずマシュ殿のお陰で敵は混乱中です、兎に角こちらへ!!」

 

弓を背負いなおしトリスタンがカルデアを誘導すべく片腕で手綱を握って馬を旋回させ全速力で誘導する。

オルガマリーも舵を切ってそれに追随。アスモデウスをフルスロットルで走らせ、

何とか逃げ切ったのだった。

 

「間に合ったようで何よりです。百貌の一人を忍び込ませて置いてよかったですよ。むしろこちらに向かってくるものかと思っていたのですが・・・」

「濃い魔力がフラット状態で蔓延してたからね。こっちでも地形サーチとかそれに邪魔されてしょうがなくね・・・」

「それはまた・・・」

 

互いに全力疾走しつつ向かうは山の民が住まう山である。

カルデアとしてもそっちに向かいたかったが、魔力が濃く尚且つフラットに蔓延し地形サーチャーが役に立っていない。

カルデアの管制室のモニターには今のこの特異点は半球状にしか見えないだろう。

閑話休題。

それよりも問題はトリスタンの装具がボロボロな上に左腕が肩から丸ごと失っていた。

 

「それよりトリスタンさん、左腕がないようですが・・・」

 

マシュが聞く。

トリスタンが腕を失ったという伝承はない。

ともするなら此処に召喚されてからの傷であろうことは予測できた。

 

「名誉の負傷です、お気になさらず。何とか右腕だけでもフェイルノートを構え弦を弾くことは出来るので」

 

そう言ってトリスタンは気にした様子が無かったが。

 

「・・・治せるときに直した方が良い。サーヴァントの腕の再構築くらいならボクは出来る」

 

ロマニがそう言う。早い話がラーマの心臓移植の応用だ。

サーヴァントは霊子によって編まれている。達哉の様な大掛かりな腕移植は必要ない故に。

カルデアであればすぐさま替えの生体義手を用意できるのだ。

移植手術も、ラーマの様に呪いがない分、楽に行える。

 

「それは感謝を・・・」

 

トリスタンは馬を走らせつつ頭を下げた。

 

「ところでタツヤの行方を知らない? いや一応の予測はマークしたんだけどね・・・確証が欲しい」

 

円卓なら何か知っているかもしれないとオルガマリーが聞く。

トリスタンは重苦しそうに答えた。

 

「初代山の翁曰く、既に達哉殿は千年王国の玉座の間に我が王によって捕えられているとの事です」

「やっぱり・・・」

「すいません・・・私とランスロット卿が仕留めきれればこんな問題起きずに済んだのですが・・・」

 

トリスタンは謝ることしかできない。

だから言い訳もしない。あの珍妙だけれど達哉と合わせてくれて彼に道を示されたという貸が在るのに。

何の役にも立てなかったと言い訳するつもりはなかったのだ。

 

「・・・一応初代って冠位よね? それで仕留めきれなかったって・・・」

「既に初代殿は冠位ではありません。我が王の行いは人理側が認めたニャルラトホテプの提示した第二プランです。即ちこの特異点自体が人理の実験場なのです。アナタ方が勝てば第一プランに移行、もっとも第一プランの詳細は分かりませんが、失敗した場合は我が王が考える第二プランへと移行することが分かっています。最も詳細は分からないですが・・・、そして初代殿は第二プランに楯突いたとして冠位権限を没収されています」

「・・・それは最悪ね」

 

アサシンの冠位権限、それは絶対的死の付与。

それと初代山の翁の死を付与するという魔業に冥界と言う条件が整っての相乗効果によって第二の獣に死が付与できたのだ。

ニャルラトホテプの奸計によってその手段は一つ潰された訳だが、

今は関係ない。

なぜならニャルラトホテプはカルデアが勝てる手段をちゃんと用意しているのだから。

無論、全てを受け入れ足掻いた先にある物であるが故に常人では手に入れられない物ではあるのだけども。

そして二日ほど走り続け。

 

「見えてきました」

「「「―――――」」」

 

トリスタンはなんも無いように言うが、

山全体が城壁で覆われ町が出来ており、その天辺には見覚えのある城。

即ち、忌まわしき痴女服を着せられたあの特異点で見たエリザベートの城。

チェイテ城が聳え立ち、その上に黄金色のピラミッドが乗っていた。

 

「アレが我らが最後の砦、チェイテピラミッドアズライールの廟です」

「「「こちとら真面目にやってるねんやぞ!!」」」

「いや私もマジですよ!? 最初はエリザベート殿が訪ねてきて、攻められたらヤバいからという事で彼女の宝具で城塞化したんです」

 

あまりのトンチキさにオルガマリー、マシュ、ロマニは思わず関西弁になりながら叫ぶ。

それに慌ててトリスタンが弁解。

そう初めはいたって至極真っ当な考えだった。

あの天使円卓軍団が攻め込んできたら心もとない、と言う訳で村に召喚されていたエリザベートが己の宝具を使い、

山自体を城塞化していた。

城塞化の範囲は難民の受け入れもあってアズライールの廟まで届いてしまった。

故にエリザベートは単身、アズライールの廟に赴き初代山の翁に協力を取り付けた。

彼も、エリザベートを償う者、抗う者として評価し快く提案を受け入れてくれた。

その数日後、ズタボロのオジマンディアスとニトクリスを何の因果か三蔵法師とお供をしていた俵が引っ張ってきてしまい。

なんかオジマンディアスがわがまま言って宝具を展開、チェイテ城の上にピラミッドが出現。

☆合体☆して現状に至るという。

と言ってもだ。陣地自体の防御力は格段に向上。

戦略戦術的に正しいので誰も文句言えず、こんなトンチキな感じになってしまったらしい。

世の中は無常だと思う他なかった。

 

「それで逃がしたと・・・」

「はい」

「なら・・・罰は無しです」

 

溜息を吐きつつガウェインの報告に興味無さそうに告げるアルトリア。

追い込んで相手が足場不利で逃げるのを追うという戦い。

圧倒的にガウェインが有利で逃がしたのは大罪に値する。

がしかしガウェインはまだ使えるのだ。チェス盤でまだ存在する駒を使いようがないからと捨て駒にするならまだわかるが。

それもしないで自主的に取り除く馬鹿など何処にもいない。

使えるから使い潰す、それに限る故に罰は無しとなった。

 

「暫く、王よ、幾ら罰がなしと言うのは・・・」

 

アグラヴェインが忠言する。

だがアルトリアにとってはどうでも良い事だ。

此奴も所詮は都合の良い女性像としてしか自分を見ていないのだから。

 

「敵は5つの特異点を乗り越えている。簡単に仕留められるとは思っておらぬよ」

「しかし」

「ならばアグラヴェイン、卿が対峙して捕らえられるのか? あの頃の愚鈍な私だと思うなよ、隙あらば討つ気であるが癖に」

「ッッ」

 

アルトリアの鋭利な視線がアグラヴェインを射貫く。

そう隙あらばという奴である。

考えても見よう、どう足掻いてもオルガマリーとマシュは新世界の千年王国における不安定要素でしかない。

何故なら、今磔にしている達哉を生贄として最果ての女神であり神の戦車であるアルトリアと天使と融合した自分たちがいれば千年王国は成就するのだから。

だったら二人なんて必要ないだろうと。

 

「まぁいい、卿如きでは討てんよ」

 

故にアルトリアは冷静に分析する。

本来なら現状のガウェインでさえ気を抜けぬ相手なのだから。

円卓騎士としては下であるアグラヴェインにサンダルフォンとギフトで下駄を履かせているとはいえ勝てないのだ。

因みにガウェインには小ヤハウェことメタトロンとギフトを与えてある。

故に本来文官のアグラヴェインでは勝ち筋がない。

 

「ガウェイン卿は休め、カルデアは天使とギフトを与えられたからと言って力の平押しで勝てる相手ではない。パーシヴァル卿、モードレッド卿、ガレス卿」

「「「此処に」」」

「明日明朝に手勢を率いて追撃せよ。深くは攻め込まなくとも良い。周辺施設を破壊し奴らを焦らせよ」

「「「御意に」」」

「それでは解散とする。私は寝る。さすがは初代山の翁と行った所か。首の再生が遅い上に霊基が此処まで解れるとはな」

 

そういってアルトリアは玉座の間を後にしてして寝室に向かう。

当たり前だ。ロンゴカリバーのアヴァロン機能は不能状態。

首の傷は癒えが遅く、解れた霊基が一向に合致しない。

これではカルデアに勝てぬ。身を少しでも休めなければと思うのは当然の事。

そして全員が玉座の間を後にしたのを気絶した振りした達哉が目蓋を上げ体を動かす。

刺された痛みはないが杭は一向に動きやしない。

 

「しょうがないか・・・」

 

達哉は歯を食いしばり、

強引に右腕を動かすペルソナパワーも全開だ。ギチギチミリミリと肉が剥がれる音がするが構うものかと右腕を動かす。

ただひたすらに動かす。

無論激痛だ。常人なら発狂してうっかり口を開けて再度閉じてしまいその際に舌を嚙み千切ってしまうだろう。

だがそれを強靭な精神力で抑え込む。

肉体の損傷なら幾らでもどうとでもなる。

あの心の痛み、仲間を失う喪失感、愛しい人を失う苦痛に比べればマシだと。

それに比べたら肉体の痛みなんぞ知った事かと言う一種の苦行によるランナーズハイ染みた精神で脳内麻薬を強引に分泌し強引に杭を通しつつ右腕を振り抜く。

血がボタボタと垂れ落ちた。

 

「はぁはぁ・・・このままじゃ奥歯が何本か逝くかな」

 

そんなことを言いつつ自嘲する。なんにせよ右腕は自由になった。

しかし服は血だらけの穴だらけだが構うものかと、今度は右肩に突き刺さっている杭に手を伸ばそうと思った時である。

そして杭の効力かペルソナが封じられている、早く脱出しなければ失血死だ。

だがそこに黒騎士ことアグラヴェインが戻って来たのだ。

 

「・・・やはり貴様」

「ッッ!!」

 

瞬時に間合いが詰められる。

もっともこんな状況で武器を振るうもくそも無いのだが。

突きつけられる切先。達哉が刀身を握る形で止めなければ右目から脳まで貫通即死していただろう。

アグラヴェインは無論の事達哉を殺す気で突いた。

だって彼からすれば彼の持つ資格こそ王を狂わせたものだったからだ。

そして王を此処まで壊した元凶のカルデアの首魁の一人であるからだ。

 

「貴様さえ居なければ!! 王はこんなにも壊れなかった。完全で居られたのに!! お前らのせいで、王はあの女と同系列になってしまった!!」

「なにを言っている」

「今でも脳裏に浮かぶのだ!! モルガンの壊れた笑みがな!! そして我が王の壊れた笑みがあの淫売と同じ笑みだったことに気づいた!!」

 

アグラヴェインが叫ぶ、そうアルトリアの壊れた笑みは何もかも奪われ壊れたモルガンそっくりだったのだ。

彼からしてみればあの売女のモルガンと、自分が初めて嫌われたくないと思った女であるアルトリアの笑みがそっくりなんて許せなかったのである。

 

「血筋が一緒なんだからあたりまえだろうが!! それを色眼鏡でみて憎い相手に結び付けるなよ!!」

「だまれぇ!! 我が王をああしたのはオマエラだ、お前たちさえ居なければ!!」

「その前段階を作ったのはオマエらだろうが!!」

「ほざけぇ!!!」

 

それに達哉が反論する。人理修復の旅では英雄譚への知識が重用だった。

チェイテ特異点の頃はアーサー王伝説と言えばディズニーだったが、

いまは英語を教える序にセレシェイラがアーサー王伝説を教材に選んでくれたことによって知っている。

政治体系、各々の行動を俯瞰して見てみればアルトリアを食い物にするような悲劇的英雄譚なのだ。

実在するとすれば尚たちが悪い。

故に彼女をああしてしまった土壌を作ったのはオマエラだろうと達哉は反論するが、

相も変わらずという奴である。誰も之も自分の事しか見ていない。

達哉達カルデアに責任転換した挙句、さらに痛い所を疲れれば黙れと脅す。

場末の不良と何が違うのか、いいや力があるから尚も質が悪い。

なんせ右手で掴んだ刃はそのまま血液で滑って今にも達哉の右眼孔部から脳を貫かんとしているのだから。

もう限界だった。憤怒のままに刃を押し込まんとするアグラヴェイン。

右手で生きようともがく達哉。

単純に考えて、アグラヴェインの全体重が乗っている刺突を右手で抑え込むのは不可能。

 

(南無三!!)

 

そうして覚悟を達哉が決めた瞬間。

 

「嫌な予感がして戻ってみれば、何をしているのです? アグラヴェイン?」

 

アルトリアが戻って来た。所謂直感スキルである。

 

「わ、我が王これは・・・」

 

思わずアグラヴェインも剣を引く。

それだけの圧力だった。

まるで龍の双眸の様に瞳は見開かれアグラヴェインを圧倒している。

そしてすたすたとアルトリアは達哉に近づき、

 

「メディア」

 

簡易的回復スキルで傷を癒す。

そして達哉の右手を持ちあげ最果ての欠片を出現させて穴の開いた場所に刺して再度拘束する。

これには思わず達哉も雄たけびを上げる・・・

 

「アル、なんでどうして・・・もうアンタが頑張る事なんて」

 

それでもマツシマの記憶を忘れられない達哉は言う。

アルトリアは友人だ。だから言葉を尽くすのみとばかりに。

 

「この先には何もないからですよ。だから私が壊し救うだけです。ですが安心してください、私が紡ぐ千年王国にアナタたちは居るのですから」

 

そう言って慈母の様に微笑み、再び達哉が意識を落としたのを確認して、

振り向きざまに右腕を伸ばしアグラヴェインの頬に裏拳を叩き込みふっ飛ばす。

彼は壁際に叩きつけられそのままずり落ちる。

 

「言ったはずだ。周防達哉は要だと」

「なぜですか・・・」

「コトワリと座標を持っているからだと言ったはずだが? あとは世界の運用機構としてマシュとオルガマリーがいると1から10まで説明した筈だが?」

「しかしそれでは」

「黙れ、いずれどのような事にも終わりが来る。それまで持てばいいのだから」

 

そうアルトリアの理想とする世界はそれだ。

当事者が去った後の事なんて考えても居ない。むしろ無に帰し滅んでしまえばいいとさえ思っている。

だがこの世界ではそれは成せない。新たな世界が必要なのだと。

 

「卿の玉座の出入りは私が居る以外では禁ずる、頭を冷やすのだな」

 

アグラヴェインが肩を下げて去って行く中、そう命じ。

アルトリアはため息吐きながら、玉座に腰を掛け頬杖を付いて眠りに入ったのだった。

 




アルちゃん「新しい騎士こと敵を紹介する、一応騎士として扱うが後ろから刺し殺していいからな」
ニャルロス「出来るもんならなぁwwwww」
円卓一同「イラッ☆」

ニャルロスは普段は円卓勢煽りつつ実力自体はACCセフィロスと変わらないので円卓勢叩のめしワイン飲んでます。
それを冷めた目で見るアルちゃんと言う構図。
そしてたっちゃん自傷覚悟で抜けだそうと気合と根性で頑張っていますが。
その度にアルちゃんに磔にされなおされてます

あとマシュとガウェインの最大火力勝負ですがマシュが普通に勝ちます。
もっとも原作だったらの話で。本作では天使と悪魔合体しているので互角です。
まぁマシュにはまだ上がありますけど。じゃねぇとパーフェクトアルちゃんに勝てねぇ・・・

そしてアグラヴェインに叩き込まれる裏拳。
そりゃ達哉失ったらアルちゃんの計画が根本的に崩壊するからね、殴られても仕方ないね。
カルデアがカチコンで原作の様な事言ったら殺意MAXでマシュに極まった八極拳でぶん殴られることもかくていしているのですけどねアッくん。



そしてなぜか存在するチェイテピラミッドアズライール廟。

じぃじ「泣いてよいか?」
エリちゃん「泣く暇あったら、体の傷癒して!!」

難民を受け入れるために場所取っているためアズライールの廟は犠牲となったのだ犠牲の犠牲にな。

ああ後、FGO最終決戦に向けてサボっていたクラスコとグラスコ埋めに奔走するので次回も更新遅れます。
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