Fate/Grand Order たっちゃんがグランドオーダーに挑むようです   作:這い寄る影

23 / 133
これが定めさ! 知りながらも突き進んだ道だろう!
正義と信じ、分らぬと逃げ、知らず! 聞かず!
その果ての終局だ! もはや止める術はない!!

機動戦士ガンダムSEEDより抜粋。


十三節 「弾劾戦闘」

大よそマリー・アントワネットの生涯は幸福とはいいがたい。

当時の価値観として男尊女卑が普通だったのだ。

道具としての価値観は見出されていたとはいえ。

大よそ現代のようにそれが認められるような状況ではないのは確かである。

だがしかし。彼女はそれでも立ち上がった。

無論。それは愛する国の為。愛する家族の為。愛する隣人の為ではあったが。

そんな先も述べた情勢下で反骨心を滾らせれば綺麗も汚物に見えるの画筆の世という物である。

規範に沿わない存在はいつの世も排除対象だ。

祈りがとうとうモノと言えど一般大衆の需要にそぐわない上級階級は排除されるのが常ともいえる。

故に不幸だともいえよう。

彼女自身にも問題があったとはいえ大衆が結局自分自身の負債を覆い隠すために彼女の名誉を落したという事実は、何も変わらないのは至極当然の理由であるからである。

でも彼女は後悔はあるけれど納得はしていた。

 

「シッ!」

 

短く鋭い吐息とも共にマリー・アントワネットはレイピアを突き出す。

花の様な金細工が施されたただのレイピアであるが。

今は祝福も乗っている。十分に対峙している相手であるヴラド三世に傷を負わせることは可能だ。

さらに彼女自身の腕前もそこそこ良い物である。

 

こればかりは生前の経験の差だ。

あの怪異で化け物を相手取ることは多かったが。

対人戦闘は少なく。

どうしてもヴラドには劣ってしまうものである。

一王妃と護国の鬼将を比べるのが間違っていると言えばそうなのだが。

 

槍とレイピアが擦れてはじける。

既にやり合いは数十号に及んでいた。

 

「貴殿は王妃と聞いていたが・・・まさかこれほどの使い手とはな・・・」

「ペルソナ補正に頼りきりだけれどね。かのワラキア公に褒めてもらえるなら幸いというものよ」

 

先も述べた通り。通常であればヴラド公にマリー・アントワネットは単騎での武力も劣っている。

純粋な実力では達哉よりも下だ。

それをペルソナ補正によって補っているだけに過ぎない。

 

(さて・・・どう攻め崩しましょうか)

 

手札が圧倒的に足りない。

前話で説明したとおり。英霊のペルソナ使いは専用ペルソナしか使えない。

理由としては前の話で書いた通りだ。

サーヴァントは座の本体の一側面を切り取った存在だからである。

現にチェンジどころかベルベットルームの使用すらできない。

故に手札不足なのだ。

マリーアントワネットの元来のスタイルは、多数のペルソナを捌いて戦うオルガマリータイプなのだから。

流石にジュノンだけでは、サーヴァント化による身体補正があっても、ヴラド公レベルの相手となればきついものがある。

 

「では、悪いが異国の王妃よ。詰めさせてもらうぞ」

「ッ」

 

 

雰囲気が変わる

大地が発起する

再現されるのは皆殺しの極刑の大地。

オスマン帝国から領土を守るために行った。串刺しの地獄の具現。

 

極刑王(カズィクル・ベイ)

 

ヴラド公の宝具である極刑王が発動する。

刹那。地面から出てくるのは無数の杭。

中世に於いて串刺しの刑に使われた代物だ。

 

「ジュノン マハコウガオン!!」

 

それが前から津波のように襲い掛かり。それをジュノンで薙ぎ払いつつ。

撃ち落し損ねた杭を、レイピアで切り落とし。

ステップを踏むかのように後退。

刹那、マリー・アントワネットが居た場所から杭が現出する。

これが極刑王だ。

サーヴァントを殺傷可能なほどの杭をヴラドが地脈掌握した領域なら大地からでも生やすことがかのうなのだ。

そしてその派手さに拘わらず応用も利く宝具である。

 

「テトラカーン!!」

 

その初見では回避不可能の攻撃を自分の足元にジュノンでテトラカーンを足元に展開。

杭を弾き返す。

 

「なに!?」

 

展開された障壁に杭が接触するや否や。

接触した本数がヴラドに襲い掛かる。

彼は驚愕こそしたものの。即座に状況に対応。

槍を振って跳ね返された杭を叩き落す。

マリー・アントワネットも間合いを詰めるべく脚を動かす。

 

「こう激しいダンスは好みじゃないのだけれどね!!」

 

兎に角、動く、間合いを詰めるのと。

足元から発生する杭にあたらぬためだ。

もう中半詰まされている形なのだ。

いくらペルソナがあっても、補正があっても。サーヴァントとしての身体能力があっても。

それでも生前から戦争を行っていったヴラド相手には地力の差が露呈する。

 

「・・・なぜこうも抗える」

「?」

「すでに状況は決した。そのジュノンとやらの火力では。余の極刑王は乗り越えられまい。周防達哉のペルソナであれば別だが」

 

詰みかけているのは先も述べた通り。

ジュノンの火力が足りていないのだ。相性がいいから薙ぎ払えているだけで。

それが無かったら物量差に押しつぶされる。

達哉であれば最上位ペルソナの暴力で薙ぎ払えるが。マリー・アントワネットはペルソナ使いとしては中堅だ。

それほどの物は卸せない。

故に詰み。この布陣を突破は不可能だというのに。

なぜこうも抗うのかヴラドは不思議でならなかった。

 

「第一に貴公も私と同じで民衆によって名を汚され。名誉も貶められ。都合の良い妄想として使われている。故にあの若人たちに協力する意義はあるまい?」

 

確かに。マリー・アントワネットの名誉も地位も心も大衆によって踏みにじられた。

そしていまだなおネガティブなイメージが付きまとうことは否定できないものではある。

故に未だ直。名を貶め続けられるがゆえに現在の人間を救うことに意味があるのかとヴラドは問うているのだ。

そんな連中を救う事に何の意味があるのかと。

 

「・・・プッ」

 

その言葉を聞いて。マリー・アントワネットは吹いた。

彼女からしてみれば見当違いも良い所だったからだ。

彼女は民をフランスを愛した。

それは原作で語られるところである。

だがそれを言ったところで、目の前の王も同じ。

故に自分はそういうスタンスということを言っても理解はされない。

であるならとマリー・アントワネットは負の側面を言う。

 

「・・・何がおかしい?」

「ごめんあそばせ。別段嘲笑したいから笑ったわけじゃないの。ええ確かに私は私の愛する者たちの手によって何もかもを奪われたわ」

 

そう前置きしつつ自分自身の影をさらけ出す。

 

「でも、王妃として皇族として、一政治家として。その悪名やらネガキャンの類で首を落されたのは、私がミスをしたからに過ぎないわ。だから残念には思うけれど。私に非がないとかそう言う事を言う権利はない。あの場で少なくとも有効手を打てなかったのは誰?」

「それは・・・」

「そう他ならぬ。私自身じゃない? 違うかしら? いいえ違わないわ」

 

専制政治である以上。政治的ミスはマリー・アントワネットやルイ16世の物でしかない。

彼女も政治にかかわっていたし体制を変えようと奮起した。

誰もがそれを理解せず、彼女を断頭台送りにしたとは、誰もが言うが。

実際には、マリー・アントワネットのプレゼンテーションとコミュニティが足りなかったということでしかない。

独裁政治も、頭が良く民に利益をもたらすなら賢君としてたたえられる光の側面があり。

負の側面としては個人に依存しすぎるがゆえにやらかした場合のリカバリーが利かず。トップが暴走しすれば、その王は暴君やら暗君として呼ばれることもある様に。

周りへの根回しが十全に足りなかったから、要らぬ嫉妬を買ってあの様というだけなのである。

故に事を怠り有効手を打てなかった自分自身が悪いのだとマリー・アントワネットは語る。

 

「飽く迄も、自分人が貶められたのは民のせいではなく自分自身の責任だと?」

「そうよ、何処までも自分がやったことに対する正当な評価じゃない。貴方も。確かにああするしかなかったとはいえ。あれだけの事をやっておいて悪名がつかないと思うのは、少し甘いんじゃないかしら?」

 

ヴラドの所業は残酷無比だ。

だがそれは当時最強レベルの国であるオスマンを相手にするには仕方がないという側面もあった。

兵の質も数も上。その上で民衆を守るにはあらゆる手段を使わねばならなかった。

故に敵兵を串刺しにし。戦略の邪魔をする味方と貴族を始末して。徹底した焦土戦術を使った。

側から見れば実に正しい。だが裏を見れば血も涙もない所業である。

如何に理屈で正しいとわかっていっても。

 

故に憎むべきは自分自身だろうと彼女は言う。

 

「それに今もネガキャンだらけというけど。再評価の動きはあるじゃない。貴方も私も。映画にだってなってるのよ? 本や歌劇の主題にもなったわ。むしろ吸血鬼という偶像で貶められたけれど。今やあなたの名はメジャーだし。おいしい主題も一杯貰っているじゃない。私はあんまり映画の主題にして貰えないけれど」

 

第一に一時はドラキュラのせいでヴラド=吸血鬼という偶像が生まれて名は貶められていたが。

今や負のイメージだけではない。色々なジャンルでそれは表現されている。

そして世界がネットでつながったことによって。再評価の動きもあるのだ。

それはマリー・アントワネットも同じであるが。

強いパンチの効いた属性がないせいで。そう言った映画関係の主題にもされづらい。

 

「だから私が羨ましいと?」

「いいえ、そうは言わないわ。でもそこで満足しておきなさいって話よ。いい方向に話が持っていっているんだから喜ぶべきでしょう? 私はむしろ・・・できなかった事を評価されてもって思っているもの」

 

マリー・アントワネットの最終目標は達成できなかった。

出来なかったことを評価されてもモニョると言うのが普通の反応である。

 

「・・・なら虐め抜かれた貴様の子はどうする!! あれこそ愚衆の醜い責任の転換であろうがよ!!」

 

マリー・アントワネットの子であるルイ17世はそれこそ虐め心理の被害者でもあろう。

人間的な尊厳ですら貶められてなお怒らないというのかとヴラドは憤慨するが。

 

「だから・・・私の責任って言っているでしょうに」

 

静かに怒りつつ。マリー・アントワネットは百合の王冠に栄光あれを起動。

硝子の馬を呼び出し、押し寄せてくる杭を粉砕させて、飛び乗る。

 

「あの時、確かに逃げ切れる筈だった。」

 

革命が起き亡命するために馬車を用意した。

理論上は逃げ切れる筈だった。

だがそうはならなかったのは何故か。

 

「でもそうはならなかった。ほからなぬ私自身のせいでね!」

 

他ならぬマリー・アントワネットのせいである。

事もあろうに逃走用の馬車に過剰に荷物を積み込んだせいで。

馬車が速度を出せなかった挙句。そも馬車に荷物を積み込む時間を食ったせいで。

民衆に補足されとっ捕まったのだから。

その責任はマリー・アントワネットに付属する。

 

「もう嫌と言うほど見せられたわ。学習の一つや二つすると物でしょう!!」

 

硝子の馬が光を放つ。

宝具機能とペルソナを組み合わせた攻撃突撃スキルにして攻撃ではマリー・アントワネット最高火力だ。

 

「咲き誇り。絢爛に駆け抜けよう、我が行く道は刹那の軌跡!! 百合の王冠よ栄光を紡げ(フルール・ド・バニッシュ)!!

 

美しく絢爛な具足と馬用の防具を身にまとった硝子の馬が一瞬で超音速を突破。

踏みしめる大地を結晶化し砕きながら炸裂する杭を粉砕し、その外皮はマリー・アントワネットを守る様に杭を弾き飛ばす。

防御と攻撃を両立した単純な攻撃は速度も速く。

祝福も乗り、四方八方から襲い掛かる杭を粉砕しながら突き進む。

 

「だがそんな大技は当たってやれぬ。」

「直撃させるわ、意地でもね!!」

 

だが無論。ただで当たるほどヴラドも馬鹿ではない。

だが当てて見せるとマリー・アントワネットは手綱を握りしめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒャァッハ!!」

「ッ」

 

刃が振るわれる。

それは正調ではない。

宗矩がその太刀筋を見れば武ではないと評する乱雑さである。

ただ刃を当てて目標を傷つける為だけの乱雑な太刀筋。

されど人は三寸切れば死ぬという言葉がある様に。

当たりどころが悪ければ死ぬから。

須藤からすれば殺せれば乱雑だろうが何だろうが苦しもうが苦しまないがどうでもいいのである。

 

須藤の動きは機敏だ。

影との契約によって覚醒した。彼本来の専用ペルソナは。

ガタスではなくモナドへと接続先を変えており。

そのレベルは最高ランクである。

 

いや汲み上げられる純度で言えばベルベットルームで調整を入れて強化された達哉のアポロより高出力である。

故に、機敏性だけ見ればハイサーヴァントレベルという人間を超越した物である。

そのスペックに加え。

尚且つ殺傷行動における心理的鎖なんぞ存在しない彼は躊躇なくジャンヌを殺すための行動をとっている。

 

「おいおい、もっと楽しませろや。お前も電波が聞こえんだろぉ? スキルも戻ってるはずなんだからヨォ!!」

「クッ、私の聞く声はアナタの聞く悪魔の声とは違う!!」

 

ジャンヌはそう返す。

事前に達哉から聞かされていた。

ニャルラトホテプは人類の影だ。

大よそ救いとは相いれぬ存在で。間違っても聖書の神とは相いれないと。

彼女は叫び。須藤は大きく爆笑した。

 

「俺とアンタは違う? ヒャハハハハ!! おいおい、じゃぁ聞くがよ。アンタの信じる神とやらの名はなんだぁ?」

「神の・・・・な?」

「名は大事だろうがァ!! 明確な信仰心ってのはまず、信仰相手を認識することから始まるのはごく普通の事だろう?」

 

信仰とは明確な対象が居なければただの妄想である。

だから須藤の言うことは間違ってはいない。

神にも名はある。

無論、キリスト教の聖四文字だって存在する。

が、ジャンヌが知る筈もない。

ヤハウェの名を知るのは当時、それこそ専門職を歩むモノ達か聖職者くらいなものだ。

田舎娘で文盲のジャンヌが知るわけもない。

無論。座からの情報フィートバックがあるから言えるのではと思う読者もあられるだろうが。

そも聖四文字の正式な発音自体が失われている。

明確な記憶がない以上、情報補佐はないのだ。

ジャンヌの素の学では言いよどむほかない。

 

「いい淀んだな? つぅーことはお前はお前自身が信望する神の名ですら知らねぇわけだ。その上姿も見たこともないのに。なぜお前の聞いた神とやらの声が。聖四文字だと断言できるんだ? ええ?」

 

名も知らない。姿を見たこともないはず。

だというのに誰かであると言い切れるのは実におかしい話だ。

ネットチャットあたりで有名人のコテハンを使っている人物を本人と断定するような行いである。

まず普通であれば幻聴を疑うだろう。

 

「断言出来ますよ。あの声の嘆きは本物だった。確かな嘆きだったのだから」

「クハ! 物は言いようだなぁ。おい!! お前の信望する宗教にはこうあるぜ! マタイだったか・・・確かぁ。偽の預言者に気を付けなさい。彼らは羊のなりをしてやってくるが。うちは貪欲な狼ですってなぁ」

 

ジャンヌの言い分を具体的証拠が伴っていないと一蹴しながら。マタイの福音書の第十五を引用しつつ。

須藤が問いを投げる

何故、その清廉な声とやらが、神の皮を被った偽の預言者。つまり神の皮を被った悪魔の誘惑ではないと言い切れるのかという事である。

無論、ジャンヌにそれを言えるはずがない。

抑止の情報サポートはあるが。高校生レベルの人間が大学教授の論文クラスの

前提からしておかしい。

文盲だった彼女が聖書を詳しく読み取り理解したうえで判断するなら兎にも角にも。

理解もしていないのになぜ。声を聴いただけで。それが神の声と断定できるのが実におかしな話だろう

 

「知らない。けれど綺麗で紳士だからだからお前が神!! 実に都合の良い妄想だァ。でも一口に神って言っても色々いるんだぜェ。お前さんの信望する宗教は多くの神を引きずり貶めた。嘗て神であった存在を悪魔って口触りの良い認識と概念にな。だから多方面に恨まれて当然だよなぁ? 嘆くなら元神様の連中の方だろう? でだ。お前の聞いた声はだれだ?」

 

だからこそジャンヌの信仰は歪だ。

知らない物を信仰しているのを、清廉やら光やという口触りの良い概念でごまかしている。

いわば現代における、ミーハー精神に近い。

一件にして強靭な信仰で成り立っているように見えるが。このように理論的に否定すればあっという間にはがれるメッキだ。

偽の預言者が良き隣人を偽装するように。

悪魔もまた神を騙らないとなぜに保証できようか。

 

「かの蠅の王でさえ。かつては慈雨によって豊穣を齎す神として信仰されていた訳だ。それがキリスト教の台頭によって。あんな様だぜ? 恨んでないわけがねぇだろ? 言ってみろよ。貴方の奉じた神様は誰だ? ■■■■? バアル? アスタルテ? ダゴン? アドラメレク? 神の姿語るならデミウルゴス? エホバ? ヤルダバオド・・・ さぁどれだよ!!」

 

須藤にその歪さを指摘されたうえで。お前の聞いた神の声は誰だという問いに返すことは出来ない。

故に須藤も言ったように、キリスト教に貶められた神々が、ジャンヌに嘗ての姿と言う虚像を纏いながら。

聖四文字を貶める為に声を届けたということは否定できないのである。

 

「それはあの方に決まっている!!」

「だからさぁ、名を言え!! 具体的に説明しろよ!! 適当な抽象的言葉ではぐらかすな!! 説得力ねぇんだよ! 姿も見たことも無ければ名も知らねぇ小娘の言いようなんぞなぁ!!」

 

説明できないのに説明しろと人は強要する者だ。

何故なら見えないものは存在しないのだから。

神もまた同じである。

ジャンヌの叫びをそれは無知蒙昧な女の奇声と変わらないと須藤は嗤いながら否定し。

振われる旗を刀で捌き。

繰り出される蹴りを後退しつつ回避する。

ジャンヌの攻撃は一見して苛烈であるが。

実際はテレフォン気味になっている。自身の信仰心を根幹的に揺るがされているのだ当たり前だろう。

何故なら、こうも理論的に否定してくる相手は初めてだったからだ。

彼女も自分自身が怒っていることに気付いていない

そしてさらに須藤は思い出したかのように、一層嘲笑を深めた。

 

「なるほど、だから、たっちゃんに聞いたんだな? 主の姿を見たことはありますかってなぁ!!」

「!?」

「不安だったんだろう? 自分の信仰心がよ。じゃなきゃあんな言葉と問いが出てくる分けねぇだろうが!!」

 

祈れど姿を見せない神に天使。

そして生前に広がる戦乱。

貴族にとっては温い戦争だっただろうが。一般人は命がけ。

だからこそ、信仰する傍らで、ふと魔が差したことが無いということウソになる。

先ほどの須藤の指摘で。そう言った影が噴出していた。

さらにその指摘で自覚できるまで。ジャンヌの心理的背後に影が浮き出てくる。

 

「そりゃ誰だって不安になるよな? お前も座で知ったはずだ。打ちのめされたはずだ。神は既に世界を去っていたって事実を知ったんだからよ」

 

そういいつつ須藤はヘラヘラ嘲笑いつつ、身をかがめて地面を縫う様にジャンヌに接近。

間合いを縮め。刀を足元を狙い横に走らせつつ。

さらに煽る。

既に当時のフランスには神格なんぞ都合の良い物は居ないわけだ。

そして座に至ったがゆえにその事実。知らぬわけがない。

だからこそ。ジャンヌの信仰は否定されているのである。

 

図星を突かれたジャンヌは即座に地面を蹴って。

さらに距離っを縮め、右は膝を須藤に叩き込まんとするが。

須藤は左手を地面につけて身を回転しつつ浅くジャンヌの左足を斬りつける。

 

「それ見た事か。信仰を否定すればぺーぺーの狂信者は即座に暴力。どっかの戦争宗教屋と変わんねぇなおい。こえーこえー。本当に此れだから戦争犯罪者のテロ女はよ」

 

須藤は飽きれ気味に後方宙返りの要領で即座に体勢を立て直しつつジャンヌの居る方向に向き直る。

一方のジャンヌは旗の石突きを地面に突き立て跳躍の勢いを殺し。

地面に着地

 

「戦争犯罪者・・・誰が」

「お前だよ。ルール破って、闇討ち、大砲を対人戦に使用。当時のルールでは違反だよ」

 

現に100年戦争の暗黙ルールにおいては大砲を人にぶっ放すのは厳重禁止事項だった。

それを突然と破って行えばだれでも勝てる。

理論的にわかりやすく言えば。条約違反の攻撃の釣瓶撃ちを行ったのだ。

 

「現代で言えば国際協定やら条約違反の様なことだよぉ。広島と長崎の悲劇 911テロ。ベトナムの枯葉剤。イランイラク戦争におけるハブラジャ事件などがそうかねぇ」

 

今でいうところの米国が条約違反をやれば勝てる。

如何に追い込まれていたとはいえ。それだけやれば覆せたのだから。

国力はあったのだ。

 

「が、幾ら国が容認したと言っても、それは戦時下の話だ。第二次世界大戦規模なら敗戦国っていう明確な責任の押し付け先があるが。一国VS一国だとそうもいかねぇ、情勢ってものを気にしなきゃならねぇのさ、勝ち方もなぁ」

 

ただ勝つだけならどうにかなる。

しかし戦争というのは他国への事も気にしなければならない。

戦勝国でさえ責任を負うのだから。どう簡単に決着をつけるかまず考える。

そしてそれの一番楽な方法とは。

 

「どうあがいても責任ってのは発生するわけだ。だったらどうする? 答えは簡単だ。個人に押し付けてしまえばいい」

 

単純な話で個人に押し付けてしまえばいい。

アイツがやったと全部おっかぶせて捨ててしまえばいい。

情報伝達技術の発展した現代では不可能な話だが。ジャンヌが生きていた時代は違う。

まだ個人的武功がものをいう時代でもあった。

故に個人に責任を押し付けやすい時代でもあった。

末期戦まで追い込まれていた。フランス首脳陣は当然。都合の良い生贄を見つけた。

 

「幸いにも当時のフランスにはいたよなぁ。そんな人材が」

「それが私とでも言いたげですね」

「そうだろぉ? 国としての安泰をたかが。神の声を聴いたとかいう小娘生贄にするだけで手に入るんだからヨォ。そりゃ全力で持ち上げるわな。」

 

故に彼女の行う掟破りを容認した。

あとはジャンヌという一個人に全部責任を押し付ければお終い。

現にそうなったではないかと。

 

「で叩いて落して。都合が悪くなったからまた持ち上げる。政治屋の常套手段だよォ」

 

そして都合が悪くなったので政治的アピールも加えて再度持ち上げる。

政治家の常套手段だ。

こうすることによって事後処理は滞りなく終わる。

そうやって百年戦争は終結されたのだ。

 

「そんで無知蒙昧なお前は裏ではそういう事情があることを知らず。理想の英雄像によって。躊躇なく連中の望んだとおりに人殺してくれたわけだ。 ジルやら上層部の連中は小躍りでもしたんじゃねぇか? 味方の死は指揮官の責任、非合法的手段もまたお前に帰結する。ホレ。全部お前の責任だ。」

 

不正は元より、味方の兵士の責任さえ。魔女だとか適当なレッテル貼り付けて背負わせて使い捨てられる。

実に捨て駒としては手ごろで元々、高貴な生まれとかでもないため、遠慮なしに使い潰せる。

まさしく世界が国が民衆が望む都合の良い偶像だろう。

 

「お前の家族もそうだったなぁ。死にたくない巻き込まれたくないで。悪魔払いで教会に多額の寄付金は出したくないで娘の異常から目を背けて悠々と軍に送り出しして。戦果を挙げれば家族面。処刑の日には止めにも来なければ最後に顔を焼きつけようともしない冷酷無慈悲「ふざけるな!!」っとぉ!?」

 

そこでさらに須藤は追撃とばかりに今度はジャンヌの家族を持ち出す。

戦果を挙げてのパレードには来たのに処刑の時には来なかったことを引き出して。

復権裁判の事を言う。

遂にそこでジャンヌが切れた。

まぁ自分の事なら耐えられる人も多いが。家族まで貶されて怒らない人間の方がおかしい。

出力が上昇した筋力は既にありえない力と威力を発揮していた。

もっとも先ほども述べた通り。テレフォン気味である。

ニャルラトホテプの眷属となった須藤であるなら余裕で回避して見せている。

スウェー気味に穂先を回避するように小ばかにするような足取りで須藤が後退。

ジャンヌが激昂し図星を突いたと確信した須藤は。

致命傷になり得る言葉を紡ぐ。

 

「自覚してたんじゃねぇか、愛されてなかった。都合の良い道具としてしか見られていなかったわけだ? ほれ俺と同じよ。両親からは都合の良い道具。電波の声を聴いて楽な方に歩みを進めて思考放棄。俺と同じだろう?」

「お前とは違う。私の家族の絆がお前に」

「それがな。分かるんだなこれが!! 藤丸の方でお前やったよな? 今日から私たちは姉弟ですってよぉ。しかもベカスの方で姉ビームとか聖杯の補正で作り上げてまでやったよなぁ」

 

家族を求める。

裏を返せば。それは愛されていなかったことの証明だ。

或いは愛されていても。その愛を受け取れなかったかだが。

ジャンヌの場合は前者だ。

歴史資料は所詮、過去の物。記憶を残す当事者たちが一致団結すれば偽装は可能だろう。

特に当時はカトリックが主流だ。異端認定されては溜まった物ではないゆえに。

関係者が口をそろえるのは当然と言えよう。

故にこの時空、つまりこの世界と連なる平行世界のジャンヌの姿は史実は一貫せず。

故に影が潜む。

現在の誰もが過去を本当の意味で捉えるのは不可能なのだ。

そして彼女は主要時間軸でやってしまった。

そう、あの夏の日、藤丸と主要時間軸のジャンヌ・オルタにファミコン丸出しの。

洗脳(物理)&(ビーム)までやっているのである。

もうここまでくれば。家族仲は悪いと思わざるを得ないし。実際そうだったとしか言いようがない。

良かったらそもあんな事をする必要性がないのだから。

 

「いい加減認めろや、お前は生前都合が良いから偶像に仕立て上げられただけの、聖女の仮面被った電波で負け犬でよぉ!! 英雄という光の概念で悦に浸りたいただの人殺しだってよぉ!!」

「違う私は皆を・・・助け・・・られた救えた命が」

「ねぇよ、お前がやっていたのは。ただの扇動だ。とりあえず旗降りながら突撃して。赤信号みんなで渡れば怖くないと同じ心理状況に陥らせて突撃させた。救うどころか命の浪費だよ。第一にお前が英霊になって救えた命なんて無いだろうが? ジャックっていう孤児を殺したじゃねぇか」

 

まだ抵抗するジャンヌに須藤は真顔で突っ込む。

 

「いやあれは・・・」

「明確に詰んでいる。最初からデットエンド。道理だよな? なら安楽死が救いだ。道理だよ。でもさ本当の救いってのはそういう連中を救ってこそだろうよ」

「―――――」

 

確かにジャック・ザ・リッパーの一件はどうしようもない。

だが救いを翳す以上、もっとやるべきことはあったはずだ。

 

「お前はあの時。どうしようもないから安楽死させたが。贋作の方はちゃんとアタランテを説得して見せたぜ?」

「え? はぁ?」

「呆けるなよ。だからああも協力し合ってるんだろうが。召喚時にアタランテがあの時の問いを贋作に投げかけて。贋作の方は具体案とプランを出して見せたぜ?」

 

ジャンヌ・オルタの方は召喚時にアタランテの言葉を聞いて。

言葉と理を言って説き伏せて見せた。

でなくば。アタランテを使役する事なんて叶わないし友愛なんて抱かれないのは当然の事だろう。

 

「嗤えるよなぁ。贋作は具体案だして、やろうと思えば出来て。本物は出来ませんでしたぁという本音を都合の良い信仰心やらなんやらで目を背けて後始末はマザコン英雄に全部ぶん投げてガン逃げだもんなぁ。マジ嗤えたぜ。聖者として本物より出来がいい贋作とかよぉ。誰もかれもが綺麗な物語を望んでいい空気吸いたいようなんで。俺が言ってやるぜ!!」

 

振われる旗を刀で弾いて嘲笑いつつ須藤は致命傷となる言葉の刃を振り下ろす。

これまでの否定は。この言葉のための布石だ。

誰もかれもが否定せず。”美しい物語を見たい”から指摘もしなかったがゆえに。

それが回りに回ってこの場で刃となってくる。

 

「お前は誰かに愛されたいがために。自分から無意識に他人の共有する誇大妄想に縋りついたあわれな少女だ。楽だっただろう? 楽しかっただろう? やっぱりお前も電波じゃねぇか!! 俺と同じ電波だよ!!」

 

その信仰心に理はなく。行いもまた他者が望んだ蛮行。結末も国と言うシステムが望んだ都合の良い生贄。

ただ愛されたいと願った少女は。

誰もが望む聖女像を完全に否定されはがされていく。

まさしく魔女だのという罵倒やらなんやらが比ではない罵詈雑言の雨あられだ。

重箱の隅をつつきつつ本人も自覚している及びしていない部分を躊躇なく解体しばらして罵倒していく。

それは大衆の公然的批判より的確に指摘される分ダメージが及んでいく。

当たり前だ。こうも的確に否定もされればダメージが及ぶのは道理である。

加えて、今のジャンヌには余裕が一切ない。

縋れる相手も居なかったのだ。

Apo時空の様な余裕なんぞ持てるはずもないのである。

後に残るはむき出しの。ジャンヌではなくジャネットとしての心のみ。

 

「ぐぅッ?!」

「ヒャっは!! 動きが単調だぜ!! ジャネットよぅ」

 

思考が白熱化し動きが単調になっていき、そこを躊躇なく須藤に切り刻まれる。

達哉とマシュはジャンヌ・オルタとの戦闘で手いっぱいだ。

マリー・アントワネットも格上のヴラド公に食いついていくので手一杯。

本来に予定なら。四体一でジャンヌ・オルタを圧殺。

或いは最低限、二体1に分散されてもヴラド公を圧殺してから合流し四体一に持ち込む予定が。

須藤という伏せ札のせいで覆番狂わせだ。

 

「お前はまさしく運命の歯車。最初からそうであれと望み望まれて作り上げられたシステム。何かできているようで何もできていない誇大妄想だ。そんでよぉ、たっちゃんは世界を滅ぼして救った。で今でも走っているわけだ。犠牲を無駄にしないためになぁ、無論そこにはペルソナに依存せず地力をちゃんと磨いてるからこそできるは当たり前のことだ。お前さんはどうよ? サーヴァント補正にスキルと宝具取り上げられてから自分で成し遂げたことがあるかァ? ねぇよな!! ここに来てから頑張ってのは、エリザのお嬢ちゃんや、聖人コンビにアマデウスと元王妃様だもんなぁ!!」

 

誰もが望むがままに彼女は道を歩み続けた。

故に何かを成せているようで何も成せてはいない。

妄想という意志の赴くまま。愛されたいがゆえに他人に都合の良い自分を演じていただけ。

後は脚本通り役を演じ切ればいいだけの人生。

自分の意志なんてものはそこにはないのだ。

 

「他人におんぶにだっこなんだよ。都合よく状況が動けば都合の良い光にしがみ付いて、鳶がお揚げを掻っ攫うが如き良いとこ取りじゃねぇか」

 

なんせ演じて居れば都合の良い物が手に入る、名声、愛する人、地位や成果もだ。

シチュエーションだってそうだ。

聖女の如き役を演じるにふさわしいシチュエーション。

Apoなんかそんな感じだろう。

誰一人として少女としてのいびつさを指摘もしなかったのだから。

だからおんぶにだっこ。都合の良い物は全部自分の成果として得られるのだからそうする。

現にジャック・ザ・リッパーの一件はそうだろう。

本物の聖女であるならアタランテを説き伏せ。現実に沿ったプランをジャックのマスターに提示する事だって可能だったはずだ。

でもジャンヌはその無知故に手段を知らず理が分からない。

故に安楽死という安直な手段を取ってしまったわけだ。

挙句。アタランテの暴走招き。それをアキレウスに押し付けた。

本来であればアレは因縁を紡いだ以上。ジャンヌが方を付ける問題だったわけだ。

それすらせず。天草の成り立ってはいけないプランにも具体的な否定提案を提示せず自爆特攻である。

 

「贋作も哀れだよなぁ。あっちは何かするたびにダメ押しされて。失いたくないからつってよぉ。必死に努力してアイツはあいつなりに頑張って自分を確立させたのによ。オリジナルがその様じゃ。そりゃ苦しんでのたうち回っていろって気にもなるわな」

 

あの時確かに。ジャンヌ・オルタがドンレミを焼き払った時。

単独でやり合った数分間。

ジャンヌ・オルタはジャンヌを殺さず。増援が来ると知るや否や踵を返した。

 

―哀れね、宝具も使わない。ペルソナですら取り上げられて。精神的余裕もないし、好みの得物すらない私に。その様なんて・・・ ああだからか。蝶も影もえげつないわね―

 

―いやよ。どうせアンタは破滅するわ。自分に影がない。他人に影がないなんて思い込み自分の無い女はね。誰かに縋りついて破滅するのが相場よ。あの処刑の時のように。今回はその比じゃないわ。明確に自覚したうえで滅ぼされる。なにも成し遂げられずにね―

 

―だったら無視してもいいでしょう? どうせ何もできはしないんだから―

 

無視したところで運命の歯車の砂粒ですらない存在を気にする余裕はないと言わんばかりにジャンヌ・オルタはジャンヌをあしらって撤収していく。

聖女の仮面を剥ぎ取ってしまえば何一つ力のないお前を殺す優先順位は後だとばかりにだ

 

「だから誰でも良いのさ!! 国が欲したのは都合の良い生贄。旗振って条約違反を犯してくれる都合の良い捨て駒。誰だってよかった。そこに都合よく転がっていたのがお前ってだけの話だよ!!”代わりはいくらでもいる”」

 

ジャンヌの代わりなんぞ居る。

国が民衆が人が求めたのは都合の良い偶像で生贄だ。

力の有無ではなく都合が良いかどうかである。

だからジャンヌは何一つ成せていない。ただ流れに身を任せていただけだと、須藤は弾劾する

 

「違う!! 私は成し遂げた!! 事を成したんだ!!」

「へぇ・・・まだ言い張るかよ」

 

まだ折れない、縋りついているジャンヌを見て須藤は行動を停止する

確かにジャンヌは英雄だろう。

だがそれを証明するのは今しかない。

では今。彼女が何が出来ているのかと言わんばかりに須藤はそれを証明するように指を差す。

 

「見てみろよ」

「なにを」

「出来た出来たという割には現在進行形で何もできてねぇじゃねぇか」

 

送って指さす先には

 

「「「ウォォオオオオオオオオオオオ!!」」」

 

神話の様な光景が広がっていった。

太陽神と織天使に匹敵する天使。人に試練を課し見定める魔王を従えて勇敢に立ち向かう達哉。

怨念をまき散らしながら剣を振い、絶死の槍を振い、骨ですら焦す焔を射出し見せる絶望その物如き様相を呈するジャンヌ・オルタ

そんな中、明確に格下ながらも達哉を守りカウンターさえ叩き込まんと勇猛に盾を振うマシュ

 

「元王妃様もスゲーわ。電波殴り返しただけは有るわ。見てみろよ、圧倒的格差について行っているぜ?」

 

ヴラド公とマリー・アントワネットの応酬もすさまじい。

繰り出される槍衾を硝子の馬に跨り粉砕しつつ。

騎乗試合のように何度も突撃を敢行している。

 

「ああそれとだな。ファブニールが堕ちたらしいわ。初のガチ殺し合いで竜殺しの主体無しがついていたとはいえ。カルデアの所長様はやり切ったみたいだぜ?」

 

無理に無理を押し通し、勝利をもぎ取ったオルガマリー。

皆死力を尽くし道を繋がんと血を流して役目をはたしている。

お前には何ができるんだよと。

手元で刃を弄びながら須藤は嗤う。

 

「敵は明確に贋作だよなぁ? だっつぅーのに三下の俺に嬲られて。そこでキレて蹲っているのはどこの誰でしょうか?」

 

そしてジャンヌは何が出来ていると須藤は嘲笑う。

ジャンヌの敵はジャンヌ・オルタだ。

その為にカルデアは、使いたくない噂まで使って特攻を付与したというのに。

現状、須藤にですら負けている。カタログスペックでは確かに彼を上回っているが身に付けた技術でいなされている。

彼はこういいたいのだ。自分の如き殺人鬼風情に図星突かれては隙を晒し。

生前積み上げた技術も思考力もない物だから言いようにされていると。

 

「シェイクスピアの時もだよなぁ。幻想のジルへの反論をレティシアの好意の影響ですって言ってとりあえず保留。ジークの時は結局聖杯をぶっ壊すって任務は達成できず。散っていくヒロインとかいう都合の良い虚像を演じて。事後処理を全部おっかぶせた。藤丸の所の第一特異点でお前はジルを引き込めず、民衆を説得できずそこらをうろうろ。最終決戦に至っては生前よろしく旗振ってただけ。ほれ何もできていない。なぜなら生前積み上げたもんが何一つないからだ。何もできなくて当然だよなぁ?」

 

生前。もっと戦術や戦略に精通しておけばバックアップ要員として活躍できた。

武術を真面目に学んでさえいれば優れた身体能力だけであってもサーヴァントとしての仕事は出来るはずであると須藤は指摘する。

ほかにもいろいろある。きちんと学べば、きちんとやっておけば。

ジークをジャック・ザ・リッパーを天草四郎を説き伏せられたかもしれない。

それらを全て自覚し。

何かが折れた。

呆然となる、ジャンヌに須藤は歩み寄り。

目線を合わせて皮肉に表情を歪める。

 

「よーく。分かっただろう。俺はお前だ。お前は俺だ。他人に認めてもらうことが苦痛で楽な認め方を求めて電波っていうどこの声か分かりもしねぇものにしがみ付いているだけの電波だよ」

「わ、私は・・・・」

「信仰心は理論的に立脚された物じゃない、不出来な贋作で電波。そんな電波なお前にもう帰る場所はない。ジルはお前が電波にしちまった。家族はお前を拒絶した。友はお前を都合の良い踏み台にした。国はお前を利用して捨てた。お前自身も多くを己の意志で殺した。たっちゃんと同じように帰る場所はないっと。始まったみてぇだわな」

 

始まったと須藤が述べると同時にだ。

準聖剣クラスの魔力光が閃光として走る。

振り向いてみれば。ジャンヌ・オルタから膨大な魔力光が噴出していた。

外壁に罅が入ってその間から水を噴射し決壊寸前のダムを彷彿させる。

貯め込みに貯め込んだエネルギーリソースがついにジャンヌ・オルタの憎悪の暴発に呼応し噴出。

収縮極まったそれは戦略核弾頭を上回る威力を秘めている。

 

「さぁって。アレを見逃したら。ティエールが全部吹っ飛ぶぜぇ」

 

無論、そんなもの見逃せばフランスが消し飛ぶと言うのは言い過ぎだが

この戦場とティエールが吹き飛ぶ威力は余裕であった。

 

「さて、お前のご自慢の旗で守ってやりな。最も。お前が守れるのはお前の虚像にしがみ付くボンクラ共だけだがよぅ」

 

今回はスパルタクスの時とは違う。

背後には町と戦場で戦う者たちがい居るのだ。

旗で守れるのはせいぜいこの場に居る達哉とマシュとマリーアントワネットにジャンヌ自身程度。

戦略目標を守り切るのは不可能。

かと言って戦術目標も守り切れるかどうか怪しい状況だ。

 

クツクツと嗤いながら、須藤はクラマテングを呼び出しトラフーリを使って場を離脱。

 

呆然とするジャンヌの視線の先では状況は動き続けていた。

 

 

 




これがニャルだ!! 良い部分も直すべき部分も悪いように解釈して歪ませた上でのマジレス真拳。
そして並行世界も跨いで情報持ってくるため、座と言う共有機構を利用する英霊にはどうあがいても刺さるというね。

ちなみにジャンヌと邪ンヌでは学ぶ環境も違いましたんで。
だって邪ンヌ、1999年から~2016年まで高校生活。本人もP2の経験から必死に努力に勉強に鍛錬にニャルの駄目押し そしてPシリーズ終了後はメガテンの神霊乱舞な戦場で戦ってきたんですもの。
育った環境と境遇が違いすぎて単純比較はできません。

あとジャンヌの家族描写でありますが。
史実では資料を読む限り仲は良かったみたいです。ただしそれは史実の話しで。
型月ジャンヌの描写てきに明らかにファミコン拗らせていることを加味して資料を読みつつ当時の情勢やらなんやらをニャル思考で考察するとこうなるわけで。
つまりどういうことかって?

ニャル「幾らイベントギャグとはいえ。迂闊なカミングアウトは死につながるということだ」

つまりファミコン拗らせさせた原作者が悪い。
俺はわるくぬぇ!!

ニャル「というわけで。次の選択肢ミスったら。ひどい目にあうからな。お前ではなく、たっちゃんとカルデアがな!」
ジャンヌ「え? なんで?」
ニャル「当たり前だろう? 罪の重みってのは他人が巻き込まれて初めて本質を理解できるんだかな」
ジャンヌ「ちょっと待ってさい!? それは理不尽すぎます!?」
ニャル「なぁに。次の選択肢を間違わなければ。大丈夫wwww 大丈夫www。ここまで否定されたんだからダメなところは分かるだろう?wwwwww 普通なら間違えようがないぞwwwwww」
ジャンヌ「」



言峰「やりすぎでは? 十中八九、間違えるかと・・・」
ニャル「私は連中の願いを叶えているだけだよ。聖女ではなく少女の自分を知ってほしいと望んでいるジャンヌと少女としての顔を知りたいと願ったジルのなwww。だから聖女の仮面をかぶる余裕が無いようにボコボコにしただけだ。望んだのは連中だよwwwww」



ジャンヌファンの皆様。本当に申し訳ない(土下座)

邪ンヌも負けず劣らずボコボコにされているので許して(焼土下座)


次回はたっちゃん&マシュVS邪ンヌ血みどろの殺し合いと安定の爆破オチ回。

須藤のおニューペルソナお披露目は後半戦で行います。








  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。