Fate/Grand Order たっちゃんがグランドオーダーに挑むようです 作:這い寄る影
ペーター・キュルテン
東京は地獄の如き様相を呈していた。
各陣営の準備が整った瞬間を狙ったかのように、第四勢力が動いたと言えばいいか。
「ガイヤ教 聖女派」、つまるところジャンヌ・オルタを信望する者たちが決起を起こしたのである。
各協会や組合 組織に潜り込ませておいた工作員はジャンヌ・オルタに従い各部署の制圧を行っていった。
既に形骸化したガイヤ教本部、デビルハンター本部および支部。
さらにはナラクを通ってミカド国の本丸への奇襲攻撃である。
殴り先を決めてからの鼻面を折るような同時テロと言っても過言ではない事態に。
メシア、ガイア、加えてレジスタンスは足払いを喰らったかのように。初動の動きが遅れざるを得なかった。
無論それがどうしたかと言う話になるのだが。
ジャンヌ・オルタが考えている作戦には。その初動の遅さが重要なのである。
最も当初構想していた物とは違う。
話しは省くとして要するに一人でやろうとしていたが。なぜか同志と呼べる者たちが出来たので。
「始まったな」
「それが終わりか、始まりかは分からないけれどね」
「そう自信の無いことを言うな。お前がカギなんだぞ」
「知っているわよ」
ジャンヌ・オルタの目的はたった一つだった。
東京を覆う天蓋をぶち壊す。
その為に、この日の為に準備を続けたのだから。
無限発電炉ヤマトと四文字が作り上げた偽の明星と神の戦車が必要となる。
だからフリンたちに協力までしたのだ。
「絆されたか?」
「・・・されていないと言えばウソになるわね、けれどね」
―アイツらの提案で何かが変わると思う?―
「・・・思わんな。また天使だの悪魔だのに付けこまれて繰り返すだろう」
「その通り、何も変わらない、犠牲無しの美しいハッピーエンド、側だけ見れば綺麗だけれど。それじゃ大衆連中は何も変わらない、痛みを刻み込み、こんなことが起きないように痛めつけなけりゃね。また同じことを繰り返すだろうから、徹底して痛みを刻み込んでやらなきゃならない」
だからこそ。あえて犠牲が出る方をジャンヌ・オルタは選択した。
改革とは痛みと言う共有認識が必要から。
「お前は世紀の虐殺者として歴史に名を刻み込まれるだろうな」
「そんな私に加担したあんたもね」
「いいさ。私もある意味、失望していたからな」
そして、扉の前で二人は止まる。
「・・・」
「・・・」
沈黙は数秒。
「来世があるなら。その時は勝利の酒を共に」
「ええ」
カガは歩いてきた通路に振り返り。扉を開けて前に進むジャンヌ・オルタにそう言って。
通路に残り。別れの言葉を告げる。
既に全陣営にはジャンヌ・オルタ自身の狙いは理解されている事だろうからだ。
ある程度の手札を開示し、ここまで派手にやっているのだ連中も馬鹿ではない。
気付いている。現に此処に突入した時に天使共の反撃にあったし。ナラクの方も絶賛戦闘中だ。
レジスタンスも気づいて神殺しの英雄を此処に送り込むだろう。
故にカガは最後の防波堤を買って出た。
ジャンヌ・オルタが神の戦車を食い殺し、無限発電炉ヤマトのエネルギーを吸収し場を離脱するまで決死の足止めだ。
もう出会うことも無いだろう。
何故か一人でやろうとしていたのに心を同じくする人々が集まりことが大きくなってしまった。
そんな彼らと出会うことは無いだろう。
みな自立したいがゆえにやっている。故にせめて世紀の虐殺者としての汚名は自立しようともがく彼らの為に背負ってやるかと思いながら。
扉を開けて。
「――――――――」
現実へと戻って来た。
ボロボロの謁見の間。
焼け焦げた床に天井に壁。加えて獣でも暴れ散らしたかのような惨状である。
アタランテとヴラドは生き残っていったはずだとラインを繋げるが。帰ってくるのは獣の唸り声のような物ばかり。
何時もと同じように彼女は一人になった。
でもいい。もう慣れた。
「だがそうはいくまいよ」
「――――アンタ」
影ではない。外部からの強制介入だった。
情報が信仰というエネルギーと思考に寄生し形を成す。
つまりシャドウとは違う。魔界の住人が顕現する。
悪魔の顕現である。
ジャンヌ・オルタの前に顕現したのはそのたぐいだ。
「それで何しに来たの?」
殺意が渦巻く。先の戦闘の比ではない。保有するエネルギー総量が低下したことによって逆に制御がしやすくなった事で。
今の彼女は過去に戻りつつある。
いいや向こう側で成長した物がこちらに戻って来ているに等しいのか。
「影と閣下の取引の一環だよ。冥府の聖女よ。私とて好き好んで此処にいるわけではない」
そう悪魔はため息を吐く。
影と明星の裏取引と言う奴だ。基本アマラでの事象の裏では事が起こる切っ掛けとして影と蝶が舞台を整え。
指揮を執るのは明星と聖四文字と相場が決まっている故にである。
「我々は周防達哉の足止めを仰せつかった。君の邪魔はしない」
「・・・あっそ。じゃ好きにやって、どうせあとはなるようになるってやつでしょ?」
「然りと言うほかあるまいな」
「ならどっか行って。今の私はイラついているのよ」
悪魔を適当にあしらう様に追い払い。
ジャンヌ・オルタは深く玉座に腰かける。
「始まったわね」
そして頬杖を突きながらぼやいた。
須藤に仕込まれた罠が起動したのだ。神霊もかくやと言わんばかりの魔力の波動が具現化する。
嘗ての交戦経歴でジャンヌはそれがどれほどの物かを理解する。
アメノサギリと同階級、ただし戦闘特化型ゆえにアメノサギリより驚異度は二段上のナニカがティエールで暴れまわっている。
サーヴァントの蘇生は間に合わない。
防衛態勢は整えられないが。戦力調整の意味合いで影が悪魔を派遣してくれたから戦力的に問題は無いだろう。
そして向こうも二日か明日にはこっちに向かってくるであろうことは目に見えていた。
あの状態の須藤がティエールで暴れれば人理定礎も限界を迎えるからだ。
状況がどう転がろうが。カルデアはジャンヌ・オルタの首を取るしかないわけで。
そしてジャンヌ・オルタも、計画の成就の為に彼らを殺さねばならないからだ。
故にジャンヌ・オルタは再度、深く玉座に腰かけて彼らを待つ。誰も居なくなった都市でかつてのようにたった一人で。
何時もの様に。
「ヒャハハハハ!! 虐殺の丘ァ!!」
須藤の声が木霊するたびに。地獄が生み出される。
落雷と言う形で炸裂する光は都市を壊滅させるに足り得るものだった。
最も威力的には大したことはない。サーヴァントであれば自前でレジストできるし、
ペルソナ使いであれば無効で十分耐えうるに足りる。
具体的に言うのであれば、威力はジオンガと大差が無いのだが、
その範囲が規格外すぎるのである。
なんと、その規模はティエール全域は無論の事。ボルドーまでギリ届かんとする超広範囲である。
ペルソナの固有スキルは個人のエゴと渇望を基準に組み上げられるゆえに。彼の固有スキルは人間を殺すということに特化しているのである。
しかも低燃費なのか連射可能とか言う悪夢仕様だ。
これにはさしものカルデア一同も溜まった物ではなく、そんな超低燃費スキルを相手に宝具を切らざるを得ないのだ。
「ジュノン!! クリスタルパレス!!」
その殺戮スキルを防ぐために、マリー・アントワネットがジュノンを呼び出し。その固有スキルを中核に。
「
「
「
マリー・アントワネット自身の半壊した愛すべきは永遠にとマシュとジャンヌの宝具を同調させることによって。
ティエール全域を包み込む結界を展開し虐殺の丘を防ぐ。
一方の書文や長可に宗矩は一般市民の避難誘導指揮だ。
加えて須藤はアレス・リバース・イドを身にまとっているため空中を高速移動している。
手出しできるのは。
「いけ!! クーフーリン!! エリザ!!」
「「了解!!」」
達哉とクーフーリンとエリザベートくらいなものである。
達哉のコウリュウに乗った二人が飛ぶ。
エリザベートはその翼をはためかせて、クーフーリンはその健脚で弾丸のようにだ。
この三人が須藤事「アレス・リバース・オド」を押さえる主戦力となる。
他はなぜ駄目かと言うと、そも空中戦が出来る人材ではない。
クーフーリンはケルトの大英雄である、槍の間合いに入れば如何様にでもできるし。
達哉はコウリュウやメタトロン、サタンを使えば十分に空中戦にも対応可能。
エリザベートも無窮の怪物によって飛行能力が追加されていることは言わずもかなと言う奴である。
「ジャリァ!!」
「キヒ!」
弾丸のように突撃したクーフーリンの槍の刺突が繰り出されるものの。
須藤は容易く槍を旋回させ弾くと同時に、左手からジオダインを射出。
通常なら空中での大きな回避行動など不可能なのだが、弾かれた勢いを利用しクーフーリンは再度跳躍するように空中で体を回転。
ジオダインを回避、さらに体の動きを無駄にしない様に槍を再度突き出す。
それの繰り返しだ。
相手の攻撃も利用しながら空中に滞空するというのも神話レベルの英雄ならではだろう。
「とったぁ!!」
そして拮抗状態に持ち込まれていれば、基本的に他がおろそかになる。
背後からエリザベートが強襲。
取ったと言っても倒せるとは露ほどにも思っていない。クーフーリンか達哉が致命打を与える隙になればいいと思っていた。
故に不測の事態だった。
「え、なんで!?」
槍が深く突き刺さったのである。
これだけの霊基と魔力だ。まさか発砲スチロールと同等の強度とはエリザベートも思わなかったのである。
ただし霊基の厚み故に、核となっている須藤までには届かなかった。
「捕まえたぜぇ!! トカゲ娘ェ!!」
槍が刺さった部位の霊基の密度が増大。槍を拘束し引き抜けなくする。
同時に。
「マハジオダイン!!」
アレス・リバース・イドの全身から雷が放射。
対魔力スキルの無いクーフーリンとエリザベートでは致命打になる。
クーフーリンは打ち合いで自らを弾き飛ばす様に離脱するものの。
槍を引き抜くことに必死になっていたエリザベートは退避が遅れる。
「させるか!!」
が、そこで達哉がコウリュウを高速飛翔させエリザベートの後ろ襟首をつかみ寸前のところで回収しつつ。
そのままコウリュウをバレルロールしつつ落下しているクーフーリンに追いつきコウリュウへと乗せ。
コウリュウを翻させて再上昇。
須藤は迎え撃つ形で槍を掲げる。
「来るぞ!」
「防御する、二人は俺にしがみ付け!!」
クーフーリンの叫びと同時にティエールを覆うかのような雷撃が炸裂。
クーフーリン、エリザは達哉にしがみ付き、それを確認した達哉は。ペルソナをオーディンにチェンジしマハジオダインを防ぐ。
ペルソナを今度はサタンにチェンジし再飛翔。
「達哉、お前大丈夫か!?」
「そこまでは損耗していないが、長くは続けられない!!」
祭神戦より気力は充実しているとはいえ。
そう長くは続けられないのは道理である。
「ロマニ、ダヴィンチ! 敵解析結果は!!」
『ちょっと待ってくれぇ!! ああもう情報がしっちゃかめっちゃかだ! 解析に時間が掛かる』
達哉の叫びに、さしもの天才ダヴィンチも半泣き状態で答える。
なんせ計器には古今東西の戦神が入れ替わりに表示されるのだ。
加えてそれらがモニタに滝の如く羅列されては入れ変わっているのであるから、解析どころの話ではない。
達哉とて馬鹿ではない、だが情報を欲するのは須藤の得体の知れなさゆえにだ。
シャドウ 悪魔 サーヴァントどれとも似通っていて違う感覚だからだ。
勘という物は馬鹿には出来ないからこそ不安定要素は潰したくなるのは当然のことである。
「どうするよ、達哉」
「攻め立てるほかないだろう、この状況においては。下ではいつ撃たれてもいいように三人とカルデアに無理させているんだから」
「だよなぁ」
そして、解析終了まで。兎にも角にも攻め立てるほかない。
須藤は超広範囲スキルを無拍子で撃てるのだから。それに備えて三人の合体宝具は交戦終了まで維持しなければならず。
時間が経てば経つほど。負荷が増大するゆえだ。
手立てがない故に今は攻め立てるほかない。
「エリザ、さっき攻撃を直撃させていたよな。感覚から何か掴める物はあったか?」
「うーん、感覚とっても。なんか発砲スチロールをぶったぎった感覚というか・・・なんて言えばいいだろ・・・ 低密度の氷塊に槍を突き刺した感じだったわ」
エリザの表現に達哉もクーフーリンも唖然とする。
達哉はペルソナ使いであるがゆえに神代が感覚的にわかるし、クーフーリンはそも神代が去る前の神霊がまだいた頃の時代の人間だ。神の恐ろしさが分かるゆえに。
エリザベートの表現に唖然とするほかなかったわけだ。
何故なら。目の前の須藤の身に纏うのは本物の神威なのだから。
通じないというのならまだわかるが、まさかの発泡スチロールやら低密度の氷塊と表現されては困惑するという物であろう。
先も言ったように達哉もクーフーリンも神を知るものだからだ。
「まてまて、下手な戦神レベルのアイツが、そんな脆いはずがねぇぇぇええええええ!?」
そんな脆いわけなかろうよと、クーフーリンが言おうとした刹那。
達哉はサタンを急旋回しつつ、バレルロールにターンを繰り出す。
急激に掛かるクーフーリンは絶叫を上げる物の、サタンを掠めるように規格外出力のマハジオダインが雨の如く降り注ぐ。
なんども言うが耐性が無ければサーヴァントどころか幻想種ですら消し飛ばせる威力なのだ。
雷耐性持ちの飛行能力所持ペルソナが無い以上、兎に角回避するほかない。
「ちょこまかとウぜんだよぉ!!」
狂乱する須藤はマハジオダインをばら撒きながら。
超高速で達哉たちに肉薄、達哉とクーフーリンは互いの位置を入れ替え、クーフーリンが戦闘へと立つ。
「モータルジハードォ!!」
「オォォオオオオオオ!!」
革鎧に刻み込んだルーンを起動しつつ身体能力を底上げしモータルジハードを受け止める。
クーフーリンの全身が軋み、足場にしているサタンが悲鳴を上げ。
サタンを維持する達哉にダメージのフィードバックが走る。
だが気にしても居られない。達哉は奥歯を噛みしめつつ光子砲を発射。
エリザベートはクーフーリンがモータルジハードを受け止めると同時に再飛翔し、須藤の背面を取っている。
だが須藤はあざ笑うかのように、上半身と下半身の位置を側転のように入れ替え、下半身に直撃コースだった光子を回避。
さらに槍でクーフーリンを弾き飛ばし。
「何度も同じ手を喰らうかよォ!」
「「クッ!?」」
左腕を後ろに回してエリザベートの槍を受け止め。
槍でサタンの鉤爪を押さえる。
クーフーリンは吹っ飛ばされながらもサタンのしっぽに片腕でしがみつき事なきを得る。
「だからってねぇ、引けないのよ!!」
エリザベートが旋回、万力のような力で槍を引くも押すも出来ないのなら。
槍をポールダンスのポールに見立てたうえで旋回し遠心力を付け。
自らの尻尾を、アレス・リバース・イドに叩きつける。
サーヴァントにすら通じる竜の一撃に等しい物はアレスリバースオドの頭部から胸元までを粉砕。
砕けたガラスの様に霊基が散らばり、須藤の上半身が露出するものの。
即座に再生が始まる。
「須藤ォ!!」
だが逃がさんとばかりに達哉がサタンの背を蹴って、跳躍。
大上段に構えた正宗を振り下ろす。
獲物が無い須藤は、このまま両断されるかと思いきや。
「キッヒャア!!」
「!?」
振り下ろされる白刃は須藤の額数cm手前で停止。
須藤は両掌で挟み込むように、正宗を止めたのだ。所謂真剣白刃取りと言う奴である。
ならばとばかりに達哉は右手で刀を保持し、ホルスターからナイフを左手で器用に引きぬき。
間合いが遠い為、投擲を選択するが腕が動かない。
「ペルソナと使用者は一定数リンクするってな」
「くっ」
サタンの両腕が破砕寸前にまで握りしめられていた。
激痛でこれ以上腕を振るえなくなっている。
「そしてぇ、テメェも電波に成れや!!」
「ギッ!?」
ギチギチと音を立ててアレス・リバース・イドの霊基が修復を開始と同時に。
サタンを捕食し出す。フィレモンとの契約型特有の共鳴現象を利用した能力だ。
リバースオドはニャルラトホテプの力であり、ペルソナ同士が接触しているなら十二分に可能である。
と同時に接続された達哉の方は堪ったものではない。
須藤の他者の排斥欲求という獣性に引き摺られて、彼の抱える憎悪、憤怒、絶望が引きずり出されると同意義だからだ。
抱えているペルソナが全員暴走寸前である。
「達哉!? エリザベート離脱だ!! 達哉を抱えてこっちにこい!!」
達哉の異変に気付いたクーフーリンはエリザベートに達哉を抱えて退避するように言いつつ。
どうも捕食現象から逃げられずペルソナを引っ込められない達哉を救助すべく。
サタンとアレス・リバース・イドの結合部を槍で粉砕。
と同時に強引に槍を引き抜きつつ、エリザベートが羽根を羽ばたかせ。達哉の腰に腕を回し回収する。
そういった事もあってか両者ともに弾けるように間合いを離して対峙。
足場が無ければ話にもならないので。一番荒れ狂っているサタンではなく、コウリュウを召喚し、クーフーリンとエリザベートもそれに乗る。
「うっぐ・・・ッア」
「大丈夫?」
「大丈夫じゃないな・・・コウリュウの維持で一杯一杯だ・・・」
だが達哉は左手で頭を抱えて膝をついていた。
当たり前だ。所持しているペルソナが暴走状態なのである、コウリュウはまだ制御できるが。
直接浸食を受けたサタンは今回の戦闘では使えないくらい拙い状態であるし。
専用ペルソナである、アポロはもっとも達哉とつながりが強い為、他の物より暴走している。
それでも暴走を押さえつけられるのは彼が背負う罪と罰の重さと覚悟の念だろうか。
『こちら管制室、敵性存在の霊基解析終了』
そしてダヴィンチ達もまた動く。
アレス・リバース・イドの霊基解析が出たのである。
達哉たちのコンタクト型礼装に須藤とアレス・リバース・イドの霊基情報が映し出される。
『敵の出力は神霊クラスではあるけれど継接ぎで無理やり形を保たせているんだ。回復こそしているが。ジャンヌ・オルタレベルで理不尽じゃない。殴り続けば落ちるよ』
出力こそ神霊クラスではあるが、歪に霊基を継接ぎしている故に防御力や耐久力はサーヴァントクラスと言うことが判明する。
ならば、やることは決まっていた。
「外装を削り切るか・・・或いはさっきみたいに外装を引きはがしたうえで中の須藤を倒すかだな」
「つっても達哉は接近戦は控えろ、さっきみたいに取り込まれたら溜まったもんじゃねぇぞ」
「分かっている」
相手は脆い、自動回復機能も持ち合わせているが、切った端から治癒するという理不尽っぷりはない。
火力こそすさまじい、宝具ランクBクラスの超火力スキルをポンポン撃って来るが、所詮は殺人鬼。
力任せも良いところで対処はしやすい。
ただし、此処からは達哉は戦闘に大きく参加はできない。
先ほどの浸食捕食を警戒しなければならないし。
加えて、いまだにペルソナの暴走状態が収まっていないのだ。
コウリュウにペルソナを固定し支援に回るほかない。
「加えて下も長くはもたねぇぞ」
呑気に会議こそしているが現在進行形でマハジオダインやら虐殺の丘が降り注いでいるのである。
都市全域に防壁を張り巡らす、マシュ。マリーアントワネット。ジャンヌへの負担は増大する一方だ。
そして長可たちも民衆の避難誘導に天手古舞であるし。
上空で高速戦闘を行っている達哉たちへの支援はほぼ不可能と言ってもいい。
「ロマニさん、下の状況は?」
『マシュたちは防壁の維持、行方不明だったジル元帥も何とか見つけて皆で避難誘導中だ』
「非難の誘導具合が一番進んでいる場所をリアルタイムで表示してくれ』
『わかった』
「・・・マシュ、聞こえているか?」
『聞こえてます』
「こっちで須藤を地表に叩き落す。その時だけ宝具を解除、地表への落着と同時に範囲を狭めて再展開してほしい』
『須藤を結界内に閉じ込める・・・と言う事でしょうか?』
「ああ、こうも空中戦ではこっちも分が悪いからな」
ドッグファイト染みた戦闘は続けられているが。
両者ともに音速域での戦闘だ。
コウリュウよりも、アレス・リバース・イドは重力を無視したかのように動けるため。
致命打を与えられずにいる。故に次の一手で須藤を地表に叩き落して。
マシュ達の宝具で閉じ込めたうえで全員で袋叩きにする算段を達哉は立てていた。
第一に消耗戦になれば勝ち目はないのが明らかだ。
「でどうするよ、達哉、俺の槍を使うか?」
「槍は却下だ。いくら準権能クラスであっても、闇耐性持ちな上に神クラスの相手にはホーミングは期待できない」
「だよなぁ」
ペルソナとは欠片とはいえ神格を降ろす。
故に物理的或いはエネルギー的破壊を巻き起こす攻撃スキルであれば無効耐性性能を上回ればダメージを通すことが可能だが。
呪殺や破魔に精神などの間接的な殺傷耐性は別口であり、耐性さえあればほぼ無力化できてしまうからだ。
故に槍の威力自体は十二分に須藤を叩き落してお釣りがくるが。
因果逆転という呪いの部分が通用しないのだ。
直撃させるには手間と工夫が必要となる。
「面倒だが二段重ねで行こう」
「あの時みたいに?」
エリザベートの声に達哉がうなずく。
礼装に転送された避難が終了されつつある区画を確認し。
叩き落すタイミングと角度を計算。
位置取りの為。コウリュウを唸らさせ。再飛翔する。
「それとだ。クーフーリン、頼みたいことがある」
「なんだよ」
「確実に奴を落す。だから無茶をする」
「・・・で?」
「最悪意識が飛ぶことをする」
「わかった。死ぬなよ」
コウリュウがその巨躯をしならせ、再上昇
雷の雨を抜けてコウリュウを突撃させ、その巨躯をアレス・リバース・イドに巻き付いたのだ。
「自分から喰われに来たかァ!?」
「黙れ!!」
巨躯は拘束したが。接触している段階で捕食範囲内だ。
コウリュウの身体が徐々に結晶化し同化されていく。
エリザベートは必至に形相で送られてくる情報を確認し位置取り。
クーフーリンはアレス・リバース・イドの右手の槍を振るわせまいと鍔迫り合いに持ち込む。
達哉も達哉で正宗を深く突き刺し、須藤の気を引く。
「行くわよォ!!」
エリザベートがたっぷり距離を取って旋回、空中回転かかと堕としの要領で遠心力を存分に乗せた尻尾を振り下ろす。
「マシュ、宝具解除ォ!!」
『了解!!』
それと同時に達哉が叫びマシュたちが宝具を一時解除、
勢いそのままに達哉たちと須藤は一直線に予定落下コースに乗りながら垂直にもつれ合うように落下。
「この、クソ!?」
「動くんじゃないわよ!!、このご同輩!!」
須藤はアレス・リバース・イドを動かし拘束から抜け出ようとするが。
エリザベートも拘束に尻尾を最大展開し巻き付けたうえで、自身の剛力も使って抑え込む。
クーフーリンも達哉も出来うる限り抑え込む。
団子状にもつれ合い、そのまま落下。
地面に激突と共に、達哉、エリザベート、クーフーリンは三者三葉に衝撃で吹っ飛ぶ。
クーフーリンは大丈夫だろうと、達哉とエリザベートのフォローの為に走っていった書文とゲオルギウスがそれぞれをキャッチしてフォロー
「長可殿!!」
「わーてるよぉ!!」
落下ポイントでは長可と宗矩、書文、さらにタラスクを呼び出していたマルタが待機していた。
宗矩の声と同時に全員が飛び出て、アレス・リバース・イドに殺到する。
「嗤えぇやぁ!! 人間無骨!!」
「兜割りィ!!」
「踏みつぶせタラスク!!」
書文とゲオルギウスは達哉とエリザベートの回収。
その他は一斉に攻め立てるがしかし。
長可の渾身の一撃は槍で弾かれ左手拳で長可は弾き飛ばされ。
宗矩は兜割りを繰り出し頭蓋から股間まで一閃の二枚下ろしにせんとするが。須藤は即座にアレス・リバース・イドの左腕を引き戻し刃と自らの間に割り込ませ。
刃が腕に食い込むと同時に左腕を振い、万物を切断する魔剣の剣筋をずらしながら宗矩を長可と同じ場所に振るい飛ばす。
そこにタラスクが覆いかぶさるように来襲。
振い降ろされる全体重に乗ったタラスクの前足二本を両腕で抑え、そのまま支える。
その間にマルタが踏み込み、渾身の右ストレートからの左右ワンツー。
砕ける、アレス・リバース・イドの霊基。だが仕留めるまでには足らず。
「うぜぇんだよ!!」
虐殺の丘を全方位掃射しながら、両腕を振り上げタラスクを引っ繰り返し、マルタを蹴り飛ばす。
「ジュノン、マカラカーン!!」
だがそうはさせないと宝具を再展開しつつ、マリー・アントワネットがマカラカーンを展開。
全員を保護する。
さらに、自力で起き上がったクーフーリンが跳躍、須藤の周りに誰も居ないことをいいことに宝具の真名解放投擲だ。
「
ホーミングこそしないが止まっている相手に外すも糞も無い。
贋作とはいえアイアスをぶち抜く槍の投擲だ。
リバース・オドと言う鎧を身に纏っていても防ぎきれるものではない。
と言っても耐性はあるので。須藤は威力を削ぐ方向にシフト。
全力全開のマハジオダインをぶちかまし威力を減衰。
そして着弾。
空気中に紫電が迸り砂煙が舞う。
マシュ達の宝具も鳥かごの様に再展開が終了し殺しの場が完成した。
一方の須藤はボロボロだった。
あれだけやれば如何に神霊と言えどもズタボロになるのは道理ともいえる。
だがまだ動いていた。
意識があやふやだった達哉とエリザベートも復帰。
それでもなお須藤の表情はあざけりに満ちている。
「雷ってよォ、地面によくとおるんだよな。拡散率は高ぇーけどよぉ、収束して撃てば一般人くらいなら楽に殺せるんだぜ」
ヤバい予感に背筋を凍らせつつ達哉が叫ぶ。
「誰でも良いやつを止めろォ!!」
今ここで止めないと不味いことになると。
須藤の言うことはごもっともである。
なんせ地中深くまで宝具の結界は張れないのだから。
宗矩と長可はまだ体勢を立て直せず、マルタも同様だ。
タラスクに至っては引っ繰り返されてまだ起きれない。
故に。
「全員走れェ!!」
避難誘導指示から、慌てて戻って来たオルガマリーが拳銃を乱射しながら走り。
ラプラスの大鎌をぶっさすが、Lv差故に。
「そんな低レベルの玩具以下でなぁ!!」
「砕けたぁ!?」
大鎌はアレス・リバース・イドの左腕の一振りで粉砕。
だが、須藤の気はそれでオルガマリーに向き直るのを見計らって。
クーフーリン。エリザベート。ゲオルギウス。書文。が各々の武器を振りかざし切り込むものの、
如何に脆いとはいえ妙に分厚い霊基の前に、須藤まで届かない。
須藤はアレス・リバース・イドに槍を逆手に持たせ、穂先に雷を充填する。
「やめてください!?」
思わず宝具を維持していたマシュが叫ぶ。
装填されているスペルは虐殺の丘である。
そんな超広範囲スキルが地面を伝って都市全土に広がればどうなるか?
威力、範囲共に地面を伝わせる以上、減衰するだろうが、それでも人を殺すには実に容易い威力は出るのである。
「やめてくださいぃ? 知らねぇよ!! 撃っちゃうんだなぁ! これがァ!!」
須藤はマシュの制止の声に嘲りを叫び。
思わず感情の赴くままにマシュは、宝具維持を放棄し、須藤に向かって飛ぶ。
彼女の脳裏にはここで暮らす人々や難民のみんな、そして自分を慕ってくれた難民の一家の笑顔が浮かび。
槍が地面に突き立てられようとして。
「オーディン!!」
寸前のところで達哉がインターセプトに成功、オーディンの槍と正宗で受け止めたのだ。
無論、オーディンは半ば暴走状態、耐性もまた期待は出来なかった。
だがそれでも防がねばならない攻撃であった。そして炸裂する光。
「先輩!?」
「タツヤァ!?」
マシュとオルガマリーの絶叫。
達哉は攻撃を防ぎこそしたものの、体中から白煙を吐き出しながら白目を剥いて仰向けに倒れる。
『ロマニィ、達哉君の状況は!?』
『心電図は正常だ。生きてる!!』
ダヴィンチ、パニックを防ぐためにすかさずロマニに確認。
ロマニもそれに答えて、素早く確認と応答を敢行。
「書文、タツヤを」
「心得ている!!」
オルガマリーの命に応えて書文は達哉を引きずりつつ後退。
「おいおい。たっちゃんよぉ、舞耶ねぇえちゃんの代わりに丸焦げかァ? ああミディアム位だから聖女様と御揃いって言った方が良いか?」
そんな様を見て須藤はアレス・リバース・イドを暴れさせ、纏わりつくサーヴァントたちを弾き飛ばしながら。
再度、虐殺の丘を使用せんとするものの。
激昂したマシュが発動前に盾で殴りつけるかのように発動を阻止する
「お前ぇ!! オマエだけは!!」
「ヒャッハ!!」
生まれてこの方、無いくらいにマシュは激昂していた。
達哉の記憶映像、そして実際に会ってみればジャンヌをこれ以上ないくらいに侮辱し貶し。
さらには無関係の民を躊躇なく笑いながら虐殺しつつ、なおも達哉を嬲り周囲を嘲笑う。
我慢の限界と言う奴であろう。
盾が荒々しく槍との打ち合いになり、激しい音が響く。
質量と質量のぶつかり合いだ。それにマシュの怒りに呼応するかのように彼女の魔術回路の回転が上がっていく。
クーフーリンでさえ拮抗させるのがやっとだった力勝負に互角の打ち合いと言う不可解現象に悲鳴を上げるのはロマニだ。
彼女の身体の事を知っているから当たり前ではあるが。
怒りに染まった。マシュにはロマニの制止の声は届かない。
須藤はマハジオダインをばら撒きつつ、周囲のサーヴァントたちを牽制しながらマシュとの打ち合いを楽しむように槍を振う。
「ほれほれ、どうしたァ!! 憧れの先輩の味わった屈辱ってのは美味いかぁ?」
「もう黙れ!!」
神社での一件、モナドでの一件、大事な人を守れなかった苦渋と痛みの味は美味いか?
同じ思いを共有できてよかったなと須藤は挑発を重ねていく。
その都度にマシュの形相は怒りに染まり、魔術回路の回転率が跳ね上がっていく。
だが怒りに我を忘れるというのは動きが単調になっていくと言う事である。
足運びをするたびに、足跡を地面に陥没させるような力で踏み抜きつつマシュは盾を恐ろしい力で振っている物の。
先も言った通り単調の極みだ。
「誰かマシュちゃんのフォローを!!」
「こんな状況じゃいけねぇよ!!」
マリー・アントワネットの悲鳴にクーフーリンも怒鳴りつついけないという。
防御に徹さねば耐性持ち以外は消し炭のマハジオダインが掃射されているのだから仕方が無いし。
そんなマハジオダインを他の区画に出すわけには行かず、マリー・アントワネットもジャンヌも必死で宝具を維持しなければならない。
誰も動けないのだ。
そしてついに臨界点はそこに来る。
「ティタノマキァ!!」
「ウァ!?」
横なぎに振るわれるティタノマキアが炸裂しマシュの大盾を弾き飛ばす。
無武装となったマシュに、無慈悲に須藤は返す刃でモータルジハードを放つが。
「うわぁあああああああああ!!」
そこに雄たけび上げて、必死に恐怖を押し殺しフォローするべく全力疾走してきたオルガマリーがマシュに飛びつき。
そのまま地面を転がる様に、間一髪のところでマシュを救い出す。
「死ぬかと思った!? 死ぬかと思った!! 私生きてるわよねぇ!?」
『生きてます!! 生きてますから落ち着いて!!』
錯乱状態になる、オルガマリーをロマニが落ち着かせるべく必死に声をかける。
だが状況は一向に良くならず。
「クキキキ、今位で潮時かぁ、なら出来る限り巻き添えよ!!」
須藤はこれ以上の交戦は不可能と判断し。
ならできるだけ巻き込んでやるとばかりに槍に力を集中する。
マハジオダイン及び虐殺の丘の収縮発射、それはまさしく神の力と言っても過言ではない。
現状の防壁では防ぎきれない。
マシュが居れば何とかなるかも知れないが。
ご丁寧に彼女のいる方向とは反対方向へと仮想展開された砲身を向けている。
位置的に防御は間に合わない。
クーフーリンは槍を投げるが、須藤はアレス・リバース・イドの左腕を駆動させ、跳ね除けるように打ち払う。
無論、真名解放済みではあるが、呪いの部分が通用しないためただの威力ある投擲でしかない。
だがアレス・リバース・イドの左腕はくだけたもののこの場では意味がなさない。
「まにあわ!!???」
間に合わないとオルガマリーが叫ぼうとして愕然とする。
射線軸に達哉が立っていった。
これ以上はやらせないという覚悟の表情と絶対に殺してやるという殺意の表情だ。
先ほどの電撃で、意識を飛ばした達哉は遂にペルソナと己の憎悪に引き摺られる形で暴走していたのだ。
「来い!! アポロォ!!」
達哉の叫びと同時に彼の背後にアポロが具現化する、禍々しい雰囲気を身に纏い。
青の双眸は赤に染まって陽炎ような炎の光を揺蕩せて
その両腕が”白く”染まっていた。
須藤は好都合とばかりに。仮想砲塔の引き金を引く、光が榴弾で炸裂し。
「いい加減にぃ」
それを見ていたマシュもオルガマリーも息をのんだ。
達哉の表情が憎悪に染まり殺意に濡れ過ぎていたからだ。
同時にアポロの表情も一瞬だが三つ目と裂けた三日月のような口になり。
両腕を突き出し閃光に触れると同時に。
「しろぉ!!」
―■■■■■■―
達哉の雄たけびと共に虐殺の丘の閃光が一瞬にして結晶化し砕け散る。
須藤もマシュもオルガマリーもカルデアも全員が呆然とし。
結晶化し四散した魔力がアポロが両腕に集約、達哉の獣染みた叫びと同時に。
達哉とアポロはアレス・リバース・オドの懐に潜り込んでおり、
アポロが右腕をアレス・リバース・オドの腹部にめり込ませそのまま持ち上げ。
「ノヴァ」
灯る光は先ほどの須藤の物以上の物を。
「サイザァァァアアアアアアアアア!!」
アレス・リバース・オドを消し飛ばしつつ上空へと光を打ち上げた。
達哉は眼下を見た。
そこには須藤が倒れていた。下半身は炭化し、全身が焼け焦げている。
嘗ての面影はそこには無かったが。影の力かそれでも彼は流暢にしゃべって見せた。
「満足したかよ。達哉」
血をまき散らしながら須藤は仰向けに倒れ。致命傷を負いそれでも嘲りを止めない。
「俺と言う過去をようやくパージできて。満足かァ」
「過去が消せるわけないだろ、悔しい話だが、お前も今の俺を成り立たせている要因の一つだからな」
「・・・そうかぁ」
達哉の言葉に須藤はどこか満足げだった。
「・・・なぜおまえはこんなことを・・・」
「聞くなよ、正しくないから正そうとしただけだァ。俺はァよぅ、言っただろう? 詰んでんだよ」
「・・・・」
そう詰んでいる。影が達哉を引きずり込んだから持っているだけの瀬戸際である。
いや、もう戦える力を持っているから達哉が死んだ程度では剪定対象にならないだろう。
そして須藤も詰んでいた。
「そこの元帥様といっしょさ。キヒヒヒ よぉく見ておけ、マシュお嬢ちゃんにカルデアのお嬢様。俺はお前たちだ。」
「何を言ってるんですか。私たちはアナタではない!」
「いつまで・・・そう強きで居られるかなぁ? お前たちも必ず折れる日が来る。今はたっちゃんに縋っているから立っていられるだけの話だァ 俺はそう言った折れた連中の影だよ、諦めてしまったお前達そのものだ」
いつまでも続く、故に終わらせてくれ。
そう言う自首衝動の祈りの代弁者だと。
同時に幻想だけではなく、現実そのものを受け止めきれず折れた結末が自分だと須藤は言い切る
「お前たちもいずれは思う、終わってくれってなぁ」
影との戦いに終わりはないのだ。
終わっていると驕るものほど後の事を考慮できないししない。
「そして絶望すると良いさ。お前達もいずれそうなる。なぁ正規No持ちの泣き虫オルガマリーちゃんよぉ」
「正規No持ちって、ちょっと待ちなさい、須藤、貴方何を知って」
「さてなぁ、俺が知るかよォ、電波がそういえって言ったんだ。」
言葉の真意まで知るかよと、彼は一息ついて最後の言葉を述べる。
「受け入れられなくなった瞬間に影は湧いてくるぜぇ。どこまでも。どこもまでも。ずぅっと、影はお前達を見ている」
そう言って須藤は息を引き取った。
さぁと夜風が虚しくカルデアの面々を撫でる。
『・・・人理定礎の悪化を確認・・・ AからA+に入ったよ』
当初はA-と言う数値であったが。先の戦闘でAに。そして今回の須藤との戦闘でA+へと移行する。
余裕は遂に消失した。
それはジャンヌ・オルタも同様だ。
遂に両者崖っぷちに立たされた。
ならば今度は彼等が攻め込む番である。
須藤竜也
原作でも文字通り事態を動かすための発火材として使われていた人。本作でもニャルがたっちゃん達が早期解決するための発火材及び邪ンヌをおちょくる人材として投入された。
作中でもボロクソに言われているが、こいつが電波になったのは父の竜蔵の過度な教育によるものの為である。
やったことは擁護できないが彼もまた毒父やニャルの被害者と言えば被害者である。
リバース・イド
アルカナ 使用者の適正アルカナの反転
明星&聖四文字から提供されたアマラの悪魔運用システムである喰人とコトワリによる神卸システム
さらにそこに型月世界の固有結界とビースト運用システムをニャルとフィレが悪魔合体させて構築した新システム。
早い話が.hakcの憑神。
自身の専用ペルソナと他者の排他的欲求や渇望と言う獣性を中核に神の荒魂の側面を無数に結合し鎧として身にまとうというもの
攻撃性能は下手すると本家本元を凌駕するが、霊基が継接ぎ状態且つ不安定なため、出力は兎にも角にも強度面で言えば普通のサーヴァントと大差が無い。
だが須藤の場合はメンタリティが浅すぎて攻撃特化のアメノサギリ程度で済んでいる。
抱える他者の排斥欲求に準じる憎悪や獣性が深ければ深いほど悍ましい物が這いずり出てくる。
たっちゃんはまた守るべきものを得てしまった。
故に影は闇の様に酷く淀み奈落の如き露呈を呈している。
ニャル「ペルソナの花と言えばやっぱ暴走よ!! 世界観も変わったし、都合の良いシステムもあるし、第一獣対策で暴走した場合は派手に爆発するようにしてみますた☆」
フィレ「ガンバレ、君たちはこれを乗り越えらると信じている☆」
英霊&神霊の皆さま ドン引き中
という訳でたっちゃんの半暴走とティエール市街地防衛線は終了!!
此処からカルデア愚連隊がオルレアンに突っ込みつつ、エリちゃんは単独でカーミラ城にカチコミに行きます。
待ち受けるは、邪ンヌの憎悪に侵食されたアタランテとヴラド。
そして閣下がニャルとの取引で派遣した悪魔ども。
ジルの背後にはニャルが迫るという感じでお送りしたいと思います。
おかしい・・・予定では第一特異点終了しているはずだったのに・・・
何故にこんなに長引いたし。