Fate/Grand Order たっちゃんがグランドオーダーに挑むようです   作:這い寄る影

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結末が有効であるためには、あいまいでなければならない。


アインシュタインの交点より抜粋


二十二節 「周りを切り刻み進む」

馬車は進む。

銃音をオーケストラの様に響かせて。

唸るM134機銃が景気よく銃弾をばら蒔く。

毎分2000発ものNATO弾は悪魔を亡者たちをミンチに変換していた。

 

「近代火器は恐ろしいですな」

 

基本、こんなものサーヴァントには豆鉄砲とおっしゃる方もいるだろうが。

それはあくまで神秘が乗ってないから効かないというだけで。

十分に神秘を乗せる。或いは通用できるようにすれば。四方八方からの一斉者で一部例外を除けば英雄であっても只では住まい

無数に排供される弾頭は効率よく相手をミンチに変換するが。

カルデアで製造されていた弾薬の量は少ない。

歩兵兵装の弾薬は潤濁にあり。オルガマリーへのリボルバーの供給は湯水のごとく行えるが。

機銃に搭載される弾薬は一発で人を痛みなく殺傷できる威力を誇る。

基本単独行動が多い魔術師相手に歩兵装備なら兎にも角にも、機銃クラスとなればオーヴァーキルなので、

弾薬は少ないのだ。

それに加えて毎分3000発という回転率でブッパ魔成す物だからあっという間に弾は消費されていく。

そして現在オルレアン市街地に突入してはいるので。今まで売った数と距離の概算から。

一応は持つというのが。オルガマリ―の結論だった為躊躇なくトリガーを引く。

ペルソナスキルで薙ぎ払えば良いと思われがちであるが。敵の本丸に何が居るのか多少わかる以上、

ここで要らぬ損耗をするわけにもいかず近代武器の力を借りていた。

元王妃と書文にM125迫撃砲の運用させているのだからなんかこうB級映画染みた光景だ。

無論、それらはあくまでも前を切り開くものである。

左右から襲い掛かってくる連中は取り付き次第、達哉たちが近接装備や異能やらで対処していた。

 

「しつこい!!」

 

達哉は悪態を吐きつつ、屍兵の振るわれる両腕を斬り飛ばしメタトロンで殴り飛ばす。

 

「これじゃ人間じゃなくて獣じゃねぇか!?」

 

通常、屍兵とは死んだ者を操る特性上、動きは緩慢で単調になりがちだ。

だが今の現状の屍兵はわけが違う。

人体のリミッターでも吹っ飛んだかのような剛力と機敏さだ。

加えて、多少の損壊を気にせず特攻してくるのだから溜まった物ではない。

宗矩は多勢に無勢と判断し。

 

「ほう、使えますなコレ」

 

AAー12を引っ張り出しフルオート射撃。

剣はどうしたと言いたいが現在の状況ではキルスコアを稼ぐ方が重要だ。

なんせ敵は大量である。

近代火器も良いと言いながらフルオート射撃で近づく屍兵を吹っ飛ばしていく、

マシュも手数を増やすためにハンドメイス二刀流だ。

そんなこんなでオルレアンの市街地を馬車とタラスクが爆走していき。

遂にジャンヌ・オルタの居城へと接近する。

 

「門が見えた!! マルタ。タラスクでぶち抜ける?」

「少し厳しいかも!! 宝具かペルソナスキルで吹っ飛ばしてもらえるとありがたいわ!!」

「敵陣地内がどうなっているかもわからないから、宝具とスキルは温存するわ、悪いけど。

変わりに・・・」

 

門が見える、魔城とかしているであろう門は禍々しく頑丈そうに変貌していた。

故にタラスクでぶち破れないことも無いが。それやった場合タラスクが負傷する恐れもあるとして。

それでも温存するために、オルガマリーは替えの聞く物を取り出す。

それはRPGー7と呼ばれる対戦車ロケット砲だ。

近代洗車の複合装甲やら特殊装甲ならいざ知らず、ただ頑丈な門程度なら数発で打ち抜ける。

何でこんなものまでカルデアにあるのか保安部にあとで問い詰めなければならないなと思いながら。

オルガマリーは迫撃砲を後方に撃って、追撃を阻止していたマリー・アントワネットや書文にも使うように指示を出しつつ、

RPGー7を構えて門に向かって撃つ。

白煙を引きながら弾頭が射出、そして着弾、大爆発。

 

「ちょっと!? 何よこの威力」

「画像で見ていたものと違うのだが!?」

 

オルガマリー及び書文は驚愕。

オルレアン突入前の最終ブリーフィングで簡単な扱いとRPGー7がどのようなものであるかレクチャされていたのだ。

無論、爆発の規模もだ。

だが実際には戦闘機に搭載しているミサイルレベルの火力が出射ている。

理由は単純で、

 

『対魔術師様に調整した代物だからな・・・試射もまだだったから、威力までは把握してなかった。すまん』

 

アマネの言い分通り対魔術師用に弾頭は加増されているのが原因だった。

だが威力過剰も良いっ所だろう。この威力なら現代魔術師がどれだけ優れた礼装持っていようが木端微塵である。

後でやっぱ問い詰めようと思いつつマルタへと確認を飛ばす。

これだけやって門は完全に吹っ飛んでいなかったからだ。

 

「マルタにタラスク、今ので行ける」

『これくらい壊れれば傷なしで行けるぜ!』

「だそうよ!!」

「分かったわ。総員対ショック!!」

 

突入に支障はなしと言う。

なら門は完全に吹っ飛んでいなかったからこそ、

 

門を派手に粉砕しながらタラスクが門を突っ切る。

 

『達哉君、所長、マシュ!? 全員無事かい? すっごい音がしたけれども!?』

「全員無事だよ、ロマニ・・・偶には落ち着いて突入がしたい・・・」

「先輩に同意見です・・・ここ最近馬車でダイナミックエントリーばかり・・・ってなんですかこれ」

 

突入した周辺は凍結していた。気温も下がる空気も凍り付く様な極寒の世界へと変貌している。

本丸までの広大な土地が見える限り凍結していた。

 

「おい、所長、嫌な予感がしやがる、そっちからなんか見えるか?」

「いいえ見えど見えど氷の庭って感じじゃないわね・・・、なにこれ結界? でも固有結界に・・・」

 

クーフーリンの言葉に応えつつ、オルガマリーは探査魔術や自分の私見で検分する。

事前情報的に的に固有結界に近い感じもするが別種ともいえる気もした。

だがその時である。

 

「ボクのオウチに入るなァ!!」

 

絶叫と共に馬車の下から現れる何かに馬車が粉砕され、全員が宙に投げ出された。

 

 

 

 

 

「――――――」

 

絶叫、悲鳴。

ジャンヌ・オルタは無表情で左手を伸ばし上げた。

その手に握られるのはかつて人だった物だ。

両目はなく刃も無い、鼻は削がれて耳も切り落された。

臓物は周囲に適当に放り投げられ、

血は彼女自身と、その周辺の大地に散らばっている。

 

「何が楽しいのかしらね? これ・・・」

 

そういって、気重たそうにため息を吐いた。

なぶり殺しにされた女性には悪いが、これは見せしめ。

本来、戦闘行為にこういった残虐行為をする意味をジャンヌ・オルタは見いだせないし意味を感じていない。

殺すなら一太刀でスムーズに行くが、

噂結界を使って自己を都合よく作り変えるには必要な行為でもあった。

即ちサーヴァントの霊基規格では最終工程に届かないゆえにアマラの基本的理を欲している故である。

と言っても猟奇趣味は無いのも先ほどにも述べた通り。

こうやって殺して、相手の悲鳴と嗚咽やら聞いて何が美しいだの楽しいだのとは思えない。

悪魔で何度も言う通り必要だからやっているだけで、する必要が無いのならジャンヌ・オルタは一太刀一殺を心がける。

故に猟奇趣味全開の事を成しても理解できないのだ。

 

「―――――――」

 

そして必要な事とはいえこれには全員ドン引きだ。

嗤っているのは殺人鬼の須藤位な物だろう。

母を生きたまま目の前で豚を食肉に加工がする如くに解体された夫はその惨状と怒りのあまりに布の猿轡で窒息&憤死。

両親も兄妹も無残に奪われた息子だけが憎悪を滾らせジャンヌ・オルタを見ている。

 

「ねぇ・・・なにが楽しいのかしらね? カーミラ」

 

突然と話題を振られ、カーミラは後ずさった。

生前、散々な残虐行為をしたが、それは拷問器具である種効率化されたような物。

さらに言えば対岸の火事だったから平気なだけで、

当事者となれば話は別だろう。

 

「まぁいいわ、初戦は上場・・・、ランスロット」

「なにか」

「残りは解放、逃がしてあげなさい。」

 

元より見せしめだ。

生き証人が何人かいないとジャンヌ・オルタも困るゆえに、残りは解放と言った有様である。

喜ぶものも居れば怒る物も居る。また嘆くものもいる。

だが少年だけは怒り狂っていった。

武器があれば、ジャンヌ・オルタに踊りかかっていただろう。

そんな様子を見てジャンヌ・オルタは。

 

「はい」

 

ザンッと音を立てて、ロングソードを少年の前に突き刺す。

使いたければ使えと。

 

「ランスロット、なんか斬れる物持ってきなさいな。槍でも剣でも包丁でも・・・」

「ジャンヌ。なにを・・・」

「こうなることは覚悟しているし想定の範囲内。そして彼らに選択を与える、それだけよ」

 

復讐たければ自由にしろ。無論選択の結果を考慮したうえでとのことである。

逃げるも良し、此処で殺されるも良し、或いは殺すのも良しと言う事である。

少年は刃を取って、ジャンヌ・オルタはそれを受けれた。

そのまま仰向けに押し倒され滅多刺しにされる。

 

「でもね血で手を洗うってこういう事なのよ、ボウヤ」

 

少年に滅多刺しにされながらも諭す様に言いながら次の瞬間には。

 

「そしてこれはお前たちが私のオリジナルに、ジルが私に刻み込んだ行いだ。」

 

少年を無慈悲に殺した。

翻るロンギヌスが少年自身が右目から後頭部を貫通する。

 

「お前たちが!! 達哉に理に悠に蓮にショウにアレフにユウにやった行いだっ!!」

 

行動こそ違えど本質は同じ。

奇跡の価値を理解せず、安全圏に達したという認識を得たいがために彼らを生贄に捧げた挙句。

結果を無意味にしたのだから。

幼子に群がる肉食の獣の如くにだ。

ソレを彼女は見続けたし見届けてしまった。

 

「殴れば殴り返され、撃てば撃ち返され、殺せば殺し返され、そんな当たり前の道理すら理解せず。あまつさえ他者に代行させて対岸の火事の見物人気取っているのがお前たちだ!!」

 

怒りのままに殺したにもかかわらず。少年に追撃。

翻る腕が音速領域を超えて拳を繰り出し。

少年の上半身を血霧に変換する。

 

「死ね!! 死ね!! 死ねェ!!! 息するな!! 縋りつくな!! 貪り食らうんじゃない!! 規範の奴隷共がァ!!」

 

そして残った下半身を滅多刺しだ。

これは不味いとランスロットとファブニールが必死に後ろから羽交い絞めにして止める。

出力に引っ張られて自分自身が制御できていないのである。

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

肩で息をして深呼吸で整える。

もう場は敵味方ともに静まり返っていた。

サーヴァントたちはまたかと言う痛ましい空気に飲まれている。

逆に捕まった人々は彼女の殺意に当てられ。心臓発作を起こして死ぬものでさえ出始めていた。

 

「ハァ~、やる気がないのなら早く行け、腑抜け共、そして私の役に立て」

 

ジャンヌ・オルタはそういって生き残った人々を解放する。

そしてカーミラをぎょろりと見た。

 

―言わなくても分かっているわよね? こいつらと同じ醜態を晒すなら次はお前の番だ―

 

と言わんばかりであった。

 

 

「ヒィッ!?」

 

カヒュと音を立てて夢から覚めたカーミラはベットから跳ね起きる。

初めてだった。

報復されるというのが。自分を閉じ込めた民衆の比ではない、やっていることを自覚しながら周りを巻き込み取り込んでしょい込んで怒り狂う本物の復讐者だ。

いわば遅かったか早かったかの違いである。

報いを受ける時が来たのだ。

故に震える、処刑を待つ罪人の様に。

後悔もあった、恐怖もあった、故に断頭台で散るまで王妃であったマリーアントワネット夫妻はどれだけ強かったのかを理解する。

 

そして万人に訪れる死の様に。あるいは隣に存在する恐怖が肩に手を置く様に。

 

轟音、天井を粉砕し、

カーミラのよく知る存在が玉座の前に舞い降りる

 

「本当にしつこいわねぇ・・・!!」

「往生際が悪いからこうなってるんでしょうが」

 

エリザベートは舞い散る粉塵をかき分けつつ、突入に使った大盾を投げ捨てつつカーミラの悪態に応える。

 

「第一逃げていいことあった?」

「なにを・・・」

「あんたは私、わたしはあんた、噂結界の効力かしらね、ここ最近、ラインでの夢共有と同じ現象が起きているのよ。だから何でアンタが此処にいるのか知ってる」

 

ジャンヌとオルタ以上にカーミラとエリザベートは同一存在と認知されている。

達哉に夢見が悪いと言った時は若干誤魔化したが。

エリザベートが未来の自分であると公言してしまったがゆえにその現象は起きていたのだ。

 

「あの時、知らないって言ったけれど、もうアンタはわかっている筈よ。私たちのもとに彼らは来たのよ!!」

「黙れ!!」

「ふざけないで!!もうどれだけ目を閉じて耳を塞ぎ口を閉ざすのよ!! そうやってまた、罪を重ねる方が馬鹿じゃないって気づきなさいよ!!」

 

出来るきっかけは作られた、後は行けるか行けぬか本人次第というものである。

だからエリザベートはカーミラの手を引き上げようと手を伸ばす。

彼女も自分で自分も彼女だから。

先に行き罪と罰を背負って、彼らの様に誇る人生を送りたいのだと雄々しく宣言する。

でもカーミラには届かず、あるのは決裂だけ。

 

「もうダマレェ!」

「逃げるな私ィ!!」

 

カーミラは咆哮し拷問器具を呼び出し、エリザベートに殺到させる。

対するエリザベートは完全に迎え撃つ体制で殴ってでも止めると槍を構えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――――ヌ」

 

ジャンヌは運が悪かった。

と言うよりもここ最近運が無いとは彼女自身思う事であり、

今回もまたその例にもれず、頭を強く打ち付けたがゆえに脳震盪である。

そんなぼやけた視界と思考の中でジャンヌに誰かが呼びかける

 

「ジャ―――――さん」

 

誰かが叫び、氷の魔王と化した狩人が荒れ狂う。

 

「ジャンヌ!!」

 

そして声が鮮明に聞こえ、ジャンヌは目を覚ました。

目の前の光景は地獄じみていた。

タラスクと巨大な四足歩行の氷塊の怪物が取っ組み合い、クーフーリンがヒットアンドアウェイで削っている。

 

「起きたな!! 良しこっちだ。あれはクーフーリンたちに任せて俺達だけで突入する」

「大丈夫なんですか!?」

「アレとやり合っている時にオルタの方が殴り込んで来たらこっちが負ける! 戦力分散してでも囲んで殴った方が効果的だ。森さん、門の開閉は!?」

「あと少ぉしッ」

 

達哉が気絶していたジャンヌを引き起こしつつ長可に確認。

長可も顔を真っ赤にするレベルで力を入れながら人間無骨を門の中央部に突っ込み、

チェーンソウ機能で中の閂をぶった切っている最中だった。

宗矩はAAー12が弾詰まりを引き起こしたため、AAー12本体をぶん投げ悪魔に直撃させてタタラを踏ませてつつ踏み込み愛刀の鯉口を切って居合入りで横一文字に切り飛ばしながら、

未だに死なぬ悪魔の頭蓋に向けて刀の切っ先を回転し逆手に持ちつつ振り下ろして悪魔を仕留める。

 

「クーフーリン殿やタラスク殿は良いが、我らはこのままでは持たぬぞ」

 

書文もまた、悪魔の腹に拳を叩き込み内臓を粉砕つつそう叫ぶ。

未だにタラスク、マルタ、クーフーリンと取っ組み合いしている巨大な氷塊の悪魔の力はすさまじく、

普通の人間なら活動限界の気温に下げつつ、

凍らせた大地を自由に隆起させ、空からはブフダイン級の氷塊を雨あられの如くだ。

ハッキリ言って神話クラス以外にはきついにもほどがある。

故にここは戦力分散のリスクを冒してでも。あの氷の魔王「フロストカイザー」の相手はクーフーリンとマルタとタラスクが相手取るほかない。

達哉も損耗するわけには行かず、支援攻撃は消極的にしかできない。

本当に心苦しいが彼らに任せるほかないのだ。

 

「よし切ったぞ!!」

「行け、こっちはこっちで何とかすらぁ!」

 

長可の叫びと同時に、クーフーリンが先に行けと叫び達哉がアポロを呼びだし門に背を当てて押し開ける。

マシュと長可もそれに同調し門を開けて、全員が飛び込むように入る。

そしてすぐさま門を閉じておく。

全員が荒く息を吐きつつ、各々自らを落ち着かせ、周囲を見る。

場内は濃い魔力が漂っており、空気も淀んでいる。

パッと見綺麗だが、幽霊屋敷と言った雰囲気が漂っていった。

 

「こちら達哉だ。ロマニさん、施設のサーチでマップデータを作ってくれ」

 

如何にもと言う感じだったので、

礼装経由でのサーチでのマップ作製を依頼。

無論、精密な物となるとくまなく探査しなくてはならないが、大雑把な物は出来る。

魔力波長の反射から割り出した大雑把な建造物のデータを元にだ。

だが今は緊急時でもある。精密なデータなんて取っている暇もないが、大まかな指針となるデータは欲しいと通信を繋げるものの、

 

『――――――』

 

返ってくるのはノイズばかり。

そして気が付いてみれば礼装のデータ更新も途絶えている。

やられたと達哉は天を仰いだ。

先の会戦でやっていなかったのは、ただ偏に広域をカバーできる手段がなくリソースの無駄だったから。

居城かつ心像風景が侵食し出しているここならばジャミング程度は軽くこなせるのである。

無論、敵が突っ込んでくるのも分かっているし部下たちは理性が吹っ飛び、新しい部下はそも信用ならない悪魔どもとくれば、

ジャンヌ・オルタは味方間の連携を捨てて、如何に機材がダメージを追っているとはいえ、広域通信可能なカルデアの通信妨害を行えるジャミング波を放ったのである。

状況を全員が説明され、まぁ仕方が無いと納得した。

元より無理な強行軍と強襲である。敵に罠に嵌ることが大前提と言ってもいい。

通信がつながらないのは不安であるがなるようになるしかない。

 

「駄目ね、探査魔術もやられてるわ」

 

ならば自前で探査しようとオルガマリーはして。探査魔術を走らせるものの。

強力なジャミングによって見事に打ち消された。

礼装の探査機能も無論と言う奴である。

 

「これ・・・ドラキュラじゃ死亡フラグですよね」

「そうなのか?」

「はい、探査魔術も通信も妨害されていますし。ドラキュラのオリジンであるヴラド公が居るので。私的には扉をぶっ壊して進むのがお勧めです」

 

ドラキュラを読了しているマシュがそう解説する。

ドラキュラは扉を閉じたままにする力を持っており、その対策としてヘルシング一行はドラキュラ城に突入するときは、

徹底的に扉を壊して回って脱出路を確保していたことをだ。

 

「マシュ、それは気にしすぎじゃないかしら? ドラキュラの発行年代は1897年よ、年代的に考えてそういった書物は此処にはなさそうだし、噂結界の効果範囲外だと思うのだけれど・・・」

「そうですかね・・・、でも万が一と言うこともありますので・・・」

「宗矩、ショットガンは・・・」

 

万が一とお言う事もある、撤退だけではなく探索で来た道を戻れないというのも致命傷だ。

故に、マスターキーとして使えるショットガンはどうしたとオルガマリーは宗矩に問う物の、

先ほど描写した通り、弾詰まりしたため投擲武器として使い捨てている。

ぶっちゃけ手元には無い。

 

「オルガマリーのリボルバーで・・・ってぇ!?」

 

オルガマリーのリボルバーでどうにかならないかと達哉は言おうとしたが。

その瞬間、エントランスが軽く振動し、天井がゆっくりと降りて来た。

所謂、釣り天井と言う奴である。

ご丁寧にジャキリと鋭い鉄杭が出て来ている。

 

「達哉、ペルソナで吹っ飛ばせるわよね!?」

「無論だ!」

 

オルガマリーが達哉にもう構わんからペルソナで吹っ飛ばせと指示を飛ばし。

達哉はそれを了承、アポロのマハラギダインを収束発射するが、ものの見事に弾かれる。

これには全員びっくりだ。

 

「ここの建築材はシバルバーと同じか!?」

「うんなわけ・・・いえオルタの心像が侵食してるからあながちそうなのかも・・・」

「所長、先輩! 考察は後です! 森さん! 開いてる扉は?!」

「扉は付け根の強度的に頑丈じゃねぇから、ぶち破れた。こっちだこっち!!」

 

城の建築材は心像の浸食でシバルバーと同じだった。

達哉たちが本気で大暴れしてもビクともしないものと同じであるから、強引に突破できないのも仕方がの無いことである。

さらにジャンヌ・オルタは遊びはしないたちなのか、このエントランスの他の扉には全てロックが掛けられていた。

最も、閂やら扉の結合部分など、どうしても脆くなってしまう場所は何とかサーヴァントのパワーで蹴り破れるくらいなので助かりこそした。

書文と長可が二人がかりで全力で蹴り破り、

一階通路に全員が逃げ込む。

 

「まったくいよいよ忍者屋敷染みて来たな」

「書文殿、伊賀の屋敷でも釣り天井とかないですからな」

「「「「「そうなの!?」」」」」

「・・・主殿や書文殿はしょうがないとして森殿はなぜ驚かれているのですかな・・・」

「いやぁてっきり忍者屋敷ってそういうもんかと」

「ちがいますからな!!」

 

剣術指南役として伊賀と交流のあった宗矩は忍者屋敷ってそういうもんじゃない、という認識を突っ込みつつ否定する。

最も伊賀忍衆当主が絡繰り作りのロボット美少女と言うのは宗矩は黙った。

此処で言おうものなら余計に話がこじれるし、関係が無いからだ。

 

「兎に角、シバルバーと同じような物に成っているなら、無駄なことは考えない方がいいな」

「ああ、確かマスターは似たようなところで大暴れしてたもんな・・・あそこと同じなら無駄なことは考えられねぇ」

「考えたらそれが具現化してですもんね」

「私嫌よ・・・電子レンジ通路駆け抜けるの」

 

そして城は全域がジャンヌ・オルタの心像に侵食されているということも分かった為、

強引な突破法は無理と分かった。

構造上脆いのは先ほどの扉や閂の様にどうにかなるかもしれないが、

そのたびにサーヴァントの全力の蹴りやらペルソナスキルを切らざるを得ないのは正直割に合っていない。

さらに達哉の経験から、下手な事も考えられないかもしれない可能性まで出てきた。

達哉の記憶を見たオルガマリー、マシュ、長可としても電子レンジ通路を駆け抜けるなんて御免である。

特に鎧を着こんでいる、マシュと長可は蒸し焼きにされる、なんてことになりかねないので堪ったものではない。

 

「・・・気になったのだが、達哉、考えたことが具現化すると言ったな」

「ああ、そうだが。なにかあったのか? 書文さん」

「なら、適当な扉からオルタが出てくると考えれば・・・速攻で引き釣り出せると思ったのだが・・・」

「「「「「・・・・・・・・・」」」」」

 

逆転の発想である。

近づくとかまどろっこしい事を想わず、

直通だと思えばいい分けで、なるほどこれは盲点ばかりと思い、

全員が祈る様に思いこもうと手を尽くす、その光景は一種のカルト宗教染みていた。

しかり、ここはシバルバーではなくジャンヌ・オルタのパレスモドキである。

そんなことは起こらず無論徒労に終わるわけだ。

 

「シバルバーとは違うのか・・・」

「そうみたいね。時間も無いし次行きましょう次」

 

という訳で移動である。

通路を抜けてホールを通り二階への階段を目指そうとするが、

やはりトラップだらけだった。

ペルソナ耐性が無ければ死ぬような電気が流れた壁。

空間が歪められ進行方向があべこべにになる通路。

扉関係は侵入を拒む様に鍵が施錠されているのを、長可が人間無骨をバール代わりに強引にネジ開けるなどして突破していく。

そうこうするうちに、達哉が気づく。

 

「えらく敵がいないな」

「そうですね、本拠地ですし。入り口前に氷魔を配備しているくらいですからてっきり、中も鮨詰め状態かと思っていたんですが・・・」

 

城内は不気味な雰囲気と気配が漂うものの、

今のところ敵はいない。だが扉を開けてモンスターハウスと言う可能性も無きにあらずと言う奴で。

第一に先ほどの悪魔の件もある。

普通の神経なら、戦力の逐一投入なんぞせず一気に投入する方が普通だ。

ジャンヌ・オルタがなんらかの手段で出れないにせよ、

彼女にはアタランテとヴラドと言うサーヴァント二騎に、悪魔の上位分霊というサーヴァントが居るにも関わらずだ。

これは単純な話で、達哉たちはあずかり知らぬ話だが、

ジャンヌ・オルタの仮想敵の設定基準は、神霊跋扈する女神の物語の主人公たちや某悪魔召喚師である。

達哉は彼等に及ば異にしろ、彼等の影を踏める存在であるし。

そういう連中が束になってきているのなら、此処は決戦ではなく時間稼ぎを行いつつ焦らせた方が勝ち目があるから、

施設内のトラップなどで分断しての個々の戦力をぶち当てるという方針を取っていた。

だからこそ、二階に達哉たちは移動しようとして・・・

先行していた達哉と宗矩、書文、長可の足元で不吉な音がカチリと鳴り響いた。

無論、それは仕掛けではなく魔術的罠である。

 

「なっ」

「先輩!?」

 

マシュが慌てて手を伸ばす。一歩前に進んだ瞬間、再度カチリと言う音。

こういう類は狙撃戦での生餌と一緒だ。目の前に無視できない餌を置いて置いて得物を吊り上げる。

故にワープトラップの近くにもトラップが置いてあったのである

そして起動したそれはマシュとオルガマリーにマリー・アントワネットの足元がぽっかりと開いたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

完全に分断された。

 

 

「ここは・・・」

 

達哉が頭を振りつつ立ち上がればそこは中庭である

もっとも周辺状況は最悪だった。達哉は囲まれていた。

悪魔の群れにだ。

だが問題はなかった、この程度なら既に経験済みだ。あの誰も居なくなった世界でだ。

しかしその中にひときわ拙い姿がある

 

「ここは、城の中庭だよ、周防達哉」

「貴様は・・・」

「我が名はベリアル。まぁどうでもいい。閣下は意味があるというから参戦したまで」

 

悪魔が蠢き、その中でも赤色の竜人のような悪魔は別格だった。

なんせ彼の身体から出る魔力は物質を分解していた。

それに触れるだけで地面やら建造物が砂になっていく。

配下の悪魔ですらベリアルには近づかない。

まさしく無価値なるものとして万物の価値を貶める能力と言っても過言ではないだろう。

悪魔の上位分霊となれば権能じみた固有スキルを備えているのが常である。

無価値なる者の能力はそういう分子結合解除能力と言ったところだろう。

しかしベリアルは油断していなかった。

アマラではあの手この手で絶対的能力も突破してくるのが人間だとアマラの悪魔や神々は知っている。

傲慢な天使なら兎も角、ベリアルは油断することはなかった。

 

「悪魔が何故、オルタに協力する・・・」

「影との取引の一環だ。円環を回すためにすぎぬ、試練は辛ければ辛いほど人を強く成長させ神の座に至らしめるがゆえ」

「・・・なにを言っている」

 

意味不明な言葉の羅列である。

神になった記憶も無ければそんなもの望んでも居ないのに。

 

「これは警告だ。周防達哉、■■■■を持つ者よ。汝が翳すは終わりである」

「・・・向こう側が来るという事か?」

「いいやそういう事ではない。そしてこれ以上語らう意味はない」

 

ベリアルは一方的に話題を打ち切り、顎で悪魔に指示を出す。

殺到する悪魔。達哉は何時もの構えを取り迎撃態勢。

卸したペルソナはメタトロンで。その威容を現し悪魔たちを蹂躙すべく両目を輝かせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

分断されてからマリー・アントワネットのは落下孔トラップにもみくちゃにされつつ。

城の地下ホールへと落とされた地下のホール、無数の棺が無造作に置かれた場所で。

一種の埋葬場所だとかを彷彿させる。

一緒に落下したオルガマリーとマシュとは落下の分岐ではぐれてしまい。

今はこの場にはいない。

 

「来たか異国の王妃よ」

 

そして棺を椅子代わりに座り込み、先の会戦とは打って変わって西洋鎧姿となったヴラド三世が底に存在していた。

まるで灰の様に髪色が変貌し、見た目的には十歳近く老け込んでいる。

何があったとは思わないでもないが・・・

マリーアントワネットは油断なく腰の鞘から愛剣を抜き放つ。

今度は完全な孤立無援だ。

 

「・・・もうその様子だと・・・戦うって感じじゃなさそうだけど、避けてくれると助かるのだけれど、ムッシュ」

「・・・意味? 意味なんぞない。この世界に価値は無い」

「ムッシュ?」

 

ヴラドが立ち上がる、霊基が灰の様に砕け散った。

彼はジャンヌ・オルタの復讐心に耐えられず更なる絶望に叩き落され精神をへし折られ、

怪物と成り果てていた。

もはやこうなっては供給されるジャンヌ・オルタの憎悪で駆動する操り人形も同然である。

彼は口を吊り上げ笑い、

 

「ククク。無価値、無価値、無価値。この人理に意味などなない」

「―――――」

「貴殿が一番わかっているはずだ。フランスの犯し続けた愚挙をな。ジャンヌが火あぶりにされ、貴殿が首を跳ねられ。ナポレオンが地ならししながらも、負債を後回しにし続ける国に価値はない」

 

価値はない故に先なんていつも無いだろうとヴラド三世は言う。

だがマリー・アントワネットは違うのだ。

主義は腹を掻っ捌く様にもう言ってある。そこは緩れぬ一線だ。

互いに排除するほかないと、心を決めて両者ともに間合いを詰めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・ハァ・・・ホント予想外の事ばっかで嫌になるわね・・・」

「皆さんは大丈夫でしょうか・・・」

「・・・わからないわ、けど嫌な予感がする」

「・・・私もです」

 

オルガマリーの虫の知らせにマシュも同意する。

殺意に当てられ続け、戦場で理不尽を知った彼女たちにもそういった第六感の虫の知らせと言う奴が分かるようになってきた。

無論歴戦の猛者であるサーヴァントや達哉たちほど鋭い物ではないにせよ、

拙くとも大よそは分かるようになった。

 

兎にも角にも脱出と探査魔術を走らせようとしたオルガマリーの前にマシュが出て、背から大盾を取って構えて飛来する何かを防ぐ。

と同時にマシュの両腕に凄まじい衝撃が走った。ジャンヌ・オルタの一撃よりはマシ程度だが。

威力で言えば冬木のアーチャーの通常射撃の倍以上の威力はある。

奥歯を軋ませ腕の筋肉が震えることに耐えながて、その矢を凌ぎきる。

矢が飛来した。先を見れば扇情的な衣装に身を包みつつ背から翼を生やし右手には弓、左手の指の間の数だけ矢を握りしめているアタランテが、ホール上に作られたコロッセオを彷彿とさせる広大な地下闘技場の柱の上に存在していた。

歯を軋ませ、両目からは炎の様に魔力が揺れている。

まるで魔獣もかくやと言わんばかりの様相。

 

「そう簡単に通してはくれないみたいですね」

「そうね・・・」

 

マシュは盾を握り直し。

オルガマリーは事前の情報から戦闘方式を組み立てる。

少なくとも猪化されたら勝ち目はないが、逆に言えばされなければ勝ち筋は、この距離であればいくらでも作り出せるからだ。

確かに二人はクーフーリンほどではないが。オルガマリーは魔術師にしてペルソナ使いである。

手札の内容が彼と違うし数も多いので。やれないということはなかった。

そしてある意味、彼女たち初めての修羅場だ。

冬木のように達哉はおらず。先の会戦の様にサーヴァントたちはいない。

独力で切り抜けるか否かを試されている。

無論失敗すれば死だ。

そんな恐怖心を、自分たちが失敗すれば周りが失われるという恐怖心で抑え込み。

魔獣となった狩人と対峙する。

 

 

 

 

 

そして鍛錬場では既に交戦が始まっていた。

此方でも達哉と同様、悪魔の群れである。そして対峙する悪魔は上半身が球体場の岩から生えているという偉丈夫である物の。

その瞳は愉悦に染まっている。

 

「どうしたね? この世界の英傑は秀でていると聞いているが・・・なんだ、この程度も突破できないのかね」

 

魔王ミトラス、その信仰は弾圧によってほぼ失われ詳細が不明な魔王であるが、

 

「お前らの色を魅せてくれよ。でなければ出てきたかいが無いというものだ」

 

彼が手を振い斑模様の様に氷と炎が炸裂する。

無論、その規模は清姫やら達哉の比ではない。

魔王の高位分霊と言うだけでこの出力である。元来、人が敵う相手ではない。

 

「クソが、城崩しを連射できるようなもんじゃねぇか!!ゲオルギウスどうにか出来ねぇのかよ!!」

「受肉した悪魔となれば祈りでは無理です!」

 

遮蔽物に身を隠し長可は叫びつつ、ゲオルギウスに問うものの。

相手はカルデアのサーヴァントと同様、疑似受肉している状態である。

そうなればいくら聖人であっても祈りだけでは退けられない、さらに相手は魔王である。

出来るとすればその宗教のトップ級を持ってくるほかない。

攻撃は止まず苛烈ではあるが、幸いにも先にも述べた通り遮蔽物にもジャンヌ・オルタの心像が侵食しているのか、

強度で言えばシバルバー並みなので遮蔽物には困らない物の、

こうも嵐の如く最新鋭の近代兵器をダース単位で叩き落せる攻撃を乱発されては三人にとっては溜まった物ではない。

 

「こういうのはクーフーリン殿の仕事ですな」

「然り、だが宗矩殿よ。アレを仕留めれば逆説的に我らの武功にも箔が付くという物」

「それにああも言われていたら男が廃るというものですからな」

「然り然り、という訳で突っ込む故、長可どの少し頼みますぞ」

 

と言っても相手が相手である。もとより武芸を極めた身である。

人外領域? 望むところ、我等の武功としてくれると奮い立っている。

強さが絡むとコエーなこの人達と長可は他人事のように思いながら、

 

「行くぞゴルァァアアア!!」

 

遮蔽物を引き抜いて盾にしつつ突貫を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャンヌは途方に暮れていた。

罠自体は、並んでこられては戦力分担の意味合いを失うとして使い捨ての物だった。

達哉や宗矩たちを転送した魔法陣は意味を失い。

落とし穴もまたなかったかのように消失している。

徹底しているという意味合いでは、ジャンヌ・オルタは何度も述べる通り容赦がなかった。

故に孤立されていた。或いは偶々、ジャンヌだけがそれたかは分からないけれど、

彼女だけが取り残されたのである。

悪魔は存在せずサーヴァントも襲ってこない。

指示を仰ごうにも、カルデアとの通信はジャミングの影響で途切れている。

まさしく誰も助けてはくれない状況だ。自分自身で判断し最善を紡がないといけない。

的確な彼女自身の使命はただ一つ

 

―ジャンヌ・オルタを抹殺せよ―

 

と言う物だけで、天啓スキルもまた類似した答えの身を提示してくる。

宗矩たちに合流し手伝おうにも、自分は役に立てるのかという疑念があった。

如何に達哉にケアされたからと言って行き成りポン、と払拭できるのなら苦労はしないし、

魔王とも呼べる個体相手に自分は不足ではと思ってしまうのは道理と言えるだろう。

だったら、此処は自分の後始末。つまりジャンヌ・オルタを削ることが正道ではないかと思うのも仕方がないわけだ。

ジャンヌ自身、クーフーリンやら達哉の様に神話に参加できるほどの実力はなく。

マリー・アントワネットやオルガマリーやマシュの様に神話勢についていける実力はない。

旗を抜けば、文字通りの典型的中世英霊でしかないのだから仕方なしと言う事である。

故に、生来の自己犠牲精神的に、自分を犠牲にしてでもジャンヌ・オルタを削るのが正道と思っても仕方がないことだろう。

第一にあれだけ彼らに負担を強いておきながら、役立たずという事に彼女は耐えられない。

心は決まった。事前のブリーフィングでジャンヌ・オルタは玉座の間か地脈の影響も考慮して地下室に居ると判断されて、

ジャンヌ・オルタの居場所は二択に絞られている。

ならば居場所の不確実な仲間の元に駆け付けるより削った方がいいと判断し、

玉座の間に向かったのは必然ともいえたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ティエール 兵舎。

 

 

体は透明で裏地に花柄をあしらったスーツ一式と首には白いマフラー。

手先には黒の革手袋 足には黒革靴。

両手に握られているのは鉄板をくりぬいて作ったかのような漆黒の拳銃二丁。

そして頭部は漆黒の骸骨と言う異形だった。

無論、ソーンとは違い、当初から第一特異点を影で暗躍していた化身である。

彼は銃底で衛兵の後頭部を殴り気絶させるとするりと中に入る。

そして詰め所内に入ると。

懐から、ドルミナーのスキルカードの束を取り出し、それを握りつぶして強引に発動した。

 

「お休み♪」

 

周囲一帯の人々がある人物以外を除いて眠りに入った。

影は悠々と兵舎へと入っていく。

 

 

 

影は這いずっていた。良くも悪くも相変わらず。

 

 

光の傍には常に影がある。

彼等が希望と言う光を掲げ続けるのなら、

その恩恵にあやかられぬ人の背後に、影は這いずり寄ってくるのが道理という物であろう。

 

 

 

 

 

 

 




雑だけれど、とりあえず投稿。読者の方がは申し訳ありません( ;∀;)

カルデアエクスペンタブルズの巻き
英霊に銃火器持たせて突撃させるのは自分が初めてではないだろうか。
と言っても戦術上、カルデアとしては魔力消費やら温存したいから、キルスコア稼ぐために、こういう戦術になるのはしょうがないっちゃしょうがない。
なお在庫が無いため次回からはやらない模様。
そしてカルデア、今度は意図的に通信をジャミングされる。
メガテンで近代戦やってりゃ、邪ンヌとしても敵が突っ込んでくるのが分かっている上に妨害手段があればそりゃ妨害する。


カーミラが邪ンヌを怖がる理由がコレ。
必要と在れば躊躇なく人も龍ちゃんのように楽器に仕立て上げる精神。やると言ったらやるという凄み。つまりだが絶対殺すという精神性
あと噂を効率よく広めるために大暴走していた時期の邪ンヌを見ていたから。
カーミラからすりゃ理不尽ですけど、本来課せられる罪と罰が邪ンヌという姿かたちを得て今更襲い掛かってくるという悪夢ですよ。
なおエリザベートが覚悟きめてカチこんでくる来るとかいう悪夢


と言うか今の年代的にフロストカイザー知っている人いるかなぁ。
オリキャラじゃなくてちゃんとしたメガテンの悪魔です。
と言っても出演はデビチルだけですけども。
一応、ベリアル、ミトラス、元ジャックフロストことフロストカイザーは邪ンヌがVRメガテン1の頃に仲魔してました


ヴラド公は、まぁ邪ンヌの憎悪に燃やされて抜け殻状態、残った感情で暴走中。

アタランテ、憎悪を注ぎ込まれて絶賛炎上中

座の二人は天を仰いだ。





という訳で対戦カード
フロストカイザーVS兄貴&マルタ&タラスク
アタランテVS所長&マシュ
ベリアルVSたっちゃん
ミトラスVS長可&宗矩&書文&ゲオルギウス
カーミラVSエリザベート
ヴラドVSマリーアントワネット
邪ンヌVSジャンヌと言った感じで行きます。
それで次回ですが ニャルニャル回とエリザVSカーミラ決着で行きます。
なおミトラス戦はキンクリ予定、如何に魔王でも宗矩、書文、森くん相手に英雄王でさえ殺す型月最大の死亡フラグの慢心王すりゃねぇ・・・

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