Fate/Grand Order たっちゃんがグランドオーダーに挑むようです 作:這い寄る影
サクラ大戦シリーズより抜粋。
此処の所、ダヴィンチは徹夜続きだった。
無理もない、各種設備の調整修繕作業及び達哉やオルガマリーの装備の新調もあったからだ。
肉体的に疲労は無くても精神的な疲労はいかなサーヴァントでもどうしようもないことである。
それに一区切りついて明日は休み、そして明後日から地獄的デスマーチだとダヴィンチは思いつつ作業机に限定投入用装備を置き、自分のPCにハンディカムPC経由で接続する。
我ながら仕事人間だなとダヴィンチは苦笑しつつ限定投入用装備の解析に挑む。
「しっかし、スティーヴンの奴、なんでくたばったんだか」
惜しい実に惜しいとダヴィンチは思いつつそういう。
スティーヴンは天才だった。プログラム技術、電子機械という分野ではダヴィンチでも勝てないと思う天才である。
現に限定投入用装備はダヴィンチの理解外にある物だった。
優れ過ぎた技術は魔法と見分けがつかないというように、その領域に達しているこの機械を前に。
発明家として天才として解析に乗らざるを得ない。
未知の技術を知りたいという探求心に駆られ、解析を進めていく。
そうしている間に気付けばダヴィンチは意識を落していた。
俗にいう寝落ちと言う奴である。
故に、気づかなかった。
限定投入用装備の銃口が淡く輝き。
「ウハハハハ!! 見たか!超人め! 閣下の盟友だか知らんが、このご立派な我を封印するとは。まぁいい数年の雌伏の時を越え、我現世に降臨セリ!! どれそこの美女からセクハラを・・・なんや!?このおっさん!?」
悪魔が出てきたことにだ。
此処連日、オルガマリーとマシュは達哉の所に入り浸っていた。
湿布やら塗り薬を処方してもらうついでにお見舞いというわけである。
「アマネはあれよ、生粋のサディストよ」
「こればかりは・・・所長に同意です、もう少し手心が欲しいです」
二人は愚痴っていた。
基礎修練も地獄である。アマネが英雄たちの鍛錬を現代解釈に基づいて洗練した地獄の特訓である。
痛くなければ覚えませぬという奴だ。
もっとも一般軍事訓練よりは温くしているものの。こんな事態になるまで戦闘すら行ったことのない少女二人にはキッツイ物が在る。
と言ってもデミサーヴァントのマシュが音を上げるレベルではあるが。
訓練にはサーヴァントたちも混じる為何も言えない。
「もう腕がガタガタよ、筋肉痛で」
「私は背中と膝が痛いです」
基礎訓練が終わったらそこからサーヴァントのマンツーマンによる技術教練に入る。
型稽古と組手をひたすら繰り返すのだ。
オルガマリーは二丁拳銃適正が見えてから、ダヴィンチが作ったラバーガン・・・所謂ゴム製の模擬銃に実物と重量を同じくするための鉄板入りを持たされ。
アマネとクーフーリン交互に模擬戦、銃捌きと二丁拳銃を前提としたCQCに足技を叩き込まれている。
マシュに至っては長可と書文と当たり稽古だ。
それでも疲労でぶっ倒れないのはアマネと宗矩の教導の腕と言う奴だろう。
「悪魔狩りが出来ればいいんだが」
悪魔狩りをしていれば技術は兎にも角にもLvアップによる身体能力向上と駆けずり回る事によって体力は付く。
「先輩、それって楽なんですか?」
「楽じゃないな、命がけだしな」
達哉たちは時間も無いためLvを上げて身体を強化していた。
町中の悪魔が湧くポイントを練り歩き、実戦経験と身体能力を磨いたのである。
確かに手段としては手っ取り早いものの、上がるのは体力と身体能力だけだし何より命がけであることは変わらず。
結局身体能力を伸ばしたところで最後に物を言うのは身に付けた技量と根性であるから。
悪魔狩りが出来ると仮定して、結局地獄の扱きからは逃げられないわけで。
達哉は話題を変えるべく、別の話題を口にする
「そう言えば」
「どうかしましたか?」
「いや人理焼却犯のやりたいことが上手い事分からなくてな」
達哉は今一、人理焼却犯のやりたいことが分からなかった。
ニャルラトホテプは分かりやすい愉快犯的な奴である、黒幕をさらに深い裏で操ってこっちを翻弄しているのは明らかで。
この状況自体が奴の作った舞台であるということだが。
その件の黒幕の事が良く分からなかった。
「まぁ中途半端すぎて、分らないですからね」
マシュも達哉の言葉に同意する。
何もかもが中途半端すぎて訳が分からない。
攪乱作業にしても脇を上げ過ぎだ。柔軟に対応するための隙とだけは説明が付かない。
「ちなみに先輩ならどこを落します?」
「1962年、10月から11月の間の米国かキューバ」
「キューバ危機ね・・・ まぁ私もそうするかなぁ」
マシュの問いに達哉は冷戦に突っ込むと答えてオルガマリーも同意。
キューバ危機、今は遠い昔の冷戦の頃であるが。
そこを弄れば特異点が一瞬で世界滅亡爆弾と化すからである。
神話の英雄たちを嗾けるより、大統領を騙す方が楽である。
騙し切ったら。あとはスイッチ一つで地球の地表は放射能と粉塵による冬が到来するという寸法だ。
「ですが敵はソレをしなかった。と言うことはジャンヌ・オルタと同じでやることがあるからですよね?」
だがあえてしないということは。敵もその状況を利用してやりたいことがあるからとマシュは結論付ける
「でも本当にガバガバですね・・・レフ教授何がしたかったんですか・・・」
が状況が状況である、過去にさかのぼり特異点修復可能なカルデアを残している時点で意味が分からない。
そう言った意味ではジャンヌ・オルタは徹底していたから余計にだ。
マシュも他者を害するということが理解できてしまったがゆえに敏感にそれを感じ取っていった。
これが過程だとしてもカルデアを残しておく意味がない。
幾らなんでも柔軟性を保つための遊びにしてもずさんが過ぎるというものだ。
「・・・案外慢心だったりして」
「「まさか~」」
オルガマリーのいいようにマシュも達哉も声を合わせて否定する。
がしかしとオルガマリーが続ける。
「ニャルラトホテプが利用するような奴よ」
「「・・・・」」
端から完全に詰めてくる相手ならニャルラトホテプは別方面で利用する。
即ち自爆装置としてだ。その方が都合も良いし煽って勝ち逃げするのがニャルラトホテプである。
逆に言えば慢心している黒幕気取りは舞台装置として利用するのが奴である。
そう黒須淳や須藤竜也の父である須藤竜蔵のように。
つまり舞台装置として利用されている以上、カルデアを残したりわざわざ特異点こさえたりする慢心ぷりを見せている以上。
カルデアを残した理由が俗っぽいのは納得できそうな答えでもあった。
「そう言えば先輩はいつ頃退院で? 宗矩さんが暇そうに待ってますよ」
「明日には退院だ。と言うか宗矩さんが暇?」
「教導に空きがありますから、私も所長もナイフなら兎にも角にも専門じゃないですし」
マシュの言う通り宗矩は暇である。
達哉が入院中だから、教える相手がおらず、ここ最近は保安部の溜まり場でもあり所員のストレス解消場とかしたキルハウスに入り浸っていた。
「・・・きつくなりそうか?」
「「・・・」」
と言う訳で宗矩、気合入れて達哉待ちである。
そりゃもうウキウキと言う奴で。達哉が訓練に入ったら地獄確定な有様であった。
故にマシュもオルガマリーも目を背けるほかなかったわけで。
「そ、それよりよ!、退院したら私の部屋で食事でもしない?」
再度の話題変更をオルガマリーが行う。
「なんでまた、所長の部屋で食事って」
「いやぁね・・・ヤバいのよ」
「なにが?」
「一部食材の賞味期限が・・・」
そしてこんな話題を出したのも相応の理由があった。
オルガマリーが料理を趣味にしていたことは前にも語っていた通りだ。
故に事前に肉などを仕込み、真空パックに入れて冷蔵庫で保管しているのだが。
当然、幾ら保存法に拘っても賞味期限はやってくるものなのだ。
特にここ最近忙しいのは言わずもかな。さらに量が量である、消費しきれないのだ。
「皆もさそえばいいんじゃ」
「そう言うのは若い者同士でやれって、皆が言うのよ」
量が量ならサーヴァントや職員の皆にもふるまえばいいじゃないかとマシュが言う物の。
当の本人たちが断ってきたということもあってそういうことになったらしい。
なおスタッフたちはメンタルケア計画を知っているので後ろめたさ全開で断っていたことをオルガマリーは知らない。
「しかしだな、年頃の女の子が俺みたいな男を自室に上げるのは抵抗があるんじゃ」
「タツヤならそういうことしないでしょ?」
「まぁしないが」
達哉の記憶は皆が見ておりそういうことをしないと確信できるため。
オルガマリーも自室に上げることに抵抗はなかった。
「だがなぜ、君の部屋なんだ? 食堂でもいいだろう?」
「調理器具の問題よ。料理作るならグレードの高い設備使いたいでしょ」
「所長・・・自室の料理機材にいくら掛けたんです?」
「・・・三ツ星レストランクラスの調理場を個人使用にしたレベル」
「「それはやりすぎじゃ・・・」」
「それだけストレスがたまってたから、金で発散したかったのよ・・・」
「でもやりすぎ「それなら分かるな」先輩!?」
それは幾らなんでも個人でやるには掛け過ぎだろと二人は軽く引いた。
と言うかそのグレートであれば食堂の調理施設の質を凌駕する豪華設備だ。
某弓兵が見たら血涙流す豪勢っぷりである。
そしてそうなった原因はやはりストレスで、散財して解消するというあまり褒められた解消法ではないものを行った結果。
こうなったわけで。
最初は若干引き気味だった達哉も、所長の言い様に掌を返す。
むしゃくしゃした時に達哉もバイクショップでレアパーツを金が許す限り買いあさったことがあり。
しこたま兄の克哉に怒られ、後に財布の中身を見て激しく後悔したことがある。
「まぁそういう訳で。是非に来て頂戴。マジで拙いのよ・・・」
「なら楽しみにさせてもらおうかな、マシュは?」
「私もですか? 大丈夫ですが・・・良いんですか? 所長?」
「当たり前よ、三人で何とかできる量なのよ、こっちから是非にお願いするわ」
と言う訳で後日無事退院しささやかな食事会となったわけだが。
オルガマリーの私室
「むむむ」
彼女の部屋に黒い靄が隅っこの方に存在していた。
力が弱すぎて逆に誰も探知できないほどである。
「銀髪美少女を見つけて追っかけてきたのは良い・・・だがこの状態ではセクハラ出来ぬ」
何かにとりつかねばそれこそスプーン一つ動かすことくらいしかできない。
と言っても取り憑くにしろ、依り代は選定し極上の物が良い。
女性に取り憑くことも考えたが。今はそういう気分ではなかった。
「まぁ数年待ったのだ、機会は幾らでも・・・」
そう言いかけて部屋に入ってくる達哉を見て悪魔は・・・
「美青年もいるとか、マジ我得」
達哉に憑依することを決めた。
そして達哉の退院日。
オルガマリーは珍しく気合を入れて料理していた。
男の子なら分厚い肉だろうと思い、メニューはトロトロ半熟オムライスデミグラス仕立てとビーフウェンリントン、生ハムを添えた季節野菜サラダ特性イタリアンソースと決めたのだ。
これはあくまでメインの話しで、その後の談話用のつまみは手早くできる物を選定している。
戸棚から日本米の入った袋を取り出し。戸棚の上にあった使っていないまま放置気味の高性能炊飯器を取り出し。
電源をセット。
ボウルに水を満たして。
ステンレスザルに米を入れ、ボウルに浸して良く洗う。
水が白く濁ったなら。一旦ザルを上げて。
ボウルに入っている水を捨てて新しい物へと変える。
「・・・炊き込みモードでするのも味気が無いわね」
そして白い濁りが出なくなったら、いざ炊き込みなのだが。
暇が暇である。機械なんぞに任せておけないという思考が過る。
これはプライドどうのこうのではなく。米の水分の調整が自分でやった方が適切と言う思考からだ。
シンが残っても糞拙いだけだなと思ったが故である。
時計を見れば。まだ余裕は一時間ほどあった。
「古き良き手法と行きましょう」
水を再度綺麗なものに換えて、今度はザルに入った米を綺麗な水に入ったボウルに浸す。
部屋の気温を確認。現在23°。
なら一時間から半程度かなと考えそのままにしておく。
水がしっかりと米の芯まで届かせるためだ。
「・・・パイと肉ね」
そう言えばレアで食べれるギリギリのフィレが在った筈だと思い立ち。
オルガマリーは冷蔵庫を開けて確認。
きっちり下ごしらえされたフィレの真空パックが存在し。ラベルにはレアでは今日までと書かれていた。
無論ミディアムなどなど各種焼き加減の期限も事細かく掛かれている。
それを確認し、人数は達哉、マシュ、自分と来ているから、加工したフィレの量的にも大丈夫と決断。
「パイ生、パイ生地っと」
強力粉と強力粉(打ち粉用)、薄力粉、バターを用意し。
強力粉と強力粉(打ち粉用)、薄力粉を泡だて器でムラなく攪拌し。バターを四方形に賽子サイズに大まかに加工した物を入れて。プラスティックヘラでよく混ぜる。
バターが小さくなったところを確認し、水を入れてさらにヘラで切る様に混ぜ上げる
そうやって出来上がった生地を。ラップの上に置き、手で麺棒で伸ばしやすく伸ばしたら。生地の上にもラップを敷いて。
麺棒で伸ばしつつ四角くする。
多少厚めだが。寝かせた後でさらに伸ばすのでこれでいいのだ。
下敷きと麺棒と生地が接触しないように敷いた。ラップを使ってそのまま生地を包み。
「よく考えたら一時間ほど放置だわ・・・パイ生地も・・・」
疲れているわねと自己分析をしながら。
やっちまったものは仕方が無いとしてデミグラスソースなどの準備を行う。
「・・・アレ?」
冷凍保存しておいたデミグラスソースが微塵の欠片も無かった。
今、思い返してみれば。ストレスの余り暴走で変な声を出しながら肉料理に使ったなと思い出し。
であるなら作るほかないと冷蔵庫を確認。
材料がなければトマトソース(缶)よねと思いながら、冷蔵庫と保管棚の在庫を確認。
問題はなかったので、素材を取り出す。
牛の挽肉、セロリ、ニンジン、玉ねぎ、プチトマト。
そして料理用なのに無駄に良い赤ワインを準備し。
野菜各種を1cm四方に手早く加工。
耐熱皿に作るソースの分量に適した量の薄力粉を敷いて。電子レンジで加熱。
良い状態に仕上がる様に時々、電子レンジから皿を出してかき混ぜてを繰り返しつつ、熱したフライパンにサラダ油を引いて加工済みの野菜を投入し程よく焦げ目が付くまであまり動かさないように炒め
薄力粉の様子も監視。時折混ぜて、ついでに米の状態も見つつ、野菜をいためていく。
野菜各種が良い具合に成ったら。プチトマトを投入し潰すように炒めながら
程よくなったら、電子レンジで加工した薄力粉を入れて木べらでさらに混ぜ上げつつ。トマトソース(無塩)を入れてさらに混ぜ上げながら調味料で味を調整し。均一に混ざったのを確認したら。それらを鍋に移して水を入れて煮詰める。
その間に温めておいた新しいフライパンにサラダ油を引いて用意し挽肉を投入しながら塩をアクセント風味に投入。
米。鍋。冷蔵庫の記事の様子を伺いつつ。オルガマリーは鼻歌を歌いながら。挽肉がパラパラになるまで炒め。
炒め切ったら赤ワインを入れてひと煮立ちしたら。
圧力鍋に野菜をいためて煮詰めたものと赤ワインで煮詰めた挽肉を入れて混ぜて、
蓋をして30分煮る。
元より本格派であるが今回の行動自体が在庫処分と達哉の退院祝いの物だ。
本当であれば肉から仕込みを入れて日を跨ぐ仕込みを行うのがオルガマリーである。
「さてと・・・ライスは良い具合ね、お肉よお肉」
水が芯まで程よく浸透した米を炊飯器に入れて炊きつつ。
肉をキッチンペーパーを敷いたまな板の上に置いて塩コショウを満遍なくかけて。
新しく取り出しあらかじめ火を通しておいたフライパンにオリーブオイルを入れる。
使用しているオリーブオイルはピュアを使用。
バージンを使用するとオリーブオイルの強い香りが出てしまうのを避けるためだ。
オイルに熱が通ったら肉を投入、左手でフライパンの持ち手を保持しつつ、右手にトングを持ち。
レアな焼き加減を目指して肉をフライパン内で転がしつつオイルが付く様にうまい具合に転がす。
そうやってローストビーフ風に焼きあがったフィレ肉を一旦取り出し。
皿の上に置いて。マスタードを入念に擦り込むようにハケで塗っていく。
全体的に均一に、あくまでもアクセントと言った感じでだ。
そして軸を取ったマッシュルーム、薄切りにしたニンニク、塩胡椒をフードプロフェッサーに入れて攪拌。
ペースト状に加工し。フライパンに入れて均等に伸ばしつつ炒めて、程よく炒めたら香草を香り付け程度に入れて火を消しコンロから離す。
まな板の上にラップを敷いて、最高級の生ハムをきれいに並べる。
それの胡椒をうすく満遍なくかけておき。
先ほど作ったマッシュルームのペーストをスプーンを使って乗せて均一に伸ばす。
そうやって作った物の上に先ほどのフィレ肉を乗せて巻き寿司を作る様に多少きつめに包み込み。
包み込み終わったら包んだラップの左右の余りをねじって密封状態のラップ包みを作り、
一旦肉を冷やすため冷蔵庫に入れて保管。
それと同時にオムライスの仕込みに移る。
塩を入れない卵本来の味を楽しむべく、良くかき混ぜて置く。
そしてボウルをもう一つ取り出し、もう二個ほど卵を取り出して、ボウルに片手で器用に割って落とし。
スポイトで卵の黄身を吸い出し卵白のみにしておく。
卵がかき混ぜられたボウルと卵白のボウルにラップで蓋をして常温で放置。
すぐに使うことになるからだ。
そしてメインの材料が良い具合になるまでサラダとつまみを仕上げておく。
そうしている間に、いい具合に冷えた肉とパイ生地を取り出し。
ラップを再度まな板の上に敷き、その上にパイ生地を乗せて麺棒で広げ肉を置き、ラップの端をつまみまた巻きずしを作る様に包み込む。
しっかり巻いたらラップを広げ肉をパイ生地で包んだもの表面に包丁の峰で溝を作る。
そして卵白を刷毛で塗り、焼きあがった際にテカリを出す様にする。
後はオーブンに入れてタイマーをセットし焼き上げていく。
「デミグラスもいい具合ね」
鍋の中のデミグラスもいい具合に仕上がった。
本当ならば日を跨ぐような作業の果てにさらに仕上げに掛かるのだが。
流石にビーフシチューとの並行作業のデミを用意する暇はない。
在庫がないのだから仕方がないともいえる。
後は達哉たちが来るのを待つばかりだ。
ライスと卵は彼等が来てから出ないと話にならぬがゆえにだ。
『所長、来たぞ』
「早かった・・・ってもうそんな時間なのね、ちょっと待って今開けるから」
がタイミングよく彼らが来たらしい。
オルガマリーは台所に付けてあるパネルで入口のロックを解除し。
新しいフライパンを二つ取り出して温める。
オムレツを作る為だ。
達哉とマシュが入出し、オルガマリーは適当な席に座ってくれと彼らを誘導する。
オルガマリーの私室は広大だった。一流機材の揃ったダイニングキッチン。職人が作り上げた長テーブルとソファ、最新鋭の大型液晶テレビが備え付けられたリビング。
そしてオルガマリーの寝室にバスとシャワー完備の浴室と個室トイレ。
さらには執務室も隣接して建てられている。
ホテルのスィートルームが如き様相だった。
達哉もマシュもこう言ったVIPルーム染みた部屋は初めてなのでたどたどしく椅子に座る。
「タツヤ、マシュ、私はデミグラス派だから、チキンライスはトマトケチャップじゃなくてデミグラスで仕上げるけど・・・問題ない?」
「俺は大丈夫だ。マシュは?」
「私も大丈夫です」
「良かった。なら一気に仕上げますか」
オルガマリーはデミグラスとご飯を合わせてデミグラスライスを仕上げて、型に入れて皿の上に綺麗にご飯が整うように盛り付ける。
デミグラスライスを作ったフライパンは一度片づける。
今からオムレツを作るのだ。匂いが卵に移るのを避ける為である。
オムレツは半熟のトロトロ使用に仕上げる為。
薄く焼きながらうまい事、回してオムレツに形を整える。
そうやって焼きあがった物を三つのさらのご飯の上に乗っけておき。
最後にオムレツの皮を切る様に縦に包丁で切り込みを入れると、半熟の卵が花開く様に中からあふれ出す。
「うわぁ」
マシュは眼を輝かせてその様を見て感嘆の声を上げる。
達哉も大したものだと思いながら見ていた。
「はいこれで。完成よ」
最後にデミグラスを掛けて完成である。
加えてビーフ・ウェリントンも焼きあがった。
それをきり分けて皿の上に並べ、最後は季節野菜のサラダを出す。
ダイニングテーブルに色とりどりの料理が並べられ各々の席に着いた。
その後は他愛のない話をしながら食べ進んでいるのだが。
二人とも達哉の思い出話に夢中になっていた。
生れてこの方、オルガマリーは貴族生活、マシュは箱入り娘のように育て上げられた。
故に達哉が一般世界をどのように生きていたか気になるのだ。
「そうだな。駅前の立ち食い蕎麦屋には通っていたな」
「立ち食い蕎麦? 日本ではポピュラーなフードでしたね」
「蕎麦ねぇ・・・、雑誌とかで見たことはあるけれど、食べたことはないのよねぇ?」
「? いやカップのラインナップにもあっただろ?」
「いや味薄そうだし」
「私は病院食に見えてちょっと」
オルガマリーは必要以上に味が薄そうだと思い手を付けておらず。
マシュに至ってはシンプル過ぎて病院食に見えたというのが悪い方向に働き。
カップ蕎麦には手を付けていなかった。
「そうでもないぞ? 俺の通っていたところは味がしっかりしていたし、所長やマシュも十分美味しいと思えると思う」
蕎麦ツユは確かに外国人には薄く見えるかも知れないが実際は違う。
職人がきっちりと作っているのだ。見た目よりも味はしっかり付いているのだ。
「特に冬のツーリングの帰り時に食べるかけ蕎麦は絶品でな。葱を抜いてもらって、七味を少々入れて、そばを掻っ込み、ツユを飲むと骨の真まで温まるんだ。」
「「・・・」」
「どうした?」
「いえ、なんか酷く美味しそうに語る物だからつい」
寒い冬、骨の芯まで冷えた中、入った蕎麦屋で熱いそばを食べる。
言葉にすればそれだけなのだが。
達哉は美味しそうに語るもんだから、二人とも食べたくなるのも当然と言えば当然のことである。
「月見蕎麦なんかもよかった。アツアツの蕎麦に生卵入れて、ツユの暖かさで卵白が夜の雲みたいに薄く白くなるのを見ながら食べるのには風情もあった」
「それは良いですね、そういえばネットで見ただけなんですがコロッケ蕎麦ってどうなんです?」
「・・・警察沙汰になった」
「「なんで!?」」
「偶にはいいかなって思って、食べてたんだ。そしたら隣の席のおっさんに殴られた」
「いやいや・・・なんでそうなるのよ!?」
「食べ方がなってないだのなんだと言っていたな・・・その時ばかりは兄さんに被害届を出したよ。顔も腫れて・・・学校どころじゃなかったな、あとで聞いた話だが、ソイツ立喰師とか言って食い逃げの常習犯だったらしい」
「ありていにいっても、そのおじさんクズじゃないですか・・・先輩はただそばを頼んだだけなのに・・・」
「そうよね、嫌なら去ればいいだけの話しなのに」
達哉、殴られ損どころかタダ食いのダシに使われたのだ。
そりゃ二人も怒る。
もっとも、そのおじさんは克哉の手によって逮捕、送検されたことが後日談となるが。
そう言った達哉の高校生活の話しに二人は耳を傾ける。
もっとも常に達哉は一人であったため。寂しい物がある。
エミヤあたりが聞いていたら自分は恵まれていたと痛感するようなものだが。
生憎とマシュもオルガマリーも真っ当な青春を送っていないため、楽しそうに聞き入っていった。
達哉もこれがデフォであるため苦ではなかった。
「そう言えば先輩は進学希望でしたよね? 先輩の夢って何だったんですか?」
あの事件の記憶では遂に達哉の夢は読み取れなかったゆえにマシュは聞く。
「機械工学系の大学に進んで、整備知識を身に付けつつ経営学を学んでバイクショップを故郷で開くことが夢だったんだ」
これには痛みもないので達哉はビーフウェリントンを切り取って口に運びつつこともなげに言う。
元からバイクが好きだった。だから機械系の大学に進学して経営学を齧りつつ卒業し。
自分の故郷でバイクショップを営むことが夢だったのだ。
「そう言えば夢と言えば、所長やマシュはこれが終わったら何かしたいこととかないのか?」
「終わったらしたいことですか?」
「ああ、何かしたいというのは考えていた方がいい。終わった途端に燃え尽き症候群に成ったり、手段が目的にすげ変わったりするからな」
事態の解決に奔走するのは良い。
だが先の事を考えておかないと手段が目的にとって代わる恐れがある。
それに今だけを考えていたら辛いだけだ。
希望観測と言うのは行き過ぎれば毒でしかないが。多少なら勇気をくれる物なのだ。
「タツヤに言われて気付いたけれど・・・やりたいことが無いわ」
「私もです、考えたことがありません」
そして二人とも今が急がして先の事なんて考えてたことも無かった。
「カルデアは取り潰し確定だものね。責任問題で」
カルデアは責任問題もあってほぼ解体決定である。
利権を欲する、協会の老人共は中国をパイのように切り取る列強の如く解体に乗り出すだろうことは。
オルガマリーにも分かっていった。
「・・・まぁそうね、責任取ってアニムスフィアは時計塔のロードを辞任、天体科からは撤退でいいかしら」
「所長、それは・・・」
オルガマリーは聡明な頭脳で今後を紡ぎ出す。
全面降伏染みた物ではあった。故にマシュは心配そうに声を出すが。
「気にしないでよ、責任取ってもごく普通の魔術師として暮らす分の資産は十分に残るわ。マシュもタツヤも私と来なさいな」
「「え?」」
「え? じゃないわよ、あんた達二人とも戸籍と帰る場所がないじゃない」
「そういえばそうだな・・・」
「・・・」
達哉は帰る場所が消し飛び。カルデアに登録されたプロフィールは偽装であると実意は第一特異点終了後のデータ整理で判明している。
マシュはそも此処で生み出されたデザインドチルドレンであるからしてカルデアが解体されたら家無し子である。
帰る場所が必要だった。
「ですが・・・所長いいんですか? 私達なんかが転がり込んで?」
「大丈夫よ、先も言った通り責任取っても遊んで暮らせる資産はあるのよ、達哉とマシュが増えたところでビクとも動かないわ」
アニムスフィアの資産は膨大である。
マリスビリーは膨大な資産を残していた。
加えて魔術的特許の収入もある。オルガマリーからすれば二人抱え込んだところで痛くもかゆくもない。
家無し子となった二人を見捨てるくらいならオルガマリーは身銭なんぞ幾らでも切る気になっていた。
「そしたらそうね・・・ダイナーでもやりましょうか、達哉はバイクショップやりたいって言ったからそれも併設してね」
「おいおい。所長、幾らなんでも俺にそこまでの事は・・・」
「色々助けてもらっているから気にしないで。先も言ったけれど金は腐るほどあるのよ」
オルガマリーとしても二人にはいろいろ助けられている。
故に身銭を切ることは先も言った通り躊躇はなかった。
「それに時計塔の飯は一部を除いて美味しくないからね、私の腕ならそこそこ儲けられるでしょうし、最近、車とかバイクを購入する層も増えているから、儲けになるのよ」
そして料理屋とバイクショップを経営することも実際は儲けになるとオルガマリーは踏んでいた。
ここ最近、時計塔も近代化の波には勝てず。
車やバイクを購入する層も多いものの、そう言った専門性の店は少なく、今なら大きめに利益を取れる。
料理屋も一部を除き、いまだにイギリスご自慢の伝統料理屋だ。
オルガマリーの腕で十分通用するのである。
不可能ではないのだ。
「まぁそれはそれとしてやってみたいことだから」
達哉が来る前にプライベートではよく考えたものだ。
所長の座を退いて料理屋経営しながら気楽に生きたいと。
出来るわけが無いと思っていたが思わぬ形でそれが叶いそうなのは泣けばいいのか悪い事なのか。
オルガマリーには分からなかった。
「それでマシュはやりたいこととかある?」
「・・・」
オルガマリーの言葉にマシュは黙り込んだ。
考えたことが無いのだ。未来で自分はどう生きたい、こうやりたいというのが。
考えたことが無かった。外に出たいとは思えど。そこから先は考えたことが無い。
いわば、自分の境遇に甘えていたという側面も強い。
ここらばかりは仕方がない。
「まだわかりません」
故にそう答える。
仕方がの無いことだった。
「まぁゆっくり考えた方がいいぞ。下手に趣味を仕事にしたら現実とのギャップに苦しむことになるから」
「タツヤのいうとおりね、趣味を仕事に下手にするとギャップで苦しむことになるらしいし」
だが分からないのもまだいいのかもしれない。
夢を持つのは良いが、それに慢心し過ぎて目を曇らせるとろくなことにならないのは古今東西よくある話である。
ここで必要なのは夢を持たずとも何かやりたいという事なのだ。
そしてそんな夢ややりたいことを話しながら趣味の話に移行し、気づけば全部平らげていた。
「あー食った。食った」
「所長、ご馳走様です。すっごく美味しかったですよ」
「そりゃよかったわ、自分で食べることはしていたけれど他人にふるまったことはなかったから。ああ、食器はそのままでいいわよ、明日片づけて置くし、まだ出すから」
「もう食えんぞ?」
「そうガツンと来るもんじゃないわよ、オツマミ程度の物だから。マシュお願いがあるんだけど」
「なんです?」
「アナタ、推理映画も集めてたわよね?」
「はい、ムニエルさんとかに相談して選んで取り寄せた物が在りますけど。それがどうかしました?」
「持ってきてくれない? 普通ならテレビ番組とかみつつってやつだけど。外は焼却中でテレビ番組なんかやっていないし、肉を食った後に戦争やらアクション映画ってのもねぇ」
「・・・胃もたれするな」
「でしょ? 達哉の言う通りだから。ここはそう言った感じのが見たいのよ、でも私は興味なくて持ってないし」
肉料理中心の後に戦争映画やアクション映画を見るというのも実に胃もたれする話であるから。
此処は推理映画を見たいという事だった。
「分かりました。日本やアメリカ、イギリスなどなど各国の物が在りますけど、リクエストなんかあります?」
「マシュの御勧めで」
「所長と同じく」
「では選んで戻ってきますね!」
そういってマシュは部屋を出ていく。
皿をとりあえず台所にもっていき置いておき。本格的片付けは後日と言うことで。
オルガマリーはシャワーでも浴びるといって浴室に行き。
達哉はリビングのソファに腰をかけて、ゆっくりすることにした。
それからしばらくして。達哉は鼻歌を歌いつつソファに身を沈めて雑誌に目を通していた。
そろそろマシュも帰ってくるころだろうと思いながら、コーラを飲む。
「♪」
達哉、口笛を吹きつつ机の上に置かれた雑誌を見ている。
料理雑誌主軸ではあるがなかなか楽しめたし、問題はなかった。
美少女がバスルームにいるのにそういう類の想像をしないのは達哉が紳士的であるか。或いはサバイバル生活のせいで枯れているのか、自己評価が低い故にそういうのを考えられないのか、鈍いのか。
いずれにせよ、男子としてはある意味失格と言えよう。
故に――――――――
『いかん、いかんぞぉ!! 健全な男子が覗きの一つや二つ熟さんとはァ!!』
「なにぃ!?」
そんな魂の絶叫が聞こえた瞬間。
達哉の脳裏に暴走状態のペルソナがINする。
これには達哉もびっくりである。
だがそこは百戦錬磨の達哉、アポロやらサタンを使っていきなり取り付いた何かを取り押さえに掛かるが。
『煩悩パウァワァァァアアアアアアアア!! フルバーストからのマララギダイン!!』
なんか理不尽パワーと言うか、達哉の繋がるルートを使ってパワーアップしている。
さらに理不尽と言う名の漫談補正でも働いているのか、達哉の脳裏のペルソナが吹っ飛ばされた。
『ヌフフフフフ、さぁ貴様も●神や●島のようになるのだ』
某華撃団隊長や某スケベのように貴様もなるのだと悪魔こと魔王「マーラ」が言祝ぎを告げる。
達哉的には嬉しくもなんともない。
当たり前だ。女子風呂にのぞき見する男なんぞ
「メタい発言してんじゃ・・・・――――――!?」
『ヌフ、貴様は確かに■■■■持ちであるようだが・・・自覚してなければ我の掌の上よ!! 大人なしく美女のマッパを見に行くのだ!』
マーラはそういいつつ達哉の身体を動かす。
達哉は必死に、そりゃもう必死に抵抗しているが現状歯が立たない。
映画DVDを取りに行ったマシュはまだ帰って来ておらず、状況は男の尊厳的な意味では第一特異点のジャンヌ・オルタ戦より崖っぷちだ。
リビングを抜けてバスルームへ。
だがオルガマリーは気づく様子がない。体を操っているマーラの無駄に極まった忍び足スキルと。
彼女自身がシャワーを浴びているからだった。
手がバスルームの扉に伸びる刹那
『ぬお!?』
「オルガマリィ!? 扉をしめろぉぉぉおおおおおおお!?」
『え、ちょ、なに!?』
「わからん!? 体が勝手にぃ!?」
達哉、なんとか土壇場で口の制御を奪還。
オルガマリーに声をかけ、オルガマリーもナニカ達哉に憑いていると察知。
急いで扉の鍵を閉めるが、
達哉の身体能力フルスロットルである。
『達哉、鍵ごとこじ開けないで!?』
「そういわれてもなぁ!? 悪いが手で押さえてくれぇ!!」
鍵ごとこじ開けられそうになるのなら扉を押さえるほかない。
『ぬふぁぁあああああああん!! すぐそこにチチ、フトモモォ!! 抵抗するナァ!!」
「するだろうが!! 常識的に考えてぇ!?」
取り憑いたマーラが叫ぶのに達哉も怒鳴り返す。
オルガマリーは扉を押さえつけつつバスルームに付けてある緊急用のパネルで通信を行い。
サーヴァントと保安部に緊急出動要請を掛ける。
その時だった。
「先輩、所長、戻りました~」
マシュ、自慢の推理映画DVDをもって帰還である。
二人にはマシュが救いの天使に思えた。
『「マシュ!! マァァァアアアアアシュゥゥウウウウウウウウウ!!」』
達哉はあらぬ限り叫んだ。
それは心の奥底から。
「先輩、どうかしましたか!? って最低です先輩」
「違う!! 体が勝手に動くんだ!! 早く引きはがしてくれぇ!!」
「えっええ!?」
達哉必死の形相である、腕をプルプル振るわせながら必死に抵抗しているのだ。
無論自分の裸を見られまいとしてオルガマリーも必死にバスルームの扉を閉めている。
もうそれは必死の様相を呈し、本当に体が達哉自身の制御下化から離れているということだ。
第一によく見れば漆黒の靄が達哉の背後に浮かび、
『メガネ清楚キョヌー子、きたぁぁあああああああ!!』
「ぬお!? 逃げろぉ!? マシュ!?」
「えちょ、先輩の意志じゃないのは分かりますが! 手をワキワキさせながら近づかないでください!?」
「いいから逃げろぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
「きゃぁぁぁあああああああああ!? こないでくださぁぁああああああああい!?」
もう達哉は涙目であるが、両手をワキワキさせている。
率直に言ってに気持ち悪い指の動きだ。それでもなお達哉が必死な形相の物だからシュールすぎる物が在る。
そんな渾沌とした状況にマシュの脳は一瞬にしてパニック。
縮地でもしたのかと言うレベルの達哉の足の運びで一瞬で間合いを詰められたマシュは、持っていったDVDボックスで達哉の頭頂部を強打。
『ブハ!?』
「イダァ!?」
達哉とマーラは変な悲鳴を上げる。
それと同時にマシュは見事な震脚で踏み込み。
崩拳を達哉の腹に叩き込んで吹っ飛ばす。
マーラのギャグ補正が無ければ達哉はまぁ酷いことになっていた威力である。
壁に衝突し倒れる達哉であるが。これで彼の意識が飛んだのがいけなかった。
完全に肉体の制御はマーラに移行。
『ヌォォオオオオオオ!! そのチチ揉むまではァ!!』
ヨツンヴァイン形態でゴキブリの如くカサカサ四肢を動かしながらマシュに襲い掛からんとするものの。
「いい加減にしろやぁ!! このド変態悪霊!!」
体にタオルを巻き付けて見えちゃいけない場所をちゃんと隠したオルガマリーが救援に駆け付け。
鍛え上げられながらも美しい御身足の右足サッカーボールキックをマーラタツヤの脇腹に直撃。
達哉は意識が再び覚醒する。
さらにこうも殴られては所詮は下級分霊なので制御件も達哉に取り戻され。
達哉はオルガマリーの蹴りによって横転しつつも、マーラをようやく脳裏から追い出すことに成功する。
『うぐぐぐ・・・貴様ァ!! 男としてその不健全さはどうなんだぁ!!』
追い出されたマーラはスッ転がりつつそういうが。
彼が上を向いてみれば絶対零度の視線で見下ろす三人の姿がある。
殺意マシマシと言う奴で、達哉とオルガマリーに至ってはペルソナを出し。
マシュは丸めた分厚い雑誌を二刀流だ。
「覗きたいなら、自分でやれ!! 他人を巻き込むなぁ!!」
『誰かに憑依しないと触って揉めないんだよォ! 触れなきゃ我のリビドーは解放されんのだァ!!』
「「「知るかァ!!」」」
マーラの言い分に三人は叫びながら囲んでマーラを蹴る殴るである。
そりゃ自分たちの尊厳が真面目に拙い所まで行けば誰だって切れるというものだ。
ズタボロになったその御立派ボディが無様に投げ出されビクンビクンと痙攣している。
なんかもうこれだけで女性にはセクハラものだった。
そんな様相で息絶え絶えになりながら、マーラは身を起こして・・・
『覚えておくがいい、人々にスケベ心ある限り、我は何度でも蘇るぅ!!』
「二度と来るなぁ! ゴットハンドォ!!」
『うぼぁぁぁああああああ!? 我の御立派ボディがぁぁあああああ!?』
なんか聞いたことのある捨て台詞を吐くと同時に。
マーラにアポロの全力のゴッドハンドが叩き込まれ。
どうでもいい断末魔と共に四散する。
「オルガマリィ!! 達哉ァ!! なにがって・・・ほんと何があったんだ・・・・?」
そこにサーヴァントたちも駆け込んでくるが。すでに祭りの後。
バスタオル一枚のオルガマリー。
頭部と脇腹を強打され、息絶え絶えの達哉。
涙目のマシュ。が何故かナニカの霊基が四散したであろう一点を見つめ荒い吐息をしてた。
「・・・もしかしてお楽しみ中だったか?」
「「「ちがぁう!?」」」
クーフーリンの頓珍漢な回答に三人は否定し。
此処であったことを話し事態は沈静化する。三人の尊厳は無事守られたのだ。
こうしてマーラ事件と呼ばれる事件は幕を下ろす。
だが彼らはまだ知らなかった。ハロウィンで無駄に凝ったマーラのセクハラが待ち受けていることに。
近い未来、セラフィックスと獣を巻き込んだマーラによる地球規模の厄災が起こることをまだ知らなかったのだった。
マーラ様「中身じじいとか、イケるちゃぁイケるけど、今はお呼びじゃないです。せめて中身美ショタか美青年じゃないと」
ダヴィンチちゃん「殺ちゅ♪」
それはさておき、遅れてごめんなさい(土下座)
気温が暑すぎてぶっ倒れ。調子が良くなってきたころに二度目のコロナワクチンの影響で熱出して倒れてました。
このSSの清涼剤ならぬ強制冷却材ことプチマーラさま降臨。
何でいるのかと言われればシステムFateの試験運用中に紛れ込んだのをスティーブンが捕縛封印していました。
これは流石にニャルでも閣下の仕業でもなく、マーラ様がニャルやら閣下の縁を使って送り込んだ分霊です。
当時の門はまだ狭すぎるレベルだからセクハラ分霊くらいの力しか持っていません
流石に型月世界に高位分霊マーラ様が来ると人類悪戦待ったなしですからね。
当時は門も小さいのでプチマーラ様が限度。
プチマーラー様スペック。
スキルとか特にない、取り付いてスケベ行動を強制させる悪霊。
たっちゃんの場合、ペルソナ使いだから体が勝手にとか抵抗可能。
それでも体は勝手に動く。たっちゃんは泣いていいと思う。
それとたっちゃんはマララギダインのスキルカードを手に入れた!!
閣下「なんでこんなことしたん?」
マーラ様「カルデアに行けば古今東西の美女とウハウハ出来ると聞いて、ついかっとなってやった。反省はしているが後悔はしてない」
閣下「ニャルになんか言われるの私なんよ? カルデアにはちょっかい掛けないように」
マーラ様「(´・ω・`)」
閣下「と言ってもイベ特異点は良いよ」
マーラ様「よっしゃぁぁああああああ!! 丁度良い依り代あるから、チェイテいくわ!!」
後のチェイテヴラドドスケベ事件へと続く・・・
まぁマーラ様だからね、彼は彼で好き勝手やりたい放題やります 某イベント特異点を見ながら。
ヴラド公は泣いていいよ。
ちかたないね、ヴラドはドスケベってネタにしちゃった俺たちが悪い。
まぁそれはさておき、ニャルが超ド級爆弾仕込む&マーラ様のせいで第二特異点後のチェイテイベはカオスなります。
エリザベートと超間接的に巻き込まれた賢王は泣いていい。
次回 訓練と召喚回。
フィレ「えー、召喚仕様に変更があったので再通達します。召喚件のあるサーヴァントはニャルに対抗できるというのは無論ですが。ニャルに対抗できるように成長性のあるサーヴァントも放り込みます」
座の皆さま 「「「「「「「「ふざけんなぁ!!」」」」」」」
覚悟決まっている勢以外阿鼻叫喚の地獄絵図。
そりゃ死んで逃げれた。もう関わることはないと思っていた。勝てるわけが無いと思っていたら。
成長できるんだから再戦なと言われたらこうなる。
あとペルソナ25周年おめどとうございますアトラスさん。
けれどメガテンⅤかえない、スイッチ持ってないでござる・・・
第六異聞帯はアレでしたね、ニャルが大ハッスルすること一杯でしたね。
次回も多分遅れます。
ご了承ください。