Fate/Grand Order たっちゃんがグランドオーダーに挑むようです   作:這い寄る影

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失敗によって得られるものは成功では無く、同じ失敗を繰り返さない方法である。

マルチョン名言集 格言集より抜粋。


九節 「黄金牢Ⅲ」

夢はいつか終わるものだ。

既に終わっているのだからそう思う。

マリー・アントワネットはそう思う。

酷く大事だから急激に削ぐようなことしなかったしできなかった。

出来たとしても力不足で夢に引きずり込まれるような恐れがあったから。

マリー・アントワネット自身、自分の力量は理解している。ダイン級を使える、固有スキルを持つというからって。

周防達哉に勝てと言われたら首を横に振るうだろう。もとより純粋な戦闘系ではないのだから当たり前であるし。

ここ最近はオルガマリーにも抜かれつつある。

だから内心、カルデアマスターズや同僚たちに懺悔しつつ。

ゆっくり削ぎ落すかのように、過去にケリをつけていくことにした。

彼等を信じ、急がず自分も確実に抜け出るためにだ。

 

「マリー」

「なぁに?」

「紅茶。拙かったか?」

 

嘗て住んでいた宮殿の一角で夫と紅茶を飲んでいた。

それでも表情に出ていたのかそう言われて苦笑する。

 

「いいえ、言ったでしょう?」

「”私達は終わっているかぁ”、そうだよな」

 

ルイ16世はカップを置いてため息を吐く。

ゆっくりとなじませるように切り離しているから牙をむかない。

他が性急すぎるから牙をむく。

だがこうゆっくり説得するように馴染ませていけば牙をむくことはない。

もっとも第一条件として長可に迫るレベルで終わっているという条件が付くが。

マリー・アントワネットはそこらへんも覚悟済みだ。

ニャルラトホテプの試練を受け切って。乗り越えて。それでもなお最善を尽くしながら悲劇的最期をを迎えて良しとした女傑である。

未練はある。だから、未練はないという奴だ。

黄金牢が揺らぎ幻想がマリー・アントワネットの心に引き摺られていく。

自分自身も説得するようにだから黄金牢は何もせず。

過ぎ去る日々の如くに徐々に崩れ始めていた。

 

「なぁマリー」

「なぁに、アナタ?」

「僕と結婚して幸せだったかい?」

「幸せじゃなきゃこうなってないじゃない、馬鹿言わないで」

 

ルイの弱音発現にそうも幸せじゃなかったらこうもなって無かったと言い切る。

全く、相変わらず肝心なところで弱気だなとマリー・アントワネットは思うのだ。

そう思いながら子供たちは視線の先で遊んでいる。

ああもしもと思ってしまう。

でもそうはならなかったのだ。

寧ろ、恨まれて当然の選択をしたのは他ならぬ自分だったから。

 

「子宝にも恵まれて、生活も苦労しなかった。当時の労働者の皆さまからすれば恵まれすぎて恨まれて当然よ、それで文句を言ったら。”パンがないならケーキを食べればいいじゃない”なんて言っていない言葉を言ってしまったことになるわ」

 

パンがないならケーキを食べればいいじゃないという言葉は広くマリー・アントワネットが言ったように残されているが。

実際の所嘘っぱちである。

ルソーの著書で述べられた都合のいい記述を。当時の民衆が自分たちを正当化させるために引用しでっち上げた物でしかないのだ。

寧ろ、マリー・アントワネットは格差の是正を行おうとした側である。

無論、自身の無知と周囲位の反発、汚職貴族の妨害に民衆の愚行で成し遂げられなかったが。

それでもやろうとしたのだ。

でも成し遂げられなかった。全ては終わって。

だからこそ今ここにいる。

 

「私は強くないから、こうやって過去にケリを付けなきゃね・・・」

 

無論心の強弱を言っているわけではない。

武力的問題だ。

達哉であればかつて自分が対峙した悪魔と化した神父を単騎で攻略できるだろう。

クーフーリンであれば神格クラスが出てこない限り何とかする。

書文と宗矩は己が技量で影を引き裂くだろう。

だがペルソナ込みでマリー・アントワネットの実力は現状のカルデアの中でも下の方だ。

高レベルの悪魔やシャドウを単独で相手取るとなると厳しいのだ。

支援があればそうでもないが、現状それは見込めるわけもなく。

故に無理して切り離して自分の対処できない相手が出て来て詰みましたなんてなったら笑えもしない。

だからこうやって過去の慙愧にケリをつける。

達哉たちとは逆にやりたいことをやって黄金牢を加速させネタ切れへと追い込んでいくのだ。

無論、それは簡単ではない。

前提条件としてまず自分は終わっていると認識していなければならない。

今やっていることがあるという認識が必要なのだ。

そこがシグルド夫妻との違いだ。

終わっている、故にやり残しの未練に決着をという意気込みをマリー・アントワネットは思っている。

故に、黄金牢の最大の特徴であるループ機構が効かないのだ。

 

「さて次の演目は何かしらね?」

 

さぁ次の演目は何だ?

大方の事はやり尽くしたぞとマリー・アントワネットは目を細めた。

残るはパリからの脱出劇か。

ある意味、彼女自身の最大の失敗である、ターニングポイントである。

そこからオーストリアでの亡命生活なんてありもしない物に叩き込む気か?

やれるものならやってみろ。あえて失敗してやると心に決めている。

例え子供に恨まれ様ともだ。

何故ならその行動で贖罪なんてやったら、達哉に失礼である。

彼は背負っている、罪も罰も背負って歩んでいる。

故に、彼女も自分の犯した過ちは背負う腹であった。

この夢をもってありもしないIFでも描いて贖罪した気になって罪と罰から目を背ける様な事はしない。

座にある限り、この後悔と嘆きだけは背負っていくのだと決めている。

その時であるバキリと音がした。

黄金牢が機能停止寸前だったのである。

やりたいことをやって、そして過ちを認められるがゆえにオーストリアに亡命出来た場合のシュチュエーションが明確に思い浮かべられないため。

次には行けないのだ。

文にしては短いがマリー・アントワネットは体感時間では年単位を消費している。

兎に角やりたかったことを片っ端から片づけていればそうもなろうものである。

焦らず耐えきった彼女の勝利だ。

 

「本当に行くのかい?」

「ええ」

 

ルイ16世の問いに頷く。

空が割れる、何もかも割れて砕け散っていく。

その場に残るのは家族だけだ。

ああ、やっぱりこの未練だけはどうしても切り離せない。

だけどそれでもと。

 

「「また僕/私を置いていくの母さん?」」

「ごめんなさい、今はそうする、けれど今度は約束するわ、座が終わった先の綺麗な場所で絶対にまたあなた達を生むわ。だからその時まで待っていて」

 

涙を流し抱きしめながらマリー・アントワネットはそういう。

聖杯で過去のやり直しは不可能と分かっている。

第一に過去のやり直しがきいても座に縛られた身では意味がない。

だから座が停止して、抑止力が不要となった世界で生まれたら絶対にルイの生まれ変わりを見つけ。

絶対にあなた達を生むのだと宣言し決意して、別れの言葉を涙を流しながら告げる。

 

「貴方も待っていて、絶対に見つけ出すから」

「待っているよ、いつも通りにね」

 

過去は受け入れられ、今を歩まんとする気概と誓いに黄金牢が崩壊する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と言う分けでマリー・アントワネットの穏やかな脱出劇とは打って変わって宗矩は刀を翻していた。

鎬と鎬がぶつかり合って火花を散らす。

幾ら仏教やら茶道やら悟りやらを持っても取れないしこりが彼には会った。

対峙するのは、右目に眼帯をした偉丈夫である。

即ち、宗矩の息子である柳生十兵衛だ。

曰く鬼子。

曰く神童。

曰く天倫。

剣に愛され愛されたがゆえに。宗矩をして隔絶する才能を持つ大天才が宗矩に襲い掛かる。

宗矩は放り込まれた時点で、夢であることを察していたゆえに初期での脱出が可能だった。

だが黄金牢は彼に残っている心のしこりを巧みに具現化した。

即ち、息子へすべてを教えたいという欲求と、生前木剣で立ち会って本気を出さざるを得なかった。

ならば真剣で立ち会いたいと思う心が、柳生十兵衛を具象化させたのである。

しかも宗矩が知り得る限りでの全盛期の十兵衛だ。

持つのも真剣とくれば教導といってもこの夢の牢獄の特性上。

宗矩を出さぬため、殺し合いを呈する惨状と相成るのは当然のことである。

満月が伸びるススキ野原で彼らは舞うが如く剣を応酬する。

この様を見て普通の人であれば美しいと形容するが。

一たび武に通じるものが見れば背中に氷柱でも突っ込まれたかのような怖気に襲われるか。

或いは闘争本能の赴くままに高ぶるであろう光景である。

まずどれをとっても、一手一手が殺しの技だ。

回避と防御行動、捌きをミスすれば。そこで決着がつく殺しの技術の押収である。

レベルの高さで言えばぺルソナやら宝具抜きにすれば、達哉やクーフーリンとて入っていけぬ殺し合いである。

当カルデアで介入できるのは書文くらいな物だろう。

出会った敵だったら。全盛期のジャンヌ・オルタくらいだ。

それだけ応酬される技量が隔絶していると言っても過言ではないのだ。

振り下ろされる白刃は全く同じ技をもって相殺されていく。

互いに殺しどころは此処だと決めているがゆえに、そうなる形であった。

ああこういう場合、異能があればどれほど楽かと宗矩は内心思う。

ペルソナ能力、宝具による超絶極まる機能性。

如何に技を宝具能力領域まで引き上げているとは言え、技術は技術だ。

互角の技量の持ち主かつ身内が相手となると技術の優位性である奇襲性が失われる。

故に技量が伴う異能ほど怖いものは無い、考えても見てほしい、超絶技巧の応酬中に無拍子に炎や因果逆転なんてものをされれば回避が困難であり、殺傷圏内にもっていくのは実に容易となる故だ。

さらに言えば異能は技巧の差を縮める。

故に技量限定で言えば書文や宗矩がカルデアのツートップとなるが異能を有りとするとクーフーリンや達哉の方に戦闘能力は軍配が上がるのだ。

と言ってもその二人からすれば宗矩が異能を使い始めた時点でただの悪夢だと声を上げたくなるだろう。

複数種類の魔剣を保持している身でなにを言うのかと言う奴である。

 

閑話休題

 

と言う分けで脱出にてこずるのは当たり前だ。

互いに千日手の露呈を呈する。

そのお陰で脱出が難しくなっていた。

 

「親父殿、腕を上げたか?」

「上げるに都合がいい場所だったのでな」

 

白刃が交差し弾き合い。

互いに間合いを取る。

両者ともに額に冷や汗を一滴たらす。

宗矩は無表情、対する十兵衛は獣の如き笑みだ。

その笑みをもって十兵衛は宗矩に腕が上がったかと問いかける。

まぁ腕が上がらない場所ではないのだカルデアは。

座に帰れば記録になり下がるとはいえ。

現状の宗矩は生前より技術を磨き上げている。

神話クラスの英雄、それに匹敵しつつある教え子、並ならぬ相手、尋常ならざる異形を相手取り。

宗矩の腕は上がっている。

故にそこに相違はないと宗矩は精神を水面の如く落ち着かせている。

剣聖には届かなかったか準剣聖の彼の心と剣は高ぶらず、何処までも相手を解体する事だけに注力していた。

そしてこれが生前の後悔でもあるのだ。

十兵衛をこの領域まで連れてこられなかったことだ。

先天的才能によって十兵衛は心が共わずともこの領域に至っているだけの剣聖モドキである。

即ち想定外の事で驚くことは脳にやらせて置き、反射神経を指揮下に肉体を隷属させてプロセスを成せるという才能だ。

剣聖のたたずまいを才能で成せる体の機能プロセスではあるが。

所詮はモドキ、本物の夢想の境地に至っているわけでもないのである。

もし彼が本当にその領域に至っていたら宗矩に勝ち目はない。

故に有利なのは宗矩だった。

夢想とも呼べる柳生の秘伝を天覧剣技として十兵衛は収めていないのである。

生前であれば確かに見向きもしなかった魔剣だ。

たかが兜を両断し殿様を喜ばせる剣技に意味があるとはと宗矩も思っていたこと。

されど人外を相手取ったことによって、その意味を知って彼は更なる高みへと至ったのだ。

故に、宗矩は生前開眼した自分だけの魔剣の構えを取る。

剣を鞘に納め鯉口を切りつつ、両手をだらりと下げて、棒立ちの姿勢を取った。

 

彼が生前開眼した魔剣。

 

即ち剣術無双・剣禅一如である。

無想の境地から放たれる絶対の一撃―――――――とは聞こえはいいが。

その境地に至った反射能力を使った理論的に組まれた魔剣である。

まずこのたたずまいからしてもはや手中なのだ。

限定された姿勢からは限定された斬撃のみしか出せない。すなわち敵手に対する選択しを見せて防御手段を限定的にすることから始まる。

この場合は居合、敵手からみて左側の斬撃だと思わせる。

あるいはそこから避けた際に小太刀抜きによる追撃で切り捨てると思わせる

とすれば、相手は防御か捌いてからのカウンター狙いとなるわけだ。

だが防御となると至難だ。一太刀防いだとしても小太刀の間合い入られて切り捨てられる。

ならば捌きか? こちらの方がまだ現実的と言う物である。極まった居合の使い手の居合は意の先を行くと言われる。

捌くのは困難・・・というわけでもないのだ。

自ら姿勢限定による斬撃軌道の限定化は当然自分にも及ぶ、故にいつ無拍子で放たれるか分からないソレを弾くという行為の山張りは相手の呼吸と間合いで十分に読める。

無論それですら罠だ。、それをやった瞬間、宗矩も弾きの要領で自らの刃に相手の捌きの運動ベクトルを乗せたうえで刃の軌道を変更し切り捨てる。その動作の様が美しすぎていかな姿勢からでも一太刀で相手を切り捨てるように見えているというおそろしいものなのだ。

ようするに相手の選択肢を徹底的につぶすのがこの技のキモになるのだ。

無論相手が無知ならば前者のように切り捨てるのみ。不用意に間合いに攻め込んでくれば無拍子の居合が切り捨てに掛かる

理論上、無敵に近い魔剣、昼に上がる月にも勝るとも劣らぬ魔の所業とはこの事か。

 

だが魔剣とは個人の才覚に依存し、わからん殺し、或いは初見殺しになることが多い。

生前、宗矩の薫陶を受けていた十兵衛が分からないということはない。

十全の対策は出来ていた。

無刃取り、十文字、弾き。

それらを活用した魔剣殺しである。

この対魔剣技は十兵衛は、宗矩にお披露目したことはない。

なにせ魔剣の使い手である宗矩が病没しているゆえにだ。

故に、この時点で宗矩に勝ち目はない。

手の割れた手品ほど滑稽なものは無いのである。

魔剣 秘剣 妖剣の類は秘められ、個人才能に依存するがゆえに伝承が行われること自体が少ないともいえる。

だから十兵衛は八相の構えを取って、間合いを詰める。

使用する刀のサイズは同じ。

故に間合いも同じだ。

宗矩が刃を抜く。

十兵衛はそれよりも早めに刃を振るっていた。

居合の速度に対応するためにである。

無論、人は三寸切り込めば死ぬのだ。

十分な殺傷間合いである。

そして刃が重なった。

此処から宗矩は弾きに移行するだろう、狙いは胴体ではなく額を三寸切り刻むと。

自分の剣の軌道性から十兵衛は見抜いていた。

刃と刃が接触。

だが十兵衛の刃には手ごたえがなかった。

大概に交差し横を駆け抜ける。

十兵衛が己が刃を見る。

 

故にこう思う。

 

己の――――――俺の刃は―――――――

 

十兵衛の愛剣は。

 

―どこに行った?―

 

半ばからごっそりとなくなっていた。

折れたのではない。無くなっている接地面を見る限り、あまりにも美しく切り捨てられていた。

 

「すまぬな、十兵衛、生前はお前の問いに応えられなんだ・・・」

 

生前の問い。天覧剣技である技を宗矩はかつて自分が父に問うた如く息子の十兵衛にも問われ。

ついぞまともな答えを言えなかった。

十兵衛もこの技は収めていなかった。天覧の為の剣技を収めてなんとするかと。

 

「だが今は言える、柳生の秘剣、決して天覧の為の剣技にあらず、魔を屠る為の物だった」

 

宗矩はそう言いつつ剣を収めた。

同時に十兵衛が倒れる。

宗矩が駆使していたのは剣術無双・剣禅一如ではなく、兜割りの方だった。

刃が重なる直前で。既に宗矩は刀を両手持ちにチェンジしていたのだ。

剣術無双・剣禅一如は十兵衛には対応される、ならば弾き方次第では弾けず。

刀事切り捨てることのできる魔剣である兜割りを行うのは当然のことである。

腹を横一文字に引き裂かれ十兵衛は倒れつつもどこか嬉しそうにしながら。

 

「そう言う・・・ことは―――もっと早くに言って―――くれよ。親父」

 

ああ自分ももっと早く伝えればよかったよと内心を押し殺し。

息絶えた十兵衛に一瞥して。

宗矩は砕け、露になった闇に向かって歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「税金改革だ!! オラァ!!」

「ひぃ!?」

 

一方のエリザベートは税務担当官をつるし上げていた。

と言うか物理的に殴っていた。

夫も乱心かとエリザベートの拘束に走ったが音波攻撃で即座にノックアウト。

自分の財もきちんと領地に還元し過分に摂取していた税収の正常化はしていた

 

「物価の見直しだ!! オラァ!!」

 

そして行商人にも手下を連れて突撃。

物価の正常化にも努める。

暴君が一晩にして賢君的暴君化したことに領民は眼を剥いた。

ブラッドバスはやらかしてしまったので正式に謝罪。

各方面の改革と正常化に引継ぎが済んだら自分は火あぶりにを甘んじて受けると公約している。

連れ去った村娘などは責任を取ってちゃんと雇用した。

要するに脱出する手法はマリー・アントワネットの亜種である。

やりたいことをやって過去の責任を背負ってケリをつけるという事である。

よって、大ナタを振るいまくった。

僻みに出てくる貴族もあったが。

ここでは政治学を学びカエサル仕込みの政治手腕及び自身の剛力をもって強引に突破していく。

それで黄金牢は揺らいだ。

好き勝手放題やりたいことをやっている上に無茶苦茶にされれば黄金牢も上手く機能しない。

甘い蜜を垂らそうが乗りに乗ったエリザベートを止められるはずもないのだ。

それは月で某策士がやってしまったことと同じである。

良くも悪くも走ると決めたら変な方向にドリフトかましつつ障害を強行突破するのがエリザベートの精神性である。

真っ当になってもそれは変わらない。

今更、美少女の血で若返ろうなんて思ってもいないし、やってしまったからこそ黄金牢は正すべき過去であり背負うべき罪として大ナタを振るってぶっ壊しまくるのだ。

夫は地下牢に封じ込め、先ほども言ったように領地改革を断行していく。

無論、心の影は快楽を望むが理性でねじ伏せて進むのだ。

まぁ過程はトンチキだが。

何度も血風呂を浴びたい衝動に駆られるが。

それをしてはならないのは理解済み。

覚悟は決まっている、だからやりたいことをやるのだ。

例え本性がそうであっても、背負っていくという理性でねじ伏せ進むのである。

徐々に黄金牢が崩壊を始めている。

エリザベートの無茶ぶりについていけなくなったのである。

それに感付いたのかエリザベートも手を緩めない。

だが最終セーフティが起動する。

 

「ふぅ」

 

今日も帳簿と官僚と教会の神父殿怒鳴り合いという会議で終わった。

激動の日々を早回しにして疲れ果てていた。

ミニマムサイズにされ小物的、置物として作られた鋼鉄の処女がインテリアとして無数に置かれた部屋で。

彼女は椅子に座ってため息を吐く。

 

 

―血風呂でも浴びたい?―

 

同化した本性がそう語りかけてくる

 

「馬鹿言わないでよ、今気づいたのだけれど不衛生よ・・・」

―それでも浴びたいんでしょう? 頭痛が和らぐから―

「悪化した原因だとも思うのよ、だからこれはそんなお馬鹿な小娘に対する罰、甘んじて受け入れるわ」

 

そういうと本性が消える。

そうこれは愚かな自分が受けるべき罰だ。

頭痛も当初は精神性のナニカだったのだろう。

それを血風呂や吸血行為という不衛生なことをして悪化させたのだと。

エリザベートは生前を考察していた。

親友のネロだって鉛中毒で頭痛を悪化させていたのだ。

知らなければ知り様がないともいえるが。

知ってしまった今は人道的にも衛生的にも罪と罰としてもやってはいけない。

 

「あの、エリザベート様」

「あら? どうしたの? 定時上がりしていいって言ったわよね?」

 

そこに使用人が一人部屋に入ってくる。

その手にはナイフだった。

料理包丁と言っても良いか。

恨みでも晴らしに来たかと、ため息を吐いた。

だが死ぬわけには行かない今はまだ。なにも成し遂げていないのだから。

身体能力はサーヴァントのままだ。料理包丁持った小娘程度傷もつけずに鎮圧できる。

後は誰もいないことを良いことに御咎め無しだ。

それだけのことをやってきた自信はあるのだから。

だが・・・・彼女は。

 

「―――――――」

「なにやってんのよぉ!?」

 

自分の喉元に料理包丁を突き立てようとしたのだ。

危うくと言ったところでエリザベートが彼女の手首を掴んで阻止する。

いったいどうしてこうなった!?と内心絶叫した。

ついでに頭痛がより一層ひどくなる。

 

「だってエリザベート様がいなくなったら此処はどうなるんですか? またまえにみたいになるって保証はないですよね? 最近、上がった給料で祖父を医者に見せることもできるようになったんです。ですが頭痛も酷くなっているのでしょう? このままエリザベート様が死んでしまったら私は許せません、だから私の血を・・・血を」

「てい!!」

「あう」

 

とりあえず使用人を気絶させる。

歌で鼓膜と脳を揺さぶったのだ、衝撃波的な意味で。

無駄になんかこういう事ばかりになるわねとエリザベートは使用人の身体をチェックする。

 

「これ・・・阿片?」

 

普通のチェックでは何も出てこなかったが。

独特な匂いがわずかながらにする。所謂、阿片と言う奴だった。

民間療法や麻酔薬としてエリザベートが生前の頃は使われていたが。

文字通りの麻薬である。その効力も知っている。

先の錯乱ぷりから見るに阿片の接種が原因だろう。

だが無論、物価の見直しと同時に阿片市場にも介入して取り締まりと伊津部の物にしか使えない様にしていたはずだ。

生前、拷問用にも用いた物は主文している筈。

故にあるはずがないと思った時である。

 

「俺を拒むのか? エリザ」

 

咄嗟に一歩引く、剣が振り下ろされる

 

「・・・どうやって脱出したのよ、アナタ」

「いざと言う時の保険は掛けて置く、貴族のたしなみだ。エリザベート」

 

剣を振り下ろしたのは、彼女の夫であり、今は地下牢で何不自由なく暮らしている筈の夫のフェレンツ二世だった。

夫であり、エリザベートの拷問術の師でもある。

英雄でもありその残虐嗜好から黒騎士の名で呼ばれる存在でもあった。

彼は彼の伝手で地下牢を脱出したのである。

 

「それよりなぜ、彼女の血を受けない、以前のお前なら」

「お前達、全員蓄音機なわけ? もう何度も説明するのも疲れるんだけども? 不衛生な事をやって余計に悪化させちゃ世話無いわいわよ」

「頭痛は酷くなる一方なのにか?」

「ええそうよ、血を浴びるより精神安定剤飲んだ方が良いわ、ああ今度、カルデアとゆっくり話せる時が来たら処方してもらいましょうかしら? それで・・・なんのよう? 離婚届は出したはずだけれど?」

「なぜ・・・君はそうなった・・・、以前の君はもっと美しかったのに。無邪気に血を浴びる様はあれほど美しかったのに・・・今では民の奴隷ではないか」

「血を浴びながら税金を貪る馬鹿貴族よりは今の方が断然美しいと思うのが普通だと思うわ。それにやりたいことを苦労しながらやって何が悪い、もう私はアナタの操り人形じゃないのよ」

 

生前、ある種、エリザベートは彼の操り人形だったかもしれない。

残虐行為は彼から教えられた物だったから。

無知な彼女をフェレンツェは嗜虐の女王に仕立て上げて自分の理想の女にしたのである。

無知な頃はそれでよかったかもしれないが。

今の彼女は成長したがゆえにもはや彼の人形ではない。

 

「人形遊びがしたいなら他の場所でやってないさいよ、私は私の罪と罰を背負って正しい道を行く」

 

やったことは消せない、だから今度こそ間違わない様にやっていくと宣言する。

空間に罅が入り始めた。

黄金牢がついに崩壊を介していく。

その前に、リセットを掛けるべくフェレンツェ二世を使ってエリザベートを倒し再洗脳を掛けるべく。

彼を駆動させる。

 

「なら・・・今の君は美しくない、であるなら俺が美しくしてやろう」

「ほざいていなさいよ、第一」

 

フェレンツェ二世が怪物となる。それと同時にエリザベートは槍を呼び出し。

仕込みマイクを起動、思いっきり歌声を上げる

すると彼の視点からすると、いきなり地面が自分自身に向かって迫る様に叩きつけられた。

インテリアとして置かれていた小物の鋼鉄の処女の腹が開かれスピーカーが露出していた。

この部屋自体が何かあったら即応可能な状況に整えている。

政治家の類は常に暗殺に備えればならない、それが独裁者であれ賢人でアレ。

愚者は一定数いるのが世の常だからだ。

カエサルから学んだことだ。エリザベートとしても事を成す前にブルータスは御免だったからだ。

 

「私は私だ。だから先に進む」

 

そう言って倒れたフェレンツェ二世だった物をエリザベートは槍で頭部を貫き。

黄金牢が砕け散った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誘導されているなとオルガマリーは心のどこか遠くで思っていた。

なぜそうなのかと問われれば。

相手の攻撃を捌くことで一派いっぱいだからである。

オルガマリーシャドウの振るうスキルの中に拙い物が在った。

ヴォイドザッパーと彼女は言っていたスキルは理不尽の体現だったのである。

空間どころかテクスチャごとぶった斬り抉るスキルだ。

防御事態が不可能、あらゆる耐性を無視するスキルだ。

一撃当たれば即死確定である。

まさしく死神の大鎌の如き威容だ。

懐に潜り込めばいいと思うが、相手は棒術を収めているのか。

刃の内側に入っても棒術で押される、実はオルガマリーもやろうと思えばできる業だ。

カルデアの特訓に置いては対抗策を講じる為ある程度は齧らされている。

シャドウは心の存在なのだから己の最善行動を本人が本格的に収めて居なくとも行うことが可能。

故に達哉たちも罪の物語の時に囲んで袋叩きにするという戦法を使っても手古摺ったのである。

だからこそオルガマリーは現状単騎での相対だ。

どうやっても後手後手に回るのは必然で。回避行動と防御行動に集中するがゆえに。

相手の良い様になされている、

故に位置を取られ、回避行動を行うと階段を駆け上がる様に誘導されている。

既に中腹を過ぎた。

頂点までは近い。

達哉たちもオルガマリーの援護に向かってはいるのだが。

ここに来てアイオーン教団幹部連中の手によって足止めを喰らっている

達哉とクーフーリンがいれば突破は楽なはずだった。

書文も合流し万全の体制だったはずであるが。

そうは問屋が卸さなかった。

四人の前に立ちふさがったのは残る幹部3人だったのだが、ペルソナを起動と同時にペルソナに乗っ取られ。

菅原の様な末路をたどり、暴走したペルソナはシャドウ化と悪魔合体したかのような悍ましき物に変貌。

ご丁寧に無限再生能力まで備わって徹底的に足止めされていたのである。

故に援軍は望めずに、成すがままのオルガマリーという現状が出来上がってしまっているのである。

後、二、三人人手が増えれば突破できるとのことだったが。

令呪を切って目覚められない連中を当てにするわけには行かなかった。

 

「死ね!! 死んで私が私になる!!」

「お前は私でしょうが!!」

 

オルガマリーシャドウの言い分に反論しながら体を傾け刃を回避と同時に両腕を突き出し二丁のリペアラーから銃弾を射出。

さらにセイリュウを呼び出しブフダインを叩き込むが。

銃弾は回転させた大鎌の柄の部分で弾き。ブフダインをヴォイドザッパーで斬りかき消す。

千日手だ。

有効打を出せていない。

銃弾は棒術と体捌きで回避と叩き落され。

ペルソナスキルはヴォイドザッパーで相殺されるどころか手持ちが三体既に削られている。

故に頭痛や幻肢痛のフィートバックも酷くオルガマリーを蝕んでいる。

がオルガマリーシャドウが完全有利かと言われると実際はそうでもない。

苦しくても明日へと行きたい、そしてそこで皆と笑い合いたいという渇望が発芽し。

且つシャドウを否定せずに受け入れているためか。

オルガマリーシャドウの動きも緩慢になりつつあり、さらには吸収される形で存在が揺らぎ始めている。

第一に完全拒絶でもすれば、オルガマリーシャドウは人の形ではなく、化け物に変異しているのが相場であろう。

なんせ己の醜い渇望の具現だから。

だが受け入れている以上、シャドウも本気を出せず、オリジナルに吸収されるのは当然の事なのだ。

故にオルガマリーシャドウも速攻をかけねばならない。

 

「なんだかんだ言って、本当は楽な道行きたいのでしょう? わざわざ茨の道に突っ込んで痛い思いしてなんになる!?」

「突っ込まなきゃ、穏便どころの話しじゃないでしょうが!! 世界吹っ飛ばして意味無いじゃない、いつまでも逃げているわけにはいかないのよ!!」

「そうやって今度は要らない責任取らされても!?」

「支払いの準備は出来ているのよ!!、たとえ辛くても痛くても、私はその先の明日に行きたい、それがたとえひどい目に合うのだとしても少しの安息って言う出目が出るまで賽を振い続けたいのよ」

 

正しいことは痛い、生きることは辛い、誰かに正義というエゴを振り下ろすのはキツイ。

責任は進むごとに重くなっていく。

だがそれでも、辛くとも痛くとも重くとも役目を全うして。

その先の少しだけの穏やかな日常で達哉やマシュと笑い合いたいのだ。

それがたとえ決められた楽な道を歩み外してでも。

それでも決まった道を歩みたいという渇望は残っている。

だからどうしようもなくても大鎌を振い子供のように駄々を捏ねる存在はどうしようもなくとも自分なのだと彼女は受け入れる。

 

「だまれぇぇえええええええええええええ!!!」

 

オルガマリーシャドウの絶叫、ついに臨界点を超えたのだ。

怒りに任せて刹那五月雨斬りを放つ。

多次元屈折現象一歩手前の斬撃にオルガマリーは真っ向から迎え撃つ形を取る。

敵は錯乱し、チャンスは此処しかないと踏み込んだ。

師であるアマネの言葉を思い出しながら。

 

―相手が真正面から同時攻撃をしてきた場合、如何に回避できる数まで減らすかがポイントになる―

―数を減らす?―

―そうだ、10方向同時攻撃、回避は不可能、だから攻撃を潰して回避できる数まで減らす―

 

そんなことを思い出しながら。ペルソナを出して盾にした。

 

「づっ」

 

激痛に会え劇ながら瞬間的に首狩りの一撃。肩から脇腹を抜ける一撃。

足元を狙った一撃を潰す。

膝を屈折させ、姿勢を低くし踏み込みの勢いと遠心運動でスライド。

一気に距離を縮め。相手の脇腹に右手のリペアラーを叩き込む。

リペアラーのマズルスパイクが食い込んだのを感覚で確認、残っている弾丸をセミオートで速射。

.357マグナム神経弾五発が脇腹から体内に侵入。

絶大なストッピングパワーでオルガマリーシャドウを仕留めに掛かる。

オルガマリーシャドウは血反吐を吐きながらもまだ交戦の意思は緩めない。

ならばと、体を捻りつつ、かがめていた膝を垂直に伸ばし。

右足を垂直に蹴り上げる

魔術強化マシマシ。ペルソナ補正と強化も相まってサーヴァントでも当たり所が悪ければ即座に退場と呼べる。

零距離における垂直上段蹴りだ。

それがオルガマリーシャドウの顎を打ち抜き。

確かな手ごたえと共に弧を描く様にオルガマリーシャドウを吹っ飛ばす。

 

「はぁ・・・はぁ・・・まだ。やる?」

 

右手のリペアラーの残弾は無し。

今はマグチェンジしている暇もないので。残弾の残っている左手のリペアラーをシャドウに向けながらそう聞く。

 

「いえ・・・私の負けよ」

 

オルガマリーシャドウの全身に罅が入って砕け散っていく。

 

「でも負けるとは思っていなかったあの頃より強くなったわね私、でも喜ばないでよ光と影は表裏一体、決して切り離すことはできない」

「良く知ってる」

 

そうよく知っている、達哉の記憶を見て彼らのシャドウは散々同じことを言っていたからだ。

 

「精々足掻きなさい、私はアナタの”獣性”の先触、この先何処まで受け入れて行けるか楽しみにしているわ、特にこの先に居る獣はアナタのサカシマなのだから」

 

そう嘲笑いながらオルガマリーシャドウが消え失せた。

それと同時に、オルガマリーの脳裏に新たなペルソナが現れる。

 

『我は汝、汝は我、我は汝の心の海より出でし者。事象の境界線上を行くチェシャ猫、シュレディンガーなり』

 

新しく表れたのはラプラスの進化系。

つまり後期型ペルソナである。

姿は赤い法衣を身に纏い、光刃の刃を持つ大鎌を持ち。フードをかき分け側頭部両方から後頭部に掛けて円柱の角を持つペルソナ。

有耶無耶な事象を指し示し、その中を行く覚悟と渇望から形成されしペルソナ「シュレディンガー」だった。

 

そして通信で安全連絡よりも嫌な怖気が走る。

即座にリペアラー二丁のマグチェンジを行い身構え周囲を確認する。

気付けば天辺に駆け上がっていた。

鎖に雁字搦めにされた巨大な聖杯からは汚濁が滝のように流れ、その汚濁の通っていない縁にソーンは座り嘲笑い。

そのふもとに居るのは祈る様に歌っているネロだった。

ただし姿形は違う側頭部から巨大な角を王冠のように伸ばし真紅のドレスに身を包んでいる。

通信機からロマニの悲鳴が上がる。

そりゃそうだろう、聖杯とネロは違う、二等級惑星と言う出力を持っていたのだ。

気付けなかったのはニャルラトホテプの意図的ジャミングが掛かっていたからだ。

オルガマリーの直接観測によって状況がカルデアにも伝達し、中央の巨大な反応はニャルラトホテプが彼女たちを隠すためのヴェールとして使っていたものだ。

そして両者ともに出力はまだ引きあがっていく。

彼等の根源であるニャルラトホテプは嘲笑ながら彼女たちに獣性を無尽蔵に注ぎ込んでいく。

並行世界、特に安楽死を望む剪定時空などにつなげて、彼女を育て上げる。

そして歌が止んだ。

ネロが振り返る、オルガマリーに。

そして彼女が来てくれたことが嬉しかったのか優しく微笑む。

 

「遅かったではないか、オルガマリー」

「ネロ・・・どうして・・・」

 

今こうして再び彼女たちは交差することになる。

石ころが坂を転がり始めた。あとはそこに堕ちて行くのみ。

 

―グルルルルー

 

そしてオルガマリーも自分の脳裏が獣の如く唸り声を上げていることをどこか遠くの出来事のように想いながら。

獣と相対する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




と言う分けで今回は宗矩 マリー エリザの3人でお送りしました。
マリーは脱出に時間をかけているため、第二特異点でも後半に脱出となっています。
時系列が前後して申し訳ないです。
宗矩は即脱出できそうだったけれど十兵衛登場で大苦戦。
エリザは影を受け入れているが領地経営の影響で領民見捨てられず大苦戦と言う感じです
書文先生は人生に後悔なさそうなのでキンクリ。
アレキサンダー君もイスカンダル状態じゃないのでキンクリすると思います。

因みに魔術王(仮)さんはジャミングで現地情報見えていません。

魔術王(仮)「なぜ現地情報が見れぬ!?」
ニャル「だってそういう類の汚濁を見たくないって望んだの”お前ら”じゃんwwwwwwwww」

てな感じでたっちゃん達が現地入りしたりニャルの仕込みが起動した特異点は魔術王(仮)の千里眼ではジャミングで見えません。
だって彼らが自身が見たくないと願ったわけですし人類の汚濁(ニャル)を観たくないと願ったのはね。
まぁ魔神柱を通して一応は見れますがニャルが徹底的に現地サーヴァントに排除させる方向や魔神柱自体が自滅する方向に動かしているので結局、なにが起きたのかは完全に把握していません。
そこにアマラの魔王たちの妨害もありますし、第六はそも天使たちが好き勝手し放題やっているのでと言うわけです。

あと所長VSシャドウ所長も決着。
後期ペルソナに覚醒し、より所長は拙い状態に。
彼女も■ですから、ほんと、この作品のカルデア爆弾だらけ。

ビーストネロちゃまですがニャルが十全にバックアップしているせいでとんでもないことに。
所長も正規No持ちですからまだ勝ち目はあります。
と言うかネロちゃまのアンチユニット化してますからね現状の所長って。
後期覚醒の余波で一時的に■のスキルを使えます。





あと就職活動ですが。
何の成果もえられませんでしたぁ――――――ッッ!!

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