Fate/Grand Order たっちゃんがグランドオーダーに挑むようです   作:這い寄る影

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人間にとってただ3つの事件しかない。
生まれること、生きること、死ぬことである。
生まれるときは気づかない。死ぬときは苦しむ。
そして生きるときは忘れている。

ラ・ブリュイエール


第二章幕引き 「永遠の定義は個人の内で完結し、決して他人と共有することはできない」

 

ソーンが嘲笑う。

無論達哉たちではない。

それをしなかった者たち全員に対してだ。

愛を伝えるというのは実に単調な事なのだ。

幾ら言葉を弄そうとも行動が共わなければ伝わるわけがないのだと。

 

「愛するということはぬくもりを伝えるということだ。口先だけでは何とも言える、本当に愛しているのなら抱きしめてやればよかった」

 

故にこうなったのだと嘲笑う。

一歩踏み間違えれば、オルガマリーは死んでいただろう。

達哉とマシュが間に合ったから一歩手前で済んだ。

そして本来、彼女に愛を与える配役は神帝か月に狂った王の役割だったのだ。

抱きしめて愛を伝える。

それだけでニャルの計略は簡単に崩れ落ちた。

だが誰も彼もがしなかったからこんなことになったのだと。

 

「そう言った意味では。よくぞ成長したって話だね」

「そうか・・・」

 

故に皮肉交じりにソーンは賞賛を口にする。

ジャキリと達哉は刃を構える。

ネロはシャドウを受け入れて眠りに入った。

ここに第六の獣は打倒されたのに。まだ。ああまだ蠢く者が一つ。

 

「まだ終わっていないんだろう?」

「その通り、第六の獣は打倒された。しかしまだ冠を抱く者は死んでいない」

 

そう言ってソーンが聖杯の縁から飛び下り床に着地。

それと同時に軋む音

gigigigi・・・・

まるで錆びついたブリキの歯車が強引に廻る音。

 

「ニャgfhdhfk。、x・!!」

「この世界のビーストⅥは左右の概念で成り立っている、即ち赤き衣を身に纏う大淫婦は此処に打倒された。だが聖書曰く大淫婦はあらゆる栄華をほしいままにしたが、乗っていた獣に裸に向かれ身を引き裂かれ喰われ。神の裁きを受けるという」

 

ノイズ交じりの絶叫。

緋色の衣を身に纏う淫婦が跨る獣に仕立て上げられた怠惰の聖杯が絶叫する。

音を立てて錆びついた体を変形させ、汚濁をまき散らしながら巨大な獣人へと変貌していく。

だが巻き付けられた鎖が拘束しており上手く変形できないでいた。

 

「故に大淫婦の役目は終わり使っていた獣が目覚め彼女を食わんとするのは道理で既に願いの制御核はアレだ。アレを潰さないことには終わりはない」

 

それは誰かに全てを任せて、自分は特に何もせず何も考えず生きていきたいという人類の願いを叶える汚れた楽園の統率者。

以上の特性をもって彼の存在のクラスは決定した。

姿形はバビロンの大淫婦が跨る獣即ち黙示の獣を模倣し神の名を騙るがその名は違う。

基は人類が呼び出した、人類史を最も効率よく運営し怠惰の海に沈める大災害。

即ち『怠惰』の理を持ちし獣。ビーストⅥ/Lである

 

 

                   人類悪 起動

 

 

 

「さて、一応は大取を務めていた存在だ。今の君では手に余るが。」

 

仮にも人類悪の心臓部分として駆動しているのだ。

無論、達哉一人の手には余る。普通なら

だがアポロの両腕は白く染まっている。手甲は漆黒に染まっていた。

大物取りが得意な英霊もいる。

火力不足で窮地に陥っていた怪盗団とは状況も違うのだ。

十分に葬れる条件は整っているのである。

そう嘗ての統制神ならば今の面子で殺し切れる、英霊と宝具はそれほど規格外なのだから。

だが今は無理だ。ネガスキルが存在する。

ネロのネガはオルガマリーの■■によって無効化されたが。

それは相性によるものであって、統制神のネガを無効化できるものではない。

とまぁ、怪盗団が対峙した時とは違いネガスキルと言う絶対防壁が存在するということがネックになっていた。

だがしかし。

 

「この分なら問題ないね」

 

ソーンは達哉のアポロのあり様を見て接続力域を確認し十分に負の感情が増幅していると見るや否や。

踵を返し、怠惰の聖杯に歩み寄り鎖を解除した。

同時に衝撃、怠惰の聖杯がその巨躯を地面に落下させた衝撃である。

変形は完了し、己自身をこんな体に貶めたニャルラトホテプことソーンに憎悪を向けてその巨腕を振り上げた。

 

「まて!!」

「では次で会おう、カルデアの皆様方」

 

逃げるつもりだと達哉は理解した。

普通なら自殺行為なのだが、影に終わりはないのだから。

自傷行動そのものがデスルーラ―染みたものでしかないのである。

両腕を広げ、その巨腕の一撃を受け入れて。

潰された。

砕けた瓦礫と怠惰の聖杯の掌の間から血がにじみ出る。

実に悪趣味な演出だと。

振動の中で達哉は思いながらアポロを呼び出す

 

「先輩、私も「いや、マシュはネロと所長を守ってくれ、二人がここで死んだらアウトだからな」

 

マシュも共に行こうとするが、達哉は否と言う。

当たり前だ。ネロと所長は絶賛気絶中なのである。逃げ場がない以上、

彼女たちを保護する人材が必要なのは当たり前である。

故に防御宝具を持つマシュが残るのは当たり前だったが。

達哉の背はまるで日輪丸で負傷した時と同じ背中で自ら孤独に行ってしまう様な背中で見て居られなかった。

だが達哉の言い分は反論できない正論と言う奴で。

マシュは奥歯を噛み、手を握りしめるほかなかった。

 

「マシュしかできないんだ。頼む」

「・・・わかりました」

 

マシュは納得できない。ああもっと力があればとさえ望んでしまう。

そして振動が収まる。

ヤルダバオトに嘗ての神々しさはない。

下半身から巨大な七つの首を生やしそれには人を余裕で丸呑みできる巨大な顎が付いている。

そして彼は怒り猛っていった。

こうも弄ばれ都合の良い装置として利用されればヤルダバオドとて怒ると言う物。

だからこそかつての時より強い。

ある種、某宇宙のようにアマラもまた怒りに支配されている宇宙である。

故に光があり、玉座が存在する。

もっともすぐれた思想と言う名の怒りを持つ者が大いなる意志の導きの元、玉座へと至るのである。

人はそれを救世主と呼ぶのかもしれない。

或いは英傑、或いは魔人、或いは――――――――

まぁ要するに玉座に至る物は大概が怒っているのである。

明星や聖四文字なんかがその最先方だろう。

この二人は怒りに怒って、互いで世界を股にかけて殺し合っている。

人修羅もであろう。

彼もまた大いなる意志に対し怒り狂っていたからこそ明星を受け入れた。

そしてジャンヌ・オルタも怒り狂っていたがゆえに到達点へと到達したのだ。

秩序や自由、中庸というラベルが貼り付けられていても誰も彼もが怒っている。

 

 

 

故に達哉も例外なく怒っているのだ。

 

 

 

その怒りは玉座に座ることを良しとするもの。

万人に道を示す物であり彼の答えであり怒りである。

故に、影と蝶が目指す物はそれだ。

怒りを振り切った先の解脱か或いは怒りを極め切った先の個を圧倒する独覚である。

その果てに生まれる剣を所望する。

そしてその偉業は達哉にしか成せぬと思うから彼らは此処にいる。

故にこれも一つの試練だ。

大衆の怠惰が生み出し影が作り上げた概念神にして今は黙示の獣。

この状況下では彼の力は最大限に満ち満ちている、いつぞやのように都合のいい方に流れる大衆の意志を利用した逆転劇は発生し得ない。

奇跡はなく、絆もまたない。

故に思う、自分は兎にも角にもどうして親しい人々が巻き込まれればならないのか、なぜ自分は守れないのかと怒りをあらわにして。

深く、そう深く、ペルソナの接続力域を深めていく。セレファイス、レン、ガタス、その深く深く蝶や混沌が鎮座する場所へと接続する。

怒りは負の接合器具となりて深く深く接続する。

するとどうなるか? 単純だデメリットはあれど高出力化する。

既に達哉のアポロは反転の一歩手前の出力を発揮していた。

貯め込んでいた怒り、そして■■■■によってまだペルソナの体裁を保ちつつ第一特異点での須藤のリバース・イドの出力を超えていた。 

 

―アハハハハ!! もっと怒り狂え!! 己の本質を観ろ!! その答えの果てを直視するがいい、そう、そう、その先にはすべてを焼き尽くし、灰と化して次世代へと紡ぐ祈りなのだから!!! アハハ!! 滑稽かな、滑稽かな、救いたいモノを灰にしてでも先を望むか救世主よ!! クククク、アハハハハハハハハ!!!―

 

影は整った場を見てせせら笑いつつ問うた。

この圧倒的存在を前に。周防達哉、君はどういった物を見せてくれるのかと。

知っているくせに滑稽だと嘲笑いながら。

 

アポロの両腕が肩まで黒と白のコントラストに染まる

そして醸し出している雰囲気はヤルダバオドにも勝るとも劣らない。

経路がつながり出した。底に深く深く。

第一で須藤によってタガを外されたがゆえに彼は止まらない。

そして怯まない。

刀を何時ものように構えて、その殺気の温度を絶対零度に落す。

 

―ネガ・メサイヤー

 

起動したヤルダバオトは下半身から七つの顎を持つ不気味で巨大な首をもたげさせる。

ニャルラトホテプが付加した機能だ。

今や統制神はバビロンの大淫婦の持つ聖杯であり、彼女が乗る黙示の獣なのだから。

十の王冠と七つの首が無ければ獣とは言えまいという皮肉も込めてだ。

ついでに正規Noに該当する為、ビーストスキルすら持ち合わせている。

と言っても持ち腐れ感は否めない。

何故ならネガ・メサイヤは救世主を否定するネガだ。

これが結城理だったら効果覿面だろうが。

彼はまだ救世主でも英雄でも魔人でも無い、故に効き目がない

だが英霊のスキル、宝具、機能は無効化されてしまう。

英霊としての根本的機能の否定。

それがヤルダバオドのネガだ。

ペルソナも一種の降霊能力であるためかその範囲に入るのだが。

 

「―――――――――――」

 

達哉のアポロだけは違った。両腕にマハラギダインを宿し。

放たれる波動を抑え込みまるで壁に指を食い込ませるかのように動かし。

 

「ガァ!!」

 

そして襖を開けるが如く引き裂いたのである。

スキルにいつの間にか追加されていた炎貫通のスキルで。

強引にネガ・メサイヤをこじ開けたのである。

貫通とはアマラの絶対王権だ。無力化だとか威力減衰だとかを完全無視するスキル。

故に炎攻撃限定ではあれど、あらゆる防御スキルが今の達哉の前には通用しない。

それはネガスキルとて例外ではない絶対的機能だ。

と言ってもネガスキルの影響を受けないのは達哉だけで他のサーヴァントは違う。

普段の10倍もの重力を課せられたかのような感覚であった。

加えてスキルが使用不可能。まともに戦えるのが東洋トリオ及びクーフーリンだけとなってしまった。

後の大半はスキルや宝具が封印されてまともに動けない状況である。

故に硝子の迷宮が崩れ去った。

ならシャドウたちが押し寄せてくるかと思いきや、増水したタールに溶け込んで襲ってくることはなかったものの。

タールに触れれば拙いことになると直感し、現在、全員が達哉の所に向かって避難行動中であることだった。

加えてタールの増水により決壊までのタイムリミットが大幅短縮、残り20分ほどで決壊するとのことだった。

故に現状、達哉一人でヤルダバオドに立ち向かわなければならない。

だが先ほどにも言ったとおり接続領域は深まっている、火力も増大中だ。

 

―第一の刻印―

 

鎌首をもたげ巨大な顎が襲い掛かる。

それだけで人なんぞ丸呑みだが。

 

「アポロ、マハラギダイン!! ゴッドハンド!!」

 

迫りくる顎に英雄の如く対峙し、アポロを走らせゴットハンドを叩き込む。

ネガスキルすらも貫通し衝撃を与える

開かれた顎がかち上げられる形で一瞬で閉じて、真上に上げられる。

達哉は脚力をすべて使って跳躍。相手の首が上がる速度よりも早く跳躍し。

刀を大上段に構え、マハラギダインを宿した刀を振り下ろし、首をはねた。

 

「まず一つ」

 

首はまだ存在する、相手の巨躯は健在だ。

首一つ、切り落としたところで多少楽になった程度に過ぎない。

現に相手は剣を振り下ろしてきた。

 

―断罪の剣―

―歪んだ虚飾―

―歪んだ淫欲―

―歪んだ強欲―

 

竜種の神獣クラスですら両断しかねない巨大な剣である。

さらにペルソナの耐性が全変更、弱点化する、さらに空腹、魅了などが炸裂する。

故に神なのだ。人が抗いようのない存在なのだが。

 

「だからどうしたァ!!」

 

だからどうしたというのだ?

達哉もまた■■■■保持者である。

階位という土俵では負けていない。

魅了を根性論でねじ伏せ。極限の飢餓状態なんぞ既にライフラインが寸断された向こう側で慣れ切っている。

戦闘に支障なし。

ペルソナ耐性も全弱点となっているが、これもまた別問題。

腕を切り飛ばされたり、腹を銃弾で抉られるのも慣れている。第一、攻撃なんぞ回避するか防ぎきってしまえば問題ないという理論を履行する。

先ほどのデバフのせいで繰り出される剣の一撃は真面に受け切れない。

ああ。だからどうしたと耐性をズタズタにされながらも。達哉は真っ向から、剣をアポロで受け止めた。

無論真っ当な方法ではなく、耐性が機能していないのであれば、パワーリソースに任せたごり押しである。

アポロが振り下ろされた巨剣を両手で白刃取りのように受け止め、無理やり横に反らすという防御より受け流しの方法でだ。

 

―銃刑―

―神意の高揚―

―第二の刻印―

―第三の刻印―

―第四の刻印―

 

それでもヤルダバオトの攻撃は止まない。

胴体部に光が灯り明らかな大規模攻撃の前触れである。

攻撃できる部位が多く現状ペルソナ一体しか使えない達哉の攻撃回転数を上回る。

三つの顎が鎌首をもたげ喰らわんとする。

さらに銃と言うより大砲に変形した腕が達哉に向かって無数の銃弾を放った。

明らかに時間稼ぎ。攻撃予備動作が終われば聖剣がちっぽけに見える攻撃が敢行される。

時間がない、下手に隔壁をぶち明けられたら。この怠惰の世界が外に漏れだす。

されど、達哉にはこのスキルがある。

 

「ノヴァサイザー!」

 

ノヴァサイザーによる時間停止領域までの超加速だ。

風景の色が反転する中で、四方八方から同時に襲い来る攻撃を停止。

放たれる銃弾を足場に跳躍、相手の頭上を取り。時間の流れが元に戻る。

当然、獲物を追ってヤルダバオトは上を見て反撃に出ようとするが。間合い的にもう遅い。

ゴッドハンドにマハラギダインを宿したアポロの鉄拳をそののっぺらぼうの如き鏡の顔面に叩き込ませると同時に仰け反らせ。

自らも刀を突き下ろす。

凄まじい炸裂音と共にヤルダバオトの顔面に罅が入り。大きく後ろに仰け反り倒れ。

その倒れる間に達哉は罅割れたヤルダバオトの顔面の罅に刀を差し込む。

ヤルダバオドの絶叫。

それと同時に巨体が完全に倒れ伏しタールが巻き上がり、さらに統制の光芒が真上に放たれ樹の天蓋に大穴を開ける。

威力的にはジャンヌ・オルタの暴発と顕色無い一撃だ。

真面に受ければ骨の髄まで消し飛ぶ一撃である。

それを見届けながら達哉は刀を差し込んだまま、さらに安定感を増すべく。

ジャケットの裏からサバイバルナイフ(ダヴィンチ謹製の対サーヴァント用)を抜き放ち。

罅に差し込んで体を固定。

そのまま。

 

「ぶっつぶれろぉ!!」

 

アポロによるゴッドハンドによるラッシュだ。

体力を削られるが接続力域が深すぎて消耗は無しになっている。

これにはたまった物ではないとヤルダバオトも首を振り、振るい落とそうとしながら立ち上がるが。

先ほども言った通り刀とサバイバルナイフでしがみついているため、なかなか振り落とせないでいた。

ならばとヤルダバオトは腕を動かし直接排除する方向へと動く。

人が蚊を潰す様に四本腕で達哉を押しつぶさんとするが。

達哉もそれを察知し噛み合わせていた刀のかみ合わせを解除。

スルリと刀を抜くと同時にノヴァサイザーを0.1秒発動し両脚部に力を込めて離脱。

サバイバルナイフまで気を回す余裕はない為刺したまま手放した。

達哉は離脱。ヤルダバオトは自らの顔面を思いっきりひっぱたくことになるという間抜けさだ。

しかも自ら顔面をぶっ叩いたがゆえにあらゆる防護スキルが通用せずダメージとなる。

 

「わりぃ遅れた」

 

宮殿の天蓋に着地と同時にクーフーリンが達哉の隣に来る。

 

「ほかの人たちは?」

「俺以外、神話サーヴァントじゃねぇからな。マリーはまだましだが、他の連中は生前の身体能力に引き戻されて戦闘どころじゃねぇ」

「・・・なんでクーフーリンは無事なんだ??」

「身体能力に限っちゃ、俺の場合は生前の方が動けるからな」

 

クーフーリンが無事なのはいたって単純だった。

確かにネガ・メサイヤはサーヴァントのスキルや宝具に身体補正を棄却し弱体化させるが。

クーフーリンの場合、サーヴァント体よりも生前の方が身体能力は上なのである。

故にステータスの弱体化補正を抜けることが出来た。

変わりに宝具とスキルが機能不全に陥っていたが生前身に着けた純粋な幻想抜きの身体能力でどうにかできると言った具合である。

 

「宝具は?」

「使用不能だ。槍がただの槍になっちまったかのような感じだ」

「そうか」

「でも行けるぜ。宗矩もやる気満々だ。今はマリーを先導役に位置取り中だよ」

 

クーフーリンの他にも動けるとして宗矩とマリーアントワネットも動いているとのことだった。

 

「クーフーリン、魔力を俺と同調させろ」

「? いいが宝具は「多少マシに出来るかも知れない」わかった」

 

クーフーリンは魔力を同調させる。

槍の穂先に炎が灯りネガから脱却する。

つまりサーヴァントとしての力が十全に戻ったのだ。

 

「おいおい、こんな便利なスキルがあるなら早く言ってくれや」

「言っては悪いが、自覚したのはさっきで、しかもあくまでも魔力同調が出来る距離までしか、繋げられない、精々5m前後だ」

「そりゃまた」

 

巡りに巡って本来のサーヴァント運用の戦いに戻ったわけだ。

本来、サーヴァントが正規の聖杯戦争で戦う場合、マスターを魔力供給の都合上隣で戦わせる至近距離戦だ。

がしかし、今回は抑止に応じた本物の戦争でありかつ魔力補給はカルデアの炉持ち、ラインもまたカルデアの統制下にある限り、カルデア統制下にあるサーヴァントは疑似的単独行動スキルを持っているのに等しいのだから。

故に今原初の方式に戻っているというのは皮肉の聞いた話である。

 

「それより、ロムルス、天蓋に穴が開いたが大丈夫か?」

『天蓋だったのが幸いだった、コップの蓋を開ける様なものだ。だからまだ大丈夫だが・・・横に穴をあけられたら決壊は免れん』

 

達哉の心配に穴が開いたのが天蓋でよかったとロムルスが言葉を漏らす。

今の状況は蓋の開いたコップだ。

許容容量を超えない限りコップからは水が溢れないのは道理。

故に天蓋で一安心だったが。

これがまともに撃たれ横に穴でも開いたら、今度こそ決壊だ。

直撃すれば消し炭、避ければ決壊ともう洒落になっていない。

 

『仮にも神殺しである、手札は?』

「シグルドとブリュンヒルデが居ない時点でジョーカーはないよ」

 

そして挑むは神殺し。

されど切り札と言う鬼札は手元には無い。

カルデアにおける最高実戦戦力が達哉とクーフーリンならば。最大火力要員はシグルドとブリュンヒルデだ。

幾ら統制神であってもこの二人とクーフーリンの最大火力を達哉が現状の最大出力で合体しぶつけさえすれば一撃で粉砕可能。

主要時間軸では現にスルトを粉砕しているのだ。

そのツープラントン攻撃に+α(過剰気味)があればいかな統制神とて治癒スキルが機能する前に粉砕できる。

故に鬼札がない状況だった。

それと同時に時間がないとクーフーリンは内心焦っていた。

決壊の事もあるが。

それ以上に拙いのは達哉の状態である。

こっちも負けず劣らずに底なしに出力が上がり続けている。

それと同時に深淵の香りが強くなり、かつアポロのカラーも変わり広がっていく。

今や非戦闘系の神霊であればアポロでボコり倒せる出力にまでなっていった。

洒落になっていない。このままいけば達哉は自分自身の怒りで暴走する。

そうすればビーストに負けず劣らずの大災害が出てくることを犇々とクーフーリンは感じ取っていた。

速攻でケリをつける必要性があるが。

 

「ペルソナチェンジできそうか?」

「他のペルソナは降魔すらできない、アポロがこうまで来ているのは、多分、炎貫通持ちのアポロだけが奴のスキル影響下から抜け出ているからだ。」

「炎貫通ねぇ」

 

達哉の言い様に炎灯る自分の愛槍を見ながらクーフーリンは思考する。

ともなれば抉り穿つ鏖殺の槍(ゲイ・ボルク)は使用不可能だ。

完全に使用ペルソナを制限されているのだから当たり前だろう。

何度も言う通りペルソナの回復スキルがあるから放てているだけに過ぎないのだから。

本当にあの夫婦が居ないことに歯噛みするほかない。

だがやるしかないわけで。

ヤルダバオドが再起動する。

 

―刻印の創造―

 

達哉の切り落とした下半身から延びる顎が復活を遂げる。

回復スキル持ちとくればいよいよ後がない。

時間もない体力で負けて継続戦闘能力でも負ける。

このままではじり貧も良い所だ。

 

「一気に潰すしかないか」

「同意だ」

 

クーフーリンのぼやきに達哉は同意。

ある程度削ったら賭けるという意味だ。

また分の悪い賭けをする羽目となる。

 

「ほんと毎度毎度だなぁ、おい」

「いい加減嫌になってくるな、ほんと」

「俺も同感よ。さらに終わっても、今度は仲間の仲裁だぜ」

「? なんでまた?」

「長可の奴がシグルド夫妻にぶちぎれてんのよ・・・こんな状況だしな」

「・・・」

 

必要なのは殺し切る火力だ。

だというのにメイン火力にしてジョーカーの二人が眠りこけているというのだ。

長可がブチギレているとのことだった。

気が滅入ることが多過ぎであるという事である。

だが気を重くしては居られない。

敵が動き始めた。

先ほどの統制の光芒など撃たれて樹の横腹に穴が開いただけで敗北が確定するのだから。

時間がない即座に攻め立てる必要がある。

そして統制神が再起動する。

 

―断罪の剣―

―銃刑―

―福音―

―神罰―

 

四つの腕が蠢き、攻撃スキルを起動。

威力は言わずもかなと言う奴で、直撃すればただでは済まない。

そして断罪の剣に関しては物質化寸前のエネルギーが剣となって形成する物であるため。

現状の達哉のアポロのように超高密度エネルギー体として召喚されているアポロ以外は麦を狩るが如く刈り取られてしまう。

無論、断罪の剣の迎撃はそういう観点から達哉が迎撃する。

ゴッドハンドで振り下ろされる断罪の剣を反らし。

炸裂する神罰と福音を移動しつつ回避。クーフーリンとの間合いは無論5m弱を維持。

そこに銃刑が襲い掛かるが。

その程度で臆する二人ではない。

達哉は刀をクーフーリンは槍を使って銃弾を叩き落とす。

伊達に孤立奮闘したシュチュエーションを経験した二人ではないのだ。

達哉的には四方八方から日輪丸で銃弾の掃射を受けた経験があるし、クーフーリンとてコノートの戦いで弓の名手たちから四方八方から矢を撃たれた経験がある。

故にこの程度は何のそのと言う奴である。

そして兎にも角にも、相手に対し攻撃を確実に通す必要性が生まれる。

一撃決殺をもってして殺し切るしかない。

 

「クーフーリン、抜けた二人の分は俺達で埋めるしかない」

「わーてるよ。マスター」

 

攻撃を捌きつつ二人は意を決する、殺し切れる手段がないわけでもないのだ。

ただしやはり無茶という概念が付属するが。

ビースト云々に関わらず、殺し切る手段が用意されれば、事態はあっけなく終わる物だ。

連中、即ち神とか不死の防護とか絶対防護とかそういうを身に纏っている連中程それが通じる。

一種の特別性と言う物を剥ぎ取られた段階で連中はそこらの雑兵と同じとなる。

要するにそれに頼り切りだ。

故に弱性が露呈する、如何に優れた師に師事していたところで、その戦闘技術は生まれ持った加護とやらに依存するからだ。

当然、そこに大前提が存在し、破られないことを前提に置いている。

ギリシャの某何某が良い例だろう。

余りにも敗北経験が無さすぎて何度かトロイア側に不覚を取っているのだから当たり前だ。

故に前述通り、ビーストもその例外ではない。

優位性を剥ぎ取られた時点で脆くなる。

だが素体はヤルダバオト、かの怪盗団で、そのサイズ故に火力不足に陥り苦戦を強いられた神だ。

今も火力不足極まるがそれは強引に埋めていくほかない。

つまり達哉は出力を上げ、クーフーリンは宝具の連発である。

相手もそれを理解してか首をすべて駆動させる。

ハードな時間になるなと思ったその刹那。

 

「チェストォ!!」

 

宗矩が腰にワイヤーを括りつけて相手の首を一本斬り飛ばす。

 

「主殿、蛇の如き連中は拙者にお任せを!!」

 

マリー・アントワネットは天蓋を走って位置を操作し宗矩は腰のワイヤーを片腕で掴み類寄せるように操作微調整を行いつつ。

兜割りである。ネガは生前身に着けた技術まで及ばないのだから使えて当たり前だ。

宗矩はターザンも真っ青なワイヤー捌きで位置取りをしつつ首を七本相手取る算段なのだ。

因みにこのワイヤーはオルガマリーの装備だ。万が一を考えてタクティカルベルトにダヴィンチが仕込んでおいたものである。

本人が絶賛気絶中であるため、今は宗矩とマリー・アントワネットが達哉たちの援護の為に使っている。

そして宗矩はワイヤー操作で横回転しながら二本目の首を斬り飛ばす。

マリー・アントワネットは顔を真っ赤にしながらワイヤーを保持しつつ移動する。

その様相は怪獣映画で操演するスタッフか何かを彷彿させた。

されど相手は巨大だ。宗矩では荷が重い。兜割りも一定のタメが存在する以上連発は出来ないが。

十分に引き寄せてくれている。

であるなら、此処からは狩りだ。

如何に大仰な名を冠していようとも所詮は獣なのだから地金を晒した時点で駆られる宿命である。

 

「まず腕を落す、いい加減鬱陶しい」

「それには同意、行くぜ。達哉」

 

やることは決定しているのだ。

だったら遂行するのみ。

達哉はマハラギダインを刀に宿す。

クーフーリンの槍には既に灯っている。故に二人は走った。

 

「jhckぢぃkゅぎtrly;おうyvx!!」

 

断末魔の様な叫びを上げながら断罪の剣を横なぎに放つ。

達哉とクーフーリンは跳躍し刃の面に乗りそのまま直進。

 

「「まず一本!!」」

 

腕の肘関節部分まで駆け上って刃を振り下ろし寸断。

剣の腕を破壊する。だが残り三本。

銃の腕が達哉を狙う。

既に崩れ落ちる剣の腕から離脱するべく空中に跳躍済み、ノヴァサイザーはクーフーリンを見捨てることになりかねないため使用不可能。

しかし問題なくマハラギダインで相殺。

炎と銃撃が衝突し派手に爆発。その爆炎を引き裂く様に、クーフーリンの槍が飛翔。

 

「これで二本目!!」

 

銃の腕に直撃。手先から肘まで貫通し腕を破壊する。

両者ともに何とか元の位置に着地。その刹那、ワイヤーが緩んでしなる。

閃く銀閃が鐘の腕を斬り落した。

下手人は宗矩だった。

見れば七本の首を叩き切っていたのである。

もっともその代償として本人はズタボロだ。左腕が消失し全身がズタボロである。

故に限界、回復手段もないのでマリー・アントワネットが引き上げていたのだが。

最後の一撃として無理して何とか鐘の腕を持っていったのだ。

 

『あとは・・・頼みますぞ・・・』

 

通信機越しにそう告げて宗矩は意識を落す。

だがそれで終わるようなら獣を名乗る資格はなし。

 

 

―剣の創造―

―銃の創造―

―鐘の創造―

―刻印の創造―

 

 

本体がある限り何度でも再生可能。

加えて本体も高い再生能力があるのは先ほどの事で判明している。

だからどうしたというのだ。

何度も言う通り殺し切る火力はあるのだ。

現状一度っきりの行動になる為、隙をこじ開ける好機を作り上げる為待っていたにすぎない。

腕は再生中、十分に機能するのは本の腕のみ。

故に狙える、十二分に殺し切れるのだ。

クーフーリンが槍を逆手に持ち投擲体制。

呼吸一つで筋肉が限界まで活性化、筋力のリミッターを解除し筋肉が膨張。

さらにそこに革鎧の裏に刻まれている各種ルーンが最大起動する。

 

抉り穿つ鏖殺の槍(ゲイ・ボルク)ゥ!!」

 

炸裂する鏖殺の朱槍、それは炎を纏いながら閃光となって一直線に統制神の胴部に炸裂する。

無論、本の腕を割り込ませ防ごうとしたが、本の腕なんぞ紙細工が如く突き破って胴体部に直撃。

だがしかし、完全滅殺とはいかなかった。呪いの影響で全身に棘が入ったものの罅を入らせるのがやっとだった。

怪盗団の物語、その大取である。

如何に零落し堕落しようともその神威は本物だ。

本来、誰の手に負える者でもない、勝てるとすれば。

 

「――――――――」

 

同じ階級に上がりかけているものくらいか。

達哉が時を止めて、突き刺さった槍の前に存在していた。

 

「これで!!」

 

アポロの両腕からフレアの如き炎が舞い上がりジェット噴砂となって炎を身に纏ったゴットハンドが炸裂する。

その威力はクーフーリンの抉り穿つ鏖殺の槍(ゲイ・ボルク)にも負けていない威力だった。

バンカーバスターが二度同じ地点で炸裂したのと同じである。

 

「終わりだぁぁぁぁぁアアアアアアアアアアアア!!」

 

振り抜かれる拳は槍の石突きを捕らえ、そのまま釘を金槌で押し込むように刺さり込み。

そのままの勢いでアポロの拳も押し込み減り込ませ。

炎が炸裂。同時にため込んでいた統制神の魔力も炸裂し。

この暗がりの世界に光が走って。

何もかもが崩れ去って元通りになっていった。

 

 

 

 

 

 

「第六の獣は此処に討伐された」

 

蠢く混沌は深淵の底で蠢きながらあざ笑うかのように宣言した。

第二特異点の問題はこれで解決、異常を起こしていた獣が二匹討伐されたのだからそうだろう。

 

「第一これは予習だ。滞りなくこなしてもらわねばね」

 

そして影にとってこれは予習でしかない。

最悪の最善、行き止まりの理想郷を排除するための予習だ。

この特異点のローマで起きたこともある種の理想であり行き詰まりの理想郷であるのは変わらないのだ。

その王やら神やらを排除することも、その住人を手に掛ける事も、全ては先にある異聞帯排除のための予行演習でしかないのである。

だからすべての結果は未だなお順調に進んでいると言っても過言ではない。

 

「まぁ再演を望むなら叶えてやろう」

 

だがしかし再演を望むなら叶えてやろうと。

末期のネロの前に影は黄金の杯を転がしてやった。

後は彼女の勝手だ。杯に毒酒を注ぎ自分から史実道理に果てるのか。

或いはこんな結末良しとしないとして黄金の杯を使うなら。今度こそカルデアには彼女の首を跳ねてもらうまで。

だがそれはどちらでもいいしどっちでもいい。

影はいつでも後ろで見ているし足を引っ張る物なのだ。

どうなるかなと、ケラケラ笑いながら。

影は七本の蝋燭が建てられた燭台を見る、Ⅵと刻まれた蝋燭に火が灯った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

綺麗な木漏れ日よりだった。

 

「・・・」

 

同時に落陽でもある。

民衆の反感、元老院の陰謀。

それらに屈し、ネロはパオラの別荘に逃げ込んだ。

だが多くの親しい人々がその過程で死んだ。

今も追撃隊を阻止している部下たちは死んで行っているのだろう。

そして自分に迫ってきている音がする。

 

「・・・」

 

そんな彼女の前には、黄金の杯があった。丁重に横には毒酒が入った筒もある。

どうする、どうすればいい?

そう思い続ける。

黄金の杯、見ただけで分かる魔の杯だ。

この杯に願いを言えばかなえてくれる予感がある。それと同時にそれは裏切りであり。

いつか見た忘れてはいけない人たちを傷つける行為であるような気がしてならない。

脳裏にノイズが走る。確かにいた誰かと誰かと誰か。

嗚呼、大きな間違いだってした様な気がして、どうしても杯に頼る気にはなれなかった。

忘れても心か突き動かすのだ。

今度こそ間違えてはならない。永遠はなく、いずれ全てが変わりゆくのだと。

 

そう思って、親友だと自分が誇っていた銀髪の美しい少女の姿が脳裏を横切って。

 

ネロは、黄金の杯に毒酒を入れて、一気に飲み干した。

 

そして死ぬ瞬間に彼女は思いだす。

色々あった事を、そして誇れる友が居たことを。愛されていたという温もりを。

そして彼女は先に皆が居ることを知って。

安らかに眠る様に死んだのだった。

 

 

 

 

 

第二特異点 定礎復元完了

 




第二特異点終了。雑になったけど就活で色々あったんですホント勘弁してください。
ネロはこの後、特異点の記憶をなくし落日へと歩みますが、史実とはちょっと違って慕ってくれる人々が脱出の手助けや御供をしてくれるので前向きに死にます(そこは無慈悲)


人理「ニャルよ、ちょっと結末変わったんだけれど?」
ニャル「第一に比べれば誤差でしょうがwwwww」

これでも人的被害は最小限です。
たっちゃん達が酷い目にあいましたが、人は原作より死んでません。
ニャルがやらかして全員特異点でシャドウ化して軍事行動自体が行われていませんでしたし、シャドウがP2使用ということもあって殺傷人数も抑えられたので。





Q、なんでこんなにたっちゃんパワーアップしてるの?
A、ペルソナシステム事態にニャルフィレがアマラの最新鋭システム及び型月の法則を組み込んだ上にたっちゃん自身が■■■■持ちのせいで阿頼耶識のニャルフィレ領域から力をぶっこ抜いているせいです。
それで一時的にペルソナのパワートルクが上がり炎貫通スキルを会得しています
なおリバース・イドになるとこれ以上の惨事となります、というか第四特異点でなります。
まだたっちゃんプチ切れ状態だからね、ブチギレまでは程遠いですよ。

因みに統制神はプチ切れたっちゃん+兄貴と夫婦の合体宝具で一撃で殺しきれたりする。
そりゃスルト葬れる夫婦のツープラントンに兄貴の槍とプチ切れたっちゃんの火力が合わさればそりゃね。

次回で第二特異点は幕引きと言うか終わった後の後始末と言う感じです。
特異点化の元凶が現状ネロちゃまと統制神の二人ですから。
ネロちゃまの獣性は鎮火、統制神は粉砕されて、別れを告げる間も無く気絶中のネロとカルデアは分かれます。

ついでに次回からインターバルを兼ねたチェイテイベ特異点をやってから第三特異点に移行します。
チェイテイベはまぁほのぼのパニックカオス劇で行かせてもらいますし、ペルソナ2側からもゲストだすよ!!
お陰でよりカオスなことになるけどもな!!

ドコモかしこも爆弾だらけ
達哉、マシュ、所長の導火線には火が付いたし。
チェイテイベではみんな大好きなあの人の導火線にも火が付きます。
因みに現状のシグルドのメンタルはライナー銃フェラ状態だったりする。
そりゃね・・・みんなが頑張った挙句、辛い事を切り捨てて脱出した中で都合の良い夢に浸っていましたなんてなりゃそうなるわけで。


と言う訳で次もよろしくお願いします。



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