Fate/Grand Order たっちゃんがグランドオーダーに挑むようです   作:這い寄る影

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告白とは、浄化ではない。
誰かに荷物を背負わせて、それをどこかに捨ててもらう行為だ。
その役目をなすのは、犠牲として捧げられる救世主、あるいは人柱だ。
その役割が、あらゆる誰かに等しく割り当てられるならば、救世主も英雄も必要でなくなる。
英雄を求める社会は、病んでいる。

小説版DEATEH STRANDING 下巻より抜粋


インターバル「チェイテカオスパニックミュージックフェス」
01 懺悔と虚海


「・・・しっかし行き成りなんでまた」

 

芹沢うららは病院の喫煙室で溜息をついた。

 

「そうよね・・・なんでいきなり」

 

さしもの常にポジティブが信条の舞耶も疲労と驚愕を隠せないでいた。

病院には見舞い客が来ている。

南条圭に桐条一族。

そして今回の事件を解決した仲間たちだ。

 

周防克哉とパオフゥこと「嵯峨薫」が突然の意識不明となり病院に搬送されたのだ。

桐条財団の一件による死の神の降臨は未然に阻止された矢先である。

 

「結果が出たぞ」

「それで?」

「現代医療学的には問題は無し。むしろ魂の方に問題があるらしい。いわば肉体から魂を抜き取られているそうだ。神隠しやら輪入道の被害にあったような感じか」

 

意識不明の二人の状況は魂を抜かれたという事である。

無論、二人とも手練れのペルソナ使いだ。

薫に至っては元復讐者と言う事やペルソナ必要なのかというレベルで鍛錬した武術があるのだ。

そんな二人を出し抜いて魂を引き抜くなんぞ。

到底無理難題に等しい。まだ殺す方が数段楽まである。

 

「ニャルラトホテプかしら」

 

舞耶がぼそりとつぶやく。

彼女たちが捜査した今回の桐条の事件だってそうだ。

桐条の長の側近の一人の名前が「アイザック・N・アシモフ」というわざとらし過ぎる物であったことや。

特徴やら新世塾の技術者としてかつては席を置いていたという事実から。

主犯は簡単に見いだせる。

 

ニャルラトホテプが黄昏の羽という未知の物質を引きずり出して。偶然を偽装し神秘を与え欲を満たすように誘導し。

自らの化身を派遣し。満たす心を目的のアノミー、即ち富める者の首吊りにすり替えた。

そして尚且つ。黄昏の羽の大本が持つ強大な力に魅入ってしまい妄想が暴走しつつあった。「幾月修司」にあらぬことを吹き込んでいくらでも舞台を引っ繰り返せるように配置していたのは。

終わった今だからこそ理解できる。

 

「おそらくな。奴はおそらく。何かしらの舞台を用意するために。その主要目的から葛葉とヤタガラスにフリーの私たちの目を逸らすために仕組んだことだろう・・・」

「ちょっとまって、裏では自衛隊が汚名返上の為に特殊作戦群まで動員したこの作戦がデコイ?」

 

さしもの規模のでかい囮にうららも目を見開いて呆然とするほかない。

先の事件で自衛隊は多大な失態を犯し。その汚名返上の為に。

今回の作戦に極秘裏に協力し戦闘にまで参加してくれたのである。

動員された戦力は舞耶たちとエルミンのOBたち、スプーキーの面々、ヤタガラスの実働部隊と四天王を二人も投入。

警察も公安部とSATの投入に自衛隊から派遣された特殊作戦群三個小隊が事態の鎮圧に乗り出した。

やんごとなきお方直属の近衛兵まで出張る始末であった。

これによって桐条の根城である港台桐条エルゴノミクス研究所周辺に各種妨害結界を展開。

国による情報規制やらなんやらも、完璧に行われ一方的奇襲が行われた。

無論。逮捕状も用意し銃を突きつけた穏便な逮捕が念頭だったものの。

案の定。こういう事態の黒幕は武力を用意している物であった。

試作段階として放棄された対シャドウ制圧兵装と。なぜか湧き出てきたシャドウによって妨害工作やら人払いをしたとは言え市街地戦レベルじみたことをすることになる。

一般職員も救助しながらという不利に立たされた面々を援護するべく。正規ロールアウトされた対シャドウ制圧兵装Ⅶ「アイギス」とその二世代前の型である「ラビリス」を内通者である「岳羽詠一郎」が起動し援護してくれたおかげで何とか鎮圧出来た。

がしかし連中自爆装置をこしらえており、研究所は爆散し瓦礫とクレーターに変貌。

そんな大規模な作戦と失敗時には世界滅亡という大規模な物が、デコイでしかないと知れば誰だっていやになる物だろう。

 

「あるいは暇つぶし感覚かも」

「真実を知るのは奴のみか」

 

この場にいる三人は重い溜息を吐く。

だが彼らは役者ではない、故に手が出せない。

だから祈るほかなかった。

 

 

 

 

 

 

所変わってカルデア。全員がレイシフトアウトになり。

目覚めたシグルドに対し長可が助走をつけての渾身の右ストレートをシグルドの頬に直撃させたのだ。

 

「シグルド」

「そこで黙ってみてろや、アバズレ!! テメェはシグルドの後だ!!」

 

鬼神が如き表情で長可がブリュンヒルデを制止し、錐揉みとんだシグルドに追撃をかけようとする物の。

 

「森殿落ち着かれよ!!」

「放せや!!」

 

書文が後ろから長可を羽交い絞めにする

オルガマリーは待機していた医療スタッフに担架で医務室に運ばれ。

無理をした宗矩とクーフーリンは霊基修繕室も兼ねたダヴィンチの工房に即座に搬入されている

エミヤも制止に参加するが、運悪く暴れる長可の肘が顔面に直撃、そのまま気絶し慌ててマリー・アントワネットが駆け寄って治療する。

コフィンから出てきた達哉とマシュは目の前の乱闘騒ぎに唖然とするほかなかった。

 

「書文の爺さんも分かってんだろうが!! あの状況でこいつらはッ・・・あの状況で・・・!」

 

怒髪天とはこの事か生来の狂犬の側面が出ている。

全員が気張った。オルガマリーは正解をもぎ取った。

達哉に至っては黄金牢を二番目に脱出したのである。

この中で一番過去を取り戻したい達哉がだ。

それだけでもサーヴァントたちは過去に絡められ出遅れているだけでも無様を晒し。

ビーストⅥLである統制神戦ではサポートと殺到するシャドウに対する遅滞戦術を行うばかりで役に立てなかった。

それでも抗う事だけは皆止めなかった。

最善手を激痛を伴いながら行使した。

だというのに。

 

「やめてくれ森さん!! 俺だって自覚がなければ・・・」

「じゃあよ言わせてもらうがよ、その自覚が大事なんじゃねぇか、俺達にはよ」

 

達哉の制止にそう返す。

自分たちは死人だ。影法師だ。仮初の客だ。

だからこそ過去は取り戻せないのだと自覚しなければならない。

マスターが自覚して血涙流して偽物とはいえ嘗て愛していた人を切り殺し。

脱出までして神に立ち向かわせたのである。

故に脱出できて最善手を尽くした奴らはまだ長可的には許せるが。

それらを片目にサーヴァントとしての在り様、覚悟、結末を無視して。

文字通り血を流して戦った我らがマスターを無視して取り戻したかった過去を貪るというのはナンセンスな話であった。

達哉は拙いなと思う、武力行使しかなくなると思った時である。

 

「そこまでにしろ、大馬鹿共」

 

文字通りのフル装備の保安部が出張ってきたのである。

ダヴィンチがカスタムした装備で身を包んでいる

先頭にはアマネだ。

ただし何時もの虚無顔とは違う、呆れ半分怒り半分と言った様子である。

姿勢も無謬を気取りながら、いかなる手段も講じられる無形の構えを取っていった。

伊達に彼らがカルデアの保護と粛清を担当する部署ではない、装備が伴い総出ならば宝具抜きの英霊に優位を取れる。

さらに長可の人間無骨の特性上、長可が万全であっても優位を取れるのだ。

しかも全員が死にぞこないの死にたがりのキグルイ共である、アマネ一人ならどうにかなるが部隊単位となると長可ではどうしようもない。

それくらい恐ろしい戦闘集団なのだカルデア保安部は。

それはさておきアマネは淡々と言う。

 

「長可・・・お前の怒りも分からんでもない、だが今はやるべきではない、達哉たちに余計に負担を強いる気か?」

 

確かにシグルド夫妻は無様を晒した。

だが糾弾する状況でもないとしてアマネが出張ってきたのである。

ここで好き勝手怒鳴り散らされてメンタリティの悪化を懸念してのことだ。

保安としてそういう不和を招く要因は見過ごすことはできない。

保安部はいつだってサーヴァントよりもマスター勢を優先するからだ。

ここで仲間割れの大喧嘩をして達哉とマシュのメンタリティ低下を容認できない。

そして保安部全員と長可がにらみ合う。

 

「・・・チッ」

「説教の機会は設けてやる、腹に据えかねているのはお前だけじゃないんだよ・・・・っと、達哉にマシュ」

「・・・なんですか」

「なんでしょうか?」

「オルガマリーの傍にいてやれ。友人を失ったんだ、精神的ショックは彼女の方が大きい。友達なんだから見てやってくれ」

 

長可が暴れまわるのをやめてから、二人はオルガマリーの傍に居てやれとねぎらう。

一番心情的にきついのはオルガマリーだ。時を超えた親友を見捨てたのだから。

正しい歴史でネロは死ぬ、元老院によって孤独に死ぬのは確定事項だ。

それを覆すと新たな特異点となる、故に結末を知っているからこそ。

一番苦しんだのも彼女だろうと。

世界をとるか親友を取るかと言う選択をしたのはネロだけではない。

オルガマリーも足掻き選択し切り捨てたのだ。

それを自覚していない阿呆ではないゆえにオルガマリーもキツい状況なのである。

それを理解したからこそ達哉は苦虫を噛み潰した表情でマシュは人理定礎の修復の本質を理解し顔を青ざめさせつつも了承し。

二人は医務室へと歩みを進めた。

 

「ほら、他の連中も散った散った。見世物じゃないんだ」

 

アマネは一連の状況を見て解散宣言をする。

長可は不満そうに場を後にし書文もそれに続く。

マリー・アントワネットの治療によって起こされたエミヤも難しい顔で場を後にし、マリー・アントワネットは皆を心配しながら場を後にする。

 

「アマネ殿・・・当方は」

「言い訳や懺悔は達哉たちにしろ、私はあくまでもここで指揮管制をやっていただけだからな」

 

ブリュンヒルデに支えられ起きたシグルドの言葉をそうハッキリ拒絶する。

何故なら間接的当事者であるからだ。

直接的被害を被ったのはあくまであの三人なのだから謝罪は三人にしろと言うのは当然である。

ブリュンヒルデを伴ってシグルドも場を後にしたのを確認し。

アマネはため息を吐きつつ懐から煙草を一本取り出し、口に咥えて火をつけ一服。

肺に紫煙が満たされると同時に溜息と共に吐き出して。

一言。

 

「死ぬかと思った・・・肝が冷えたよ」

「同感ですよ隊長、自分も二度は御免です」

 

幾ら勝てるからと言って損耗がゼロに出来るわけじゃない。

戦ったところで不毛な損耗が出るだけ。

第一レイシフトルームでドンパチなんぞできるわけもない。

外した弾丸が冷凍保存中のコフィンに直撃すれば目も当てられないのだ。

だが長可は自分たちの実力を知っている、故に分の悪い賭けではなかった。

即ち武力をチラつかせて脅し妥協案を引き摺り出すという事である。

多少手荒だが先ほども言ったようにここで暴れられてコフィンが大破しましたなんてシャレになっていないからだ。

 

「死ぬならもっと良い戦場で死にたいものだ」

「同感です」

 

アマネの狂気に隊員が同意する。

そして保安部も引き上げていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

医務室、そこで検査を終えたと同時にオルガマリーは眼を覚まし。ベッドから上半身を起こしてボーっとしていた。

全てが夢のように感じていた。

いわばレイシフト酔いと言う奴だったが起こったことは現実かつ選んだこともまた事実なのだ。

それがオルガマリーにレイシフト酔いを起こさせた要因でもある。

一種の現実逃避と言っても過言ではない。

今回の件は彼女のキャパシティを超えつつあったから。

ペルソナの後期型への移行。

ネロの慟哭と己が獣性の先触。

本当に巻き込まれたくない運命とやらに巻き込まれたと思う。

そして親友には未来で会えるとは言ったが。

その末路を容認したことで心が痛かった。

人理修復と言う観点から見れば実に正しい判断だ。

無論、個人的観点を加えればそんなことしたくなかったという気持ちも無論ある。

だって親友なんだ。あんな終わり方を認めるなどと口が裂けても言えない。

だが同時に正しさを振りかざさなければならない痛みに耐えていたのだ。

選んで切り捨てる。日常的に行っていた行為がこうも近しい物を切り捨てることは激痛が走るものだった。

故に不思議と涙があふれてくる。

分かっていたはずなのに・・・

 

「所長・・・大丈夫じゃなさそうだな・・・」

 

そして達哉がマシュを伴い医務室に入ってくる。

彼は所長の様子を見るなりそういった。

 

「所長、吐き出すなら吐き出した方がいいです」

 

マシュもオルガマリーにそう言う。

今のオルガマリーはマシュから見ても危うい様相を呈していた。

放っておけば何もかも終わらせるという危うさと、どこかに消えて行ってしまうのではないかと言う儚さが同居している。

友達として放っておくことなんてとてもじゃないができないのが達哉とマシュの心情だった。

 

「私、先を知っているのに黙っていた」

「・・・」

「その上で綺麗ごと一杯言ったし。おまけに強引に止める為に彼女に刺された」

「それは俺達の為ってのもあるんだろう?」

「ええそうよ! でもさぁ・・・それってネロを切り捨てるってことなのよ。私はどっちも大事だもの。本来なら選びたくなんてない!!」

 

大事な人と大事な人を天秤に掛ける事すらしたくなかった。

だがしなければならない。さらに世界の命運も掛かっているのだ。

それでもカルデア所長としては失格かも知れないが。オルガマリーは世界の命運を望んで選んだのか。

達哉たちカルデアかネロかどっちかを選んだのだ。

 

「したく・・・無かった・・・」

 

運命なんて後出しの預言と言いたかった。

でもそれは無理だった。達哉と同じように一個人の存在が世界の是非に繋がっている以上。

博打すらも最初から不可能だ。

抜け道もニャルラトホテプが全て潰した以上選ばねばならなかった。

 

「ごめん・・・選ぶ余地もなかったタツヤに言う事じゃなかった・・・」

「いや、いいよ俺も本当は選びたくなかったよ」

「・・・」

「本音を言えば忘却なんて御免だった。一人になるのだっていやだった。だかそれが罪なんだ。俺は一生この心の痛みを抱えて生きていくんだろう、それでいい、誓ったからだ。だから所長は正しい選択をしたんだ。俺とは違う」

 

気休めでしかないが失敗した自分を持ち出し。オルガマリーは正しい選択をしたのだと達哉は告げる。

彼はその天秤で失敗した。だがオルガマリーは結果的に正しい選択をしたのだ。

だから今こうやって会話できている。

失敗すればこんなにも呑気に会話できている状況ですらないのは当たり前の事なのだ。

一種の諦めの観念かもしれないが正しいは正しい、間違っては負けるそれだけだ。

時に負けることすら正解に含まれる今日。

どれが正解で不正解なのか分からない中でオルガマリーは自覚しつつ世界をもぎ取ったのだ。

それは賞讃に値する事なのだ。

それでも辛いものは辛い。いくらきれいごとを並べようとも辛いものは辛いのだ。

今、真の意味でオルガマリーとマシュは達哉の理解者となった。

オルガマリーはその辛さの意味を知り。

マシュは人理定礎復元の無常さの意味を知る。

それによってある種、人理定礎を崩壊させかけて異聞帯を作り出した達哉の苦悩を二人は。

心の芯から知ったわけだ。

なぜどうして。彼が正解を選べなかったのかと言う根源的理由を二人は知ったのだ。

 

「・・・ねぇ・・・」

「なんだ?」

「なんですか?」

「泣いていい?」

「当たり前だ」

「当たり前です」

 

オルガマリーの宣言に二人はそう答えた。

理由はもう散々述べた。

だからもうこれ以上の言葉も必要ではない。

オルガマリーは達哉とマシュにしがみ付き泣いた。

生まれてはじめて強がりとか最初からかなぐり捨てて二人を抱きしめて泣いた。

箍が外れて壊れた楽器のように。あるいは決壊したダムのように漏れ出す。

本当はこんなことしたくなかった。都合の良い未来が欲しかった。

でも同時に未知の明日が欲しかったのだと。

ただただ泣き叫ぶしかなかった。

その隅の陰で影はにっこりとほくそ笑む。新たな理解者が出来たではないかと。

ケラケラと笑っていた。

 

 

 

 

 

 

今回の特異点でシグルドとブリュンヒルデは酷く狼狽していた。

当たり前だ。活躍の機会すら得られず、更に足を引っ張ったのだ。

その無理の代償が、オルガマリーは検査入院、宗矩とクーフーリンは無理がたたり修復ポットに叩き込まれるという事態である。

長可も思わず殴りたくなる物だろうと二人は納得していた。

だが違う。長可が言いたかったのはそういう事ではないのだと。

故に夢に微睡む二人にマスターの真実の悪夢が襲い掛かった。

 

『お姉ちゃん』

 

燃える神社、殺人鬼の狂嗤。

具象化するペルソナ。

友の絆の崩壊。

そして父の冤罪、崩壊する家庭。

 

『テメー生意気なんだよ!!』

『透かした面しやがって!!』

 

理不尽な理由で殴り蹴られる自分たちのマスター。

彼が何をした。何もしていないのにいい加減なイチャモンを付けられ暴力を振るわれる。

シグルドとブリュンヒルデは何とかしようとする物の。

此処は夢。観客に手出しは許されない。

 

『ペルソナァ!!』

 

そして暴発する怒りがペルソナを呼び出し、不正な暴行者共を焼き払う。

悲鳴と絶叫。声によって寄せられてきた生徒や教員の阿鼻叫喚。

遠くからなるサイレン、呆然とする達哉。

その事件よりどんどん孤独を深めていく。

そして高校三年。

ひょんなことから運命の車輪が回り出す。

再会する仲間たちは記憶を封印していた。無論達哉もだったが。

嘲笑う殺人鬼 仮面党、それらを通し過去の真実を思い出し影の手に絡めとられた親友を助け。

最後の戦いに赴くが。

最後の最後で舞耶が刺される。

 

『フハハハハハハハハ!! お前たちは、一つ大きな事を学んだぞ。どうにもできない事もあるという、この世の理をだ!!』

 

全てが影の掌の上。

取り戻した絆など意味がない。如何に臨もうとも、噂結界が民主主義的多数決制を取っている以上。

既に運命はどう足掻こうとも確定していたのだ。

つまり既に後の祭り。どうしようもない事なのだ

 

『私は、お前達人間の影だ。人間に昏き心がある限り私は消せん』

 

故に影は人々の昏き願いを叶える。

 

『這い寄る混沌の最後の試練を受け取れ!!』

 

その刹那地球の自転が停止した。

その衝撃で地表のあらゆるものが衝撃波で吹き飛ばされ薙ぎ払われる。

無事なのは箱舟と化したシバルバーのみとなっている。

影は嘲笑と共に退散し。

蝶が残った彼等に提案する。

この状況をなかった事にする方法。

それは十年前の出会いをなかった事にし、記憶を放棄することによる過去の改竄と並行世界の創生だった。

達哉たちは最後の抵抗としてそれに乗った。

ナノに。

 

―忘れるな―

―忘れるな―

―忘れるな―

―忘れるな―

 

達哉に対する忘れるなの四重奏。

加えて彼らは救われたが達哉は何一つ救われていない。

悪化した家庭環境も良くならなければ最愛の人でさえなくしている。

残った絆でさえ失われそうとなっている上にこれだ。

 

『駄目だ。忘れたくない、忘れられるものか』

 

故に紡ぎ出されるのは拒絶、忘却できないとい選択肢を取ってしまった。

 

『みんな、行かないでくれ、もう一人にしないでくれ』

 

ずっと一人ぼっちだった。

 

『いやだ。嫌だ。嫌だァ―――――――』

 

だからあまりにも惨く悲惨な結末だった。

シグルドは何も言えず絶句し、ブリュンヒルデは口を押さえた。

それでも忘却は完了し。

 

『『――――――――』』

 

駅前で舞耶と達哉がぶつかり彼だけが思い出す。

そして運命の車輪は再び駆動し始めた。影が悪意を持ってレールを敷いていく。

忘却を拒んだ結果。達哉だけが思い出し特異点と化して再び滅亡へ世界は歩んでいく。

だが今度は同じとはならなかった。

兄と和解し大人たちの手を借り再び詩織という悲劇を味わっても立ち上がり。

影を追詰めたのだ。

 

『生に意味などないと知るがいい!答えなどどこにもないと泣くがいい!故に闇があり影がある!私は、お前たち人間そのものだ!!』

『俺は、もう二度と背中を見せない・・・犯した罪にも・・・自分にもだ!!』

『『おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』』

 

誓約の言葉と共に達哉と大人たちが影と対峙し戦いをはじめ。

そして勝利する。

だが後始末は終わらず。それを終わらせるために誰もいない世界に達哉は帰っていった。

されどここで終わりではない。

孤独の中を過ごしていた彼は突如としてこの世界に転移し、再び世界を守るべく武器を手に取った。

その中で第一特異点の映像が流れ。第二特異点での黄金牢の映像が流れだす。

 

『ねぇ達哉君、此処の何が気に入らないの? もう君を傷つける人はいない、影は無いんだよ? 仮面党も新世塾もラストバタリオンもなにも』

『ああ、何もない、なにも無いんだよ』

『?』

『こんなもの現実逃避の産物だ。自分の慙愧の意識が生み出した疑似体験空間だ。無様な自慰行為でしかない。そんなことしている間にも現実は動いているんだ。だから此処には何もないんだよ・・・・』

『私も偽物だって断言するの?』

『するさ、何度もいうが此処は俺の慙愧の空想上の産物だ。だからアンタも偽物なんだよ』

 

本当はこうなってほしかった。だがそうはならなかったという事実を受け止めて。

嘗ての愛しい人に達哉は刃を向ける。

そして血涙を流しそうな形相で達哉は刃を振い過去を振り切った。

どれだけ愛しくても守りたいものが現実にあるから。

だからどれだけ辛くても自覚し彼は夢を抜けたのだ。

 

「・・・・」

 

二人は同じベッドの上で目が同時に覚めて上半身を起こす。

なぜ長可に殴られたのかを今をもって本当の意味で思い知る

ブリュンヒルデはベッドを飛び出しトイレに駆け込み。

シグルドは両手で顔面を覆った。

 

「当方はなんて事を・・・・」

 

凄まじい無様っぷりをここに来て本質として理解する。

あのマスターはある意味自分たちを超えた辛さを味わいながらそれでも正解を選んだ。

彼は英雄ではないただの人間であるがゆえに。

英雄で大人の自分たちはなんてことを選択したのだろうと思う。

 

「すまない」

 

後悔と懺悔が吐き出される、しかしもう遅い、事はなってしまったのだ。

幾らここでそういう言葉を吐こうが。

後は当事者たちに言うことでしか贖罪はなされないし。

此処からどう行動していくかが肝であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

オルガマリーと言うか三人の私室。

一種のメンタルケアプログラムでオルガマリーの私室は改装され。

達哉、マシュ、オルガマリーが住む一部屋に改造されているのは皆が知っての通りだ。

リビングとキッチンを隔てて三人の寝床が用意される形である。

何時もならリビングで雑談やこれからの事を相談しつつ、オルガマリーが料理に精を出し。

達哉は雑誌に目を向け。マシュは日記を書くというのが通例だったが。

今日はオルガマリーは検査入院のため不在。

リビングで雑談と言う気分ではなかったため。達哉は寝床に戻りベッドの上に身を預けていた。

酷く疲労している、今回も色々あった。

そしてアポロの過剰出力に引っ張られる形で精神力を多大に使用している状況である。

あの後、アポロのカラーも元に戻り、炎貫通のスキルも消失し完全に元に戻っている。

だが脳に穴でも開いたかのような感覚が残っていた。一応の検査結果だと脳神経が一部変異しているとのこと。

だが日常生活には問題ないとのことで検査後戻ってこれたのだ。

まぁそれはさておきと、達哉は上半身を起こす。

ベッドの隣の机の上に置いて置いたミネラルウォーターを飲み干す。

単純に眠れず喉が渇いたからそうしただけなのだが。

その時だ。コンコンと扉をノックする音が響く

 

「どうぞ」

 

ここには自分とマシュしかいない。とすれば扉向うはマシュだろうと思うのは当然で拒む理由もない。

達哉の声に反応してマシュが寝衣姿ですごすごと入室してきた。

 

「マシュどうした?」

「あのその・・・」

「眠れないのか?」

「はい・・・一人だと、どうしても不安になってしまって」

「そうか・・・男の俺が言うのもなんだが一緒に寝るか?」

 

一人だと眠れないというマシュに対しての気持ちを察し。

達哉がそう提案する。

自分もそうだし。マシュもそうなんだから此処は気持ちを組んでやるのが吉だろうと思ったし。

マシュの口から言わせるのも男が廃ると言うものだからだ。

幸いにもベッドは二人で寝る分には不足はない。

 

「遠慮することはないぞ」

「はい・・・では失礼して・・・」

 

達哉が避けたスペースにマシュが入り込む。

そのまま二人で寝る形だ。

 

「不安なんです」

「・・・」

「この先も見捨てなきゃならないかと思うと」

 

マシュが不安を口に出す。

その不安は予想できたものだった。

今回の件で人理修復の本質を知ったのだ。

修復の為にはどのような惨劇を迎えた人間でさえ見捨てなければならないと。

救えばそれが特異点となる。

達哉のミスと同じように世界の危機となってしまうからだ。

 

「私はどうすればいいんでしょうか?」

「俺は死んでも正しい方を選べと言う人間じゃない」

「先輩?」

「俺は間違えてしまった・・・・」

「はい」

「だから言う資格なんて無いんだよ。だがな一つだけ言わせてもらうなら後悔する選択肢だけは絶対に選ぶな・・・すこし考えてくれ、そうすれば自ずとわかるはずだから」

「激痛が伴ってもですか?」

「それでもだ。マシュは俺のようにはなりたくないだろう?」

「・・・そうですね」

「だったら俺たちは地べたを這いずりまわってもそうするしかない、今を生きているんだからそうなんだ」

 

今を生きている以上、痛みは当然なのだ。人間だから当たり前なのだ。

故に必死に地べたを這いずりまわって痛みを伴いながらもそこから選択肢を選ぶほかない。

誰もかれもが己の天秤に他者を乗せて比較しながら生きている。

それが当たり前なのだ。

 

「だが痛みを当然の物としてないように生きるのは間違いだ」

「そうなんですか?」

「ああ、感覚がない人間は痛みを感じず間違いと気づけもしないのと同じようにな・・・正誤を見極めるうえで痛みは必須なんだ。そして痛みがないやつは人間ですらない」

 

正誤を測るうえで痛みは必須である

それがない物はもう人間ですらない。

されど―――――

 

「そんな痛みの中でも、良いことは多少はあるさ」

「そうでしょうか?」

「そうだとも、俺も色々間違えてきたが。マシュや所長、カルデアの皆に出会えたしな」

 

それでも多少は良いことはあるのだと達哉は言って。

マシュは苦笑しながら同意する。

その後は二人で雑談し、気づけば二人とも眠りへと堕ちて行った。

 

 

 

 

 

 

眠った達哉が夢に見るのは過去の情景だ

さくさくと雪を踏みつけ、音を立てながら、リュックを背負って。

達哉は荒廃した街を行く。

嘗て行った己が罪への罰だ。

誰も居なくなってしまい、湖の街しか存在しなくなった世界で彼は歩き続けている。

 

「今日はこんなところか・・・」

 

搔き集めた。食料を手に取って。

降る雪から身を守るために。

彼は古いガレージへと入っていく。

ここしばらく拠点にしている場所である。

 

「・・・自活も考えなくちゃな」

 

今は冬だ。

ここ一年で資材や資料に食物の種もある。

来年からは自活して、サイクルを作っていかねば何れ食料は尽きるからだ。

それはとりあえずと。

搔き集めた薪の束に藁を敷き詰めてジッポで新聞紙に火をつけて着火する。

ガレージのシャッターは開けっぱなしだ。

二酸化炭素中毒や煙を気にする必要性は薄い。

兎に角、暖を取らねば凍死だ。

灯油を使ってストーブを焚くのも良いが。

今は間に合わせで節約していかねばならない。

 

「さてと・・・」

 

達哉は乾パンの缶の蓋を開けた。

飲み物はミネラルウォーターだけだ。

もう一年、これで過ごしている。

飽きて、口にするたびに吐き気が来る段階を超えて。

もう味も分からなくなっていた。

本当に活動するための最低限の栄養摂取という様である。

外には悪魔やシャドウもうろついている。

気は抜けなかった。

 

「ふぅ・・・」

 

乾パンを食べて、乾いたのどを潤し。

一息吐く。

パチパチと薪木が鳴った。

 

「・・・」

 

いつまで続くのだろうと思う。

人はおらず、悪魔とシャドウが跋扈する状況下である。

並大抵の人間ならへし折れているであろう状況にも達哉は折れながらも立ち上がって。

懸命に生き抜いていた。

だが今は疲労で何も考える余裕もなく。

達哉はいつも通りに意識を落としていった。

 

 

 

「ククク」

 

 

 

虚数空間。

生命の生存を許さぬ虚無に影は存在し嘲笑っていった。

 

 

「その所業故に居場所を追い出され、孤独に耐えて歩き続ける。似ているではないか。ああ良いとも。欲しければ与えてやろう」

 

 

影はそれこそどこにでも存在する。

人間が関わってしまった知性体やシステムに食い込むのだ。

それは神も例外ではない。

虚数空間に沈んだ原初の母神もまた。

人に関わる大いなる装置であるがゆえに逃げることは出来ない。

寧ろ”獣性”を持ってしまったがゆえに影の手に掴まれて操り人形にも等しい。

だからこそ影は嘲笑いながら。

母神の望まぬ物を与えると嘯くのだ。

母神が関与しえない異世界の生命体であり人間を番いとしてだ。

 

 

「似たもの同士、お似合いの夫婦になるだろう、本来の役目を果たし国生みを成すがいい。最果ての彼岸の岸で私自ら祝福を施してやる、光栄に思えよ?」

 

 

そういって、達哉の夢と母神の意識をつなげた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――?」

 

達哉は睡眠から浮上した。

サクリと掌に広がるのは砂の感触。

だが目に映る光景は全てが白黒だ。

地も空も海もすべて。そうすべてが白黒。

 

「此処は・・・」

 

色がついているのは達哉と彼の眼先に居る巨大な角を生やした水色の髪の毛が特徴的な女性だけだ。

その女性は海岸の水に足を浸して天空を見ている。

ただペルソナが震えた。

 

「ッ―――――」

 

巨大な魔がそこにいると震えている。

だが不思議と脅威は感じなかった。

 

「Ar?」

「君は?」

「・・・」

 

女性と青年が向かい合う。

海と地を境界線にしながらモノクロの世界で二人とも向き合う。

女性は首を左右に傾げ達哉の元にやってくる。

達哉は浜辺に腰を下ろしており。女性も歩み寄り達哉の隣に腰を下ろした。

 

「キミハ、ダレ?」

「俺か? 俺は周防達哉、君は?」

「ティアマト」

「そうか」

 

女性の名はティアマトと言うらしい。

しばらくの無言、互いに語ることもないので無言だった。

そうしているうちに。

 

「キミハドコカラキタノ?」

「分からない。寝たらこうなっていた」

 

そう言って、達哉は身の上を説明した。

色々在った事も。罪と罰の物語も、現状の事も。本来ならおいそれと話すようなことじゃないが。

今の達哉は心が摩耗し誰かに身の上を聞いて欲しかった。

最初は無表情だったティアマトは悲しそうな顔へと変化させていった。

達哉の境遇に感応する物が在ったのか。

ティアマトはそっと達哉を抱きしめる

 

「ティアマト?」

「Ar―――――――――――♪」

 

そして達哉の頭を膝へと乗せてティアマトは歌う。

美しい歌声だった。セイレーンも裸足で逃げ出すようなとても美しく悲しき旋律。

そしてそのまま達哉は意識を落していった。

 

 

 

 

 

 

 

彼女の元から彼は消えた。

生まれてはじめて自分が関与しない生物であり異性はそう消えた。

もう二度と出会うことも無いだろうと、彼女は立ち上がり。

 

「会いたいなら何度でも合わせてやろう、お前の望む形、お前の待ち望んだ真なる異性に人としてな!!」

 

背後の漆黒が現れ、彼女を飲み込んだ。

そして気づけば。

 

「Ar」

 

神としての力を失い人として彼女はどことも知れぬ森で立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかしこんな形で故郷の星に行くことになるとは・・・」

 

宇宙船の中でモミアゲとスモークがキツメに入った眼鏡が特徴的な灰色スーツの男性がそうボヤく。

 

「正確には故郷ではないのでは?」

 

騎士王によく似つつもどこか違う様相を呈する眼鏡をかけた少女が操縦桿を握りその言葉に返した。

そう男性はこの世界の人間ではない。

サーヴァントユニヴァースの人間でもない。

なぜかサーヴァント体としてサーヴァントユニヴァースに他世界から飛ばされてきた人間だった。

そして飛ばされた先で冷凍睡眠装置で眠っていた少女を助けバウンティハンターまがいの事をしつつ。

今はサーヴァントユニヴァースとは並行世界にあたる世界へと来ている。

目的はエリザ粒子の供給停止とエリザ粒子を悪用する一党の逮捕だった。

危険な粒子であることは明白で、その生産元の世界から漏れ出ている原因を突き止めできれば供給と繋がってしまった理由を突き止め。

粒子を悪用する人権帝国軍を食い止めるべく二人はこの世界に来訪したのである。

その二人の名は周防克哉と謎のヒロインXオルタと言った

 

 

 

 

 

 

 

 




作品時間軸

P2罪┬┬たっちゃんが創生→P3時間軸に
   │└たっちゃんがニャルに目を付けられて型月時空へ、創生の失敗により向こう側滅亡
   └P2罰→ソウルハッカーズなどに分岐 P3事前インターセプトルート
こんな感じで分岐すると本作では考察しています。
と言う訳で罰時空は桐条のやらかしは罰の大人たちやカツオ、ヤタガラスにインターセプトされた影響でP3が起きなかったり、P4やP5にも介入が入るので別物になっています。

罪時空はたっちゃんが創生後 P3原作時空へとと言う感じです。

本作時間軸では創生直前に型月時空に引っ張られているので向う側は空きスペース残して滅亡てな感じです。

そしてアームストロング上院議員ばりの右ストレートを噛ます森君

追撃とばかりにシグルド夫妻にプレゼントされるたっちゃんの過去+今回の夢の顛末。

さらにティアマトにちょっかい掛けるニャル

ニャル「え、なに? 婿ほしいいの? 一人は嫌なの? ならその願い叶えてやるよwwwwwたっちゃんも似たような境遇出しお似合いだよwwwwwwwww」

そんな感じでじぃじにインターセプトさせないために本作始まる前に夢の中でたっちゃんとティアマトは出会っています。
ニャル的には嘲笑MAXでティアマトが関与していない生命体なため息子としてみることは出来ず対等存在つまり明確な異性として見ることができ、境遇もそっくりお似合いの二人だよねと言う事と。第七の難度爆上げするための仕込みです。


シグルド夫妻の心情。
シグルド&ブリュンヒルデ「英雄の姿か? これが? …生き恥」

まぁこうなる。たっちゃんができて周囲の皆も出来ているのに自分たちだけ微温湯に浸かっていりゃねぇ。
そこにたっちゃんの助言がスゥーと効くわけですよ



と言う訳で次回からチェイテイベ始めます。
かっちゃんも参戦しつつセイバーウォーズも絡み
チェイテドスケベ事件も発生。

なお現在えっちゃんの時間軸としてはセイバーウォーズⅡとグレイルライブの間の感じ。
地味に藤丸たちとの交流があるかっちゃんだったりする。
現在かっちゃんはサーヴァント体で元の世界に戻る為えっちゃんと賞金稼ぎをしつつ戻る方法を模索している感じです。

チェイテ特異点のジャンルはメタカオスパニック劇となります。
メタネタが苦手な方は本作を切ってくれて構いません。

果たしてカルデアとエリちゃんたちは無事音楽フェスを開催できるのか。ご期待ください

あと次回は面接次第ですが遅くなると思います


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