Fate/Grand Order たっちゃんがグランドオーダーに挑むようです   作:這い寄る影

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ポピーーーーーーーッ!!


ギャグマンガ日和より抜粋


02 混沌の序曲(ギャグ的な意味で)

「不明特異点?」

『はい』

 

 

退院から数日後、オルガマリーはストレスを料理にぶつけていた。

彼女なりの気分転換と言っても良い。

食材の賞味期限が拙いならスープやらデミグラスにしてしまえばいいじゃないの精神だ。

故にコンソメとデミグラスの制作に移っていた。

エミヤが見れば倒れるほどの高級食材のオンパレードであるが。

オルガマリー本人の腕も確かで鍛えている、そこらのプロ顔負けの腕はあるゆえに至高の品が出来るだろう。

閑話休題。

そんな最中、不明特異点の報告がロマニから上がってきた。

不明特異点とは人理に干渉しない特殊な特異点だ。

現在世界が炎上中だから出てくる異界の様なものと形容してもいい。

東京で出たり消失を繰り返しているのは、寧ろ深度的に黒幕が作ったのもよりも拙い深度である。

故に東京消失特異点(仮)は不明特異点とは呼ばず。

安定したら真っ先に介入対象となる。

 

「別に人理に影響がないなら放っておいていいじゃない」

『それがですね、これを見てください』

 

別に人理に影響がないなら放っておけばいい。

当たり前だ。カルデアのリソースは常にカツカツだ。

余計なところに介入する余力なんてものは一ミクロンも存在しないのだが。

これを見てくれと、投影される光学ディスプレイにには。

 

『ボケステェェェエエエエエエエエエエエ!!』byエリザベート

 

と必死さが滲む叫び声が再生された。

 

「エリザ・・・が原因の特異点なわけ?」

『みたいです、あ、今詳細が送られてきました』

「詳細?」

『はい、えーとですね』

 

送られてきた詳細をムニエルが読み上げる。

今、エリザベートはその不明特異点で領主をやっており祭りイベントを企画したとのこと。

その規格が予想に反して大きく膨れ上がり過ぎたことやら悪魔の介入があったこと。

故にカルデアの手を借りたいという事だった。

報酬として不明特異点で採取された膨大なリソースと何故か転がっていた聖杯を渡すとのことだった。

 

「罠の可能性は」

『アマネさん曰く「騙す理由も無いだろう」とのことです』

「まぁそうよね」

 

音声精査の結果エリザベートの物と一致している。

それに彼女がこちらに害する気はないのは送られてきた詳細からも明らかだった。

音楽フェスというかエリザベート単独ライブフェスをしようとしたら運営の人材が足りないときた。

それを手伝うだけで膨大なリソースが手に入るのだから食いつかないわけにはいかないと言う物。

エミヤを酷使しようが無い物は無い、資材、食料、魔術リソースが足りていないのである。

第一では盛大にリソースをばら蒔き第二で問題が発覚した為、施設の改修作業及び再度の修繕作業でカツカツなのである。

故に全員が無理して動きリソースを微細特異点から搔き集めているのが現状だったりする。

故にこのリストに提示されているリソースが手に入るのなら問題の半分は余裕で解決できるレベルの量だ。

食いつかないわけにはいかないし、エリザベートの現状の人柄を理解しているカルデアとしてはだまし討ちも無いだろうと決断できる材料がそろっていた。

第二は終わったが次の特異点である第三特異点も控えている。

主要七つの特異点の内、第一、第二を攻略したがニャルラトホテプの策謀が渦巻いていた。

故にリストに載っている資源に関しては喉から両手が出るほど欲しいのだ。

今やカルデアは人理修復だけではなく。黒幕たる影の策謀にも立ち向かわなければならないゆえにだ。

とまぁやるべきことは何時もと変わらなかったりするのだ。

オルガマリーは一旦仕込みを終えて。

管制室へと向かうのだった。

 

 

 

アマネには容赦だとか躊躇と言う概念が存在しなかった。

 

「今日はマウント取り講座だ、レバーカウンターを防ぐためにまず相手の両手は封じろ」

 

そうって実験台に選ばれたというか本人が志願した為、シグルドが投げ飛ばされマウントを取られる。

両手を封じろと言う通り胴体よりちょい上程度にのしかかり、

伸びた両腕を折りたたんだ脚で両方押さえつける

 

「無論これは体格やパワーが対等条件なのは必須だ。シグルド、君だったらただの人間の私にこうされてもパワーで振り解けるだろう?」

「まぁたしかに」

 

そも英霊と人間ではパワーが違う。

例えるなら手持ち式のピックとパワーショベルの破砕ピックという次元の違いと言えば分かるだろう。

といっても今回は講義である抜け出せないことが前提条件となる。

それはさておいてと組み伏せてからの殴り方をアマネは言いだした。

 

「拳で殴るのが基本だが普通に殴っても良いが、その場合、頭突きによるカウンターで骨を折ることがある、だから額は狙わず、両目や顎を狙って普通に殴る様にではなく、拳を作って金槌を振り下ろす様にな」

 

そうすれば指の骨折を考慮する必要性が無く咄嗟の状況にノーリスクで殴れるという事である。

 

「両目を狙うのは目つぶしは副産物的物でそこからの骨を粉砕しての脳挫傷を狙える。顎狙いの場合は確実に顎を破壊できる、ああだからと言って口は狙うなよ? 抜けたり折れたりしたりする歯が手に突き刺さる可能性があるからな」

 

アマネの説明を聞いて、英霊たちはえげつないという感想文が脳内で一致した。

現代の殺人格闘術はそれだけ古代の物より洗礼され無駄がなく躊躇が無くえげつなくなっていった。

古代の下手に極まった魔法じみた技術より、教え込めさえすれば誰でも行使が可能。かつ性能も古代基準でも一定以上かつ無駄がない。

恐るべきかな現代人と恐れるのは当然の事だった。

だが達哉からすれば新鮮程度である。

兄である克哉に刀や体術が習ったのが彼の基礎の根幹だ。

古代より現代よりなのだから当たり前だろう。

神秘という建前さえなければ現代技術の方が洗練されているのは当たり前だ。

もっとも神秘を纏った現代技術がアマネの理想である。

サーヴァントたちが近代技術を振えばより恐ろしいものになるし。

戦力アップも狙える。

 

「まぁこんな塩梅だ」

 

軽く言うが、成すべきことは難しい。

彼女の技量にはサーヴァントも喉を唸らせる。

本当にそれだけ生まれる時代を間違えたのがこの女と保安部なのだ。

現代最高峰、最強の対魔術、対テロ部隊の異名は伊達ではない。

シグルドから除けつつそう言って、パチパチと拍手が鳴る中で、通信が入る。

それはオルガマリーに入った物と同様の物だった。

伝えるのはダヴィンチという違いはあったが。

 

「今回の鍛錬はこれで切り上げだな。問題が起きたらしい達哉とマシュは管制室に行け。他はレイシフトルームで待機だ」

 

そういうこともあってこの場は解散となった。

 

 

 

 

管制室。そこにはもう見慣れた顔ぶれが勢ぞろいしていた。

ヤルことが微細特異点と同じなのだからそうなのだろう。

だが今回のケースは不明特異点の攻略と言うより。

 

「完全にお手伝いよねこれ」

「フェスの手伝いってなんです?」

「と言うか音楽フェスと言うよりライブだろこれ」

 

今回は戦闘よりもエリザベートの手伝いだ。

フェスと言うよりライブに近い形式出ることがA4紙数枚にわたって書かれている。

ついでにエリザベートの音楽のサンプルCDも付属していた。

それはさておき。

 

「今回の特異点は採取作業と戦闘は無しと、まぁ気楽に行けるか」

「先輩の言う通りですね。お祭り準備と言う作業がありますが。それが終われば私たちも客の方に回れますし」

「マシュ、タツヤ、油断は駄目よ油断は」

 

久々に気が抜けるかもと言う二人の意見をオルガマリーが反対する。

確かに普通ならばお祭り気分で参加できる特異点ではあるが、勘が鋭くなったオルガマリーはどうも嫌な予感がしていた。

 

「事務処理終わったら参加できるとか甘いことは考えない方が良いわ、エリザベートの叫びとリストの資材欄を見れば一目瞭然よ」

 

膨大な報酬+エリザベートの叫びにそんな甘いことになる物かと所長の座に座るオルガマリーは指摘する。

誠意ある報酬には対価としての労働が付属するのは当然の事なのだ。

仕事の早上がりなんてのは夢想と言う諸行無常である。

さらに言えばニャルラトホテプの事もある。

アイツは何処にでもいるのだ。始まりはエリザベートの援軍要請だったかもしれないが。

そこに混ぜ込んでいるとは言い切れないのだ。

と言っても疑えば切りが無いのも事実、気を抜きすぎないように気を張りつつ特異点を進めることにして。

 

「レイシフト前に、今回渡したいものがある」

「これは?」

 

ダヴィンチはそう言ってトランクケースを開き二人にと在る物を渡す。

達哉とオルガマリーに渡されたのは拳銃の様なものと弾倉底からケーブルが伸びて分厚い文庫本サイズのハンディカムCPに繋がれた。

奇妙な拳銃だった。

 

「これはサモライザーという、霊体化の原理で英霊をデータとして圧縮、このハンディカムCPに封じ込めて置いて。必要に応じて出力、召喚できる代物だ。拳銃部分は出力機、こっちは封入機としての役割を持つ。これによって必要な時に英霊を出したり引っ込めたり、必要な数、必要な人員を出すことが可能と言う訳さ」

 

ダヴィンチの説明を信じるのなら実に利便性に優れた代物となる。

今の今までは英霊も直接レイシフトしていたのだから。ある意味大雑把で効率が悪く。

必要場面に応じての展開が叶わなかった。

特に第二特異点なんかがその顕著てきな具体例に準じている。

全員を展開していたばかりに罠にかかった。

第一特異点でも同様である。

故にこれは必要に応じて英霊をその場に呼び出すことがかのうとなる代物である。

 

「もっと早く投入出来ればと良かったんだけれどね。スティーブンの奴、召喚プロセスプログラムの所をブラックボックス化してたから時間が掛かっちゃってね、すまないね所長」

「良いわよ、スティーブンのプログラミングの腕はダヴィンチ以上だったでしょう? それは皆から聞いているから」

「そう言ってくれると助かるよ、あと所長、ちゃんを付けてくれたまえ」

 

そしてサモライザーの説明と言うかセイフティーの説明が、ダヴィンチから説明される。

召喚は登録された。使用者の音声、指紋認証、生体魔力認証を三つ同時にクリアしなければ。サモライザーは起動しない。

偽装を得意とするキャスターが居ることからそういったセキリュリティアライアンスは当たり前で。

それらをパスしたうえで英霊の召喚選択は音声認証で行われるとのことだった。

 

「つまり、名前を叫びながら引き金を引けという事ね」

「戦隊ものの必殺技じゃないか」

「しょうがないだろう、セキリュティの問題とサーヴァントの召喚選択をスムーズにするためには必要な処置だからね」

 

音声認証に関してはセキリュティだけではなく、召喚をスムーズに行う事のついででもある。

さらに此処までセキリュティが強固に組まれているのは。

この三つのロックが無ければだれでも気軽に使えてしまうという事もあるからだ。

誰でも使えるというのは聞こえはいいが。逆に言えば敵にも使えるという事である。

使用制限を掛けてあえて特定個人にしか使えない様にするというのは当たり前のことだ。

 

「さらにスティーブンの遺産でマシュのオルテナウスもパワーアップしたよ」

「え、そうなんですか? 見た目は全く変わっていないようですが・・・」

「ソフトウェアと駆動系を交換したんだ。アイツの遺産結構残っているからねぇ」

「すごい人だったんだなスティーブンって」

 

達哉も瞠目し言葉を漏らす。

達哉の周りではスティーブンという人の名は良く聞く。

オルガマリーの先代であるマリスビリーの右腕にしてキリシュタリアが先生と慕うほどの大天才と。

事実、開発部を統括しつつカルデアの副所長の座に居たのだ。

そういうことはよく聞くが。

同時にそこまでだった、達哉もオルガマリーもスティーブンの事はそこくらいまでの情報しかない。

何故なら、デミサーヴァント計画でスティーブンとマリスビリーが派手にもめてそれ以降半ばスティーブンは計画から外されていたのだ。

 

「カルデアの管制システム 地脈召喚式システム エネルギー分配駆動システムets.ets。全てのプログラムや構造体の設計に関わっている大天才だよ、カルデアという施設を作り上げた大天才さ。私も電子工学分野、プログラム分野では劣っている。それどころか月と鼈だ」

 

特定分野では万能の天才でも手も足も出ない大天才だったという最大の賛辞をダヴィンチは言う。

閑話休題

 

「それはさておいて。まぁマリスビリーとの仲違いして刺し殺されるまでは、隠者みたいに独自開発した物が多々残されているのさ」

 

マリスビリーとの決裂後、隠者の如く多くの装置、装備を独自開発しキリシュタリアに教えを教授しつつ最終的に密室となった自室でめった刺しになって死んでいたという。

一応は迷宮入り、カバーストーリーとして自殺として処理されたものの。

死の真相は謎のままである。

 

「それとサモライザーにオルテナウスの新パーツに解析不能のブラックボックスがある。留意してくれたまえ」

 

そしてここに来て爆弾が投下された。

サモライザーやオルテナウスの新パーツにダヴィンチの腕をもってしても解析不能のブラックボックスが搭載されているというのだ。

 

「ちょ、使ったら爆発とかしないでしょうね!?」

「それはない、ブラックボックス自体がとりあえず乗せているっていう状態なんだ」

「・・・それはどういうことだ?」

「使用に際するシステムや駆動系に一切干渉しない場所にただ置かれている、システム的干渉はあらゆる検証結果無いと判断した。けれど万が一もあり得る。今回の特異点は危険性が薄いから実戦テストにもってこいってわけさ」

「まぁアマラ回廊や微細特異点でテストする気にはなれないけどさぁ」

 

と言う訳で新装備のテストも兼ねて、まんまとリソースにつられてレイシフトすることとなった。

無論、エリザベートの言うことが本当ならば、先に述べた通り達哉、オルガマリー、マシュの精神安定につながるとしての期待もあった。

そういう打算が絡み合い三人は新装備を携え。

チェイテ領へとレイシフトしたのである。

レイシフト先は郊外の森だった。

街中にいきなりレイシフトしては混乱が起きるかもと言う。恒例的配慮に乗る形である。

されど。

 

「・・・ダヴィンチ」

『ちゃんを付けてくれ給えよ所長』

「随分外れた場所じゃない此処」

 

事前的特異点の全景のマップデータはエリザベートから提供されていたが。

転移先が盛大にずれ込み森の奥と相成っていた。

 

『おかしいな・・・機材の不具合?』

『いいえ、技術局長、機材の不具合は確認されていません』

『常時相互監視型の監視プログラムが走っているんです、不具合が出た時点で報告が上がってきます』

『というより、空気中に魔力とは似て非なるパワーリソースを検知、肉体、魔術的臓器に異常はないようですけどなんだこれ?』

『・・・ふむ、おそらくその魔力に似て非なるパワーリソースがレイシフトに干渉したのかなぁ?』

 

盛大に位置ずれしたのは、その謎のパワーリソースのせいであるとダヴィンチは結論付ける。

なにせ皆初めて見た物なのだから。

もっとも主要時間軸ではエリザ粒子と呼ばれる物なのだが。

それはさておき。

 

『まぁそれはさて置いて。採取したリソースはチェイテ城についてからでも送ってくれたまえこちらで解析する』

「了解・・・それとだけどソッチでの探査に映っている?」

『・・・まぁばっちりと、普通の人間的反応だから言わなかったけれど』

「万が一があるかもしれないからね」

 

気配、確かに殺意などはない。

だが明らかにみられているという感覚はあった。

無論、オルガマリーだけではなく、達哉もマシュも既に感付いている。

視線の元へと三人は振り返り各々の武器を使用可能へとしていた

 

「そこにいるやつ出てこい、出てこなければ武力行使する」

 

達哉が孫六の鯉口を切りつつ警告を出す。

一秒か二秒か、視線の主はそそくさと出てきた。

元から抵抗する気が無かったのだろう。

 

「Arr・・・」

 

うめき声の様な美声を上げて出てきたのは足元まで美しい銀細工を彷彿させるような水色の髪の毛が特徴的な美女であった。

だが全裸だった。

 

「「「!?」」」

 

これには三人もショックを隠せない。

行き成り全裸の美女が出てきたら誰だってびっくりする。

エロ同人じゃあるまいしとかおもいながら、達哉は速攻で適当な木々に目線を移した。

じっくり見つめてセクハラ行為&マシュとオルガマリーに殴られたくなかったのだから当たり前の行動である。

 

「マシュ、所長、任せた」

 

そういって一応の事情聴取を二人にぶん投げる。

 

「わ、わかったわ。一応このまま聞くけど、貴方誰」

「ティアrrrr」

「なぜこんなところにいるんの?」

「わarrrrかrrrrrarrrrr」

「所長、この人、上手くしゃべれないみたいですよ」

「・・・でも言いたいことは分かるわ大体だけれどね」

「分かるんですか?」

「聞き取れる言葉とジェスチャーでなんとか。名前はティアまでしか読み取れなかったけれど、時計塔でハイトリップした馬鹿と会話するよりは楽よ」

 

そういうオルガマリーに内心二人は昔から苦労してたんだなこの人と思い。

その言葉を飲み込んだ。実に懸命である。

 

「このまま放っておくわけには行きませんし、体格的にはアマネさんが近いですから、彼女の私服を借りるというのは同でしょう」

「そうねそれが良いわね、カルデア、聞こえる?」

『聞こえているよ』

「アマネに繋いで」

『了解』

『なんだ所長?』

「アンタの私服、貸して頂戴、パンツにブラも」

『それは良いが、何か問題でも?」

「身体障碍者が森にほっぽり出されていたのよ。体格がアンタに近いから、私服を貸して頂戴な」

『了解した。だが碌なものが無いのは覚悟してくれよ』

「そう言えばアンタの私服って趣味の悪いTシャツに普通のデニムだったわね」

 

ハンドメイドで時間が掛かるのは当たり前で、だったら体系の似ているアマネの私服を送ってもらうのは道理ともいえる。

しかし、彼女の私服のシュミはある意味悪い。

日本やらアメリカで買いあさった意味不明な言葉がプリントされているゲテモノTシャツに普通のデニムズボンかジーンズといった組み合わせだ。

シンヨコなんてプリントされているTシャツを身に纏っているのはカルデアでも彼女くらいな物だった。

キリシュタリアが何処で買ったのか自分も欲しいなどと休暇を過ごすアマネに聞いていたのをオルガマリーは見ていたので、アマネと言う存在の服のシュミは理解しているつもりである。

因みにそれ以外は仕事着でコンバットスーツとかそういう類のしか持っていない。

と言うわけで、全裸の彼女の服装は悪くなるのは決まりと言う奴である。

そして送られてきたのは。

右腕袖部分にはQuick表記され、左腕袖部分にはArtsと表記され。

胸部付近にはBursterデカデカと表記された見事なダサTシャツと普通のデニムズボン、そして何故かピンク色のサンダル。

 

『『『ダサ・・・』』』

 

それらを何とか女性に着せて三人の心の声が一致した。

本当にダサいのである。

アマネの私生活は謎に包まれているが、あんまりと言えばあんまりな私服であった。

だが無いものねだりは出来ないのでこのまま四人で、チェイテ城へと向かうことにした。

 

「ここ本当にスロバキアのチェイテ村なのか?」

「先輩、不明特異点は座標こそ一緒ですが、ほぼ無関係の異界に近い構造なんです。ですので現実のチェイテ村とは無関係なんですよ」

「そうなのか」

 

マシュの説明に達哉がうなずく。

不明特異点は一種の現世や人理に影響のない異界に近い特異点形式だ。

テクスチャの上に新しいテクスチャを張りつかせるのではなく浮かせて置くという形式である。

故に形状は当時のチェイテ村をいアレンジした物だが。

実際のスロバキアには何の影響もないと言っても過言ではない。

速い話が現世にちょびっと近づいた異界なのだ。

そんな事を話しながら。チェイテ村に入る。

待ちは祭りの前夜祭と言うことで飾り付けや人や人に害のない異形やらゴーストやらで賑わっていた。

サーヴァントもちらほら見れる。

本当に異界なんだなと達哉が思っていると。

 

「私は悲しい、私の馬鹿さ加減が悲しい」

「何を言いうか、トリスタン卿、馬鹿かげんなら私も大概だぞ~」

 

すっごく酒臭いサーヴァントとすれ違った。

一人は見たことが無い。もう一人はどこかで見たことのある顔だった。

もし長可がこの場に要れば、黒鎧を着こんでいる方をシグルドをぶん殴ったように殴り抜けるような人物なのだが。

生憎と達哉は見たことがある程度。

それも戦場の一瞬程度の話でありそこまでの事だったからスルーする。

酔っ払いに絡んでいる暇もないし。

ついでに言えば、立喰師に絡まれた時のようなことは御免だったからだ。

 

「そう言えば酔っ払いと言えば」

「どうかしたの達哉?」

「いや淳と夜に家を抜け出して遊んでいた時に、司法試験に合格したパオフゥに絡まれたなぁっということを思い出してな」

「ああ、そういえばあの時の彼酷くよっぱらってたわね」

「そりゃ司法試験一発合格だからな・・・ そりゃ酔いたくもなるんじゃないか?」

 

司法試験は難問である。落ちるパーセンテージも高い。

それに一発合格なんてすれば誰だって羽目を外すのは明らかと言う奴だ。

 

「そんなもんなんですかね」

 

マシュが疑問を口にする。カルデアから出たことのない。

義務教育なんかもエスカレーター式のマシュでは絶対に合格しないというそこらへんの機微が分からなかったのだ。

 

「嬉しいものだぞ。望んだ物を手に入れるという高揚感は。俺も七姉妹学園の試験が通った時嬉しかったからな」

 

達哉はそういう。

彼はバイクショップを開くことを夢としていた。

だから都内では進学校として有名な七姉妹学園を合格した時は珍しく舞い上がった物だったから。

パオフゥのアレも今となればよく理解できるのだとマシュに言う。

実際問題一発合格と言う物は嬉しいものだし、目的の物を掴めたら嬉しいものだ。

その言葉にマシュはちょっと考え込みつつ『参考にします』と考える風だった。

全てが終わったらエスカレーター式ではなくなる故にだ。

アニムスフィア家に入ったらそれからは自分で考え自分でつかみ取らなければならないことも多くなる故である。

 

「ちょっと憂鬱なこと言わないでよ。私も人理焼却が終わったら調理師免許取りに行かなきゃならないんだから」

「そう言えばそうでしたね」

「というか、魔術使えば偽造できるんじゃ・・・」

「タツヤ馬鹿言わないで、今どきのCP管理と書類管理を抜けるほど世の中甘くはないのよ」

 

魔術に置いて偽造は今どき出来る物ではない。

コンピューター管理の側面には魔術師は手も足も出せないのだ。

アトラスなら別だろうが時計塔の魔術師では無理筋であり。

現に最近の在野の魔術師の狩り具合の割合が増えているのもそこが原因だ。

最早魔術のみで隠匿できる範囲を技術が飛び越えていったといっても過言ではない。

もう偽造は不可能だ。

それこそ、現実的闇社会の手を借りなくてはならない。

そんな連中の手もコネも欲しいとは思わない。

後ろ暗い付き合いは今で十分であるゆえにだ。

そして城へと到着する。

 

「なんか思っていたのと一緒で反応に逆に困りますね」

「絵本の悪役の城そのまんまだものね」

 

マシュの言葉にオルガマリーが同意する。

チェイテ城は絵本の悪役の城、そのまんまだった。

 

「・・・」

「先輩どうかしましたか?」

「いや、なんかピラミッドと日本式の城がチェイテ城に乗っている白昼夢みたいなのを見たんだ」

「大丈夫ですか? レイシフト酔いか疲労ですよソレ。戻ったら休暇申請した方がいいですよ」

「・・・かもな」

 

ジッポの蓋を鳴らしながら、トンチキ染みた白昼夢を見たと言えばマシュにそう言われ。

そこまで働き詰めってわけでもないと内心思いつつ、一応同意しておく。

そして門番に話しかけて門を通してもらう。

内部の構造は普通の城と言う形で最低下の不審者迎撃用の魔術式トラップ以外は本当にごく普通の城だ。

エントランスを抜けて玉座の間ではなく会議室へと案内される。

今、エリザベート達はそこに全員で集合し会議中とのことだった。

達哉は会議室に行く途中の廊下の窓から中庭を見る。

そこには建築途中であろうライブステージが未完成のままで放置されていた。

脳裏に嫌な予感が過る。

がそれも気のせいだと思いたいと思い込みつつ。

会議室前まで来て扉を開ける。

 

「うぁあああああああ・・・」

「たりない、たりないですぞぉ・・・」

「頭が痒いぃぃいいいいいいいい!」

 

達哉たちは中の惨状を見てそっと扉を閉じた。

 

「Arrrrrrr?」

「ティアは見ない方がいい」

「先輩の言う通りです見ない方が良いかと」

「今更来た事を此処まで後悔するとはね・・・」

 

一番後列にいたティア(暫定)は何かあったのかと言った風情で声を上げたが。

返ってきた声は三人とも此処に来た事を後悔する言葉だった。

室内は深夜テンションでどいつもこいつもおかしくなった奴ばかりだったからである。

誰だって突入なんてしたくない様であるし、面倒事に絡まれたということは明らかだ。

 

「でも帰れないわよねぇ」

「所長の言う通りです、リソースは必須です」

 

カルデアのリソースはカツカツだ。

引き返すという選択は無い、実際某夢魔の支援は主要時間軸とは違いないのだ。

故にリソースは幾らあっても足りないのが現状なわけで。

開発部も頑張っているのだから自分たちも頑張らないと、と、自分たちに発破をかけて会議室に突入した。

因みにティアも行く場所が無い為、流れに身を任せる形で一緒に部屋に入ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

某所、チェイテのどこかにある地下施設。

そこは中世期には似つかわしくない近未来的、つまりは機械的な部屋だった。

様々なカプセルや機器が並び設置され、エリザ粒子をかき集めている。

その部屋の奥の玉座に一人の少女から女性に移り変わるくらいの女性が鎮座していた。

手には聖剣と同レベルの剣。

そして全身を黒甲冑が包み込み顔面もマスクで覆っている物だから女性とは気づけないだろうが。

辛うじてマスク越しの声で女性と気づけるのである。

彼女はコーホと息を立てながらせわしなく動くサーヴァントやら研究員に目を付けていた。

 

「エリザ粒子の鋳造はどうか?」

「はい、陛下、今のところ順調じゃないよ~」

 

そして進展具合を和服と現代服を合わせたかのようなサーヴァント「刑部姫」に問う。

彼女は女性の同士だ。何がとは言わないが。

女性は本来、こういう性格ではない。己が内のシャドウに乗っ取られこういうダースベ●ダーの様な格好をして。

エリザ粒子を使ってある物を作ろうとしている。

 

「やっぱ最大出力で生成するにはフェスを行う必要があるよ、エリザ粒子はエリエリの高ぶりに応じて出力されるからね」

「やはりか」

「霊基統合最適化されてから彼女落ち着いたからね、いいよねホント」

「それはいい、なんとしてもフェスを迅速に行うのだ」

「わかってますよー、そのためにカルデアも巻き込んで作業させる予定だからね」

 

だがエリザ粒子はエリザーベートのテンションで生成されるものだ。

カーミラとの霊基統合により大人になった彼女は落ち着いており精製が芳しくないのは当たり前。

そんな彼女のテンションを上げさせ粒子を大量精製するには大規模な催しが必要になってくる。

だから刑部姫はそうなる様に、チェイテの面々をスパイしつつ誘導したのだ。

人材不足に陥ることも想定済み、故にカルデアの面々に救助要請を出すことも想定済みと言える。

 

「分かっているな、刑部姫よ」

「はいはい~ 全ては我々の人権化のために」

「そして糞運営を黙らせるためにだ」

 

そう全ては自分たちが人権サーヴァントになる為の大戦略だ。

エリザ粒子を使ってのだ。

彼等の策謀はまだカルデアは感付いていない。

ただただ影だけか隅の方で爆笑していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とあるサーヴァントの日記。

 

 

#$月%$日

娘のように思っていた存在は大きく育った。

もう小娘とも呼べぬし、領主としてふさわしい風格を身に着けたと思う。

それに対し私は第一でやらかした身だ。

この罪どう償えば良いのか・・・

 

&#月($日

彼女が第二から帰還した。

酷く憔悴しきった様子だった。

親友の事で何かあったらしい。

しばらく部屋にこもっていった。

 

&%月%#日

音楽フェスを開催すると彼女が言いだした。

フェスとは言ってもプライベートライヴと規模は変わらぬが。

この特異点初めての祭りと言うことで皆の乗り気だ。

サリエリが楽曲や音楽設備関係を、何故かいる黒髭とエリザベートの友人である刑部姫が広報を担当することになった。

私も衣装制作をすることになった。

彼女の歌も上手くなったことだし気合を入れて作ろうと思う。

 

%&月)$日

どうも服の制作が上手く行かない図面を引いても熱を込められない。

第一でのやらかしが精神的に響いているのだろうか?

今日は休もうと思う。

 

&%月=%日

駄目だ駄目だ駄目だダメダ。

図面ヲ引いてもうまく書けない。

何故か露出度重視の衣装になってしまう。

無論彼女にも駄目だしサレた。

月では今の比ではないくらい露出していた奴にイワレタクナイのだが。

とにかく図面を引くことを続行する。

 

$”月$#日

サイキン、これでいいとも思えるようになってきた。

露出こそ心理、ゲンカイギリギリの絶対領域コソ。

男のモトメルモノダト。

違うチガウ チガウ、ワタシの作る衣装は・・・

 

)「月6$日

エロヲツクル、キワドサヲモトメル

チガウチガクナイチガウ。

ああワタシのアタマノナカデナニカが蠢いている

エロをもとめて

 

&%月=#日

どス

 ケべ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アマネの英雄近代化計画。
神秘を身に纏った現代技術程恐ろしいものは無いというのはZEROで散々描写されていましたし。
達哉やマシュ、所長も現代技術を身に着ければ神秘部分はペルソナやデミサバで埋めれるので恐ろしい使い手となるでしょうからね


と言う訳で始まりましたチェイテイベ。
東京特異点の方は邪ンヌが単独で大暴れして上手く定着できないためこんな感じ。
第四終了まで関わる事もないでしょう。

ティア(一体なに地母神なんだ・・・)も参加します。
黒髭も第三に向けて先行参加。フェスイベ何でこいつが居ないと始まらないと思うので出しました。

ニャル「一人は嫌なんだろう? 人権鯖になりたいのだろう?(誰だかんと誰だかさんを煽る)」
マーラ様「デュフフフ(誰だかさんの頭の中でうごめきながら)」

ニャルは厄介事放り込むだけ放り込んで導火線に火をつけて静観。
マーラ様は出番が来るまで全力待機中

サモライザーについて、言わずもかな悪魔召喚プログラムの改変版です。
ついでにスティーブンは死んでません、型月世界に彼を殺せる人物なんていないですからね。
メガテン世界にも同様です。メガテン主人公四人と戦って生き残っているんですもの。
格が違います。
と言う訳で彼も、どちらかと言えばニャル側、必要最低限の事をしたので死を偽装して退場。
今、閣下とか四文字とかと酒飲みつつ観戦モードと言うのが真相です。
あとメガテンファンの自分としてなら出したかったCONPやデビライザーの亜種であるサモライザーです。
これで適切にキャラを戦線投入や撤退できる便利な代物ですので。
大勢のキャラを回すFGOと言う特性上、どうしても出したかった便利アイテムです。
なおスティーブンが某七大兵器レベル物の厄ネタをブラックボックス搭載している物用。
もっとも通常仕様には干渉しない代物だからそのまんまでは現状使用できないですけどね(できるかもわからぬ第二部向けの伏線)



そして作者の近況ですが準社員として(正社員昇格あり)元の手に付いた仕事に戻ることに成功し増しましたが。
やはり一年と半年のブランクはきついです。
昔なら汗もかかずに余裕ぶっこいて出来た仕事がひぃひぃですわ。
そう言う訳で休日のみ執筆となるので遅くなりますのでご了承ください。

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