Fate/Grand Order たっちゃんがグランドオーダーに挑むようです   作:這い寄る影

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えーい、もうわかんねぇから、てきとうでいいか!!

ピューと吹く!ジャガーより抜粋


05 開演に向けての一週間

さて良いことがあれば悪いことも世の中重なると言う物だった。

皆でほろ酔い気分になって解散とはいかなかった。

 

「実は」

「帰るところが」

「「ないのです」」

 

ランスロット&トリスタン、はぐれサーヴァントとして帰る場所がなく。

仕方がなくだが合流させることにした。

トリスタンは音楽関係にも精通している、最も琴だから音程調律などの機材回り担当となった。

ランスロットもそつなくこなせる男である、伊達にアーサー王伝説最強格の騎士にしてプレイボーイではないのだ。

平時にもてるだけの真摯さがあるし、故にそつなくこなせる。

そして全員が城に帰ったわけだが。

 

「へぇじゃあなに? 私達が苦労してエリザベートのレッスンを強行させている時にアンタらは楽しく飲んでいたわけだ―――――――――――――。 ふざけんな!! バカヤロウ!! コノヤロウyつjykytktgしくkyなんかなjdhrfjk。lhcきlであってhbヴlkyych;lなんうktyくjl。いjぃ;おういお;c!!」

((((((アカン))))))

 

帰って来て待ち構えていたのはオルガマリーだった。

負のオーラマシマシと言う奴である。ちなみに両目の焦点が合っておらず、罵倒も聞き取れないレベルで無茶苦茶になっていた。

言語崩壊レベルはティアですら分からない異界の物となっている。

これには痴情心MAXのマシュも我に返るほどだった。

つまるところ、キリシュタリア&ムニエル、ボーボボ全巻殴打事件と同じ時と同じ切れ方をしていた。

しかも今彼女が手に持っているのは対サーヴァント及び魔術師様に魔改造されたガリルエース52である。

あの時よりも拙いのは銃を握りしめているいるということだ

 

「それに仕事サボって飲みに行って下半身が本体なサーヴァント連れてきてるっていうのはどういうことだ? このヤロウ!?」

「ガハ!?」

「達哉ァ――――――!?」

 

達哉の頬をオルガマリーはガリルエース52の銃床で殴打。

普通の人間なら歯が折れるし、顎も骨折か粉砕だ。

レベル差もあろうが、物理無効ペルソナを装備していた為、ほぼ無傷で済んだが吹っ飛ばされ、克哉が悲鳴を上げる。

 

「やめないか!! 所長!! これ以上は君の乙女の尊厳にかかわる!!」

「うるせい!! このヤロウ!! gjつyぉいくっよ;いおうyちぅこjp::¥k!! つぅーか、腕が胸にあたってんだよ!!」

「グフォ!?」

 

そしていつの間にやら呼び出されていたエミヤが所長を羽交い絞めにして止めるが。

その肘が所長の前張りだけの御胸に直撃、結果やわっこい感触を感じた刹那にセクハラ認定され。

ペルソナまで使われ強引に払われ。ストックでぶん殴られ吹っ飛ばされた。

ペルソナ使いがガチキレで見境なく暴れまわっているのである。

達哉が暴走するよりよりはマシだろうが、レベルが60後半台のオルガマリーは今や普通の英霊にも匹敵しつつある。

少なくともマリー・アントワネットでは手が付けられず、筋力の低く日ごろの訓練で手札を知られているエミヤでは止めようがない。

そもそも此処まで切れているのは珍しかったりする。

カルデア時代は、まぁヒステリックに鬱方面に切れることは多々あったが。

こうも直情的に切れたのは先ほども言った通りボーボボの件くらいな物だが。

今回は様々な要因が重なった。第一での人材損耗の責任、第二で親友を見捨てたという負の感情。そして達哉やマシュに縋りついて何とか自己を保つという後ろめたさ。

これで一杯一杯だったというのに。

追撃でトンチンカンなマーラヴラドによるドスケベ衣装強制装着である。

そこでついに暴発したのだ。

マシュも同様ではあるが先にオルガマリーが切れたのでかえって冷静になれたのである。

 

「ど、どうしましょう?」

「マシュ、全員で取り押さえるしかない」

 

マシュの言葉に頬を摩りながら達哉が立ち上がりつつ言う。

オルガマリーの理性は焼き切れている、これでは言葉を話す以前の問題だ。

彼女を無傷で鎮圧する。

個別に行けば上記の通りだ。ならば数の暴力で取り押さえるのが最善手であると述べる。

故に全員で行くしかないと達哉は言うが、それを右手で克哉が制止した。

 

「僕と達哉でどうにかしよう」

「できるの?」

「ああ、出来るとも。達哉、もし彼女がペルソナを出して来たらノヴァサイザーでペルソナを止めてくれ。あとは僕がどうにかしよう」

「了解」

 

克哉は自分と達哉でどうにかできるという。

エリザベートの心配をよそに、達哉は克哉のヒューペリオンの固有スキルの事を思い出す。

確かに通常戦闘では使いにくいが。

相手の命を奪わない制圧戦では優秀なスキルだからだ。

それを思い出し、達哉は克哉の言葉に了承する。

 

「やるかゴルァ!! シュレディン「ノヴァサイザー」

 

オルガマリーが叫びヴォイドザッパーを宿したシュレディンガーを呼び出すと同時に無慈悲なノヴァサイザーによってアポロでシュレディンガーを拘束。

そして背後から足払いを決めてオルガマリーを仰向けに倒すと同時に。

 

「ジャスティスショット!!」

 

ヒューペリオンの固有スキルを叩き込む。

ジャスティスショットは相手を瀕死にするスキルだ、ダメージが超過しても必ず相手を瀕死にする。

いわば絶対相手を非殺傷で鎮圧できるスキルと言っても過言ではない。

質量の大きい相手には無意味だが。

この場合同じペルソナ使いということとLv差も相まって確実に鎮圧できるのだ。

 

「グフォ!?」

 

オルガマリーが呻き声を上げて口から泡吹きつつ白目になって倒れて鎮圧完了。

 

「一応医務室に運びなさい」

 

エリザベートがそれを見届け配下の騎士に溜息交じりに命令を出して搬送させた。

 

「よほど来ているみたいだな」

「そりゃ、兄さん、特殊性癖者でもないとあの格好は堪えるって」

「わかっている。マシュくん、君は大丈夫かね?」

「現在進行形で超絶恥ずかしいですが、ああも怒っている所長を見たら、一周回って逆に冷静になりましたよ」

「それならそれで何より」

 

もう状況的に溜息しか出ない。

今日はとにかく解散となったのだが。

 

「マシュ殿」

「? なんです?」

 

ランスロットがマシュに声をかけた。

またセクハラまがいのナンパかと誰もが思ったが。

ランスロットの難問を前にした学生のような表情がそれはちがうと告げている?

 

「どこかで会ったことがありますか?」

「いえないですね」

「そうですか・・・うーむ」

「どうかしましたか?」

「いえ以前に一度会ったことがあるような気もすれば無いような気もするという、アナタを見ているとそういう不思議な気持ちにさせられるものでして」

「そうですか」

 

ランスロットは不思議な気持ちを味わっていった。

出会っていない感覚と出会っていた感覚。両方味わうことになるとは思っていなかったのである。

そう言われても当のマシュは困惑気味に生返事を返すことしかできないわけで。

 

「まぁそれはそれとして。マシュ殿、その衣装、良く似「フン!!」ボヘミア!?」

 

そしてそれはそれとして、衣装がよく似合っているとランスロットが余計な一言を言おうとした瞬間。

書文とアマネ仕込みの死角に入り込む歩法からのそれはもう見事な、書文が見ていれば「技一つ仕上がったか!!」と驚嘆するでき前の崩拳を瞬時に叩き込み。

ランスロットを吹っ飛ばし壁にめり込ませた。

エリザ粒子というギャグ補正が無ければ退場物の威力である。

 

「私も人の事言えた義理ではありませんが。ランスロット卿、一言多すぎますよ」

 

ポロロン♪と自らの琴兼弓を弾きながらトリスタンはボヤいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして次の日から皆での大仕事が始まる。

まずセッションでのすり合わせだった。

これが思いのほか問題だったのである。

 

「――――――――♪」

 

例えばそう、幾らサーヴァント補正があり生前より強化されているエリザベートであるが。

その才能は本物だった。

一億人に一人とされる声質、運動選手並みの肺気量、古典音楽家並の絶対音感。

個々にすれば誰かは持っている、されどすべてを持っている人物は歴史においても数えるほどしかいない。

いや加護有りとかの話になれば数十人とか種族違いとなれば別の話だが。

現状、人類の究極系に指を掛けているのが彼女である。

そんな彼女が歌下手と言うのは心理的問題と歌唱表現の問題。

いくら優れた物をもってい居ても使い方を間違ったんじゃ話にならんと言う話である。

所謂、野球の技術をサッカーで使っているような物であった。

あと心理的問題も絡んでくる。

歌も芸術の一つ、自分自身を出しつつも他者へと共感させる術を持っておらず持とうともしなかった。

さらに言えばストレスによるストレス解消のカラオケボックスで酔っぱらって歌うが如き痴歌をすばらしいと思い込んでいた美的センスのズレも致命的だった。

だから巧いのに下手という拗れた物になっていたのである。

だが今は違う。霊基統合を果たし、己を受け入れたことによって。前述の才能をいかんなく発揮できるようになってきたのである。

さらにそこに熟練の歌唱技術も身に付けようとしている。

確かに才能と言う点ではサリエリは天才アマデウスには勝てないが。教育者としての軍配はサリエリの方に軍配が上がる。

つまりサリエリというアマデウスの天才とも呼べる曲を余すことなく伝えることのできる教育者の手によって彼女は飛躍したのだ。

逆に言えば伴奏担当を行う者たちにとっては堪った物ではない。

天才を知り尽くし天才が何たるかを知るサリエリなら兎にも角にも、趣味の範疇&今始めたばっかの連中が彼女の歌についていくのは苦痛の伴う作業だった。

 

「はい。駄目ですね」

 

外野としてサブ教導員として付いていたトリスタンが待ったをかける。

達哉と克哉、さらにはクーフーリンにティア、謎のヒロインXオルタが付いていけず不協和音になる寸前で中断を掛ける。

達哉も克哉も息が荒い、指先がしびれる。

 

「あれ? また音痴になってった?」

「いえ、エリザベート殿には問題がありませんよ。克哉と達哉に問題が起きましてね」

「「つ、着いていけない・・・」」

「もうそろそろセッションも20曲目です、少し休憩を挟みましょう」

 

そうかれこれ20曲をセッションしてきたのだ。

達哉も克哉もその道に対しては凡人である趣味の範疇でよくこうプロ集団についてきたものがあるし。

ティアも謎のヒロインXオルタも光るものはあるが、まだ素人も良い所、故によくついてこれる。

サリエリは本職だ。かの天才アマデウスとかち合っている別種の天才であるし熟練の技術がありついていけている。

そしてクーフーリン、お前は何なんだと全員が言いたくなる物だった。

そりゃもう全員が一定の努力をしている中、半日でジョン・ボーナムの技まで披露し始めた。

本当にケルト版ヘラクレスは才能お化けである。

現代音楽に半日で追いつきつつあった。

もっとも本人からすれば「俺ァまだ。ジョン・ボーナムにおよばねぇよ」とのこと。

半日で世界の天才ドラマーの一角に追いつける方が怖いまであるのだが。

そこらへんズレているなと思う次第であった。

これが一日目の出来事である。

 

 

二日目。

ダンスレッスンである。

達哉はトリスタンとサリエリ監修の元ギター練習、ティアはバックコーラス後に合流予定ではあるが克哉と謎のヒロインXオルタはは単独で銀河人権帝国の調査で居ない。

そして別室にてパフォーマンス練習をしているのである。

そのパフォーマンスレッスンが苛烈を極めていた。

 

「1、2、3、ターン、1、2、3、ポージング、一拍遅い!! 最初からもう一度!!」

 

宗矩の失喝が檄となって飛ぶ。

曲を歌いながらダンスパフォーマンスは呼吸のタイミングが難しく。

どうしても一泊遅れてしまう。

スッ転んだエリザベートは文句を言わず立ち上がり。

宗矩は曲をリセットし最初からまず自分が手本となって教え。

次にエリザベートが実践する形となっていた。

宗矩は完璧に歌って踊りながらをこなしていた。

歌のLvはエリザベートよりも段違いに低いが。それでもそれは才能と鍛錬の差である。

負荷は同等なのだ。

それでいてダンスのキレはエリザベートよりニ、三枚上を行くのだからエリザベートも文句は言えない。

上は上で学ぶことがあるのならグチグチ文句を垂れているより。

相手の技術を吸収するのが先であるとエリザベートは思うがゆえに文句は言わない。

 

「はい! コーチ」

「その息だ。では行きますぞ」

 

曲がスタートして。

ぶっ倒れるまで。その日は踊り謡い続けた。

 

 

三日目

ようやくオルガマリーが目を覚ましたという。

ジャスティスショットの影響と言うよりは精神的疲労の方が原因だった。

まぁ色々あったのだからしょうがない、ネロの事もあるその上でこれだ。

誰だって顔面崩壊&語彙力崩壊は当然と言える。

そりゃそうだ。達哉はそもストレスに対する容量が大きいから大丈夫だが、こればかりは経験の差であり。

マシュはストレス容量は低いが、オルガマリーの醜態を見て正気に戻っている。

逆に言えばそれほど凄まじい爆発だったわけで。

 

「ごめん・・・達哉」

「いや、俺は気にしてないよ、あーその、なんだ。誰だってそういう格好を強制されればそうなるだろうしな」

「うん・・・」

 

達哉のフォローにそう言ってしょぼくれるオルガマリー。

まぁ仕方が無いだろう、下手すりゃけが人どころか死人が出ていてもおかしくはない錯乱ぶりだったのだから。

銃床で殴られたのが物理無効ペルソナ持ちでよかったと言える。

にしても目に毒だと達哉は内心嘆いた。

相棒の二人、つまりマシュとオルガマリーは抜群にスタイルが良い。

そんな二人が前張り状の痴女服を着ているのは実に性欲を持て余す。

 

「マシュも大丈夫か? 男の俺に何処まで出来るかどうかは分からないが二人とも相談に乗れることがあるなら乗るが・・・」

「「それはいいです」」

「まぁそうなるか」

「いえ頼りになるかという問題ではなくてですね、ねぇ? 所長」

「マシュの言う通りよ、恥ずかしいのよアンタ以外にに今の格好みられるのが・・・って何っているのよ私!? ねぇマシュもそうでしょう?」

「錯乱して私に飛び火させないでくださいよ!!、そりゃまぁ・・・先輩以外にはゴニョゴニョ」

「二人とも、そりゃどういうことだ?」

「「・・・」」

「おいどうした?」

「まだ分からいけど」

「そうですわからですけど」

「「この鈍感」」

「なんでさ!?」

 

達哉になら大丈夫と言う精神状態が分からないというより若干目を背けている二人にこの気持ちは分からない。

達哉も困惑した表情で返す、なぜ自分なら大丈夫なのかと。

それに対しての答えがまだ自分の心を分かっていない二人の鈍感返しとお決まりのなんでさと言う奴である。

言っては悪いが三人ともまともな色恋沙汰を経験していないのである。

自分に対しても相手に対しても鈍感ならざるのは無理からぬことであろう。

良くも悪くもある種のそういった類のまともな青春をいないがゆえに鈍感なのだ。

その後はぷりぷりと怒ったオルガマリーとマシュに引き摺られて、ポエナリ城部の攻略に付き合わされる達哉の姿があったとか。

 

 

 

 

四日目

エリザベートのテンションと緊張感は最高潮に達しつつあった。

宗矩も納得のいくパフォーマンスである、達哉と克哉のギターとベースも形となった。

これには理由があって、スパルタをしなければエリザベートについていけないと二人が判断したからである。

故に要望に応えて、サリエリとトリスタンは二人に追い込みをかけた。

何十回というセッションでようやく形になった様である。

一方の謎のヒロインXオルタはかまってもらえず単独調査で臍を曲げて。

オルガマリーとマシュ率いるサーヴァントたちはポエナリ城の攻略を進めていた。

マーラヴラドに取り込まれた兵士たちはスケベ発言とセクハラ発言&セクハラ行動をとりまくり彼女たちの神経を逆なでしたのだ。

故に顕現するのは焦土地獄真っ青な鉄火場である。

オルガマリー率いるポエナリ城攻略勢は、最新鋭の重火器と己のペルソナを駆使して。マシュは盾と八極拳に装備されたハンドアックスを駆使して敵陣を突破していた。

途中、サーヴァントクラスの敵が出てきたが無視してひねりつぶして進む。

セクハラに加担する連中に躊躇の躊の字なんてものを彼女たちは持ち合わせていなかったからだ。

だがエリザ粒子に生成はある意味順調であり、あとはリハーサルでも行えば最後の扉を突破できるところまでは来たのである。

というわけで飲み会だった。一息吐こうというわけである

会場は以前に達哉たちが利用した酒場である。

 

「そういえば」

 

達哉が思い出したかのようにブラントンのブラックが入ったグラスを傾けながら克哉に問う。

 

「兄さん、舞耶ねぇとの仲は進展したのか?」

「ブフォ!?」

 

達哉が気になっていたのは兄と舞耶の中の進展具合だった。

克哉も舞耶を好いていたはずである。

というわけで自分がいなくなった後が気になっていた。

もう一人の達哉、克哉の住む世界の達哉はグレていたし杏奈と付き合っていたことは憑依していた影響で分かっている。

自分もある程度、舞耶への思いは決着をつけつつあるし。

兄なら舞耶を幸せにできると思っている。

舞耶なら兄を幸せにできると思っている。

故に不詳の弟としては兄と姉のような存在がきちんとお付き合いできているのか気になるわけで聞いてみた。

反応は酒を吹き出しそうになる克哉で大体察した。

 

「まさか・・・そんなに進んでいないのか? 兄さん」

「・・・仕事がすごく忙しくてな互いに、あの事件以降オカルト事件も増えて対処することも多いんだ。この前なんかパオフゥの持ってきた仕事のおかげで余計な・・・仕事で顔合わせることは多いけれども、ああだがしかしだな、食事に誘ったり、こう何度かデートはしてるんだぞ本当だぞ!!」

「もう告白してしまいなよ、兄さん」

「お前もこちら側の達哉やら同僚やらパオフゥたちと同じ反応するんだな」

 

どうやらもう結婚してしまえと克哉の世界の達哉にもせっつかれているらしい。

あー片から見ると甘ったるくてもどかしい奴だなというのがこの場にいる全員の反応だった。

まどっろこしいのは兄弟一緒かと無意識にオルガマリーとマシュは思う。

それ以上に意外な反応をしていたのはなぜかついてきた謎のヒロインXオルタだった。

克哉に意中の相手がいると聞いて硬直し、イチゴタルトを皿の上に落してしまった。

 

「えっ克哉さんってお付き合いしている女性がいるのですか?」

 

そのまま呆然とつぶやくように言う。

克哉は若干赤面しつつサングラス眼鏡の位置を修正し。

 

「まぁいるよ・・・それがどうかしたのかい?」

「いやいやそれはないでしょう、克哉・・・」

「???なにが??」

「マジですか・・・気づいてませんよ」

 

それはないだろうとランスロットが突っ込むがどこ吹く風で返される。

それにトリスタンはドン引きした。

鈍いってレベルじゃねぇ―ぞという話である。

 

(えっちゃんには悪いが、兄さんは舞耶ねぇに首ったけなんだ)

 

達哉はフォローすべく、レイライン回線を克哉と謎のヒロインXオルタ以外にONにしてそういう。

二人を除いたのは二人が混乱するためと判断したからだ。

こういうのは周りがひっそりとフォローするしかない。

 

(ああなるほどそういうわけですか)

 

付き合っている女性に首ったけで気づけていないようだというだけの話。

鈍いというわけではないのだ。

トリスタンも似たようなことで破滅している。

最も克哉はそんなタマじゃないから。

だがフォローは必要だ。

はっきり言って謎のヒロインXオルタは克哉に脳が焼かれている。

そりゃ生まれが生まれだしある意味多感だ。

そんな少女に克哉というスパダリを与えればどうなるかは上記に述べた通り。

友情だの信愛だのは謎のヒロインXから謎のヒロインXオルタは学んだが。

自己を確立させ生きるすべを教えたのは克哉だ。

故に好意を抱くの必然である。

 

(まずいな、フォローを入れないと克哉殿が・・・)

(いやそこまではさすがにないんじゃ)

(いいえ達哉、それは甘々です、私は私で刺されましたが納得はしているのです、そういうことをしてしまった自覚が・・・ですが天然誑し&身持ちが固い克哉殿に気づけというほうが無理なのです)

 

トリスタンが早急にフォローを入れなければと述べるのに対し、達哉は暢気染みたことをいうが。

当のトリスタンが否定する。

それは彼の最後に由来することからくる経験則だった。

気づかねば痴情のもつれで刺される。

あの時のトリスタンは何もかもを受け入れた。

そりゃそうなるだろうと思ったからだ。

だが克哉は違う、お付き合いしている女性がおり首ったけだ。

加えて公僕ということから。年下の謎のヒロインXオルタを自分の倫理的に女性としてみていない。

せいぜいが手のかかる血のつながっていない妹くらいなものだろう。

謎のヒロインのクローン=アルトリアのクローンだ。

しかもモードレッドとは違い超未来技術で作らており精度はモードレッドより上である。

下手すればアルトリア固有の重い愛も継承している可能性が高い。

それが転じてヤンデレになるなんてことも十分あり得るのだ。

 

(ですが・・・克哉さんにそれを気づかせるのは酷では?)

 

マシュはオレンジジュースを飲みつつそれは酷と言うものではといった。

そりゃそうだ。天然入っている克哉にそれを告げたところで事態の悪化は見えている。

 

(クーフーリン、アンタなんか気の利いた袖の振り方教えなさいよ)

(嬢ちゃん、あのな俺の時代と婚姻事情ちげぇだろ・・・)

 

オルガマリーがクーフーリンに助けを求めるが。

そんな気の利いたことを言える女性履歴ではなく、ほしい女は口説き落としたし、そのために無茶もやった。

それにクーフーリンの時代は一夫多妻制が王族の間では当たり前の時代だった。

出産確立および出産の安全性を考慮しての事である、死産なんてのも珍しくない時代だ。

というわけでクーフーリンにもできないことはあるというわけである。

ちなみにシグルドは何も言えない、媚薬を仕込まれブリュンヒルデに最後の最後まで気づけなかったから当たり前である。

兄の女性関係に意外な人物が名乗り出て、どうすんだよといった空気だったが。

 

「すいません!! イチゴケーキワンホール!! チョコレートケーキワンホール!! カルーアミルクジョッキで2!! お願いします」

 

だが謎のヒロインXオルタは聡明な少女だった。

淡い期待を寄せつつも。どこかで彼には慕う女性がいることは会話の端々でやんわりとは思っていたわけで。

伊達に一年のバティ生活を送って気わけではないのだ。当たり前である。

しかしやはり改めて突き付けられるとキツイものがあるのだから。

やけ食いに走ろうというものだ。

 

(今です!! 全力で乗っかって場を流すのです!!)

(いやトリスタン、それって状況をうやむやにしただけじゃ・・・)

(いえ違います、オルガマリー、こういう時はかえって勢い任せに有耶無耶にしておくのが吉、あとは落ち着くところに落ち着くでしょう)

(ええ~本当?)

(本当ですとも!! このトリスタンのいうことが信じられませんか)

(オメー自分の過去の言動振り返ってみろよ)

(グフォ・・・それは効くのでやめていただきたい)

 

勢いで場を流せというトリスタンの助言にオルガマリーが胡散臭そうに返して。

それに信じられないかとトリスタンが言うがクーフーリンから致命傷の一撃をもらい悶絶する。

そして面倒ごとが重なり続けたがゆえにもうどうにでもなれ―という空気が蔓延。

場は一気に宴会のごとき無礼講の場となった。

故に次の日の朝、全員重度の二日酔いになり、第二特異点でも使われた軍用のアルコール分解材が支給され。

全員、ロマニからのありがたい説教が飛ぶことになった。

 

 

 

 

5日目

朝から早々、アルコール分解材を入れてロマニに説教された一行であったが。

 

「なんで地下がウィザードリィみたいになってんですか」

 

達哉、マシュ、オルガマリーは克哉&謎のヒロインXオルタに付き添って銀河人権帝国の拠点があると思われる、チェイテ城地下に来ていた。

そして状況はマシュが言った通り地下迷宮化しているのである。

エリザベートがここの領主になってから、拷問やら監禁部屋であふれかえっていた地下は。

酒などを置くセラーに改造したとのことだが。

そんなセラー室から一気にエリザベートの気づかぬ間に地下迷宮へと変貌していたのだ。

ここ最近忙しかったということやエリザベートが健康に気を使って酒を控えていたことがあだとなり誰も気づけないでいた。

結果、克哉たちが気づくまで地下部屋が大迷宮に変貌しているなんて思ってもいなかったのがエリザベートの本音である。

当う言うわけで当初は克哉と謎のヒロインXオルタで探索していたのだが。

下に降りるごとに迷宮が広大かつえぐいトラップやサーヴァントユニヴァースから持ち込まれたと思われる魔獣やらなんやらが跋扈し始め。

挙句、悪魔まで出現する始末となった。

 

「ウィザードリィってマシュ、随分ハードコアなゲームやってるのね」

「暇つぶしにとムニエルさんからの差し入れです」

 

リペアラーを連射しマシュの盾に隠れながら随分ハードコアなゲームをやっているもんだとオルガマリーがごちる。

無論マシュが自分で購入したわけではなく、ムニエルからの差し入れというやつだった。

 

「もっとも、最初に手を付けて理不尽さであきらめてからやってませんけどね!!」

 

迫りくるリザードを盾ではじき返しつつそういう。

ウィザードリィは初心者向けのゲームではない。

案の定始めて速攻でコントローラーを投げたのはマシュだけの秘密である。

そんなこんなで地下迷宮を進んでいく五人だが。

途中で物資や自分たちの精神力も底をつきそうだったので途中で引き上げることにした。

 

「いやぁ、見事に引っ掛かって草」

 

その様子を迷宮の各所に配置していたカメラを通して自室で見ていた刑部姫はそういって笑う。

もとよりそういう類の妖怪だ。

迷宮を作るなんざ朝飯前。

確かに自分たちの拠点へと通じているが、通じているだけではないのである。

いわば最深部にあるのは人が通れぬ、小窓だけ。

その小窓こそ釣り餌なのだ。

これほどの迷宮だ、克哉たちはサーヴァントユニヴァース製の探査機器を使っているに違いない。

だからこそ小窓を通路と勘違いして地下迷宮の探索に赴くことは読めていた。

だが本命は刑部姫の部屋に隠された転移装置のみがただ唯一の正規通路だ。

それを隠すために大迷宮なんてものを仕込んだのだ。

 

「エリザ粒子の生成も予定通り・・・まぁマーラヴラドとか予想外ですけどね」

 

エリザ粒子の生成も順調だ。

故に事が終わる頃には事が成っていることだろうと刑部姫はほくそ笑んだ。

 

 

 

 

6日目

ステージ完成である。

というわけでステージの音響、照明、強度の調整と確認のために軽く流す形でリハーサルと相成った。

これにはカルデアも協力し、ステージ全体につけられたセンサや遠隔機器類でサポートと監視を行うのである。

本番のリハーサルは明日となる。

 

「うん各種問題なし」

 

音楽に強いカルデアのミックは一連の作業を見届けため息つきながらヘッドフォンを外し眉間をもんだ。

ステージ強度。照明の強さ、回転。

音楽回りの音質と音量共に問題なし。

向こうからはパフォーマンスも一定以上に仕上がっていると宗矩とサリエリから太鼓判を押されている。

 

「お疲れ様」

「ありがとうございます、医療主任」

 

ロマニがミックをねぎらいつつ、コーヒーを差し出し。

それに礼を言ってミックはコーヒーカップを受け取る。

流しとはいえ、細部チェック作業だ。嫌でも気をもむというものである。

 

「いよいよ明日のリハーサルを挟んで明後日が本番か」

「どうしました、医療主任、心配事でも?」

「ほら克哉君のいう銀河人権帝国に動きがないのと。明日はリハーサル終わったらエリザ粒子の生成量が予定通りにいけば・・・マーラヴラドとの決戦だ。心配にもなるよ」

 

ロマニが心配していたのはそこだった。

明日のリハーサルが終わりエリザ粒子が予定通り生成されれば戦うマーラヴラドの事だった。

 

「相手はそりゃセクハラ野郎だけども、腐ってもインド神話およびブッタに試練を投げつけた正真正銘の大魔王なんだよ? 核が標準クラスのインド系列の神ってだけでそりゃ心配にもなるさ」

 

マーラの出展はブッタ関係ではあるがインド神話のカーマとも紐付けられておりインド神話の神ともされている。

明らかに達哉の世界から来訪している節があるりこちら側とは別存在かもしれないうえに。

今はヴラドを乗っ取りサーヴァント体に零落しているとはいえ、決して油断できる相手ではないのだ。

いくら達哉にクーフーリン、シグルドにランスロットとはいえ、腐っても神格レベルの相手と戦うのは心配が先に来るというものである。

 

「でも一応所長たちがゴキブリ退治みたいな感じで撃退してましたよね?」

「あれ下位分霊でもなかったらしいから・・・今回は少なくとも中級分霊クラスがとりついていると見たほうがいい・・・ってアマネが戦力分析してたよ」

「まぁあの人が言うならそうなんでしょうね」

 

アマネはその道のプロフェッショナルである。

古代に生まれていれば全員が名を残す英雄になれたといわれるカルデア保安部の長だ。

その彼女の分析だ。悪い方向に外れたことはないのだ。

そして運命の七日目。

リハーサルは滞りなく行われた。

まだ銀河人権帝国という不穏分子の存在はあるが目下の問題であるマーラヴラドの掃討作戦が実行されようとされていた。

 

 

 

 

 

 

 

 




マシュがランスロットに対する態度、ランスロットがマシュに対する態度が原作と違うのは第三で判明します。
ペルソナが絡んだからこその差異って奴ですね。
どこかの誰かさんが余計な事したせいとも言う。

あと今回キャラ崩壊が著しいマシュと所長ですが。
着ているものが水着の方がましという代物なんで、まぁ痴情心が限界にきて切羽詰まってます。
つまりマシュは兎にも角にも所長がぺこらを罵倒している邪神ちゃんLvで顔面崩壊&語彙力崩壊しているのはこれが原因。

ジャスティスショット
ヒューペリオンの固有スキル銃撃属性でダメージを与え、確率で相手のライフを一とする。
さらに本作ではダメージが超過した場合でもライフを一にするという効果を追加
達哉が時止めによる攻撃特化なら、克哉は相手を生かして鎮圧することに特化している。
ただしBOSSキャラとかにはダメージを与えるスキルとしか機能しない。

あとえっちゃんにかっちゃんという年上のスパダリを与えればこうもなろう!!(鉄仮面並感)
飛ばされてからえっちゃんとかっちゃんは一年はかっちゃんの体感時間的に過ごしてますんで、こうもなろうというものです。
なおかっちゃんがこん睡状態のP2罰世界線では一年もたっていなかったりする。
飛ばされた世界戦軸の時間のずれというやつですね、はい。
あと大迷宮ですが作ったのは謎の誰かさんです。
悪魔まで出ているのはマーラ様の影響ですね。

では次回はマーラヴラド戦&フェス挟んでからの銀河人権帝国の逆襲をお送りします。

イベ特異点ですからサクサク行きたい。

と言ってもうつ病が悪化しているので今年度中の更新はないかもしれません。
気分転換で外伝やら番外編やらはpixivのほうに投稿するかもしれませんが。
まぁ遅れるのでご了承ください。





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