Fate/Grand Order たっちゃんがグランドオーダーに挑むようです 作:這い寄る影
異世界おじさんより抜粋
フェス開幕まで十分を切っていた。
会場の熱気は最高潮にまで達しつつある。
エリザベート主催というのに動画で彼女の歌がうまくなっていればそうもなろうものだ。
達哉たちも楽器の点検を念入りに行い、エミヤやシグルドたちも各所に配置済み。
「ガチガチガチガチガチガチガチ」
「「「「「「」」」」」」
なのだがエグイくらいにエリザベートが緊張していた。
考えてみればわかることで霊基統合前は良くも悪くもノー天気だったが。
自分を見直し霊基統合が完了したということで自分を見直せる機会ができたわけで。
それで過去の自分を直視すれば如何に恥ずかしい行為をしており。
今日この時、自分はうまくできるかという反応になるわけだ。
要するに過去の所業を見返したことによってひどく緊張しているというわけである。
今なら彼女の口に胡桃を放り込めば、3秒ほどで荒粉に精製してくれるくらいには彼女は緊張で歯を鳴らしていた。
まずい兆候である。
これから本番だというのにこれでは無理である。
「ど、どうすんのさ!?」
刑部姫が焦ったように言う、当たり前であるこのままではフェスがつぶれる・・・
「これでは落ち着かなければ話にならないな」
サリエリもいう。
兎にも角にも落ち着かせなければ話にならないと。
「なら、安定薬か」
サリエリのつぶやきに呼応するかのように克哉が言う。
誰しもがというか。1%にも満たないが有名な歌手は影で薬物を使っていた。
作者的に擁護する気はないが。それはひとえにパフォーマンスの維持及び向上を目的としているのは明らかである。
故にここでカルデアから精神安定剤を持ち出すのが最も間に合う手段だ。
安定剤なら法にも抵触しない
「いや・・・もっと手軽な方法がある」
「そんな方法があるのか?」
「酒っていうやつがあるだろ、兄さん」
「「あっ」」
その手段があったかと克哉とサリエリは瞠目する。
強めの酒を入れて気分を上げる。
邪道ではあるが今しないよりましだ。
もっとも泥酔させてはいけない、ほろ酔いさせてもいけない、微妙なラインをつかねばならない。
「エミヤ、聞こえているか?」
『ああ、聞こえてはいるが・・・・本気かね?』
「それしか手段はない。カクテル準備、エリザに飲ませろ」
『・・・了解したマスター』
「あとマシュ」
『はい! 何でしょうか?』
「すまないが・・・生贄になってくれ」
『へ?』
「君のジャグリング芸で時間を稼ぐ、あとトリスタン、マシュの種切れと同時にアンタのソロ演奏で場をごまかす」
心苦しいがマシュのジャグリング芸で時間を稼ぐ算段だった。
残弾が切れたらトリスタン出撃のプランまで考慮済みではあるが。
これは一重に酔いが回る時間を考慮してである、酔う前でもダメ、かといって酔いがさめるまでもダメ
故に大体の人がほろ酔いになるい30分の時間稼ぎが必要だった。
やはりデンジャラスビーストなマシュを舞台に立たせるのは心苦しいものがある。
だがマシュはいい子でもあった。
『わかりました何とかやってみます、ですがエミヤさん私にもアルコールをお願いします』
『わかりました。わが王にヘルシェイクトリスタンと呼ばれた演奏の手前。お見せしましょう、黒ひげ殿、すいませんが音響関係は戻ってくるまで任せてよろしいでしょうか?』
『もーまんたいでござるよ、いやちょっときついでございますがな、これもフェスのため、俺も気合入れようじゃねぇか』
第一、第二でろくに役立ててなかった後ろめたさもあろうが友人のために力になりたいという思いは本物だ。
マシュも覚悟を決めてつなぎとして舞台に出ることにしたのだ。
と言っても恥ずかしさで手元が狂うかもしれないので多少のアルコールを要求する。
エリザのためにきつめのを一杯と本当に酒に弱いのでブランデーを一、二滴ほど垂らした紅茶をエミヤは用意する。
トリスタンは演奏準備のため、場を黒髭に預け、演奏のための準備に入った。
「すまない、シグルド、舞台アナウンス、10分は機材トラブル、それでも続くから20分機材トラブルのつなぎとしてマシュのジャグリングとソロ演奏を挟むという方向でことを進める、時間アナウンスタイミング間違うなよ」
『了解』
「あと、マシュとトリスタンの照明と音響演出は完全アドリブで行く、ミックさん黒髭さん任せて大丈夫ですか?」
『ライヴハウスのラップバトルよりはましだ。いけるぜ』
『兼任するのは慣れてらぁ、どんとこいってもんよぉ!!』
そして混迷の状況下でバトンリレーが始まった。
マシュは酒に弱いのは周知の事実である。
緊張感をなくす程度の酔いにするには問題があった。
なぜなら缶チューハイ一杯飲んだだけで酔っぱらうのである。
下手すりゃ空気酔いですらする。
ならばと取り寄せた缶酎ハイからスポイトで採取。
水の入った大ジョッキに入れて。それをマシュが飲み干す。
「ではいってきます、先輩、所長」
「行ってらっしゃい」
「楽しんできなさいね」
「はい!!」
それでもほろ酔い気分でマシュは達哉とオルガマリーの応援を背に意気揚々と舞台へと上がっていった。
「私、マシュの将来が心配だわ」
「俺もだよ・・・」
大ジョッキ水割りチューハイで酔っぱらうマシュの事を二人は心配した。
だが心配は杞憂だったようで。
ツー・イン・ワンハンドから始まり次々と高難度技を連結してマシュはクラブを自由自在に操って場を言任せていく。
組み合わせも順調だ。手によどみはなく。
十分にプロレベルでも通用するような手さばきである。
これには第一特異点後、達哉の芸に触発されて暇を見ては実はこっそり練習していたのだ。
と言っても人前で見せるにはまだ緊張感が邪魔をする。
だからこそ酒の力だ。
ほろ酔い気分で酔っていれば客なんて案山子に見えてくるようなものだ。
まぁそれはさておき大人になれば酒飲みなどの付き合いもある、故に二人はマシュの酒の弱さゆえに悪い男ににあれこれされないか心配で気が気でなかった。
「それよりも・・・ヘルシェイクってなんなのよ」
「・・・まぁ俺もそれは気になっていった」
10分後舞台袖からマシュがやり遂げたのを見届けつつマシュと入れ替わる形でトリスタンが前に出る。
疲れ切ったマシュを出迎えつつ。なんでトリスタンの異名にヘルシェイクなんて頓珍漢な異名がついているんだかと思う二人であった。
そしてそれに解説を入れるのは照明機材のコントロールチェックに来たランスロットだった。
「単純ですよ、かつてキャメロットで行われた諸国の王族を招待しての演奏会、その中でトラブルが発生し今回のようにトリスタンが単独で演奏しなければならない状況に追い込まれ、彼はトラブル解決までの時間稼ぎのために単独で演奏をしました。弦が切れて最後の一本が切れるまで鬼気迫る演奏をするさまは地獄を揺さぶるが如きでした。故にその功績をたたえ、宮廷魔術師のマーリンが呼んだのが始まりなんですよ」
「「「へー」」」
「至極どうでもよさそうですね!?」
「いや現実どうでもいいです、はい」
もう三人の歴史観はズタボロだった。
達哉はまだましだ。並行世界だからしゃーないで片づけられる。
だがオルガマリーとマシュはこの世界の住人だ。自分たちの住んでいる時代に伝わっている情報が嘘だらけでもうどうでもいいわと投げやり気味だった。
特に読書趣味で歴女のマシュは自分の歴史観がガラガラ崩れていくことに耐えられずこんな塩対応である。
というか内心、歴史家たちはちゃんと性別やら人柄くらい残しておいてくださいよと文句を思うほかないわけであった。
だがトリスタンの演奏は見事なものがった。
控えているサリエリも時代が時代であれば音楽系の英霊として名を残せたというほどである。
それだけ見事な演奏だった、緩急付けての幻想的な技術と演奏は聞くものを感嘆させる。
さながら上質なクラシック演奏を聴いたかのようなという感想しか出てこない。
そんなこんなで30分を何とか消費。
エリザベートの様子はというと。
「大丈夫・・・いけるわ」
エミヤの調整は抜群だった緊張感から算出し、それを込みで酔わせることによって素面にする絶妙なアルコール加減で彼女を素面に戻したのだ。
「じゃ、行くわよ!!」
マイクを握りしめた彼女の声と歩みにメンバー全員が続いた。
「ふふふ、そうよエリエリ、歌いなさい思うがままにってね」
ライヴ会場は熱気に包まれている、エリザベートのテンションもMAXだ。
加えて歌が下手だった時とは違い観客も共鳴するため、エリザ粒子は加速度的に生産されていく。
今までの遅れを取り戻す勢いでだ。
「でも本当に奇麗だなぁ」
真剣に歌うエリザベートを見ながらつぶやいた。
1億人に一人とされる声質、サーヴァントでも上位に位置する肺活量、古典音楽家並の絶対音感、そして熟練の歌唱技術に表現法。
今の今まで取っ散らかって嚙み合ってなかったそれが。
霊基統合とサリエリの熟練の教育によって噛み合い完成した、音楽の怪物だ。
もし生前、サリエリや達哉たちの様な人々に恵まれていたのなら世界最高峰の歌手として名を遺すというスペックは伊達ではないのだ。
今や彼女は血の滲む様な努力とサリエリの教導によって己が才能をものとして振るっている。
会場の熱気を押し上げながら彼女は高みへと昇っていく。
たまったものではないのが、達哉と克哉と謎のヒロインXオルタだ。
一週間そこいら詰めた程度で付いていけるような状況ではない。
三人ともがんばってはいるが遅れだした。それでもくらいついていく限界を超えて。
他の面々はというと、才能の暴力で付いていくクーフーリン、アマデウスと競い合い彼についていける努力しいまだに名教師として名を馳せるサリエリ、言葉をしゃべれて技術を身に付ければエリザベート以上の才を持つと評されるティアたちは汗を流しつつもついていける。
だが苦労しているのは彼らだけではない設備の制御、演出を担当するティーチとトリスタン率いる裏方も、万が一を間違えるわけにはかない、ワンテンポの遅れが致命的なミスとなる。
故にこのライヴはぎりぎりだ。
だからこそ素晴らしい、人が限界を絞り出すからこそできるハーモニクス。
故に観衆は圧倒され熱狂するのだ。
だからこそ刑部姫は羨み嫉妬する、自分は影の存在だから。
「だから悪いけどエリエリ」
最後の曲が終わり歓声が上がると同時に。
「ぶち壊させてもらうわ」
規定量のエリザ粒子を生成貯蔵完了、マイクロウェーヴ方式で送信開始と衛星軌道上のデストロイヤー級スターシップ「ドゥ・スタリオンMk=X」へと送信を開始するためにボタンを押し込んだ。
ライヴが終わると同時にだった。
「ちょっとなによこれ!?」
「エリザ!!、君の城が!?」
「ええ!?」
すさまじい振動が会場を襲った。
その震源地はまさかのチェイテポエナリ城だったのである。
今、かの城は真ん中からきれいに真っ二つになり左右にスライドしていた。
さらに地下から送信用の巨大なパラボラアンテナ上がってくる。
まるで意味が分からない。
いや地下になんやらかの設備があることはわかっていたが。まさか城ごと魔改造されているとは思わなかった。
「まずいです、スカウターが計測不能なレベルのエリザ粒子を検知してます」
「なに!? 戦術レベルのエリザ粒子まで計測できる代物なのにか! 達哉、サーヴァントのみんなにあれを破壊してくれと言ってくれ!」
「心得た。エミヤ、クーフーリン!!」
「了解した」
「わかった!」
互いに宝具を解放。
さらにそこに達哉が四倍マハラギダインを発動させ。
合体宝具を発動する。
カラドボルグⅡとゲイボルグが重なり回転し炎を身にまとって炸裂するが。
城周辺にプラズマ式の防壁が展開する。
この壁の強度、具体的にはインド核を悠々と防ぎきる強度を保持していた。
原理を書くと面倒なので同じ原理の防壁を展開するされ竜の雷環反鏡絶極帝陣でググってみればわかる。
それはさておき渾身の一撃が防がれた以上、場を切り上げて乗り込むことになるのは道理だったが。
「オッキーに連絡しましょう!! あいつ城にいるはずだから」
「その手があったか!!」
プラズマ防壁は強力な分、長時間の展開はできない。
が代わりに必要最低限の発動によって連続発動を可能としているはず。
その設備は城内にあるのは明白だった。
なら内部にいる刑部姫に設備を破壊させようとするのは道理と言える。
引きこもり妖怪といえどその実力は本物なのだから。
だが彼女が裏切っているというのは全員想定外だったのは今でもない。
それが発覚したのは、彼女に連絡をつけてからだった。
『エリエリどったの?』
「どうしたもこうしたもないわよ、この騒動よ!! オッキー悪いんだけど城の変なパラボラ『ごめんねエリエリそれはできない』え、どうして?!」
『もう我慢できないって話よ、姫だけろくでもない強化もらって・・・なんでエリエリは霊基統合していいスキルもらってるんだって話』
「なにいって・・・」
『ごめん、だから私は向こうに付くわ、宇宙の船で決着けましょう、出来たらの話だけどね』
「オッキー!!」
ぶつんと消える通話、それと同時に。はるか上空にうっすらと映る宇宙船。
そしてパラボラアンテナから射出される推定戦略級のエリザ粒子の光。
それをはるか上空の宇宙船が余すことなく受け取る。
「してやられた。連中の狙いはこれか」
「克哉さん、すぐに追撃に移らないと、逃がすとなんかまずいことが起きます」
エリザベートのテンション具合次第であるが生成される量をなめ切っていたことに公開する克哉。
だが後悔している暇はない、謎のヒロインXオルタの直感が告げるのだ。
このままだとまずいことになると。
「すまないが達哉、手伝ってほしい」
「わかっているのよ、乗り掛かった舟だ。所長もマシュもいいか?」
「ええもちろんいいわよ」
「世話になってますからね私たちも」
達哉に世話になっていることもあるが、見せられた達哉の記憶の映像で克哉の言葉が励みになっていることもある。
それもあるが、サーヴァントの直感スキルがまずいということを言っている以上見過ごすわけにもいかない。
第一にだ
「宇宙なんてどうするんだ・・・」
達哉の言葉に誰も何も言えない。
レイシフトを使おうが宇宙には受けないのである。
だがここで声を上げるものがいた。
「私たちの使っているスターシップ・ラムレイで一気にいけます」
それは謎のヒロインXオルタだった。
惑星間航行戦闘機、スターシップ「ラムレイ」であるなら。
地球の傍に寄せているスターデストロイヤー級「ドゥ・スタリオンMkーX」にすぐさま到着できるとのことことだった。
「だが戦闘力は・・・」
相手戦艦だ。いくらワープ航法のできる船とはいえ民間船ではキツイものがあるはずだと達哉は言おうとするが、克哉がそれを制する。
「その点は大丈夫だ。第4.5世代級の武装と戦闘力は持っている」
「兄さん、そういわれてもいまいちピンとこないんだが・・・」
「そうだな、スターデストロイヤー級が相手でも真正面から乗り込むことはできるくらいの戦闘力はある」
大枚叩いて買った自慢の小型高速宇宙船だ。
こういうものには出し惜しむなという克哉のアドバイスで謎のヒロインXオルタは購入を決意した。
かなり購入代金はかさんだが。高額賞金首やら宇宙マフィアを討伐したりでかなりの金額が入り、ローンは完済済みである。
まぁそれはさておき、宇宙戦艦級のハッチに乗り込むことぐらいはできる性能があった。
「郊外に光学迷彩で隠してあります、急ぎましょう」
だがまたその時にというやつである。
「人権鯖ァ死ねぇ!!」
機械が掛かった声と共にバイクの駆動音。
顔面が思いっきりメカなバイクに乗った大量の謎のヒロインXが会場を強襲したのである。
早い話、大量のメカ謎のヒロインX軍団が会場になだれ込んできたのだ。
会場の状況はまだ多くの現地人 幻霊 英霊が残っている。
無駄に戦闘能力があるもんだから会場は大乱闘状態とかした。
「自立人型兵器ディアブロじゃないですか!?」
「それってそっちの兵器ですか?!」
謎のヒロインXオルタがそれを見て叫ぶ。
自立人型兵器ディアブロ。
サーヴァントユニヴァースにおける量産兵器である。
彼らの利点は特定個人を簡単にコピーできるということにある。
しかも製造コストも安い。
ただし単一命令しか受け付けず、いくらコピーと言っても所詮はデットコピーでしかない。
性能のいいバトルドロイド程度だと言えばわかり安いか。
故に旧式の兵器として廃れていたのだが。
コストの安さとこういった状況、すなわち敵を足止めしたいのなら有用な兵器だった。
なにせ向こうは時間を稼げればいいのだから。
「カルデアで出しているサーヴァントは皆、サモライザーに戻すわ」
「その心は?」
「こうもごっちゃ返しているなら街中も一緒よ、だったら大勢で移動するより少数に限定して動いたほうが最短距離を抜けられるわ」
オルガマリーはそう状況を分析した。
混沌としているのはここだけではない。
テレビ中継だってされていたし町のいたるところに観戦モニターが設置されているのだ。
故に外も混乱とした状況が続いているだろう。だからこそ大勢で行かず逸れるリスクを減らすために少数で突破を図るべきだと考えた。
さらにはラムレイの搭乗人数である。
サーヴァント出しっぱでは全員が乗り切れないからだ。
「クロヒー」
「なんですかな、エリザ殿」
「この場とティアをお願い、私もカルデアと行くわ」
「なんでまた・・・いや無粋ですかな、オッキーの事ですな」
「そういうこと、悪いけどあとよろしく」
「しょうがないですなぁ、来年度のサバフェス優待券で手をうちますぞ」
刑部姫を見捨てられないということでエリザベートも参加。
ティーチは仕方がないといった風で納得
「ささティア殿こちらへですぞ、何時何か飛んでくるかわかりませんからな」
「Arrr」
ティアをとりあえず控室に案内し。
カルデアの面々を送り出した。
何とかカルデアの面々は混沌とした場を抜け出すことができた。
サモライザーにサーヴァントたちを呼び戻しておいて正解だった
郊外に隠され停車されていたラムレイ号に全員が乗り込む。
だがいくら惑星間移動を前提としている機体とは言え居住性は二の次だ。
なぜなら戦闘が主任務とした機体だからである。
コクピットには二人が限界、居住スペースも二人分のベッドが二段になっておかれている程度である
後はシャワー室一つにトイレ一つ簡易キッチンが一つ程度で。
後は惑星間航行用装備と満載された武装で埋まっている。
「では皆さん行きますよ」
学生服からいつもの戦闘服に着替えた謎のヒロインXオルタがそういいつつ発進のためコンソールをいじくる。
克哉も同様だ。
なおコクピットは二人乗りなため、カルデアトリオは睡眠室の柱にベルトで体を固定し。
エリザベートは必死に適当なパイプにしがみついていた。
理由は単純、重力制御機構がついていないからである。
いや厳密にいえばついてはいるが、それは機体自体が大気圏内で飛行するためのもので。
さらに言えばパイロット保護を目的としたものだ。
故に居住区に乗り込んでいる四人には適応されない。
フィンと反重力機構が起動し、ラムレイ号が宙へと浮く。
それと同時にラムレイ号が謎のヒロインXオルタのレバー操作によって垂直へと姿勢を変えて。
「ラムレイ、発進!!」
一気に上昇を開始した。
その凄まじく数秒で大気圏を突破する。
コクピットは兎にも角にも他の部屋は内装品維持のための耐G機構と一応の重力制御しかないため。
達哉たちにはすさまじいGが掛かった。
ペルソナ使いかデミサバかサーヴァントでなければ内臓がかき回されている感覚に陥るくらいにはだ。
そして無事大気圏を抜け、軌道衛星上へと昇る。
「地球は青かったと風情に浸れる状況じゃないな」
そしてドゥ・スタリオンMk=Xと対峙すると同時に克哉はぼやいた。
絶賛地球は炎上中、真っ赤っ赤であるし。
今対峙しているのは戦艦である。
いわば対戦車兵器を持った歩兵VS自動迎撃システム付き戦車といったような戦力差がある。
「冗談言っている場合じゃないですよ、カルデアの皆さん、すごい無茶しますんでしっかり気を保ってくださいよ」
故にこっからは多少の無茶をしなければならない戦闘機動的な意味でだ。
『大丈夫だ全員覚悟はできている』
達哉の返しに克哉と謎のヒロインXオルタはうなずき。
謎のヒロインXオルタはフットペダルとハンドレバーを全開にした。
ラムレイ号が一気に加速する。
それに合わせ敵戦艦、全砲門オープン、主砲のレーザー水爆 レールカノン レーザー機銃に、対艦ミサイルで弾幕を張る。
「艦載機が出て来ないな」
「大方動かせる人材がいないんでしょう、普通のディアブロ程度では戦闘機を動かせる性能はないですから」
スターデストロイヤー級は空母も兼ねている。当然である。
だがしかし艦載機の発進の様子がない。
これは至極当然な理由がある。
戦闘機を動かせる性能を持つディアブロはほとんどが地上に回されている。
相手が幻霊やら英霊相手なのだからいくら数で押すにしたって一定の性能が必要であるが故である。
故にドゥ・スタリオンMk=Xの操縦要員以外は全員が降下し下で戦っているのだ。
艦載機を出す余裕が単純にない。
それでも弾幕は濃い、普通のパイロットなら落とされているだろうが。
操縦するのは謎のヒロインXオルタであるこの程度こなれたものだがと言いたいが。
「弾幕が濃すぎる! バリア維持率50%!!」
「わかって・・・ますよ!!」
さすがに一対一では分が悪いどころではない。
それでも機体のバリアを50%まで維持している時点で凄腕だ。
伊達にスペース神陰流の旗艦とやりあったわけではないのである。
あの時は僚機がいたが今回はそうもいかないのが痛いところだ。
「ですが、このままいけば突入できます、克哉さん機体前方に残りのバリアを集中、私の合図と一緒に火力も集中してください」
「わかった」
だが戦闘機としては順調にコースを進んでいる。
後は銀河連邦の開示した情報を信じて進むほかない。
ハッチの場所さえ合っていればOKなのだから。
火力を増強する暇はあってもハッチなどの移設作業はしていないと信じていないとやっていられない。
だがその信用は的中したようだ。
ハッチ自体は閉じられていたが、まだ機能している。
故に当初の予定道理に突入を開始した。
まず外角を覆っているバリアを自分たちのバリアを一点集中してぶつけ、突破する。
さらに閉じているハッチに対し火力を集中、ハッチを破壊。
「緊急着地でいいんだな?! えっくん!!」
「はい! 穏やかに着地なんてしている暇なんてありませんから!!」
速度そのまま、ランディングギアを下ろし重力制御式ブレーキと油圧式ブレーキにディスクブレーキを全開。さらにエアブレーキも全開だ
火花を散らしつつランディングギアが悲鳴を上げて減速。
しかしランディングギアの想定しない速度での着陸である。
一定数は持つが、それ以上は持たない。
加えて突入時にディアブロの軍勢に体当たりをかましているのである。
機体にすさまじい衝撃が走った。
それと同時にランディングギアがへし折れてそのまま格納庫をドリフトしつつ胴体着陸に移行。
激しい火花を上げてようやく減速し止まる。
コクピット内部もえらいことになっていった衝撃に備えていたとはいえ通常ディスプレイと光学式ディスプレイにエラーとワーニングの文字だらけである。
これは賞金がまた修理費に飛んでいくなと謎のヒロインXオルタは機体を固定するためのワイヤーを射出させたのち、自爆を防ぐため必要最低限の機能以外はシャットダウンしたのだった。
「ほぅ、こうも勇敢に乗り込んで来るとはな、人権云々前に心が躍る」
くだらないと言えばそうなのだろう。
フィン・マックールはそう思いつつも参加していた。
当たり前だ。最初はもはや塩性能、やっとこさヤケクソ強化もらってまともに運用されると思えば同ランク、同属性かつ完全上位互換とかいうパーシヴァルの実装である。ふざけているのかと言いたくもなるし。
第一まともなストーリーが閻魔亭だけってどういうことだと問いたい。
故に参加したのだ。
突っ込んできた相手は勇士、だが
彼の宝具「
認識している情報に誤りがあれば正しい情報は出されないのである。
「オルタライトニング!!」
「ペルソナ! ザオウゴンゲン!!」
コクピットのキャノピーがすっ飛ぶと同時に謎のヒロインXオルタと克哉が飛び出て広範囲攻撃を見舞う。
フィン以外は反応もできず真紅の雷とマハラギダインに飲まれ消し炭になった。
何とか回避したフィンだったが。
「「コール!!」」
サイドハッチから遅れて飛び出てきた達哉とオルガマリーがサモライザーの銃口をフィンに向けサーヴァントを呼び出す。
「クーフーリン!!」
「シグルド、ブリュンヒルデ!!」
「その心臓もらい受ける!!」
「魔剣完了・之なるは破滅の黎明!」
「特別ですよ?」
召喚と同時に宝具使用による最大火力をたたきつけるための人選だ。
事前に相談済みであり連携によどみはなく。
回避もできずフィンに宝具の三連撃が直撃し一瞬で彼を消し炭にした。
乗り込んでサーヴァント相手にするのは覚悟していた。
故に質と数による圧殺劇である。
もうここまで来て相手の誇りがーだとか感じてはいられない。
所詮自分がいい空気吸いたいだけの連中の集まりだ。それで迷惑被っているのだから卑怯だろうと圧殺する手段をとるというのは当然ともいえた。
「格納庫制圧完了、ここからどうする? 予定通りでかまわないか?」
故に格納庫は即座に制圧された。
そして達哉が一応の確認をとる。
これだけ大きい船だ。
破壊するのは難しい、第一にこれほどの巨体が地球上に落ちたら炎上中の人理がまずいことになる。
破壊するならブリッジ制圧だが。
エリザ粒子の件もある、下手に自爆させて大量のエリザ粒子が地球上に降り注ぐ可能性だってあり得るわけで。
そうなったら人理焼却どころではない、エリザ粒子で世界が剪定される恐れだって出てくるのだ。
故にここでは自沈させるわけにもいかない。
だからこそここではあえて手を分けて同時に制圧する必要性がある。
「エリザスカウターです、これでエリザ粒子が一番多い場所を探し出せるはずです」
そういって謎のヒロインXオルタがスマートフォンの様なものをオルガマリーに手渡す
「わかったわ。カツヤさんたちはブリッジの制圧、私たちはエリザ粒子の貯蔵装置の確保、タツヤたちはメインブースターの破壊ね」
というわけである。
敵を逃がしてはいけないし船を壊してもいけない、エリザ粒子を貯蔵している物を確保しなければない。
故にブリッジ制圧による制御系の奪取、残り二つはブリッジ制圧失敗時の保険としてエリザ粒子の貯蔵施設の確保、逃げられないようにメインブースターの破壊という三つの作戦を同時進行せざるを得なかった。
というわけで、分かれて行動せざるを得なかったため、克哉、達哉、オルガマリーは各々の仲間を連れて別々に走り出した。
抵抗は驚くほど簡単に排除できた。
所詮は機械だ。部分的に壊せば動かなくなる。というか機械であるがゆえにジオ系の通りがよい。
電撃一発で相手を鎮圧できるのだ。
「と言っても・・・相性がね」
オルガマリーはぼやく、相性普通のトールではいつものペルソナより燃費が悪い。
魔術師ということでSP値は高いとはいえ長期戦には向かない。
「そのための我らです」
シグルドの一閃がディアブロたちを数体まとめて斬り飛ばした。
「そうです、本来ならマスターが前線に出るのは言語道断です、故に下がっていてください」
ブリュンヒルデもシグルドに同意つつ雷の原初のルーンを多重展開し援護。
ディアブロの軍勢を薙ぎ払う。
本来マスターは後方にすっこんで援護か指示を出すのが主だ。
前線に出て殺し合いしているほうがおかしいのである。
というか第一および第二ともにマスターが前線に出ないと逆に死ぬような状況だったため。
オルガマリーの認識がバグっている。
というか最高戦力が達哉な時点でカルデアはおかしいことになっているのだ。
と言っても責められない事柄でもある、ニャルラトホテプの手管はそんな安楽椅子にマスターを置くことを許しはしない。
戦えないなら速攻で食いつぶされる故にだ。
「そういってもね・・・数が数じゃない」
チェイテで暴れているタイプとは違い、精密な思考行動はとれない分、数が多い。
とにかく薙ぎ払うほかない。
「鉄の処女!! 十連壊れた幻想!!」
エリザべートも魔力がカルデア持ちということも相まって、投影型宝具鉄の処女を壊れた幻想込みでミサイルのように射出、爆発敵陣を薙ぎ払う。
これでようやく活路が開けた。
無数の機械の残骸を踏みしめながら。
オルガマリーも進む。
すでに拳銃捌きは熟練したものだ。銃弾を使わなくたってマズルスパイクと自身の脚でディアブロを破壊していく。
故に順調に事は進むのは道理。
そしてたどり着くのは。
「これは」
巨大な砲身が格納されている格納庫だった。
「惑星間砲撃主砲システム ロンゴミニアド」
それらを呆然と見つめる皆を傍らに、一人の女性が現れる。
言わずもかな刑部姫だった。
「オッキー・・・アンタなにを・・・」
「これを使って星の中枢核にエリザ弾を撃ち込む、私たちの望む想いを刻み込んで、そこから根源経由で座とサーヴァントユニヴァースに干渉、私たちの性能と物語を書き換えて人権鯖になるの」
「それって世界改変じゃない!?」
この世界だけではない、根源に干渉する以上、平行世界も巻き込むこと確定だ。
抑止の守護者が具現化していないのが不思議なくらいだが。
それはひとえに人理焼却下、時間軸や世界境界線でさえあやふやな状況だからこそ成り立つ手法だった。
「そんなに強くなりたいの?! そんな方法で目立ちたいの!?」
エリザベートが叫ぶ、そこまでして強くなりたいか、そこまでしていい空気吸いたいのかと。
「エリエリにはわからないわよ、良い出番もらって、そこそこやっていけて人気もあって。そのどれでもない私の気持ちなんて」
「いや何を言っているのよ!?」
いいイベントでの出番なし、性能だってQサポに見せかけて単騎特化な刑部姫と。
メインストーリーにメインキャストとして参加、毎年イベントをもらえてしかも星四配布。
しかも全員がそこそこ強いときているのに。
今作ではニャルのキャスティングでいい役もらって挙句自分を乗り越えて受け入れ霊基統合からの全盛期化。
準人権鯖級の性能を持っているエリザベートと比べて。
刑部姫は惨めなものだった。
「鯖の性能は自分の逸話の具現でしょうが・・・生前から引きこもっているアンタがキーキー吠えて私たちに迷惑かけてんじゃないわよ」
だが刑部姫の魂の訴えもオルガマリーには届かない、むしろオルガマリーは怒りのあまり額に青筋浮かべている始末だ。
あこれ、オルガマリーの地雷を踏みぬいたなとシグルド、ブリュンヒルデ、マリー・アントワネットにエミヤは思う。
ただでさえ気苦労しているのに自業自得をもみ消したいからの過去改変したいですと言われた上に現在進行形で巻き込まれた挙句世界の危機にされれば誰だって切れる。
故にもはや同情の余地なし。
断罪の刃を振り下ろすべしとオルガマリーは心に決めた。
ジャキリと両手のリペアラーを構え、背後にシュレディンガーを呼び出す。
「ちょっとオルガマリー説得ぐらい」
「エリザ、こういうやつは自分の過去を棚上げしてどこまでも被害者面するから無駄よ」
「その言い方にはカチーンと来るけど。オルガマリーのいう通り姫は引く気はないわ」
「オッキー・・・悪いけれど。力で押し通させてもらう」
「やってみろ!! 姫は山の翁ほどじゃないけれど単騎性能は高い!!」
そんな自虐を前にしつつ躊躇なくオルガマリーは開戦の一撃となる銃撃を繰り出し。
双方が激突する。
刑部姫心からの叫び。
親友が気づかぬうちに星5になっていた上に。クティカル30%アップ、NP配布スキルに女性限定バスターバブ 引っ提げてほぼ準人権レベルになってりゃそりゃね。
パフェエリチャンのスキル内約
冷血のカリスマ A 味方全員攻撃力アップ+NP20%チャージ 女性サーヴァントの場合 バスターアップ
チェイテの夜 B 原作と同じ。
全盛回帰 A+ 自身にガッツを付与、味方一人ににスター集中&クリティカルダメージアップを付与
宝具
破砕魔城「ハウリング・エルシェーベト」
対軍宝具 B
属性 バスター
敵全体に強力な防御無視および無敵貫通による攻撃
さらにおまけ
ラムレイ号
4.5世代型惑星間航行戦闘機。
銀河連邦で正式採用されている第五世代型惑星間航行戦闘機の一世代前。
4.5世代と表記されているのは一部を改修および改造しているからである。
居住性は二人乗りであることを前提とした最低限なもので、ドゥ・スタリオン号やマアンナ号より下である分。
戦闘能力は上、戦艦級ともある程度やりある上にワープ航行距離も長い。
ちなみに購入経緯は自分たちも船が必要ということで中古市に顔を出したらたまたまあったものらしい。
克哉の持っていた宝石などで前払いしてあとはローン払いであるが。
スペースイシュタル事件にも参加した影響で多大な賞金が舞い込んだため現在はローンを完済しつつ。
修理ついでに4,5世代型の今の姿となった。
修理費や改修代金も前述の賞金で賄い切ったらしいが。そのせいで現在謎のヒロインXオルタの懐はかつかつである
ドゥ・スタリオンMk=X
銀河連邦のネームドシップ予定だったスターデストロイヤー級宇宙戦艦。
人権帝国軍に奪取されてからは彼らの本拠地兼旗艦にされている
性能は宇宙戦艦ヤ●トのアンドロ●ダとスターウォー●のスターデ●トロイヤー級足して二で割ったような形状
かっちゃんが原作勢に言及しなかったわけ。
藤丸とは出会っているが最後の最後まで彼が原作主人公かつカルデア所属と知るタイミングがなかっただけである
えーこんかいでこの特異点は終わりにする予定でしたが。
文字数が膨大になってキリがないため、今回では終わりません。
次回で終わり、そのあとカルデアでの日常風景とエリザベスとのコミュ挟んで第三に移行する予定となりました。
ですがプロット消失のため次も遅れます、いつもすいません。
アンケートを終了します たくさんの回答ありがとうございます