Fate/Grand Order たっちゃんがグランドオーダーに挑むようです 作:這い寄る影
オスカー・ワイルド「ドリアン・グレイの肖像」より抜粋。
一節 「ウワサガリ、そして霧と狂気の都市」
観布子市
「なぁ。おっさん」
「おっさんじゃねぇ。パオフゥだ。」
ファミレスの一角に奇妙というか怪しげな男と少女が存在していた。
少女方は男装好みの少女で済む。
服装は白のYシャツに紺色のデニムパンツ。普通のスニーカーにジャケットといった様相である。
問題はもう一人の男性の方だ。
腰まで伸ばした滑らかなロングヘアーはまだいいとして。
服は鮮やかなゴールドスーツに黒の薄手革手手袋、黒革の靴に無駄にデザインが凝ったアクセサリーといったいで立ち。
そこに金縁で深くスモークが施された丸サングラスという怪しさ爆発の格好である。
しかし男性は自然と着こなして見せていた。
それでも怪しい物は怪しい物である。
少女のおっさん呼びに名前で呼べと訂正しつつ。
「パオフゥ」という奇怪な名を持つ男性は懐から煙草の箱を取り出し、そこから一本煙草を引き抜いて口に咥える。
パオフゥがこの町に来た経緯も奇怪だった。
桐条財団のゴタゴタの後片の後で「周防克哉」と飲みに行き。
気付けばこの町に存在していた。
そこで情報収集がてらにうろついていれば。
目の前の死人と自称する少女と出会い今に至っている。
「しっかし気味が悪い。死人がサーヴァントって形式で甦って同じことを繰り返しているなんてな」
少女はそうボヤいた。
巷で噂になっている連続殺人の真相はなんてことはない。
過去起きた事件の犯人の虚像が勝手に動き回り人を同じ手段で殺しているというだけの話だった。
無論、超常現象ではあるのだが。
裏の世界のオカルトにもかかわる、パオフゥであれば特段珍しい事でもなかった。
表の業務である人探しをしてみれば桐条財団における拉致監禁やら人体実験とブッキングする羽目になり。
この前まで派手にドンパチしてたのだから。
それが終わり。
共に共同で捜査にあたっていった克哉と解決祝いに飲みに行った。
一流バーの結構値の張る店にだ。
色々合って痛酒して意識を飛ばせば気づけばここに居たのである。
「そうかねぇ・・・こっちじゃそういうのしょっちゅうだ」
「おっさんの世界ってどんだけ魔境なんだよ・・・」
「俺が知りてぇよ、ちゃっちゃと片づけるぞ。”織”」
「それもそうだな、後さ」
「なんだ?」
「一度死んだ俺が望んだもの見ていいのかなって・・・さ」
そう織はある望みの為にある人の身代わりになって死んだ。
その人の幸せこそ織の夢だったから。
だから死んだことに後悔はない、なのにこうやってサーヴァントとして蘇って。
夢の続きを見れるなんて幸福、あっていいのかと思うし口に出してしまう。
「いいんじゃねぇか? それが奴の策謀とはいえ誰何某の策謀とはいえ、受け取っとけ」
「そうだな、おっさん」
「おっさんじゃねぇ、パオフゥだ。と言っても眉唾だがな聖杯ってのも」
そして夜町を荒らす殺人鬼たちはサーヴァントとして一般人をマスターとして動いている。
最もアーチャー及びバーサーカーはパオフゥと織が片づけたが。
因みに織はアサシンのクラスに当てはめられていた。
「そんじゃそろそろ出るぞ」
「それもそうだな」
そんな二人は会計を済ませ夜の街並みに消えていった。
そして一方、特異点化した霧と機械の町ロンドン。
産業革命によって一気に製造技術が向上し今や都市全体が工場の様な様相を呈する帝国であるが。
溢れかえった労働者や粗悪な食べ物や物も溢れかえり。
華やかなりしというのは中流階級、上級階級だけでもあった。
もっとも、そんな人々も足に元に迫ってくる影には気づかなかった時代でもある。
だが今はそんな状況ではなかった。
常日頃から霧という名のスモッグはすさまじかったが。
今は魔力を多量に含み、その時代の人間の命を削るレベルの魔霧が溢れ。
ロンドン周辺に建てられた学園都市と大英博物館の地下から怪物が溢れかえって街を闊歩し。
蹂躙の限りを尽くし今や廃墟と怪物に怯えながら家に閉じこもる住人ばかりだ。
早い話が都市全体がゴシックホラーの様相を呈しているのである
神代でもこう醜悪な化け物共は見ないだろうという百鬼夜行状態だ。
その中でモードレッドは一人の女性を見つける。
金の刺繡が入ったファーコートに金のメッシュが特徴的な美女だ。
嘗てはカフェだったであろう外の席で優雅に紅茶なんか飲んでいた。
直感が伝える。アレは敵であると同時に逃げるべき相手であると。
だがモードレッドは一回だけのしかも本人は敗北と思っていない敗北知らずだ。
敵なら倒すという思考の元、逃げるという選択肢を取れなかった。
故に略奪したクラレントを両手で持ち疾駆。女に切りかかろうとしたが。
「相変わらずだなモードレッド、不出来な自滅因子よ」
「くっ、なんだこりゃ!?」
クラレントが女性の頭部を叩き切る寸前に虚空から無数の黒金の鎖が伸びてモードレッドの全身と振り下ろしたクラレントを拘束していた。
最もクラレントは、体中に注射器が刺さって鉄の仮面を被り片腕が機械のスーツ姿の男にその鋭い爪を搭載した機械腕で止められていたが。
「どうするガリオン? この程度なら駆逐可能だが」
「放って置いても大丈夫、下がりなさいな」
「・・・了解」
そう言って鉄仮面の男は女性の脇に下がった。
最も黒金色の鎖は解けておらず、モードレッドは身をよじることしかできない。
「相変わらず不出来な子だよ、まるで新しい芸術と言い不出来な絵を見せる子供の様な様もね」
「・・・・!! てめぇ!!」
ガリオンがモードレッドの頬を右手で撫でながらほほ笑む。
まるで不出来な子でも微笑ましく見るように。
モードレッドにはその微笑みに覚えがあった。三重人格+夫を失い兄弟ですらアーサー王に取られ発狂し曖昧になっている母が時々、モードレッドに向けた微笑であると同種であった。
「母上かぁ!!」
腕に力を入れる、だが鎖は千切れない。
クククとガリオンは砂で作った城を崩すように言った。
「君の事はよく知っているが、私は君の母であり母ではない、なぜならアレは最初から嗚呼言う風に作られた女で、最終的に我々の一部となった女だからだ」
前話でニャルラトホテプが話した通りだ。
元々、モルガンはニャルラトホテプの手によって作り上げられたブリテンの自滅因子。
その事実に発狂しニャルラトホテプに取り込まれ化身と化した哀れな女だ。
よってなすことすべきこと実際はブリテンの神秘の間引きを加速させるだけの女だった。
故に、その女によって作られたモードレッドもまた。
「嘘だ」
「嘘ではない、君はそういう風に判断ができないように作られた存在だ。我々の手駒としてね。そこからの成長と飛躍を期待していたが。結局君は君以外になることは出来なかった」
「嘘をつくなぁぁああああああああああああ!!」
「嘘でも何でもない元より君には器がない、だがそれは作っていけるように設計はした。学ぶという選択肢を放棄したのは君自身じゃないか? ええ? さらに言うなら寿命の短いクローンなんぞ認知される訳もないだろう? アルトリアにとっては爆弾だ。首を跳ねて居なかったことにされる可能性だってあっただろう。第一に激務で疲れ果てて寝ている間に同意もなく強姦され作った子なぞ。自身の子として認められるわけないだろう? しかも短命で次世代を作る頭もない、よく考えれば普通に分かることだ」
そう普通に考えればわかることなのだ。まずモードレッド自体が不義理も良いところ。
存在さえ許される筈がない、王制を揺るがす存在なのだ。
普通にあの時、顔を明かした瞬間に首を跳ねられても可笑しくはなかった。
だが跳ねられなかった。それは単純に優秀だからという理由で温情を掛けられたに過ぎない。
そして認知問題だがアルトリアが疲れて眠っているところに魔術使って体組織を採取し作り上げられたクローンなわけだが。
これを現代風に言うと仕事で疲れて眠っていたら質の悪いストーカーに薬を盛られ睡姦された挙句、ストーカーが妊娠し出産、その子供が認知しろとかいう犯罪行為そのものでできた不義理の子である。当然認知出来る訳もないし、実感も得られるはずもない。
そしてそれらを飲み込んだ上で認知されるという0に近い可能性があったとしても。
モードレッドは王に選ばれることはない。
元よりモルガンが作ったブリテンの自滅因子の一つであり短命だからである。
出自は明かせない、故に次世代を残せないことは確実であり。
どのみち詰んでいたことを説明され、モードレッドは自覚し叫ぶ。
「だまれぇぇぇえええええええ!!」
「そんなことも分からないから、君は良い様に使われる操り人形なんだよ”人間失格”だな」
「殺す、殺してやる・・・」
「出来んよ、自己確立すら出来ない奴ではサーヴァントだろうが王冠の魔術師だろうが侵略生物だろうが魔法使いだろうが私の鎖は砕けない、だが喜ぶと良い。君の願いを叶えてやろう」
そう言ってガリオンはモードレッドの胸に腕を突っ込む。
霊基的改変だ。
もっともガリオンはどこぞの坊主ほど手を加えない。
ただちょっと毒液を垂らすだけ。
それは前話でも魔術師たちに行ったのと同じもの、幻想そのものへと変換する術式だ。
幻想や影と向き合った者達なら平然と耐えられ物でしかないのだが。
都合の良い幻想と妄執に逃げた彼女に耐えられるはずもなく。
モードレッドは”ねじれてシャドウに飲み込まれた”
そして勝手にハウスから出ていったモードレッドがそんなことになっているとは露知らずに。
「うう、カルデアまだなのぉ」
そんな最中を、カーテン少し開けて外を見るエリザベートはそうぼやいた。
彼女はこうなる惨状の前に召喚されていた。
また何時ものやーつなんて思いながら。
兎に角適当な酒場で日銭を稼ぐ日々。
そんな最中である町が突然こうなったのは。
兎に角力を解放し人々を安全地帯まで誘導し、そこからさらに呼び出された玉藻や金時と協力しスコットランドヤードに立て込むも。
数の暴力&怪物共の質に押され警官隊と協力し迎撃したが無駄に終わり敗走することになった。
今は同じく召喚され捜査もくそもなくなったホームズに誘導され。
何故か安全なハウスに引きこもっている。
無論カルデアが来るまでの間だ。
彼らさえくれば。こうなった状態でも調査が出来る故にだ。
「あいうえお」
「そうそう、その調子」
そしてこの状況からも脱却したい。
なぜ、自分がフランケンシュタインに発音法やら感情調整、制御理論を教えなければならないのか?
血の伯爵夫人が人造の怪物にそれらを教えるというのは皮肉に過ぎるだろう。
玉藻も偶には補佐に入ってくれるが疲れはするのだ。
「しかしご老体、この惨状の中から騙しぬける結界なんてどう張っているのかね」
「ただの悪魔術だよ、ホームズ君、私が出来るのはそれくらいさ。結界術にたけた悪魔を召喚し張ってもらって維持はこっちという契約で帰ってもらったのだ」
「・・・そうか」
ホームズと机を挟んでこの家の主の白いスーツ姿で車椅子に乗った金髪の老人はそういった。
「ルイ・・・解き放ってた使い魔から連絡だ。カルデアきたれりとさ」
中流階級姿の青年が其処にやって来てそういう。
彼の右手には紙が握られ。
その紙にはカルデアの来た位置情報などが書き記されていた。
紙に描かれた線は今でも伸びてカルデアを追跡している。
「という訳だ迎えに行ってやりなさい」
ルイと呼ばれた老人は青年から手渡された紙をエリザベートに渡す。
「やっと状況が動きますか」
「籠ってるのにも飽きてきたからな腕がなるぜ」
玉藻も金時も引きこもっている状況に飽き飽きの様子だったみたいである。
ようやく状況が動くとしてノリノリである。
「わたしも行く」
「フランも? 外は危険よ?」
「あなたたちにおんがある・・・」
「あーもうわかった好きにしなさいな」
フラン、この時代に製造された人造人間。
所謂ところのフランケンシュタインの怪物である。
達哉の世界では架空の存在ではあるが。
魔術やら魔法がある世界では。実際に存在していた。
そんな彼女はまだ感情も言葉使いも、先ほども述べた通り感情の制御法すらしらなかったので。
エリザベートが教え込んでいた訳である。
という訳で彼らはカルデアを回収すべく。
紙に記されている地点へと向かうのだった。
という訳で一方そのころ。現地に到着した彼らは右も左も分からぬまま。
むやみやたらに移動していた、カルデア管制室からの通信は届くが、この霧のせいで全体スキャニングによる広域スキャンが不可能で。
達哉たちに近い存在しか感知できない。
表通りは大量の魔獣で溢れ下手に表通りで交戦すれば碌でもないことになるのは明らかだった。
「と言ってもねぇ」
ベネリM4を構えて目の前の機械の様な無骨いオートマタに向かってぶっ放す。
射出された特殊スラグは最新鋭防弾チョッキをもぶち抜く威力があり。
オートマタの装甲を貫通し一発で沈黙させた。
「これじゃジリ貧ね」
だがこのままだとジリ貧も良いところだ。
街は霧に覆われ、少し逸れると通信もままならなくなる。
地下を目指したいが大通りには大型の幻想生物にオートマタがうろついているのだ。
倒せないこともないが、大通りを堂々と歩いて行っては多くの怪物やらオートマタやらを相手どらずにはいられず。
消耗戦になること請け合いだ。
だからと言ってそれを避けて大した化け物やらオートマタがいない裏路地を進んでも小物入るし。
都市自体の乱開発の影響で裏路地は迷路化しており、当時の都市地図も役に立たない有様だった。
つまり現時点でどこにいるのか分からないのである?
「所長、これじゃ埒が明かない、マリーさんでも出して宝具のガラスの馬出してもらって俺たちも相乗りして駅に向かった方が良いんじゃないか?」
「却下、百鬼夜行に追われながら地下空間に突入なんて退路を断つのも一緒よ・・・」
そうここで駅からの詳細もつかめていない地下施設に突入するなんて。
ただでさえ自殺行為なのに派手に爆走して後ろから幻想種やらオートマタが迫ってくる中で突入なんて死にに行くようなものである。
とにかく今は情報が欲しいし、出来れば抑止力の一環で呼び出されているであろうサーヴァントたちとも合流したいのだが。
位置情報が正確でない、広範囲スキャニングができないとあっては。
時間をかける他ない。
「所長、先輩一息つきましょう」
「そうね少し休憩しましょう、最も汚物と死体やらで溢れていて気休まらないけど」
「それは言わない約束です」
だが長時間、裏路地を彷徨っていたのも確かだ。
此処で少し小休憩と相成ることになった。
最も元々小汚い裏路地に+して刀やらベネリM4のスラグ弾やら大盾やらで量産された小物の怪物やオートマタの死臭溢れるところで小休憩になるのかは疑問だったが。
空腹は敵である、ちゃんと胃に物を詰め込んでおかないといけないといけない。
故にエリザベスから購入したコンビニのブリトーを口に運んだ。
チンもしていないので味や触感は最悪だが、カルデアに余りに余りまくった米国軍レーションよりはマシと思いつつ三人はブリトーを口に運ぶ。
今の今までの特異点がある意味で食に余裕があり過ぎたのだ。
今回の特異点は産業革命真っただ中のイギリスだ。上等な食材に在りつけるのはほぼ不可能と行って良い。
なんせ胃に詰め込めれば上等な時代でもあった。
下流階級は砂糖ガバガバの紅茶と油ギドギドのフィッシュ&チップス、もう現代日本人感覚では存在意義が問われるウナギのゼリー寄せ。
挙句の果てにはミルクは水で薄めチョーク粉で白くする。
緑茶は健康に害悪な緑青が混ぜられ。パンはミョウバンで白くするといった時代である。
無論、中流、上流はそうでもないのだが。
中流もギリギリ危ない時期だった。というか崩壊していたなぜなら中流階級に食事を提供するのは下流階級のメイドだったからである。
当時、田舎の飯は美味かったが。両親から出稼ぎに出された少女などが家庭の味などを再現できる調理法を会得していた訳はなく。
結果、産業革命がイギリス料理の伝統を潰したのだ。
アーサー王時代はテクスチャ問題があったにせよ。それ以降は美味しい料理、新鮮な野菜などなども復活し再度、産業革命で殺された形となる。
アルトリアが見ていれば血涙物だろう。
それはさて置き。
ブリトーを胃に突っ込んだ三人は再度動き始めようとして気づく。
表通りが騒がしいことに。
『全員聞いてくれ、サーヴァント級の霊基を四人ほど確認。表通りで・・・竜種と思われるナニカと交戦中だ』
「わかった。マシュ俺と共に先頭でいくぞ」
「了解しました。先輩」
そう言うわけで先頭は達哉とマシュ。
その後ろにはベネリM4をコートの裾に戻しガリルACE52に持ち替えたオルガマリーが続く。
そして表に出ると。巨大な醜い竜種一匹が敵味方問わず暴れ散らかしていた。
「だぁぁぁああ!! くっそ!! モードレッド! 正気に戻りやがれ!!」
其処には見覚えどころか羅生門と鬼ヶ島で行動を共にした金時と。
露出の激しい和服に獣耳を生やし妖艶な美女。
いつも通りのエリザに。
結婚衣装に身を包んだ少女が。醜い白銀と赤色の竜と対峙して戦闘していた。
その赤雷の吐息は途轍もない、一瞬にして大通りを横断して焼き尽くす。
達哉たちは物陰に隠れてやり過ごし、金時たちは玉藻の張った結界でやり過ごす。
「金時さん!!」
「おお達哉たちじゃねぇか!!」
無事合流できたようで安心と行きたいところだったが。
竜が暴れまわっている。
そう簡単に逃がしてくれるだろうかと思ったが。
見境なく暴れているので。達哉や金時たちをピンポイントで狙っているようではなかった。
「タツヤ、どうする!! 仕留めようと思えば仕留められるけど・・・」
確かに竜はファブニール級の強さを持っていった。
だからと言って殺しきれない訳ではない。
なんせ此方にはクーフーリン、シグルドにブリュンヒルデがいるのだから金時たちも合わされば倒せるだろう。
だが達哉は。
「いや撤退だ。短距離ソナーに複数の幻想種の反応あり、乱戦になったら竜を倒したとしてもそいつらの相手もしなければならないからな、金時さんエリザ。安全なポイントに心当たりは?」
「今俺たちが使用してる個人邸宅がそれだ」
「しっかりルートも押さえてあるわよ」
「なら二人ともそこまでの誘導を頼む自己紹介はそこについてからだ。所長、マシュ、スモークグレネード!!」
「「了解!!」」
米国最新鋭のスモークグレネードをダヴィンチが魔改造したのをありったけ周辺にばら撒き煙を発生させる。
普通のスモークグレネードは煙が展開するのに数秒かかるが。
このスモークグレネードは瞬時に規定範囲まで一瞬で最大展開する優れものだ。
フラグの代用としても使える。
時間稼ぎにはなるだろう
「こっちよ!! こっち!!」
エリザが先頭に立ち皆を誘導しながら再び裏路地に入り。
30分くらいスニーキングしながら、ようやくルイ邸までたどり着く。
「はぁはぁ酷い目にあった・・・」
オルガマリーは緊張の糸が切れたのか。ルイ邸に駆け込むなり座り込んでため息を吐いた。
それもそうだペルソナ使いに影響はないとはいえ魔霧は礼装の探知能力に作用する。
ナビゲーションが採用しない以上、頼りになるのは自分の目と鼻と耳だ。
ある意味そういったことは初体験だったのでマシュもオルガマリーと同様に疲労の色が見える。
「さわがしいぞ」
そしてエントランスに一人の中流階級の服装の青年がやってくる。
相も変わらず金時たちに興味はなさそうな目色だった。
「すまねぇな、シン、取り合えずカルデアは回収できたぜ」
「そうか、お前らがカルデアか・・・へぇ」
カルデアの面々を見てもシンと呼ばれた青年は興味がなさそうに視線を流すが達哉が目に移った時だった。
達哉も感じた。一瞬だったが。
目の前にいる青年が人間を超えたナニカのように感じたのだ。
だが違和感は一瞬だった。自分も魔霧で神経擦り切らしたかと思い、その一瞬の何かをそうやって流してしまう。
それが後にトンデモ戦争で碌でもない事に繋がるのだが別の話だ。
「俺は、シン・マナギ、ここの主の傍使えをやっている一応な、アンタ名前は?」
「周防達哉」
「・・・そうか」
その後、サモライザーから全員だして自己紹介を済ませ。
再び全員を元に戻す。
「まぁそれよりもだ。一休憩入れてからリビングに来いってルイが待っている」
「ルイ? この家の家主?」
「そうだな、人を食ったような性格の奴だ。真面な付き合いはしない方が良い」
「何でそう言えるのよ」
「俺がその被害者だからだ。ほんと詐欺も良いところだよ。質が悪いんだアイツ。あと書斎に引きこもってる連中も引き取ってくれ、五月蠅いしな」
そう言ってシンはおそらく自室に戻っていった。
使用人の癖に愛想無しな奴とオルガマリーは思ったが。
幸い、事前に使う部屋はエリザベートたちに伝えられていたようで。
エリザベートに案内され部屋に入った。
案の定嫌がらせか如く三人共同の部屋だった。
「前みたいに長引かなければいいんだけどね」
「前は蒸し風呂だったからな」
第三特異点では船に強引に搭載した蒸し風呂。それと島に上陸してからは水浴で体の汚れを落としていた。
幸いにも第四特異点では風呂が普及しシャワーも普及直前の時期である。
そう言ったことには気にせずに良いだろう。
この邸宅の主は気前が良いのか水はいくらでも使っていいし、食事も提供するとの事だった。
前者は兎にも角にも後者は期待できなかったが。
前述したとおり。ある意味で食事事情が一番ヤバい時期のイギリスである。
どんな料理が出るか不安だった。
ウナギのゼリー寄せやら、先も述べたミョウバンパンやらミルクを水で薄めてチョーク粉で着色したものが出るなら断固拒否して。
入口になぜか設置されていたベルベットルームに入ってエリザベスやサトミタダシから弁当を買うつもりだった。
が・・・
「さぁ好きに食べてくれ。舌を濡らし、胃に物を突っ込まないと回る頭と舌もないからね」
そう言って家主のルイ・サイファーはそう言った。
現代式の御馳走のコース料理である。
最も肉が主体ではあるが上質の物だった。
無論当時はと付くが。
ローストビーフ、子羊の舌の包焼きなどなど。
「ちょっと、このワインどこで手に入れたのよ」
オルガマリーも初めて見るほどどの一品のワインが出された。
銘をサルルブ・シャルトルーズワイン。
製造環境と製造していた一族が滅んだことによって本当に現代からすらも滅びたワインだ。
オークションなどに超高額で出されるワインで。アニムスフィア家すら所持していないどころか。
時計塔のロードでさえ持っていないであろう一品だ。
それがこの場にいる全員に行き渡り、お代わりまである程の量を所持しているとなるとロード以上の金持ちとなる。
あの湯水のごとく魔術の研究に没頭するロード以上にだ。
「私は資産こそロードレベルだが、魔術師としてはそこそこでね、さらに根源に興味もない外れ者なのだよ」
ルイはそう言ってオルガマリーの追及をはぐらかす。
だがそう言った魔術師もそこそこ居るのだ。
時計塔とは根源探求よりも政治的能力が要求される場合がある故にだ。
「では改めて名乗ろう、私はルイ・サイファー。ただの瘦せこけた老骨だよ、では親善のための食事会を開こうではないか」
そう言って各々に自己紹介を交えながら食事会を始める。
場に集まったのは。
周防達哉。
オルガマリー・アニムスフィア。
マシュ・キリエライト。
坂田金時。
玉藻の前。
エリザベート・バートリー。
ウィリアム・シェイクスピア。
フランケンシュタイン(女)。
ジャック・ザ・リッパ―。
ナーサリー・ライム。
シャーロック・ホームズ。
アリス。
シン・マナギ。
そして主催者のルイ・サイファーだった。
ハンス・クリスチャン・アンデルセンは書斎に閉じこもっている。
本人曰く自分自身が力になれるかヴァカ!!との事だった。
アリス。ジャック・ザ・リッパ―。ナーサリー・ライムの幼女チームに出されたのはケーキとか菓子類である。
アリスは特にヤバかった神霊級以上の霊基を保有している何かであるとロマニが伝えたのだ。
と言っても本人はいたっておとなしくジャックやナーサリーと共にケーキを食べていたので無視する。
「カルデアはその拳銃からサーヴァントを出すと金時から聞いていたが、出さなくて大丈夫なのかね?」
ルイの問いに達哉が返答した。
「ああ大丈夫だ。情報共有はされるし。ここで出しても飯の消費量が増えるしな」
「確かに。ご気使い感謝しよう」
難度も述べる通り、カルデアからの魔力供給でカルデアのサーヴァント達は食事の必要性はない。
だが精神的疲労を回復するには娯楽が一番であったし。
カルデアが安定したのも最近の話だ。
故にごく最近まで食事をとって魔力と精神的安定を取るには必須だったが。
今は、精神安定上の問題以外何でもない。
特異点攻略となれば先の松島の様に休暇でもなければ食事は抑えてもらう他ないのだ。
という訳で情報共有はサモライザーの中にあっても出来るので出さないでいるという訳である。
「それより、金時さん、あの竜、知り合いか?」
「この特異点に召喚されたときからの知り合いてーか、同じく抑止力のサーヴァントだった存在だな、玉藻姉御が気づかなきゃ俺も気づけないくらいに変異してああなっていたからな」
「よく気づけたな・・・玉藻さん」
「ええ、ああいう風にする糞坊主を知ってますからね私、と言ってもアレより悪辣でしょうね。なんせ本人が望んでなったものだから」
「どういう事だ?」
「術式は西洋ですが、東洋にも似たようなものがあります、相手の心理状態と魔術回路を爆走させて幻想種やナニカを召喚する媒介にする魔術ですね、けれどはっきり言います、難度が高すぎるんですよ、相手の心に干渉する訳ですから、魔法でいうところの第三法一歩手前の超高等技術ですね」
玉藻なりに分析を入れてそう言う。
心から魔術回路に働きかけて肉体と魂を捻じ曲げ怪物に仕立て上げるか。
ナニカの召喚媒介にするというのは超高等技術だ。
『そのレベルだったら、心理魔術を極めた、律でも不可能だなぁ』
カルデアにも同種の魔術の使い手がいる、言わずもかな式島律の事だ。
心理魔術の現代最高峰の使い手と言ってもいい。だがしかし。
「まぁそうです、現代魔術師ではそこまでするのは不可能ではないですけれど不可能に近い、ましてやサーヴァント相手にねじれさせてあの糞坊主級は最低でも必要です」
現代魔術師では不可能ではないが不可能に近い高度な術式が必要になる。
されど相手がサーヴァントとなれば不可能だ。
ましてやモードレッドはセイバークラスで召喚され対魔力Bクラスを所持している。
お手軽にああまでねじれさせるなんて不可能だ。
「そうは言うがね、町中にあふれている上位の怪物どもは魔術協会のガレッジや本部からあふれ出てきたものだよ、敵は相当の使い手だ」
ホームズが怪物の出所をそう言いだす。
彼とて召喚された当初は怪物共の出現場所の特定や作り出している人物っを追っていた。
今は大体の調査が終了し、この特異点の黒幕の特定にロジックを組み上げ中である故にルイ邸に身を寄せている。
そして怪物どもの出所が時計塔本部やら学園都市のガレッジというのだから驚きだ。
「都市の地下空洞に大規模な魔力反応があるのはこっちで判明してるんだが・・・入口とかは・・・」
「そっちもそっちで化け物だらけだね、達哉君、蛇人間の噂を知っているかい?」
「いいや?」
「私が現役の頃、ワトソン君と出会ったばかりの頃かな? 起きた事件だよ。最も蓋を開けてみればエジプトのカルト教団の報復殺人事件で、犯人が蛇の被り物をしていたという珍妙な事件だったがね、連中は地下を根城にしていたから、当時は地下に蛇人間の国があるなんて噂されたものさ」
「・・・所長」
「ええ、間違いなく噂結界も張られているわね」
某何某が暴れまわって時計塔の人間ねじれさせてシャドウ化させているだけではなく。
噂結界による蛇人間の出現もあるらしい。
この様子じゃ、地下も蛇人間の噂に引きずられて大迷宮化している恐れだってあった。
「うわさけっかいってなに?」
「えっとな、単純に説明するとな・・・」
フランの質問に噂結界に一番詳し達哉が説明を入れる。
「ニャルラトホテプ!! ニャルラトホテプ!! あのドクサレがぁぁああああああああああ!!」
「玉藻の姉御落ち着いて!!」
「なんかあったのか・・・彼女」
「めっちゃ全方位で嵌められたらしい、俺はよく知らんけど・・・」
玉藻、ニャルラトホテプの被害者だったらしい。
今にも呪い殺そうだが、日本三大妖怪にカテゴリライズされる玉藻の前でもそれは無理だろう。
守護神と化しているマサカド公ならいけるかもしれぬが純粋タタリの九尾ではまた個々の隙間に付け込まれて試合終了だ。
「君たちは人理焼却犯と戦っていると同時に普遍的無意識下の神ともたたかっているのかね」
ホームズの問いに達哉はため息交じりに答えた。
「いやむしろ人理焼却犯を操っているのが奴だろう、奴は必要とあれば自分で手を下すが、基本切っ掛けを作って周囲の人物を暴走させ操るタイプだからな」
溜息交じりに達哉はそう語った。
ホームズも顔を顰める、なにせ題目や使命こそ持っているが成功しようが失敗しようがそれはそれでという愉快犯タイプだ。
そう言う手合いは厄介であるのはホームズは身に染みている。
なにせ成功すれば次へ、失敗すればそれはそれで嘲笑う。
しかも普遍的無意識の黒の化身だ。事件を解いてはい逮捕。事件解決なんてことは出来ない。
厄介極まるというかどうしようもないタイプの敵。
「ほう、ほう!! それに打ち勝った英雄譚、吾輩興味が出てきましたぞ!!是非に話を」
それに打ち勝った英雄譚。詳しい話を詳細にとシェイクスピアは達哉ににじり寄り。
「人のトラウマを刺激するのは容認できないわね」
「所長に同意です」
オルガマリーがリペアラーを一丁取り出し右手でシェイクスピアの額に照準をつけ。
マシュもナイフを投擲体制で構えていた。
シェイクスピアはこれ以上の取材は危険と判断。
キャスタークラスでしかも作家タイプのサーヴァントなのだから殺傷圏内にいれば当然、シェイクスピアは二人に劣る。
これ以上迫れば、頭ぶち抜かれるか頭に投擲ナイフが深々と刺さるかの二択だった。
「こらこら、今は食事時だ。情報交換はなら兎にも角にも。取材と武力行使は食事が終わってからにしてくれたまえ」
先ほど、下流階級、中流階級の食事事情は説明したが。
上流階級は実際美味い物を食っていった。ただし宗教観念で食事は黙って素早く食うものとされていたし。
そも彼らが食っていったのはイギリス料理ではなく。雇ったフランスコックだったからである。
もっとも、この屋敷の主は美食家で談笑も許可する当時にしては珍しいタイプなのか。
無理な取材と武力行使以外は控えるようにして料理も自分で作り尚且つ一流のタイプだった。
「「「すいません」」」
そう言って三人は引きさがり、武器とペンを収めた。
「さてこれからどうするか・・・」
達哉はぼやく、やることは真っ直ぐ行ってぶん殴るが最適解なのだが。
敵も味方もない怪物共、噂結界で複雑化した地下迷路の攻略に目頭を揉みつつ。
どう攻略するかと頭を悩ませるのであった。
第四特異点後のコラボイベの前日譚を少しお送りしました。
いまパオフゥは鯖化した織と共に観布子市で起きている聖杯戦争事件を調査中です。
式じゃなくて織です。
式の方は幹也と未那の奔走っぷりに苦労している頃ですね。某能力失った元爆弾魔とは出会ってる頃です。
それでアンケ取りたいと思います。
パオフゥが気を利かせて織と式と幹也を再開させている→イベ終了後、織、両義夫妻やたっちゃんたち見てこれなら大丈夫と成仏、配布鯖枠でペルソナに目覚めた未那ちゃんカルデアに召喚される。
織と式と幹也を再開させていない、織は遠目に見るだけ→イベ終了後、黒幕ぶん殴るために気合で成仏しなかった織が配布鯖枠で織がカルデア入りです。たっちゃんと男友達になるルート、所長とマシュが嫉妬でグギギしたりする。
アンケ終了しました
モーさんはおしまい!!
ごめんねモーさん、君の活躍はないんだ。
第六? 君含めて円卓勢はひどい目に合うんだホントごめんね。
君が嫌って訳でもないんだよ? むしろ邪ンヌに次ぐ推しだったよ。
FGO始めたころバレンタインピックアップで諭吉5枚溶かしても来てくれず。数年後のイベ鯖ピックアップですり抜けで来たことを恨んでいるってことはないよ、ほんとだよ?
けれど付け込みやすい君にも問題はあると思います。
というか原作からして自分の置かれた立場理解していないからね、アルトリアだったからよかったものを。
これがイスカンダルやらAUOやらオジマンやら普通の王だったら正体明かしの時点で首飛ばされても可笑しくないからね。
あと爪ですが爪もニャルの化身です。P2で何役も熟してるからこれ位ニャルにとってはよゆーだったりする。
さすがのホームズも迂遠に行動している場合じゃねぇ!!ってなってます。
ジャックちゃんとナーサリーもルイの手で合流。作家勢はちゃっかりルイの書斎に引きこもっています
アリスにルイ・サイファー&シン・マナギ、いったい何魔人と何閣下と何修羅なんだ・・・
もっとも二人は見届けるだけで。
手出しはしてきませんけどね。難度も下がりまくるしいい事ないから傍観に徹してます。
後、他に出ていないサーヴァントはねじれてシャドウに飲み込まれたか、最初から敵側です
ニャル暴れすぎ問題。出ないと、ノヴァサイザーやヴォイドザッパーで原作以上にバンッスゥ展開になるからね。
魔霧も神代テクスチャに突入しても問題ないペルソナ使いには通用しないし。
ニャルが暴れないと某黒幕以外速攻で叩き潰せるからしかたないね。
そしてまたもや巻き込まれるエリザベートであった。
エリザ「私が何をしたぁ!!」
フィレ「だって君成長できたじゃん」
ニャル「だから成長を期待してもっと試練をね♡」
エリザ「くそがぁ!!」
あとまほよコラボに集中するので遅れます。