Fate/Grand Order たっちゃんがグランドオーダーに挑むようです 作:這い寄る影
『インディ・ジョーンズ/レイダース 失われたアーク《聖櫃》』より
「地下墓地にそして協会の穴倉ねぇ」
「ああ可能性が高いのはその二つだと私は判断するね」
「協会のカレッジの方はどうなのよ?」
「あくまで教養を学ぶ部署だ。守りの観点から見ればそれはない、今回の件は少なくとも攪乱と本命の二犯がいると考えられる」
「根拠は?」
「木を隠すには森の中というだろう? 早急に対処しなければならない事柄を与え本命を隠す、現にカルデアは地下に多大な魔力反応を検知していると聞いているよ。だからこの魔霧は囮だと判断できるわけだ」
へとへとになりながら帰ってきたホームズは軽く湯浴みを済ませ、
オルガマリーの出した珈琲(オルガマリーの私物)を一気に飲み干して、
彼女に情報と推理を伝えた。
魔霧の部分は副産物、或いは本命を隠すための物だと伝えた。
「所でPってやつに心当たりはない?」
「なにかあったのかね?」
「昨晩寝ていたら、奇襲食らってね。アマネに寝ているときに襲われた場合に弾丸叩き込む寝方教えてもらってなかったらなんらかの魔術か魔薬注入されても可笑しくはなかったし、達哉がすぐに来てくれたから何とかなったけれど逃げられたのよ」
オルガマリーは寝込みを襲われたらしい。
だが伊達にアマネの訓練を受けているわけではないのだ。
熟睡していようが邪気を感じれば即応できる訓練は受けている。
枕元にもリペアラーを隠し持っており、
無論対処した。
リペアラーを枕元から引き抜くと同時に回転しつつ肘を相手の顔面に叩き込み、
さらにワンマガジン分を叩き込んだが、数発以外は障壁で対応されるものの、
騒ぎを聞きつけた達哉が駆けつけてくれた。
彼も悪魔だらけの世界で一人サバイバルしてきた人間である熟睡しても即応できるようになっていた。
故に即応され、Pと名乗るサーヴァントは後数発銃弾を叩き込まれていた場合、下手したら退場しているだろう。
第一にペルソナによる精神異常耐性と肉体異常耐性がある奴を付けて万が一にも備えている。
注射器でPとか名乗る不審サーヴァントが万が一にも魔薬の注入に成功したところで効きはしない。
ついでにマシュや他のサーヴァント、特にシグルドを狙っても速攻でペルソナスキルでレジストされるので意味が無かったりする。
まぁこの場合相手が悪かったとしかPには言いようがない。
今や、オルガマリーは二丁拳銃では人類トップクラスなのだ。
あのアマネでさえ本気で教練に掛からなければならぬ存在なのである。
原因はアマラ回廊で出会った半悪魔の悪魔狩人が直々に銃捌きを教えたのが原因なのだが今は関係がない。
とりあえずPとか言っていたおそらくはキャスターには逃げられたわけで、
「それにしたって。どうやってこの屋敷の結界抜けてきたのかしらね・・・」
「ああそれなら屋敷の前で何かが暴れまわった痕跡がある」
ホームズがそう言う。結界の起点が揺らぐほどの物だったらしい。
「モードレッド?」
だとすればねじれてシャドウ化したモードレッドかともオルガマリーは思ったが。
「いや魔力の痕跡を見てみると、膨大な魔力、クラスでいえば神獣クラスのナニカが二体ほど。魔力一切無しの只の力で捻じ伏せられた感じだ」
「はぁ!?」
神獣クラスとなれば生ける大災害だ。達哉やクーフーリン、シグルドにブリュンヒルデもいれば対応可能だが周辺被害は覚悟しなければならない。
それをただの力でシバキ倒し、結界が揺らいだ程度の損害に収めたというのは規格外に過ぎる。
「もっとも屋敷の結界から外はクレーターだらけだけどね」
「・・・ホームズ、そいつの心当たりは?」
「あるが・・・本件には何のかかわりもないから無視してかまわんだろう」
「・・・という事はルイかシンなのね・・・」
「おや、彼らの実力を見破っていたのかね?」
「全容は把握しきってない。けど第二で同類のような奴に接触してね。それで」
「そうか、だが下手に聞き出すつもりはないと?」
「観戦してるやつのケツどついてマフィアでしたなんてオチは御免被るわ」
二人は少なくとも敵ではない、かといって味方でもない。
只の観客だ。
そりゃ役者が舞台を降りて殴りつけてくるなら反撃してくるだろうから
此方からは手を出さないだけ。
これ以上の厄介事はオルガマリーとしても今、提供された馬車の点検をしている達哉としてもカルデアの面々としても。
ルイやシンの正体やら懐を調べる気は毛頭なかった。
利用できるものは全て利用する。
でなくば特異点攻略なんぞできぬからである。
「とりあえず。シャドウェルのセントポール聖堂の地下墓地から攻めてみましょう」
生前、ホームズがワトソンと出会う切っ掛けとなった蛇人間事件という珍妙な事件が起きた場所であり、
犯罪界のナポレオンとも言われるモリアーティ教授との初邂逅となった事件の現場である。
「達哉君、そっちはどう?」
「どうもこうも、ここまでの物どう用意できたんだか・・・馬で走らせる装甲車みたいなものだぞこれ」
譲り受けた馬車にM2重機関銃やら迫撃砲やらをまた天井に取り付け近代化回収しながら、
同じくツナギ姿という珍しい恰好をしたマリー・アントワネットの問いにそう返した。
達哉も孔明に魔術を座学やある程度の実技を交えて、
才能はないため行使は出来ぬが知識はあるため、
この馬車にとんでもない強度補強用の魔術が掛けられていることは確かだと理解できた。
よって通常の工具では取り付け改造が不可能なため、シグルドやブリュンヒルデに工具を強化のついでに取りつけ自体を手伝ってもらっているというのが現状である。
「第一を思い出すわね」
「馬車に銃火器満載して敵陣に突撃したからな」
二人はそれを思い出し気をもんだ。
ジャンヌ・オルタへの居城への突撃時、銃火器で武装した馬車を走らせての突撃である。
今回はアレを場合によっては複数度行わなければならないのだから気が滅入るのも当然だ。
「それよりクー・フーリン大丈夫か?」
「死んだ目で銃弾一発一発にルーンを書き込んでいるわね」
ブリュンヒルデとシグルドは馬車本体の強化に努めているため。
クー・フーリンが死んだ魚の様な表情で各種銃弾にルーンを書き込んでいた。
M2でさえ一分で大体六百発使い切るのである。
故に3000単位の弾丸に刻印しなければならない訳で。
更に他の銃火器の弾丸にも強化施術をしないといけない訳で。
クー・フーリンは泣きたくなった。
それは達哉たちも同情しているがそれはそれという奴である。
「馬はマリーさんの奴を使うとして・・・市街地。銃器類ブッパしながら進むのか?」
「スニーキングより確実だと思うわよ、私的には」
「だがまたランボーだぞ」
下手にスニーキングするよか確実という、マリー・アントワネットに達哉はため息を吐く。
なんか最近過激になってきたなこの元王妃様と思いながら、
補強を続ける。
「先輩。お昼ご飯持ってきました」
其処にマシュが来る。
彼女は技能値がある意味、資料整理に振ってあるので、幼女三人組の世話をしていた。
昼飯という事もあって作業中の皆にマシュが昼ご飯を運んでくる。
またもや娼婦風スパゲティだった。
忙しい時は毎回これで曰く簡単だからとかである、味が保証されているのが質が悪い。
因みに幼女三人組にはナポリタンである。
「一時間後には出発だ。全員良く食っておけよ」
「そういえば先輩、出撃メンバーはどうなってるんですか?」
「ホームズが加わること以外は何時ものメンツだな」
幼女三人組はさすがに無理だ。
アリスはルイやシンほどにではないしろヤバい感じだが、かといって幼女を戦わせるほどカルデアは腐っていない。
それに彼女は良くも悪くも純粋だ。敵味方の区別がつかない可能性がある。
敵味方関係なく大技ブッパされても困るので当然連れていけない。
ナーサーリーは単純に戦闘能力が無さすぎる。
此方から手ぐすね引いて、引き込む待ち伏せなら彼女の能力も十全に発揮できるだろうが。
今回は奇襲、強襲作戦である。まず戦力にならない。
次にジャックだが単純に霊格が低い、ギリギリサーヴァントなのだ。
敵がどのような敵かはまだ分からないが純粋な力勝負に移行した場合、十中八九負けるだろう。
敵にガリオンでもいたら最悪だねじれというシャドウ化が待っている。
作家サーヴァント達もナーサリーと同じ理由で役立てないので留守番だ。
という訳で何時ものメンツでランボーである。
「毎回、毎回、ダイナミックエントリーですね・・・」
「しょうがないじゃないか、時間ないんだから」
毎度、毎度、実感がないためこうなるのは仕方が無いとマシュのボヤキに達哉が答える。
「M2重機関銃だったか・・・当方たちは知識はあるが扱えんぞ?」
「ああ、それなら大丈夫だ。所長が扱う。他の火器も経験の在るマリーさんや書文さんに宗矩さんが扱うからな」
「私、思うのですが・・・、あの方々、現代兵器に慣れすぎでは?」
シグルドの心配を他所に銃器は何時もの面々が扱うことになると達哉は娼婦風パスタを口にキレイに運びながら言った。
前にラーメン啜るように食ったらマシュにヌーハラと言われたので、
食べ方をオルガマリーに教えてもらっていた。
閑話休題。
それにしたって、カルデア前期組の面々銃火器になれ過ぎではないかとブリュンヒルデが疑問を呈する。
「だって楽だからだそうだ」
「宗矩殿や書文殿達が?」
「ああ、本人達も保安部の施設使って特訓しているし、マリーさんは火力不足補うためだとか言っていたな」
ペルソナチェンジと高位ペルソナを使えない以上、マリー・アントワネットは火力不足を痛感していた。
ここ最近での戦闘で特にだ。
だから彼女も銃器の扱いの訓練に参加している。
オルガマリーと一緒にCQCの訓練にも参加していたのを達哉は見た。
案の定、ビッタン、ビッタンと二人ともアマネに投げ飛ばされていたが。
サーヴァントクラス二人を投げ飛ばすってどこまで可笑しいのだろうという話だが。
パオフゥとかいうペルソナよりあり得ぬ指弾使いが嘗て仲間に居たこともあって、
人間純粋に鍛えれば行けるだろうと達哉は何の疑問も抱いていなかった。
達哉の仲間たちは例外が多すぎて基準点になっていないがアマネの実力は周囲のサーヴァントも可笑しいと思うくらいには可笑しいのである。
本当に生まれる時代を間違えているのだ。
「タツヤ、準備出来た?」
「もうすぐ終わる。だが良いのか?天井に穴開けて両サイドの扉取っ払って」
「迎撃しながらになるからいいのよ」
とそこにオルガマリーがやって来て作業の進捗具合を聞く。
馬車自体も強度は無論、天井と内部に行き来しやすい様に穴を開けてて、
両サイドの扉は邪魔になるからと取り払われていた。
因みに馬は爆走できるマリー・アントワネットのガラスの馬である。
下手に魔改造したスポーツカーよりスピードは出るし旋回も可能。
お陰でフレーム強度や足回りの強度を上げるのに手こずったが。
「後ダイナミックエントリーじゃないから」
「そうなんですか?」
「地下墓地にこれで乗り込むわけにはいかないでしょう? だから目標ポイントに付いたら下車して。礼装で隠して、地下に突入、無駄足を踏んだ場合は戻りに使うからね」
そう今回は口引きになる。
地下通路はカルデアからも観測出来ない、いわばアステリオスの宝具と同じような状況だ。
最低限の通信など通じるかも入ってみないとわからないのである。
オマケに本家本元に突入ルートからたどり着けるのかさえ分からないのだ。
故に当たりはずれがある。今回の探索で外れを引いた場合、
あの館に戻らねば休む場所がない故に戻らねばならない。
「ダンジョンに行き来するのも危険なウィザードリィだな、まるで」
「例え古くないですか? 先輩」
「仕方ないだろう・・・、俺のゲーム知識は64とかプレステ止まりで興味もなかったしな」
達哉はある意味古い人間である。
ゲーム知識はPSや64止まりかつ興味もないので、
親のPCにインストールされていたウィザードリィとかクラスで話題になっていったドラクエしか知らないのである。
まぁそれはさて置き。
「さぁ作業が終わったら出発よ」
「それは良いんだが・・・」
「なによ?」
「クー・フーリンの作業が終わっていない」
クー・フーリンの作業がまだ終了していなかった。
すぐさまシグルドとブリュンヒルデがサポートに入り、
作戦は予定時刻に間に合わされることになる。
本格的攻略の始まりであった。
シャドウェルのセントポール聖堂に向かう道すがら、
大した敵との交戦はなかった。
シャドウ化したモードレッドとも交戦しなかった。最も雑魚との交戦はあったがほとんどがM2重機関銃で片付けられるレベルであった。
逆に手ごたえが無さすぎて不気味であり判断に困る状況である。
だが問題があった。
「冒険楽しみ~!!」
幼女三人組が馬車の席の下に潜り込んで付いてきてしまったのである。
色々急いだためか確認が甘かった。
「三人とも、ここからは危険領域です。私の背後から出ないように」
「「「はぁい」」」
という訳で幼女三人組の世話をすることになったのはマシュだった。
元々デミサバ計画で自分よりも後に生み出された個体の世話焼きお姉さんをしていた時の記憶を取り戻しているし、
シールダーという特性上、子守にはうってつけだ。
フランも付いてきているのだが、こちらは純粋に大火力持ちという事もある。
後は金時に玉藻だ。
「まぁ私は後方として・・・」
「俺は前衛だな」
金時は鉞という名のもう手斧じゃねぇかという主武装のお陰で地下通路という狭い場所に適している武装なため前衛。
ホームズも先導役として前衛だ。護身用に一応リボルバータイプの武装であるコルトパイソン(第一でオルガマリーが使っていた奴)を持たせている
さらにオルガマリー、宗矩だ。彼らは火器を上手く扱える。
伊達にキルハウスに入り浸っている訳ではないしランク一桁台ではないのだ。使う得物も閉所向きなのも大きい。
玉藻はキャスターなので後衛確定だ。
中衛は達哉、マシュ、幼女三人組、フランとなる。
他は留守番だ。
閉所で人数が多すぎるのも問題となるが故にである。
「近接戦闘する際は気を付けて。噂結界で第三みたいなことがあるかもしれないし」
「前の特異点で何があったんだよ?」
「最新鋭の防刃防弾装備を神秘で強化した兵士がわらわらと出てきたのよ。宗矩でも両断できない防御力を持っていたから今回もそう言った装備身に着けている連中が出てこないとは断言できないでしょ?」
第三特異点の狗兵はポセイドンが作った装備で固めていてそれはもう手こずった。
蛇人間が噂で具現化している以上、なんやらかの装備で固めているパターンも考えられる。
だから用心に越したことはないし、前衛組に注意を促すのだった。
そして地下墓地へと潜入する。
「呆気ないな」
アポロを戻しつつ達哉が言う。
戦況は駆逐戦という一方的蹂躙戦と相成っていた。
相手は想定された装備をしておらず、
一蛇の鱗程度なんぞ楽に貫通できる装備ばかりである。
それでも何とか近接戦闘に持ち込もうが金時の鉞、オルガマリーのマズルスパイクに蹴り、ホームズ伝家の宝刀バリツ、
宗矩のベネリM4、
更に中衛からの支援に、
玉藻の支援も合わさって、容易に駆逐できてしまっていった。
「手ごたえがないにもほどがあるぜ、マスター」
「こりゃ最深部は当たりかなんか別の厄介事が控えているな」
「つまり外れか・・・私モーレツに帰りたいんだけど・・・」
「確認作業が終わっていないんじゃそれも出来ないだろう、所長。マシュ、カルデアとの通信は?」
「出来ませんね。マップサーチもアステリオスさんの宝具下と同じで機能してません」
ほぼこの地下墓地は魔改造され迷宮化していた。
案の状の噂結界という奴であろう。
「という事は、このまま行けば蛇人間の王国でもあるのか?」
「それを確認したら撤収ね・・・蛇人間に用はないし」
噂結界で蛇人間の地下王国が出来ている可能性もないことはない。
無論そんなもんは興味がないし、一番の歪みは地下に存在する超大型の魔力反応だ。
そっちを優先したいし、その巨大な魔力反応を取り除き修正が完了しなければ、
またここにかち込めばいい。
そして狭い通路を抜け、
ドーム一個分の大型の広間に出る。
広間には祭壇が建設されており、
黒ずくめの女事、ガリオン、右腕は鋭い爪を持った機械義手を付けた鉄仮面のスーツ姿の男が祭壇の上に存在していた。
そして、
「アレ・・・P?」
オルガマリーが魔力の反応から祭壇に磔にされたPを見て唖然としていた。
最もその肉体は原型がない。
肉体に無理やり機械を取り付けたようなナニカになっている。
美しい顔面はそのままで半分だけ旧型のパソコンのディスプレイをくっ付けた様相だ。
残った片方の目も白目は黒目になり瞳は赤に染まっている。
ありていに言って化け物だ。
「ようこそ、Nの祭壇へ、と言ってもホームズは初見ではないかな?」
「ああそうだとも」
「モリアーティが手を貸した魔術的殺人事件の中枢核だものね、ここは、まぁそれは良い。ご足労ご苦労そしてハズレだよ、と言っても今この祭壇は、私の力でアマラの神を召喚し根源に行ける力はある」
「なんですって!?」
アマラの神を観測、降誕させ憑依させて根源に行ける。
ニャルラトホテプならば余裕だ。噂結界とはそう言う物故にだ。
そしてこれはホームズがワトソンと出会い始めて挑んだ魔術的事件でありジェームズ・モリアーティがその魔術師に手を貸し起こした事件の再現である。
まだねじれが発生していない頃、Pがその事件を再現し根源に行くために噂を流し、こうして再び儀式は再現された。
それ即ち、
「噂だよ、人々が求めるならば我々は何でもできる」
そういう奴だったと全員が思い出す。
「そしてこのP。否パラケルススも哀れな愚衆だよ。そういった意味ではよく踊ってくれた。見ていてつまらんものではあったがね。すでに何度も間違えたのだ。都合の良い美味しい話をしただけでこの通り」
「間違えた? 美味しい話?」
「そうだよ周防達哉、こいつは平行世界でのとある聖杯戦争で主を裏切り、友と呼んだその主の娘すら阿呆極まる根源接続者風情の小娘に売り渡し、平行世界の人理焼却では焼却側に加担。そしてその人理焼却などでこいつは周りに対して友達になりたいなどとほざき、そして今回は私がお膳立てすれば、この通りという奴だ」
クスクスとガリオンは嘲笑う。
そうパラケルススはこれだけやらかしているのに、藤丸などと友になりたいとかほざいていた。
まったくもって反省がない。
だから欲するものを与えてやった。
それと同時に呪いもプレゼント済みだ。
『お前は永劫欲するものが目の前にあっても得られない』
そう言う言葉の毒をだ。
案の定、欲しい物が目の前にありその最後のピースがオルガマリーであることを知ると真っ先に鹵獲に向かったが。
結末は先にも話した通りだった。
実力を身に着けたオルガマリーに奇襲やら暗殺を仕掛けるならそれこそアサシンクラスでなければならない。
パラケルススはそこが分かっていなかった。
只の魔術師と思い込み奇襲してその様だった。
それで這いつくばりながら祭壇へと帰るとガリオンが其処に降り。
『だから言っただろう?君は見たいものしか見ない、持ってるものからしか奪えない、だから二兎を追って逃がすのさ』
忠告はしたぞとガリオンはそう言いつつ。
『だから永劫取り逃がす、この座というシステムがある限り君は根源に行けない、反省もしないから作り出せない』
『そんなことは・・・』
『あるね、君はそうやってきただろう? そうやって裏切り続けた。それで何か得られるとでも? 私の事も後ろから刺す気満々だっただろう?』
『!?』
『徒労だな、まぁいいさ、自覚しなければ反省も罪も罰もないのだから』
そしてガリオンがパラケルススに手をかざした。
座からの強制データダウンロード、無論記録としてではなく記憶としてだ。
更にパラケルススの召喚システムを少しクラッキング。
これから彼は召喚されるたびに記憶としてやらかしたことを記憶として保持し続け呼び出され続ける。
永劫に罪悪感から逃げられないように。
そして無数の罪に発狂しかけ、
パラケルススはねじれた。
という訳で残ったのは根源を召喚する儀式場である。
無論少しでも根源が流れ出れば碌なことにならないのは当然である。
「まぁ、条件はあるがね、だがシンプルな理由でもある」
「シンプル?」
「此処で私たちが君たちに勝てば祭壇は機能する。逆に言えば私たちが負ければ祭壇の機能は無意味に終わるということよ」
「そうかい!」
達哉が鯉口を切ると同時に、ガリオンが動き始め、爪が疾駆する。
蛇人間たちが大声を上げて突撃してきてサーヴァント達が迎撃態勢を取る。
戦の火ぶたが切って落とされた。
「ニャルラトホテプゥ!!」
達哉の気合一閃、ようやくものにした宗矩の居合が走るが。
「そう簡単にはさせんよ」
爪がその右手で刃を掴み取った。
右手は形以上に強度を持つようである。
兼定がへし折られる前にアポロを呼び出し0.1秒停止。
刃を引き抜きつつ一歩後退と同時にゴッドハンド。
無論爪も回避。
その瞬間、ガリオンと爪以外に怖気が走る。
「死んでくれる?」
瞬間、無数のトランプ兵が出現し蛇人間たちを串刺しにする。
刺された連中は即座にゾンビ化。アリスの制御下に置かれ、互いに互いの勢力との殺し合いを始めた。
「おいたはだめよ。お姉ちゃんやお兄ちゃんたちが困ってるじゃない。クスクス」
更に場の空気が変わっていく。
「これ、浸食型固有結界!?」
オルガマリーがマズルスパイクを交差させパラケルススの攻撃を防ぎつつ驚愕する。
固有結界ならまだマシも浸食型となるととんでもないものだ。
そしてこれで確定した。アリスもまたアマラの実力者なのだと。
この結界の範囲に居る限り。殺されればゾンビに変換され永遠の玩具になるという恐ろしい物なのだ。
無論浸食範囲や速度はどっかの蜘蛛には劣るが少なくともロンドン全域を支配下に置ける能力はあるだろう。
だが問題は。
「それをもってしてもこの数とは!!」
「すいません、そちらの援護に行けそうにないです!!」
シグルド夫妻がそう叫ぶ。
総数が圧倒的なのだアリスが浸食型固有結界を発動しゾンビを量産してもなお上回っている。
絡まれたサーヴァントたちは釘付けにされていた。
わらわらと地下から湧いてくる蛇人間。
そうここは王国ではなく祭壇にすぎず、王国はまだ下にあるからだ。
状況は最悪のハズレくじを引いた形となる。
物量とはそれだけ恐ろしく、
地下閉鎖空間という条件下で高威力宝具を放てばどうなるかは特異点Fで立証済みだ。
即ち空間自体の崩壊を招きかねない。
それで全部解決できるんだったら達哉もオルガマリーも令呪を切るが、
解決できないからこそ切ることができない。
下手すれば地下空間の崩壊で自分たちごと生き埋めだ。出来る訳がないのだ。
故に爪が大暴れする。彼は物理スキルで身を固めている上にハイサーヴァントレベルの戦闘機動だ。
全域を一人でカバーできるうえに、背後にはガリオン。
ガリオン自体が宝石翁一人と後期型に目覚めたペルソナ使いが協力しようやく仕留められた化け物である。
ニャルラトホテプの化身故に空間に合わせた出力と援護なんぞ朝飯前だ。
「アンティクトン」
ガリオンが右手を握りしめると同時に。
地下に光が走った。
万能系スキルの最上位の一つアンティクトンである。
「
だが広範囲系はこちらも持っているとばかりに後衛に控えていたマリー・アントワネットが宝具で防ぐが、
バキャリ・・・
そういう鈍い音ともに
「嘘!?」
「いいや本当だとも」
ガリオンは嘲りながら二発目のアンティクトンを放たんとする。
伊達にこのちょい先の時代で宝石翁が一般ペルソナ使いの手を借りなければ殺しきれなかったであろうことが証明されている女だ。
対軍宝具ですら防ぎきる宝具を粉砕できるのは朝飯前という奴であろう。
「アン「
だがさせないと。ジャックが前に出て宝具を発動する。
友だちや姉やら兄たちが頑張っているのに自分だけ背後に突っ立っているのは我慢できなかったのだ。
結果、アンティクトンの発動は防げたものの。
「甘いよ」
「!?」
条件が女性のみ事もあり。
文字通り見え辛い一撃にしかならなかった。
ガリオンはニャルラトホテプの化身だ。当然闇無効くらい持っている。
故に解体聖母は通用せず。
上記に述べた通り見え辛い一撃にしかならない。
突き出されたジャックの右手首をつかみ、そのままガリオンは身を反転。
ジャックを空中に投げ飛ばす。
「ねじれの鎖」
そしてジャック目掛けて、漆黒と金色が混じった鎖を全方位から投射。
ジャックを絡めとり。
「さぁ君はどうねじれてくれるのかな?」
「ああああああああああああああああ!?」
ジャックがねじれという名のシャドウ化が開始されるものの、
「マシュ! 爪は任せた!!」
「了解です!!」
瞬間、マシュが全力で疾駆。
と同時に達哉はアポロにペルソナをチェンジ。
ノヴァサイザーによる時止め5秒で。跳躍しつつ縛り上げられたジャックの鎖を兼定やアポロで断ち切り救出。
時間の流れが元に戻る前に後衛組の方に投げつつガリオンに切りかかる。
「厄介だよ、そのスキル!」
「いい加減退場願おうか!!」
更にノヴァサイザーを展開、停止時間八秒。
アポロがマハラギダインを複数展開。
更に達哉が渾身の唐竹割を叩き込む。
これにて勝負は決着――――
「するわけないだろう、対策はしっかり取っているよ」
「!?チィ!!」
体表面に複数の防御結界が張り巡らされ、服自体も高位の礼装だ。
それはサーヴァントレベルの対物理結界と対魔力礼装であり、
動く城塞と形容してもいい。
達哉ので打ち破るのであれば、物理耐性キルスキルで無力化して切るか、
あるいはサタンの四倍光子砲を直撃させるほかない。
故に状況は拮抗状態へと移行する。
かに思えた。
「やぁぁああああ!!」
「くっ」
マシュが爪を追い詰め始めたのである。
此処で第三の歪んだ覚悟を矯正したのが生きてきた。
ちゃんとした武を発揮できるようになったのである。
殺意を物にして自分の欲する物を守るために動くという気概と覚悟が彼女を天昇させる。
殺す術と守る術が上手くなる。
オルテナウスは彼女の決心にギアを上げていく。
爪も爪で雑魚ではない、それこそ上位層のサーヴァントとやりあえるスペックは持っている。
だが戦闘の中で急激に成長していく少女に。そのギャップによって手こずっている印象だった。
「ならば」
最初から相手に合わせて労力を最低限になんて考えなければいい。
なぜ最初からそうしなかったのは爪的にも訳がある。
カルデア勢全員が強力だからだ。
マシュ程度と言っては悪いが彼女の戦闘力は低いと見積もっていた。
だから後に控えている大英雄などを相手にするのに余力を残しておきたかった。
だがそれもしている暇もない。
であるなら速攻を仕掛けるべきだろう。達哉がいつどこで時止めをしてくるか分からないのだから。
しかしその思考の数瞬が命取りとなった。
「アルさん!!」
「分かっています!!」
爪の背後に聖剣に魔力を装填したアルが現れる。
床には砕け散った蛙のフィギュア。
つまりトラフーリを一回だけ発動させるアマラのアイテム。
アルトリアは未熟ではあるが戦力にはなる、だが未熟故安定した戦力としては使えない。
霊基をバッサリやられたらカルデアでも修復不可能になるため、
万が一の為に持たせておいたのだ。
マシュはそれで思いつく。
ジャンヌ・オルタの戦闘法と第二特異点でカルト共に奇襲された時を。
だから事前にアルに通信を入れて置き。
チャンスが来たら自分が爪を釘付けにするからカエレールで爪の背後に転移し宝具で薙ぎ払えと。
言っては悪いがまだマシュにはクー・フーリンやらシグルドやら、ブリュンヒルデの宝具を受け止められる自信はなかった。
かと言って宗矩、書文、長可だと背後を取ってもよけられる可能性がある。
ならクー・フーリンの刺し穿つ死棘の槍の方が良いのではないかと問われるとそうでもない。
闇無効を持っていったら因果逆転の呪いも弾かれてしまうからだ。
故にある意味適正なのがアルトリアだった。
「
「
そして炸裂する極光と防壁。
二つに挟まれるように爪に炸裂し、
マシュの偽装宝具/人理の壁が現状の最大出力で放たれた勝利すべき黄金の剣の被害を抑え込むことによって。
超火力をこの広大ではあれど閉鎖空間で使用可能にしたのだ。
だが、
「よくやる・・・!!デスサイズカット!」
「「っっ」」
カリバーンの極光を右手一つで引き裂いていた。
最も威力の前に動けはしなかったが拡散する光を前にマシュも下手に動けない。
ならばとマシュは足腰に力を入れて前進した。
「アルさん、そのまま剣を突き出していてください!!」
「ッ―――――わかりました!!」
「貴様!!」
「このまま押し切らせてもらいます!!」
そのまま爪の背を押す。
「うぉおおおおおお!?」
「「やぁぁぁぁぁあああああああ!!」」
そのまま爪は押されていき。ゆっくりとカリバーンの切っ先が胴に突き刺さっていき。
最終的には極光に飲まれて消滅した。
そして一方の達哉はガリオンとの死闘を演じている。
逆に言えば最も割食ってるのがオルガマリーだ。
後方組は支援してくれるが、
カルデアの保安部の元工兵からの指示でこの大空間を崩落させる程のC4を仕掛ける作業も同時並行かつ、
前衛組は文字通り釘付けだったため支援を求められない。
故にオルガマリー単騎でパラケルススシャドウの相手をしていたのだが、
これまた相手が手ごわい。
不死性が付与されておりヴォイドザッパーで両断しても即座に再生される。
やっていられないとはまさにこのことか。
だが第三特異点でメディアに教わった魔術がある。
それ+精神力を極限まで込めたものなならばと、リペアラーのマズルスパイクで捌きながら大きく後退。
「圧縮、圧縮、浮遊、炸裂、詠唱放棄!!」
空間強度ギリギリに調整しつつメディア譲りの奥義を放つ。
「ペルソナ!! シュレディンガー!! メギドラオン!!」
炸裂する白夜の如き極光。
知性が失われているパラケルススに避けるという思考はなく、
直撃をくらい、各種耐性も万能属性を前に無意味に引きちぎられ消滅した。
残るはガリオンと大量の蛇人間だが、
『全員に言うぞ。C4の設置が完了した!! 繰り返す!! 設置が完了した!!』
孔明の通信からの合図。
全員が撤退行動に移る。
地下空洞を爆破してしまえば蛇人間だとか根源に至る儀式とかもう関係ない。
此処は撤退一択。
爪も倒した。
最低限の目標は達成されている。
達哉は即座にノヴァサイザーで場を離脱。
全員が出口に向かって走り、出口を通過したところで孔明がカチカチとC4の起爆スイッチを押す。
それと同時に大轟音、大空洞が崩れ蛇人間たちの悲鳴がこだまする。
最もガリオン自身は詰まらなそうにそれを見てトラフーリで離脱をする。
大空洞の崩壊は地下墓地にも影響したのか、
通路まで崩れ出す。
「インディジョーンズやってるんじゃないんだけどぉ!!」
「しなきゃ死にますよ!! 先頭が詰まったら終わりです!! 走って走って!!」
オルガマリーの愚痴にマシュが突っ込み。
全員が地上まで走って、
何とか全員生還を果たしたのだった。
そして疲れたとばかりに皆が馬車に乗り込み。
来た道をもどりだしてしばらくたった後。
”ドラゴンの遠吠えが響き渡った”
Pさんは寝込みの美女を襲うとか強姦魔レベルの事をやらかしたので。
胴体に数発、対鯖用神経弾叩き込まれましたね。あとオルガマリーの肘。
次カルデアと接触したらレスバで負けて蜂の巣確定か首ちょんぱ確定です。
アイツ反省しているとか抜かしてるくせにFGOでやらかしてますからね.
ついでに言えばリペアラーの狙いも腹部とか胸部です。一番当たりやすくて行動不能にしやすいですからねそこらへんは無理に頭や心臓を狙うなというアマネの教えです。
銃とはいえ、急所狙いになると途端に難度跳ね上がりますから。鎮圧するなら肺とか大小腸狙える胸部や腹部狙った方が確実に鎮圧できますしね。
ニャル的にもM的にもお邪魔要員の使い捨ての駒としか思われていない。
なのでキンクリしました。
真向からペルソナ在り対サーヴァント用兵装を装備しているオルガマリーにPは勝てないし。
たっちゃんも銃声聞きつけて駆けつけてきたからね。
逃げの一手を打たなきゃPさん確殺されていました。
と言ってもニャルに嵌められて今度は自分が無残に使い捨てられるという因果応報の結果を迎えた訳ですけどね今回は。
そして何時もの、簡易装甲車馬車。
使えるもんは何でも使っていくのがうちのカルデアスタイル。
なお、M2やミニガンはカルデアにある車やヘリからひっぺ剥がしているのを使っているため地味に銃本体の在庫がヤバかったりする。
後地味に航空機用バルカン砲を乗せたゲテモノプリウスもある模様。
ねじれモードレッド
竜種 クラス神獣
神話レベルクラスのドラゴン。アルトリアのコピーであるためねじれた際にアルビオンの因子も活性化した結果このざま。
作中では巨人と騎士と竜種をごちゃ混ぜにして鎧を骨格兼鱗とした感じの醜悪な竜である。
ブレスはクラレントを媒介にしており最大開放の二倍という威力を発揮。
暴れまわる様は嵐の王の如し。
もちろん無差別に暴れまわっているため放って置くと人理定礎が悪化するお邪魔キャラ。
故に次回討伐予定。
あと次回ですが。すっごく遅れるかもしれません、気温の変化、気圧の変化による自律神経失調症からの鬱悪化のコンボですんではい。
あと、エルデンリングのDLCに集中しますんで。
その点ご了承願えれば幸いです。