Fate/Grand Order たっちゃんがグランドオーダーに挑むようです   作:這い寄る影

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ウォズ 祝え。

はっ?

祝えと言っている。

仮面ライダージオウより抜粋。


第四章幕引き 「そして彼らは引き裂かれた」

土煙の中から達哉が歩いてくる、

右手には一枚のカードが握られていた。

深淵に濡れた反転したアルカナカード。

イノチノコタエに近いモノ。

その途上に位置するモノ

 

 

「ッ、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!」

 

 

オルガマリーとマシュの耳に達哉の叫び声が聞こえる。

怒り狂う声だ。あるいは悲しみに嘆き叫ぶ声だろうか。

ボウゥとする視界の先で。

 

「無様に叫ぶな、貴様は」

 

魔術王を騙る物が嘲笑いながら達哉の様相を見て嗤っていった。

その様子を酷く冷めた目で影は見ていた。

危機感がこう欠如していては笑うどころか、馬鹿かと真顔にもなろうものだ。

神殿を使えるなら兎にも角にも。

そこにすらいない獣畜生風情が、世界を拓く者に勝てる道理などないのだ。

即ち■■■■を抱く者がその願いを排斥という普遍的獣性で出力すれば世界は終わる故に。

 

「黙れ――――――――」

 

そして地獄の底の明星の如く神を恨む声が響き渡る。

彼の手にはリバースした太陽のアルカナ。

 

「なにを「いい加減五月蠅いんだよ。余計な世話だ負け犬」」

 

達哉の眼が魔術王を射抜く、殺意に濡れているだけではない。

見られただけで魔術王は己の存在的輪郭を失いかけた。

冷や汗が出る、圧倒的ナニカが這いずり出ようとしている。

 

「だめよ・・・タツヤそれだけは・・・」

 

オルガマリーも何かを感じ取ったのか制止しようと、折れた左手を右手で庇ないながら言う物のもう彼には声が届かない。

 

「いつもそうだ。したり顔の事情通の様な顔をしてお前たちは俺達の世界を壊す。くだらない、終わっているだのなんだの言って、現実で戦おうともせず都合のいい幻想を持ち出して、いつも俺たちの俺の日常を壊す、ふざけるなァぁあああ!!」

 

達哉の絶叫、それと同時に彼の心臓から漆黒の杭が飛び出てそこからラインが走り、

彼を取り囲むようにワイヤーフレームが人型を成す様に展開。

3D映像にテクスチャを張り付けるように古今東西の太陽神 時間神 軍神の荒魂の側面が貼り付けられ血肉となって構成される。

もうこの段階で、人の魔術ではどうしようもないレベルの霊基密度だ。

 

「来い! 来いィ!! 俺はァ!!」

 

達哉の呼びかけに応じ彼を媒介に新たな神がここに降誕した。

 

「此処にいる!!」

 

世界創生における指針。

それが今、創生の方面から終焉の方へと反転したのだ。

降ろされた神々は一人だけではない。アマラを経由して阿頼耶識を通し、向こうの神々の最高位分霊を身に下ろす。

普通であればそこから自分なりにそれらを染め上げ、我が身を神へと作り変えるのだが、

達哉はまだ答えを出していない。

故にリバースイドの原理で外装のみとなっているが、その出力は本家本元にも劣らない。

否、達哉は勝っていた。なにせ、アポロ、ヴィシュヌ、クロノス、クトゥグアの四神を中心核として彼らの驚愕を他所に纏め上げているのだから。

 

「ペルソナァ!! アポロ・リバースゥ・イドォ!!」

 

瞬間、顕現したのは無限奈落と言う概念そのものだった。

時が淀んだ。

空間が緩んだ。

物質は輪郭を歪められ歪に結合され無意味な結晶となり、

テクスチャはふやけて無意味な紙くずと化し、

星が絶叫し、

特異点が歪み切った。

 

「――――――なんだそれは」

 

それは侮辱ではなく驚愕。

突然として自分を真っ向から滅殺出来る存在の顕現である。

シャレになっていない。

 

「オオオオオオオオォォォオオオオオオオオオオ!!」

 

咆哮。

それだけで時が一瞬崩壊。空間は破壊され。地面が無意味な結晶となって砕けとぶ。

魔術王を語る者へと走る。

神卸の本質とは身に神を下ろし神の力を振るう事にある。

故にこそこれこそ本当の神卸。

■■■■を開くための前準備なのだ。

高純度で阿頼耶識からくみ上げられた神格の断片がアポロを中心として融合し融解。

男、即ち周防達哉の身に絡みつき彼自身の鎧として具象化。

彼自身を神へと昇らせる。

赤から白へ、アポロの頭部の王冠の如き装飾は角のように伸びて。

手足に黄金の手甲と具足が

 

「嗚呼・・・ああああああ・・・」

 

美しく。されど肥大化した具足と両腕は歪で醜く。

 

 

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

表情には燃え上がるような三つ目と三日月状に裂けた口。

神の名は「アポロ・リバース・イド」

 

―お前たちはいつもそうだなぁ。―

 

 

―愛しているという者たちに背負わせ、ようやくその段階に至り理解し、それがどれほど対象を傷つけるのか、狂気に走らせるのかを知らずに逝く。万人が散り際は美しいというがな。私にとっては傷という物を使って暴走へと叩き落す便利な手でしかないし、当人たちにとっては重荷を背負わされるという溜まったものではない行為そのものだよ―

 

彼のもっとも憎い他者を排斥する感情を具象化した物である。

我慢の限界と言う奴だった。

遂にここに来て達哉は心の奥底から怒り狂い暴走を開始した。

 

―ハハハハハハ!! 確かにッッ!! 確かにッッ!! お前の願い叶えてやったぞ!! 大よそ万人が望む破滅の力!! 排斥欲求に従う。誰もが目を背ける汚濁の一つではあるがな!!―

 

影は嘲笑ながら手を叩く。

リバース・イド。

自身や誰が最も目を背け封じ込める「他者に対する排斥欲求」に色を付けた物に基準する。

達哉の出した回答案は実に単純明快だ。

他者との境界線の抹消のによる統合と無価値化。

 

彼の排他的欲求という獣性的渇望、それは「皆と一緒に居たい」という物から派生する「奪う物を消し去ってしまいたい」という物である。

 

罪と罰を乗り越え、三つの特異点を踏破し立ちふさがる敵をズタボロになりながら倒してなお。

それでも隣人は傷つけられ奪われ嗤われ続けて、

元より■■■■を宿しソウセイへの権利を持つモノが、墜ちればこうもなろうという物だ。

遂にその怒りは容認限度を超えた。

見ただけではなく味わい続けたがゆえに、その怒りは影が何よりも好む物であり万人が願う世界への怒りである。

そう言う類の怒りをニャルラトホテプから供給され、己が怒りで染め上げて出力している様と怒りはソロモン王を超えている。

少なくとも今の彼を倒せるのは、力の大本になっている影か太極に位置する蝶か同階級の神霊か、圧政の極致で財を極めた英雄王か、地球の抑止力の最先端たる吸血鬼の姫君、あるいはソロモン王に巣くう大本くらいなものだ。

だがそれも怪しい、何故ならこの場で一番怒っているのは達哉だからだ。

魔神柱共の集合体の大本の怒りすら超えて怒り狂っている。所詮は見ていただけでキレた連中だ。

実際に体験し、味わった達哉と比例させる方が失礼で。故に深度が違う。

そして怒り狂った彼は阿頼耶識の黒へと接続先を変更、その怒りは■■■■を持っているという事もあってか最下層の白地の玉座まで届いている。

故に生まれたるは、本物の神威だ。

 

「■■■■■■■!!」

 

言葉にならない絶叫と共に魔神が疾駆。

咆哮と共に一瞬で周囲のテクスチャが結晶化、亜光速で踏み抜かれ砕け散り、

魔術王に殴りかかる。

 

「この!」

 

魔術王は72層各種の防御結界を展開。

さらに位相断層、時間装甲など現代魔術師では一枚抜くのも不可能な物を展開。

まさしく万全の布陣と言えよう。

だが。

 

「死ね」

 

その一言ですべてが結晶化し砕け散った。

唖然とする魔術王。

そしてその顔面にアポロ・リバース・イドの拳が突き刺さる。

スキルもなにも乗っていない正拳であったが並のサーヴァントであれば一瞬で結晶化され粉砕されていただろうが。

殴られる寸前に自動防御結界のお陰で殴り飛ばされるだけで済んだのは幸いと言えようか。

だが数十メートルも吹っ飛ばされバウンド。

魔術王はたかが人間如きに殴り飛ばされ地に這わされていることを信じれなかった。

しかも体内にいる総軍すべてが、達哉の身に纏うアポロ・リバース・イド一人に怯えている。

そんなことを認められる訳がなかった。

 

「焼却式・ベレトォ!!」

 

魔術王は怒りのままに腕を振り抜きベレドに最大攻撃を命じるが

 

「マハラギダイン」

 

炎がアポロ・リバース・イドから距離数mところで止まる。

何も緩ませているのは空間だけではない、時間にも干渉し時を淀ませあやふやにして停止させている。

彼に近づけば淀む時に絡め止められ例外なく止められる。

そしてさらにアポロ・リバース・イドが片手から射出した火線で薙ぎ払われる。

と言うか炎はただの炎ではなくレーザー光のように収束し、それすらも貫いて魔術王を消し炭にせんと迫ってきた。

魔術王は唖然となりながら奥歯を噛みこう思う。

 

『ふざけているのか!? なんだそれは!? それはなんだ!! サーヴァント程度であればまとめて薙ぎ張らえる火力なんだぞ!、それを超える出力とはなんだ。目の前のアレは何騎分の出力があるというのだ!?』

 

魔術王の総合能力を上回る夢物語をアポロ・リバース・イドを身に纏う達哉は現状成している。

もう魔術王のあらゆる手筋が彼には通用しない。被っている皮をかなぐり捨てて、彼を神殿に引きずり込み光体を使用すれば勝てるだろうが出来るはずもない夢物語なのだ。

だが悪夢は続行していく。

怒り狂った彼は怯え震える魔神柱たちにも牙をむき始め、その両手に宿る炎にでさえユニオギアスの同化合成能力が乗り始めていた。

ここいら一体のテクスチャはボロボロ、ついでに言えば出力でさえ際限なく上がり続けている。

もうここまでくれば悪夢だ。

あらゆる手段が結晶のように凍り付いて砕けて宙を舞い無意味な結晶に置換され砕けたのである。

それだけでは終わらず、

彼が叫びは圧力すら帯び初めてユニオギアスが乗った衝撃波となり、テクスチャが無意味な結晶に置換され砕かれていく。

並の人間であれば一瞬で結晶化し砕かれるだろう。

此処にいる全員が一定強度を持つ英雄 魔人 獣だから大丈夫なだけで。

それでも触れられたら防御手段を講じなければ即座に無意味な結晶に置換される。

こうなれば地獄だ。

オールト蜘蛛の亜種的神霊がガチ殺しに突っ走っているのだから。

どう止めればいいというのか?

だが彼は止まらない只消えろと、普段の彼からは考えられないようなどす黒い殺意に溢れた声で、

両手の拳を胸前で突き合わせる。

 

 

―ユニオギアス―

 

 

胸の胸当てと両腕の小手に肩当がスライド。

 

スライドして露出した部分には出力機のようなナニカが埋め込まれ、周囲の空間という空間が結晶化して破砕され、

吸い込まれていく。

リソース吸収、収縮 圧縮 装填。

テクスチャやら周囲のエネルギーを同化し引きはがし略奪し圧縮するさまは恒星が寿命を迎えて暗黒天体になったが様だ。

ジジジと音を立てて、展開された部位に収縮装填されたそれが。彼の両腕の前に集まり、更なる収縮を開始。

時間加速による超速射出準備完了、重力臨界点突破が行われる。

宇宙規模のそれに比べればすさまじく小さいが。

直撃させらればグランドどころか神霊ですらも消滅させる熱量爆発の解放。

 

―ハイパー―

 

即ち

 

―サイザァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!―

 

太陽面爆発である

 

 

それは特異点を消し飛ばせる威力を保持していたが。

指向性と収縮をもって火線となって射出、進路上の物を融解消滅させながらすべてをぶち破って炸裂。

そのまま巨大魔術路アングルボダを薙ぎ払いつつ上方を狙い穿った。

それにより地下から地上までの穴が穿たれる。

魔術王は空間転移でかろうじて回避。

普通なら逃走したいところだが。ユニオギアスの影響によって正確な座標が出せず短距離ワープがやっとだった。

 

「くそくそ!! なんだそれは!! なんなのだ!!! 貴様はぁ!??」

「これが玉座の正当継承者の力だ。世界を拓く者は世界を閉じる者。ここの世界では第六王権とも呼ばれる者、もう検印も必要あるまい■■■■とはすなわち――――」

 

ズタボロも良いようにされる魔術王を影が笑う。

ガリオンの嘲笑は止まらない。

そして検印を解除する、そろそろ自覚したはずだからだ。

 

「コトワリだよ、一度は答えを出したが、世界を移動し極限状態から脱出したがゆえに無色の物のとなっていたものがお前の御下でまた色を帯び始めた。これで我等の計画は一歩進んだ。感謝するよ」

 

■■■■とはコトワリ、受胎の際において新たに世界の指針となるべきものであり本物の神を降ろす資格だ。

達哉の世界は受胎へと入っていたというのは言わずもがな。

故に彼も無自覚にそれを持っていたのだ。そして答えを出そうとして、

この世界に来てしまった。そして元居た世界は完全にほろんだがゆえに。一度出した答えは無くなり、無色のコトワリだけが残り、今の今まで効力を発揮し得なかった。

だが今までのいきさつと、魔術王を騙る者の都合のいい批判を受けて、憎悪と言う形ではあれど色を帯び始めた。

 

「さぁ周防達哉よ、お前の旅路は始まったばかりだ。怒り嘆きそれらを超えて歓喜して答えを得てコトワリを成し、神殺しに至れ。その為の舞台なのだからなぁ。クハハハハ!」

 

ガリオンは嘲り。もっと怒れと言う。

言うまでもないとアポロ・リバース・イドは出力を上げていく。

だがそれでは一歩踏み出しただけの不完全な理だ、それでもその不完全なコトワリだとしても神を降すことが出来た。

 

「達哉ァ!! 止めろ!!」

「お前も敵かぁ!!」

「くがッッ動きがなんで!?」

「マハラギダイン!!」

「先輩やめてください!! 私たちは・・・」

「五月蠅い!!」

 

全員が達哉を止めようとするがお察しだ。

淀んだ時の圏内に入り動きが強制停止。その間に振るわれる剛腕でふっ飛ばされ壁に叩きつけられる。

達哉は亜光速で動き回り近づけば淀んだ時に絡められ停止させられる。

そして下手に攻撃の直撃を受ければ結晶化され取り込まれる。

今のは偶々運がよかっただけだ。

結晶化は幸いにもされなかった。

そして次は強烈な睡魔に襲われ蹲っているオルガマリーに狙いを変更。

彼女の内に潜む何かに過敏に反応し暴走状態の精神では敵味方判別できず。

レーザーレベルまで収束されたマハラギダインを射出。

それをマシュが防ぎ必死になって呼び戻そうとするが意識は戻らない。

本物の神を降し本物の神に至る者のリバース・イドは須藤竜也の物とは違う。

出力差は大よそ10倍以上だ。

この特異点なら消し飛ばせる出力をはじき出していた。

この場で今の達哉にかなう者はいない、互角の死闘を演じれるのは魔人アリスか或いは―――――

 

「我が愛よ」

「はい」

「すまない、当方の我がままに付き合ってもらう」

「気にしていません、あの子を助けるのは私達の義務です」

 

剣を杖に立ち上がったシグルドにブリュンヒルデが寄り添いルーンを描く

 

「シグルド、ヒルデ、なにを!?」

「・・・すまない当方たちは帰れそうにない」

「何を言っているんですか!? シグルドさん! ブリュンヒルデさん!!」

 

今の達哉は敵味方の識別が無い。止めなければならない。

だからシグルドは壊れた幻想の原理で自らの肉体のリミッターを解除し疑似冠位に。

そこにさらにシグルドとブリュンヒルデの霊基が融合する。

ブリュンヒルデはシグルドの背後から抱きしめるように霊体となって天使のような翼を広げる。

さらに融合霊基のリミッターを完全に解除。

冠位霊基ではないため基盤が崩壊を開始。

いわば疑似冠位状態と神話礼装を身に纏った状態だ。

もうこうなれば彼らはカルデアには帰れない、完全に霊基が崩壊し座に帰るのみだ。

それでも、友であり愛の在り方を示してくれた青年である達哉を助けるべく二人はこの切り札を切った。

 

「アリスよ、すまないが、時間がない、そちらの領域の理をこちらにも付与してくれ」

「―――――わかった」

 

だがそれでも圧倒的に時間が足りない。

あの達哉を前にしては出力で互角に持ち込めても時間切れで自爆は目に見えていた。

故に魔人アリスの展開する領域の力を借りる。いかな屍となっても存在し続けるという理をだ。

これに加えて背後から抱きしめているブリュンヒルデの描く原初のルーンによって肉体を維持。

これでようやく互角である。

光速移動を可能としてようやく、時淀みの鎧と領域を突破できるだけであって、それでも時淀み、霊基攪拌の影響は受ける。

これでようやく戦いの土俵に上がれるということでしかない。

故にこれは賭けだ。

殴って止めるしかない以上はだ。

 

「くっくそ、異分子めイレギュラーめが! この場は引かせてもらう、次こそ我が神殿で駆逐してくれるわ!」

「あっおいテメェが怒らせたからこうなったんだろうが、せめてその首おいてけ!!」

「知るか?! 私からすればアイツが勝手に切れただけだ!!」

「責任転換すんなやぁ、黒幕がぁ!!」

「長可深追いはやめろ!!」

 

逃げようとする魔術王に人間無骨を突き立てんとするがクーフーリンが長可の肩を掴んで止める。

 

「けどよぉ!」

「アイツには宝具も通常攻撃も通用しねぇんだ。狙うだけ無駄だ。それに今は達哉を止めなきゃならん」

「・・・出来るのか?」

「無理だな・・・」

 

シグルドとブリュンヒルデの自爆覚悟の疑似冠位に神話礼装までやってようやく土俵に立てるのだ。

そう達哉のユニオギアス発動中は周囲の時は淀みあらゆるものを停止させる、さらに任意であらゆるものをあやふやにし結晶に加工し吸収する上に浸食固有結界染みた性能まで発揮、周囲を無差別に結晶化する。

故に勝負の土俵に立つには先ほども述べたとおり自爆覚悟での疑似冠位霊基及び神話礼装という超々出力があってやっと勝負になる。

クーフーリンはやってられないこともないが、そもそも宝具が足りないやっても意味がない。

近代サーヴァント達はそも生前より強化されているのだから意味がない。

金時の大具足を出すかとなればデカいだけのロボなんぞただの餌だ。

なら玉藻が本気を出すか? そうすれば荒神VS九尾の狐という怪獣大決戦になって特異点が崩落する。

今現状、残った者らにできるのは。とりあえずシグルドの援護しかない。

それよりもオルガマリーの様子がおかしい泥酔しているかのようだった。マシュやマリー・アントワネットが寄り添い孔明が看病している。

アリスも能力全開だ。倒れぬようにジャックとナーサリーに支えながら結界を維持している。

後のメンツは先ほどの腕一振りやら魔術王の一撃やらで動けない。

動けるのは後方組と気合と根性が使える組ほかならず。

それでも今の達哉に真っ向から対峙すればただの餌だ。

 

「今は見守るほかない」

 

クーフーリンはそう言ってオルガマリーの治療に勤しもうとしたとき、

カルデアから通信が入る。

 

『誰でもいいから、応答してくれ!!』

「ドクター・・・」

『マシュかい? 何が起きているんだ!? 人理定礎の急激な悪化に、達哉君の脳バイタルが変異、所長も調子が悪そうだし・・・観測まで上手く出来なくなってきてる!! 天手古舞だよ、こっちからじゃ状況把握ができない!!』

「最初から話しますね・・・」

 

魔屈したてるロマニにマシュは最初から事を話し始める。

 

一方そのころ、シグルドとアポロ・リバース・イドの戦いは一方的な様相を呈していた。

無論シグルドが有利なわけはなく達哉になすがままにされている。

一瞬でも気を抜けば超火力で蹂躙されるかユニオギアスによって結晶化されかねない。

今の達哉に有利を取りたいなら10倍以上の出力差は絶対条件なのである。

何度も述べるが時淀みを突破し、土俵に立つのなら疑似冠位と神話礼装を持ち出せばいい。

だが有利を取るとなるとそこから更なる出力が必要となってくる。

だからあくまでも土俵に立てただけに過ぎないのだ。

振るわれる拳とグラム、鉄の軋りを上げ火花が盛大に散る。

だがそれでも押されているのはシグルドとブリュンヒルデである。

達哉は周囲からパワーソースを幾らでも取れる。何とか土俵に上がっただけで達哉とシグルド夫妻の出力はダンチだ。

例えているなら横綱と十両が戦っているようなもんである。

まず勝ち目はないが。それでもシグルド夫妻が食いついていけるのは理由があった。

暴走し自我も無意識も力任せ技も型をなぞるだけ。

即ち今までの戦闘経験が生かせていないのが幸いにも食いついていける余裕があることを可能にしたのだった。

だが時間は何度も言う通りない。これは自爆覚悟の手段なのだ。

アリスがいるから何とか持っているだけに過ぎない。

 

「達哉、頼む止まってくれ!!」

「■■■■■!!」

 

シグルドの懇願にも達哉は止まらない、完全に暴走している。

周囲を完全滅殺するまで今の彼は止まらない。止めるなら相応のショックでぶん殴る必要性があった。

だがシグルド夫妻にはそれは出来ないでいた。

当たり前だ、出力差故に最早、その手段は殺しきる手札しかない。

ジョーカーを刺すスペードの3をシグルド夫妻は持っている。

だがそれをすればカルデアに大打撃であるし、泣き叫ぶ幼子みたいな達哉をシグルド夫妻は殺せるはずもない。

それでもと思い、魔力を装填しグラムから閃光を射出。

時淀みと結晶化で無効にされる。

そして達哉の腕が伸びシグルドの首を掴み飛翔。

オルガマリー達やマシュを置いて天蓋に空いた穴から一気に地上に出る。

そしてそのままロンドン上空へと飛翔。

無造作に下に放り投げる。

それだけで今のシグルドにでさえダメージが入った。

 

「カハッ!?」

『シグルド、すぐに回避行動を!!』

「ッッ!!」

 

霊基同化し神話礼装となった妻の警告にすぐさま立ち上がって回避行動を取る。

上空ではアポロ・リバース・イドの両掌がシグルドたちに向けられていた。

 

「マハラギダイン、ユニオギアス」

 

つまり同化能力を持った超ド級の火線が炸裂っする。

 

『飛びますシグルド!!』

「任せる!!」

 

低空を超音速を超えて飛翔し攻撃を回避したが回避された攻撃は地表に着弾後凄まじい焔となって結晶化。

ビックベン周辺壊滅。

そのままシグルドは苦い顔立ちで空を飛翔する。

攻撃をよければ周囲一帯を壊滅させる火線が着弾し人理定礎を悪化させる。

今もレーザービームのようにマハラギダインは照射され続けている。

巻き込まれたソーホーの建物群が両断され壊滅した。

残っているのは結晶化した物ばかり。その結晶も即座に砕けアポロ・リバース・イドに吸収されていく。

 

「ハイパーサイザー」

 

先ほどよりは小規模だがハイパーサイザーが起動する。

今度は収束せず拡散射出だ。ロンドンの地表が消し飛びかねない。

シグルドには打つ手がない、間合いが遠い。防いでも拡散した炎が地表を焼く。躱しても同じ結末だ。

 

「『おおおおおおおおおお!!』」

 

だからダメ元で突っ込むことにした。

されど無情にも炎が放たれようとして。

 

「これっきりだぞ。破邪の光弾」

 

遠くから放たれたハイパーサイザーにも負けぬ光線がアポロ・リバース・イドに直撃。

光線の発射元はルイの屋敷からだった。

だがアポロ・リバース・イドのハイパーサイザーの射出は防がれ霊基の大半が破損する。

時の淀みの鎧も解れ、大きな隙が出来た。

 

「これでぇ!!」

 

シグルドが大上段にグラムを構え魔力放射付きで渾身の一撃を叩き込み、アポロ・リバース・イドを地面に叩き落とす。

魔力放射の閃光に飲まれながらアポロ・リバース・イドが地面にクレーターを作りながら落着。

アポロ・リバース・イドの体表は焼け焦げ黒ずんでいた。

シグルドも着地し黒焦げになり倒れ伏すアポロ・リバース・イドを見る。

ピクリと指が動いた。

 

「頼むマスター、これ以上は!! だから目を覚ましてくれ!!」

 

もうこれ以上となると殺しきる手段しかシグルドは持ち合わせていない。

だがその言葉虚しく。

 

「ガァァァアアアアアアアアアアアアルァアアアアアアア!!ユニオギアス!!」

 

一瞬にしてシティオブロンドンが結晶化し砕け散りアポロ・リバース・イドに吸収される。

青い炎を噴射しながらアポロ・リバース・イドが完全起動。

故にシグルドは覚悟を決めた。

短剣七つを自分の周囲に旋回させる、融合しているブリュンヒルデが槍を構えた。

アポロ・リバース・イドは完全に機能を回復。

 

「だからもう殺すしかないぞ」

 

シグルドも覚悟を決めた。

 

「太陽の魔剣よ、その身で破壊を巻き起こせ―――――」

 

グラムを壊れた幻想と同時に最大開放して叩き込むことを決意。

だがそれよりもアポロ・リバース・イドは早く動いた。

 

「ゴッドハンド!」

 

振るわれる巨腕、それは今のシグルドでさえも一撃で葬り去る威力を持ち得ていたが。

 

死がふたりを分断つまで(ブリュンヒルデロマンシア)

 

シグルドと融合しているブリュンヒルデが宝具を起動、その超質量と超重量でゴッドハンドを受け止め尚且つ。

ゴッドハンドを弾くと同時にアポロ・リバース・イドの顎をかちあげ大きく仰け反らせた。

 

『今ですシグルド!!』

「応!! 一切承知―――――――――壊劫の天輪(ベルヴェルク・グラム)――――――――!!」

 

複数の短剣が打ち出され直撃。

直後にグラムを最大出力で投擲、これも直撃しアポロ・リバース・イドがふっ飛ばされる前に、

シグルドの渾身の拳の一撃がグラムの柄尻に叩き込まれ閃光となって炸裂すると同時に壊れた幻想もタイミングよく起爆。

閃光となって直線状の全てを薙ぎ払った。

直線状に合ったサザークも壊滅的被害が出た。

対城宝具の疑似冠位、神話礼装装着者による壊れた幻想含めての全力開放である。

もうなりふり構っていられなかったのだ。そんな状態で対城宝具なんて自重無しの後も無し状態で解放すればそうもなる。

 

「俺は・・・一体、いや俺はまた間違えて怒り尽くして・・・あの時みたいに」

「気にするな・・・マスター」

「シグルド」

 

ようやく達哉は意識を取り戻した。

そして顔面を右手で覆う。あのリンチされた時と同じ過ちを繰り替えしたのかと。

だが霞む視界で蜃気楼のようになったシグルドが気にするなという。

 

「そうです、あやつらに言う暇は与えられませんでしたが口を開けばこちらへの否定と非難の言葉だったでしょう。それとフランという大事な仲間まで失ったのです怒るなと言う方が無理です」

「だが俺は・・・」

「気にするな、帰ったら皆に謝ればいい、何とかギリギリで特異点が崩壊せずに済んだのだし、魔術王を名乗る輩に好き放題にさせていたらもっと惨事になっていただろうから」

「だが俺のせいで二人が」

「お気にせず、それにアナタが言ってくれたではありませんか」

「そうだ当方たちは心の海で繋がっている、いつでも会える」

「「だから」」

 

そう言って粒子化していく二人。

待ってくれと手を伸ばす達哉。

 

「気にするな」

「気にしないでください」

 

達哉が死ななくて良かった定礎も復元出来てよかったと。

そして気にするなと達哉を最後まで気遣いながら二人はほほ笑んで消えていった。

 

「シグルド・・・ブリュンヒルデ・・・く、そぉ・・・」

 

手を伸ばす手を伸ばす。

だが達哉自身の意識もまた遠のいていく。

そしてドボンと漆黒の海に落ちるような感覚ともに意識を手放した。

 

 

 

 

第四特異点の修復は辛うじて完了した。

 

 

がしかし。

 

 

周防達哉、重体、意識不明。

 

オルガマリー・アニムスフィア 重症 意識不明

 

 

 

 

 

「先輩・・・、所長」

 

 

 

 

 

カルデア所属サーヴァント、第四特異点介入組、霊気再編成中。

シグルドとブリュンヒルデ霊基完全破損、霊基消失。

事実状の壊滅一歩手前であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・」

 

ロマニはモニタを操作する。

医療主任として万全は尽くしているが。二人の意識が戻らない。

脳に異常はなし

体も問題はない。

 

「なぜなんだ・・・」

 

なぜ意識が戻らない。

手は尽くしているがある意味手の施しようがない状態だった。

なんせ脳に負荷がかかった以外は正常なのだ。

健常状態とも言える、故に手の施しようがない。

直すべき場所が無いのだから当たり前な話しなのだ。

 

「どうしてこうなる?」

 

ロマニは半泣きになりながら頭を抱えた。

 

―それはお前のせいだろうが―

 

そう背後でせせら笑う影の声は届かない。

 

―まぁいい自覚が無いなら分かりようもない、なら次はお前の番だ―

 

影は声が届かないのをあえて分かっていないのを分かっていてそう言いつつすすり泣くロマニの元を後にして消えていった。

 

 

第四特異点 定礎復元完了。

 




連投疲れたもぉん!!それはさて置き。
たっちゃんブチ切れモード&ペルソナ大暴走+新システム搭載で「おまえもガンダムか!!」あるいは「シャベルナァァアアア!」状態に。
シンが手加減で破邪の光弾で支援してくれたりシグルド夫妻が疑似冠位&神話礼装にアリスの浸食型固有結界の支援なければ全部消し飛んでいましたね。
コトワリを一度は見出した異聞帯の王とも言える存在ですから。
通常モードの魔術王(仮)さんでは勝ち目在りません。逆に神殿に引きずり込めば余裕なんですけど。
悲しいけどここロンドンなのよね。
あとシン・ゴジラやヘルシング感覚でロンドンは焼け野原に一度やってみたかったんです、すいません!!
あとリバース・イドですが今後使えるようになりますが様々な制約が課されますので言うほどチートになりません。
チート能力を安々使えたら興ざめですからね、ここぞという時の切り札みたいな扱いになります。
なおそれに拮抗し得る敵がボスととかになりますんで。蹂躙戦はないと思ってください。

という訳でシグルド夫妻はここで最終特異点まで退場です。

そして達哉とオルガマリー意識不明+カルデア戦力半壊状態に。

というわけで次回からは二、三話程度の三つのイベ特異点をやって。
奴との直接対決後、第五へと移行します。

因みにオルガマリーもイベ特異点でたっちゃんと同じくリバース・イドに覚醒して大暴れも予定です。


次回は大分遅れます、ご了承ください。

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