Fate/Grand Order たっちゃんがグランドオーダーに挑むようです 作:這い寄る影
ヘロドトス『歴史』より抜粋。
憤怒の間は殺気に包まれていた。
ジャンヌは何が何だかと混乱していた。
当たり前である、彼女はシャドウの概念を知らない。
此処にいたのがジャンヌ・オルタならエドモンの首はなくフローレンスとタッグを組んで速攻攻略できたのだが。
残念だが彼女は何処にもいない、もうどこにもだ。
「なるほどな、クハハハ!! やらかしたみたいだな聖女よ!」
「なにが!?」
「アレはある意味、復讐に燃えていた頃の俺と同じだ。怨念に塗れていたころの俺と一緒だ」
そうアレはエドモンだった。
オルガマリーではあるがエドモンとある種、同種の怒りに塗れていた。
オルガマリーはそれをみて第一特異点の記憶に思いを馳せる。
血塗れになった大切な物。
ジャンヌが選ばなかったあるいは選べなかった故に。
そして嫉妬に狂ったジル・ド・レェのせいでそうなった。
「もう一人の私、もうとっくに第二くらいまでは思い出しているのでしょう? なぜそこの女を殺さない? なぜそこの男を殺さない?」
シャドウがそう告げる。
だって当たり前だ。上記二人が選択をミスったせいで。今だ思い出せない彼は死にかけたのだから。
最前線で治療に当たったのもオルガマリーである。
ジル・ド・レェのくだらない嫉妬で癒えぬ傷を与えられ出血死寸前まで行った彼。
そしてそんな状況を作ったジャンヌ。
傷に手を当て必死に足りない知識で癒えもしない傷に圧迫止血と治療魔術を掛ける自分。
両手はごっそり彼の血で濡れていた。
一時的な焼き止血という強引な手段で止血こそされていた物のコフィンから引きずり出した時には血が再び吹き出され。
劇薬的な造血剤ですら投与され手術が開始されるまでクーフーリンと何かないかと必死に彼の傷口を塞ぎに掛かった。
血が・・・ 血が・・・ べっとりと両手を濡らした。
その時思うのだ。今でも消えない。
―あの男と女ァ、主従揃って―と思わなかったわけがない否、今でも思う。
血が、失せていく体温が、彼は死ぬのだと伝えていたから。
ニャルラトホテプことソーンが種明かししたことで彼の内臓が数cm縮むだけで済んだが。
それでも死亡一歩手前まで行ったのだ。怒らぬはずがない。
つまるところこの憤怒の間のオルガマリーシャドウの此処までの怒りはジャンヌ主従の責任であるわけで。
「それでも!!」
それでも親しい人は殺したくないと吐き出すかのように声を上げる物の。
シャドウはそれすらを嘲笑うかのように告げる。
「嘘よねぇ・・・ だってあれほど他人を殺したいと思った時はないでしょ? それにマシュだってねぇ?」
「え?」
「彼女が不甲斐ないせいで彼の右腕が飛んだ時、殺意覚えたでしょ?」
あの時は軽く流した。
なんせ自分たちのやっていることは戦争なんだから腕の一本や二本と思い込んだ。
思い込んで無理やり胸の奥底に仕舞った。
それですら影となる。
「違う」
「タツヤ以外私を苛立たせる上に役にも立はしない」
「違う!」
「マシュは力を持っているくせに何も守れない役立たず、大人たちはただ見ているだけ」
「違う!!」
「そこの自称聖女さまと自称騎士さまに巌窟王さまもそうよねぇ、どいつもこいつも良い空気吸って救う救うなんて言っているけど成し遂げたいのは私達を出汁にして過去の悔恨を解決したいだけの役立たず」
「黙れぇ!!!」
「フローレンス!!」
「分かっていますとも!!」
エドモンは此処まで来て自覚したのかそれを真摯に受け入れ、フローレンスに叫ぶ。
それを了承する言葉よりもフローレンスは早く動いていた。
殴ってでも黙らせなければとオルガマリーに殴りかかる。
「お前なんか私じゃない!!」
だが遅かった。
一歩届かなかった。
殴る動作よりも言葉を言う方が早かった。
此処にいたのが書文などであれば間に合ったかもしれない。
フローレンスは元来戦闘系サーヴァントではない故に一歩遅れた。
「あはははは!!」
シャドウが戯画的に変形していく。
それは大中小のトロッコで構成された歪な巨人だった。
選択しなければならないという憤怒。
トロッコ問題の具現にして彼女の怒り。
「我は影、真なる我、トロッコなり」
選択肢の時刻、少なさ、それに対する理不尽への怒り。
憤怒の化身としてトロッコが起動する。
「あっあっまた私は・・・」
そこでオルガマリーもついやってしまったとばかりにへたり込む。
振るわれる巨腕、即ちゴットハンドがオルガマリー目掛けて炸裂しかけて。
「ぼさっとしない!!」
寸前のところでフローレンスがオルガマリーを抱きかかえて攻撃範囲から離脱する。
だがその瞬間、全員の足が動かなくなる。
「これは!?」
トロッコを起点にレールがジャンヌ以外全員に敷かれる。
「トロッコ問題!!」
そしてトロッコの前に巨大な鉄塊の様なトロッコがジャンヌ以外の全員分設置され走り出す。
そしてジャンヌの前には方向転換機が置かれていた。
「さぁアンタが選ばなきゃ質量でこの場の全員が死ぬわよ!!」
要するにジャンヌに選択しろという事だ。
選択肢を設定し仲間の一人を飛ばすかあるいは選択肢の以外の自分をふっ飛ばすのか。
無論、時間はないトロッコが分岐点に入った時点でジャンヌ以外の全員が吹っ飛ぶことが確定する。
「えっあっ」
「さぁ選べぇ!! あの時選ばなかったツケを払え!!」
そう選ぶしかないトロッコはすでに走り出している。
「ジャンヌ、私を選びなさい!!」
フローレンスがそう叫ぶ。彼女の表情は覚悟を決めたような表情だった。
ああ、アナタほどの人物が言うのであればとジャンヌは方向転換機に手を伸ばし。
「ああ言っておくけど、これ物理もあるけれど無属性攻撃も含んでいる、だから、物理耐性があっても防げないわよ」
シャドウのいう事に固まった。
物理属性と無属性攻撃の複合スキルだ。
無属性攻撃耐性なんてあるはずもなく。
選んだ人物を確実に殺傷する。
「ジャンヌ、私を!!」
ジル・ド・レェがそう叫ぶ。
美しい献身だ。ガワから見ればそう映るかもしれぬが彼の心はジャンヌの心をいかに守るかしか眼中に無い。
だって彼にとってオルガマリーとか世界とかどうでもいいというのが本心なのだから。
出なければ術ジルなんて生まれていない。
それが分からないほどジャンヌも馬鹿ではない。
だが迷う。恩師ではあるのだから当たり前。
だったらエドモンかと問われればそれもまた違う。
救うと言った手前、選べない。
かと言ってオルガマリーは第一に除外だ。
彼女が死ねば碌なことにならないのは馬鹿でも分かるがゆえに。
だったらフローレンス? それもまた無理だ。
この魔境と化した監獄塔で導き手として必要であるがゆえに。
だから選べない。
もしこの場にいたのがジャンヌ・オルタなら即断即決してジル・ド・レェを選んだ後に返す刃でシャドウを仕留めていた。
理由は無論ある。こいつ自身生かしておく道理が無い。
この場には不要な役者、現実逃避の一環と都合の良い状況で出てきた者ゆえに。
だがジャンヌは選べない、恩師というのもあるし盟友だ。
上記の理由が合わさり誰も選べない。
八方美人を演じていたツケが此処になって回ってきた。
それだけの話である。
「貴方の思想は、聖女としての在り様としては正しいのだと思うけれどね、現実の前ではクソみたいな思想だ。誰もかれも選んでいるのに自分だけ選ばない都合の良い理想像を演じて居たいなんて許される筈がない。さぁ選ぶか選ばないかで選んで折れろ、夢見る聖女さん」
第一と似たような煽りを喰らい。
選ぶしかない。選ぶか、選ばないという事を選ぶか。
さぁどうすると。ジャンヌは追い詰められていた。
既に八方美人が許される状況ではない。
さぁさぁトロッコが走るぞ。
もうじき分岐点だ。選ばねばならぬ。
「うっうっうわぁぁああああああああああああああああ!!」
そしてジャンヌはレバーを引いて選択した。
ジル・ド・レェを選んだ。
其処にはある種の甘えがあったのかもしれない。
ジル・ド・レェなら後からでも許してくれるかもと。
だがそんな機会は永劫来ないのだ。
この監獄塔後の出番は終局であり詫びている暇なんぞ無いがゆえに。
「これは洒落にならん」
ジル・ド・レェが文字通りトロッコの染みになりへたり込んだジャンヌを尻目にエドモンが言う。
トロッコ問題の悪辣なところは連打されたら。
壊滅確定だ。
発動されるたびに一人ずつ減っていき最終的に選ぶこともできない袋小路に追い詰められる。
「速っ攻・・・!!」
今だ痛む頭を押さえつつオルガマリーが指示を飛ばす。
フローレンスはベリアルを展開。エドモンは宝具を展開する。
再びシャドウがトロッコ問題を展開しようとしていたが。
それはエドモンの宝具によって未然に防がれた。
攻撃の差し込み合戦では時止めは理不尽の極み故にだ。
「ガッ!?」
「フローレンス!!」
「分かっています!! ベリアル、ブレイブザッパー!」
エドモンの炎が直撃し怯んだ所にフローレンスがベリアルによる一撃を叩き込む。
それだけでシャドウは半壊した。
二人だって英霊だ。攻撃系統の一撃は如何にシャドウとて受け止めきれない。
そしてシャドウが安々と半壊したのも理由がある。
要するにオルガマリーを煽り過ぎたのだ。
それが一周回って受け入れる土壌を作り上げてしまった。
記憶も戻りつつあるが故にだ。
直視し受け入れ始めている。
「なら・・・」
ならばとばかりにシャドウは。
「トロッコ問題!!」
エドモンとフローレンスに攻め立てられながら強引にトロッコ問題を起動する。
今度はフローレンスに選ばせる形でだ。
「ねぇアナタ、私を助けてくれるんでしょう、なら選んでよぉ!!」
「良いでしょう。第三の選択肢、御覧にいれましょう」
「なに?」
だがフローレンスは動じない。
鍛え上げられた鋼の意志、猛る焔は消えゆることはない。
だが完全な光という訳でもない。
彼女もまた試練に挑み成長した人間であるがゆえにだ。
シャドウは動揺しながらもトロッコ問題を起動。
先ほどと同じく対象者以外の物をレールで拘束。
さぁ選べとばかりに方向転換機がフローレンスの前に置かれ。
「見て居なさい。オルガマリー、第三の道とは自らが辛い道へと行くことです」
オルガマリーにそう言いつつ、フローレンスは・・・
方向転換機に目もくれず、発進したてのトロッコに突っ込んだ。
それと同時に衝突。
足元にクレーターを穿ちながら、両腕とベリアルで強引にトロッコを止めに掛かるフローレンス。
全身の筋肉とペルソナが脈動し強引にトロッコを押しとどめる。
その代わりフローレンスも只ではすんでいない。
肘から盛大に血が噴き出し骨が露出しかかっている。
ベルアルの肘も崩壊寸前だ。
それで分岐点ギリギリの所で何とか強引に止めるのだからすごいと言わざるを得ない
「だけどねぇ!! それで終わるわけじゃないのよ!!」
シャドウがそう嘲笑する。
意地でも選ばせる、その責任を取らせることに特化している。
故に第三の選択肢を取り強引に止めでもすればどうなるかと言えば必然的にこうなる。
トロッコが光り出した。
つまり。爆発である。
しかも無属性の爆発だ。
耐性では防げない、物理的防御が必要になるが。メギドラオン級の爆発が複数となればそれも難しい。
故にフローレンスは瞬間的に切り札を切った。
「―――――――――――――」
この札は消耗が激しい。後にとって置きたい上に制御も困難だ。
ペルソナと宝具の同時展開を最大出力で行い、融合させるものだからだ。
だから防御を瞬間的に行い。
相手の攻撃時間に合わせてのみの限定展開を行う。
真っ白い爆発とフローレンスを中心に吹き出る黒炎が拮抗しはじけ飛ぶ。
シャドウは驚愕し。
「散れ」
レールが崩壊、瞬時に間合いを詰めたオルガマリーが銃弾を叩き込みつつラプラスを召喚。
大鎌振るわせてシャドウの首を叩き切る。
それを見たフローレンスは両膝を着いた。
シャドウは黒い粒子を放出しながら怪物形態からオルガマリーの似姿へと戻り仰向けに倒れる。
それを見たオルガマリーとエドモンがフローレンスに駆け寄る。
「大丈夫!? フローレンス!?」
「なんとかですね、両腕がイカレましたが・・・足の膝も少し不味いかも知れません」
「無茶をする・・・。まぁいい俺が何とかしよう。
ここは一番消耗の少ないエドモンが第二宝具を起動しフローレンスを癒す。
最も肘の損傷はひどく酷く、骨が抜けかけていた為。というか無茶がたたり四肢がガタガタ。
両腕は特に酷く流石にオルガマリーが繋ぎなおした後に第二宝具で癒す羽目となったが。
それでも問題はまだ解決していない。
そうシャドウとの対話である。
「私よりオルガマリーです、大丈夫ですか?」
「ええ、見たし思い出した」
フローレンスの問いに一呼吸入れながらそう答えた。
目指すべきものも、自分がしてきたこと。やりたくなかった事、やりたかった事の具現化したのが。
トロッコこと目の前のシャドウである。
ようやく記憶が十全になりつつあった。
だから近寄る、オルガマリーは自分の影を受け入れるために。
「やりたくない事、一杯あったわね」
「そうよだから私が生まれた」
「そうね・・・でもこれからはそれは通じない」
「だったら選んで続ける? この茨塗れで歩けば歩くほど傷つく道を?」
「どちらにせよ分水領は過ぎたわ」
そう分水領は過ぎている。カルデアの所長となった時点で。
そうなる前に逃げるべきだった。
だが、そうならなければ。
「そうならなければ、タツヤにマシュに出会えなかったかもしれないから」
そう逃げなかったからこそやっと名前を思い出した二人に出会えた。
「みんなにも出会えなかったかもしれないから」
逃げなかったからこそ皆に出会えた。
確かに選択は常に激痛を伴う、フローレンスが見せた通り、ご都合主義的選択肢をもぎ取ったとしても激痛からは逃げられない。
さらに後悔やら慙愧の念を含めてればそれらはさらに細分化する。
そして性懲りもなく自分や他者を恨むだろう。
それはもうわかっている。
「だから誇れるとまではいまだに言えないけど・・・」
だがそれでも負の側面だけではない、ちゃんと価値はあったのだ。
「私はこの道を選んでよかったと思えるわ、そして性懲りもなく呪詛を吐きながら喜び続けるのでしょうね」
矛盾ではあるが背反して成り立つのが人間というものだから。
「アナタ、やっぱわたしよ、私の影、でも影がなきゃ私じゃない、アナタは私よ」
「ふふ、そう、なら」
ガバリとシャドウが身を起こし右手でオルガマリーを貫く。
「もう目をそらさないで、私はアナタ、影はいつでも見ているから」
シャドウはそう呟く、貫かれたように見えて実際オルガマリーを貫いている訳ではない。
オルガマリーの心を貫いたのだ。
同時に帰ってくる選択の激痛。
「「オルガマリー!!」」
「大丈夫、体は大丈夫・・・」
「ですが、心が!!」
「大丈夫、いつかはこの傷もきっと・・・」
それに蹲るオルガマリーに慌てて駆け寄る二人。
シャドウは消失し、無垢な心は記憶の思い出しという過去の選択の激痛が残り。
オルガマリーは泣いた。
「次は暴食の間ね」
「そうだが、本当に大丈夫か?」
「珍しいわね、エドモンが心配してくれるなんて」
「・・・俺も、過去に色々あったからな・・・」
エドモンはそう言う。
彼は巌窟王、モンテ・クリスト伯の通りなら壮絶な過去持ちだ。
切り捨てたい過去も一杯ある。
だがそれが無くては己ではないというのも分かるがゆえにだ。
「過去を受け入れる激痛は分かる」
憎悪に塗れても・・・それでも最後までほんの少しだけ友を信じていた。
結果、あの様だったが。
「いい友に恵まれたのだな、お前は」
「最高に愛しているわよ・・・多分」
「クハハハ、締まらん女だな! お前は!」
「ぐだぐだだったからね」
「その様子だと記憶のほとんどは戻ったのでは?」
「でもないわ、まだ穴だらけよ、まるで紙魚に食われた本みたいに」
今一場が締まらんとエドモンは苦笑し。
フローレンスが記憶戻ったんじゃないかと問えば。
まだ抜け落ちている箇所があるとオルガマリーはため息交じりに言う。
「ところでジャンヌは?」
そう言えばとばかりに憤怒の間を見渡すが、ジャンヌが居ない。
「放って置け、自らの感情も理解できん人物がこの監獄塔でなにかできるものか」
「エドモンのいう事に同意は出来ませんが、消えた以上、退去したか逃げたかのどちらかでしょう。心理状況的にも何かを出来るとは思えないので、オルガマリーは自分優先で行きなさい」
エドモンは鼻先で笑い、フローレンスは頭痛の種が増えたとばかりに眉間を揉みつつ背反的に意見が一致した。
あの状態では何もできないだろうと判断して次の暴食の間へと向かう。
するとそこには。
「ネロォ」
「あー美味しくない」
またもやシャドウに殺されているサーヴァントが居た。
「あーはいはい。また情欲の類でしょ」
「あっ分かるの? もう一人の私?」
「この監獄塔が七つの大罪を模様しているならね、大概にたようなものになるんでしょうよ、アンタの正体は独占欲でしょ? 違う?」
「アハ!! 気づくのはやーい」
「此処までくれば嫌でも気づくわよ」
そうオルガマリーも馬鹿ではない。
此処まで散々痛め続けられたのだ学習しない方が馬鹿である。
第一に感情が強引に七つの大罪に当てはめられている以上類似してしまうのは当然の事だ。
二人への好意を明確化したことによって。
どんな奴がいるのか大概分かるようになってきたのである。
「さぁ戻ってきなさいもう一人の私」
「ええ戻らせていただくわ」
そう言ってシャドウが掻き消え。オルガマリーの内海にあっさりと戻る。
あっさり行ったが。
次は強欲の間、ぶっちゃけ暴食って強欲の派生であると思うので。
次が問題になるだろうとちょっと怖いと思う今日このごろ。
「さて強欲の間だが・・・」
「戦闘音が凄まじいですね・・・」
二人の言葉にオルガマリーは盛大に顔を顰めた。
そう扉の前に立ってみれば先ほどから凄まじい戦闘音が鳴り響いている。
行きたくないというのがオルガマリーの本音だ。
「まぁ行かなきゃ始まらんでしょ・・・」
溜息交じりに何時ものように扉を蹴り破り突入する。
其処では白髪の神父服の青年とジャンヌとシャドウが三つ巴の戦闘をしていた。
「大人しくしてほしいですねぇ、彼女を利用すれば救世はなるのですよ、ジャンヌ」
「アナタこそ大人しくしなさい、天草四郎、アナタの企ては止めますし、オルガマリーシャドウ、アナタも止めて見せる!!」
「黙りなさい似非神父に似非聖女!!」
青年こと天草四郎は何故かシャドウを捕獲しようとしてるわ。
シャドウは二人に対し攻撃を仕掛けているわ。
そんな二人を止めようとしているのがジャンヌだわでもう無茶苦茶だ。
特にジャンヌは泣き腫らしあとが無いかのような必死の形相で見ているほうが哀れになる。
「もう一人の私ぃ!! 助けなさい!!」
「えっえぇ~」
そしてまさかのシャドウからの救援要請に顔を引き攣らせ気の抜けた声を出すオルガマリー。
「俺が言えた義理ではないが余計なお世話という言葉を知っているか?」
エドモン、ジャンヌのしつこさに呆れかえりつつ第一宝具を起動。
時を止め三人をまとめて薙ぎ払う。
「その救世という欲の深さは尊敬に値するが、今は貴様の出番ではない天草四郎」
隣に戻ってきたエドモンがそう評しつつオルガマリーの隣に現れる。
だがジャンヌは耐えた。
伊達に聖女をやっていない。
「本当に貴様はしつこい上に間が悪すぎる」
「それでも!! これ以上、シャドウを吸収し先に向かわせるわけには行かないんですよ!! 傲慢の間に着いたら特異点どころの話じゃないのですから!!」
「矛盾していますね、救うと嘯きつつこの塔から出したくないという発言にも聞こえますが・・・」
「それは・・・」
フローレンスから見ても今のジャンヌは支離滅裂だ。
シャドウを本人のいない所で排除すれば廃人と化す。
第一、この監獄塔を抜けるには最後の扉たる傲慢の間を突破しなければならない訳で。
他の方法があるならフローレンスも乗るが。
シャドウを放って置けば何度も言う通り廃人化は免れない。
故に原則、監獄塔を攻略しなきゃならないし記憶も戻らない。
だからこそ代案は認められないのだ。
「まず落ち着きなさい、なぜアナタはこの先に行ってはならないと」
「それは・・・」
「啓示スキルね」
フローレンスの問い詰めにジャンヌは口ごもるが。
第一の記憶はとっくに取り戻しているゆえにスキルは分かっている。
「それは?」
「直感スキルに近いスキルで最適解が分かるというスキルよ、ただし彼女の場合説明しづらいって欠点があるし直感に近いからなんでそうなるのかの具体案が出せないの」
「なるほど・・・では大体直感で阻むと根拠はないと?」
オルガマリーの説明に呆れ気味のフローレンスだ。
生前だったら頭の病院に叩き込んでただろう。
だが理論立てて説明されなければ納得もくそもない。
先に進まなければ脱出も何もないのだから。
「ですが「いい加減にしなさい!!」うっ」
それでも先に行かせたくないというジャンヌが旗を振るい。
フローレンスが旗を左手で掴み。
右手拳をジャンヌの腹に叩き込む。
「前にも言いましたが、彼女はアナタが救えなかった誰かの代用品ではありません!」
「救う、救うんだ。でなければ!!」
「ベリアル! 無価値の炎!!」
それでもいまだに折れぬというか歪み切ったジャンヌに付き合っていられないと躊躇なくフローレンスはベリアルの無価値の炎を叩き込む。
聖女の絶叫が響き渡った。
皮肉にもその最後は生前と酷似したものだった。
―残念だ―
その時、ジャンヌに啓示が下りる。
―なにがですか主よ―
―もっと将来前途有望な子だと思っていた。彼らを導けるものとも・・・それがこの様だ―
―主?―
―本当に残念だ影も蝶も毒にも薬にもならないというのは本当らしい。故にもういらんぞ―
―主!?―
―ではさらばだ―
聖四文字はそう言ってジャンヌへの啓示を断ち切る。
そして皮肉にも生前の如く己の真意を伝えられず潔白も証明できず炎にまかれて焼死したのだった。
「よかったのか? フローレンス?」
「もうあそこまで行くと害悪です、切除の必要性を感じました。それでオルガマリーは?」
「既に対話を終わらせたようだ」
既にシャドウは消えかかっていた。
強欲のシャドウも実情は暴食や嫉妬と似たり寄ったりだった。
故に普通に受け入れられたのである。
そして―――――――――――――――
「思い出した」
全ての記憶がもとに戻ったのだ。
第四特異点での達哉の暴走に魔術王の呪い。
ここに来て記憶をすべて取り戻したのである。
「なに? という事は傲慢の間に居るのは誰だ?」
「そう言われても全部思い出したわよ?」
「・・・どういうことです?」
そう全てを思い出していた。間違いなく。
達哉やマシュなどの顔に掛かっていたノイズも今は取り払われている。
記憶が完全復活したことにより思考もクリアだ。
「兎に角行ってみましょう」
そして一行は傲慢の間へと足を進める。
其処には。
「ようやく来たわね、もう一人の私」
シャドウが居た玉座に座り足を組んで右手の甲を頬に当ててゆったりと待っていた。
「・・・おかしいわね、ぜんぶ取り戻したはずなのに・・・・なんで・・・」
「取り戻した? 全てを? アハハハハ!! ちゃんちゃら可笑しいわ!! 最後に残っているでしょう?」
そう記憶は全て取り戻した。
だが精神的ものがたった一つ取り戻せていないのだ。
オルガマリーを成り立たせている物、普遍的獣性という物をだ。
「なにが・・・」
「自分自身の獣性が、アナタはそういう風な物を持って生まれてきてしまった。最初は理不尽に対する怒り。全て終わってしまえというデッドエンド、でも今は違う全てを終わらせて楽にさせてあげたいと思っている」
「なにを言って」
「達哉とマシュの事よ、私たちは心の奥底から二人を愛してしまった」
そう弾圧され理不尽に晒された人格は獣性を持ってしまった。
それが達哉達との出会いによって色を帯びてしまった。
そう最後のシャドウはオルガマリーの記憶が具象化したものではなく。
記憶と同時に剥離された獣性なのだ。
つまるところ、正規Noを持つほどの獣性の化身がシャドウとなったのだ。
「そう愛してしまった。泥の底から引き上げられて二人と日の中を過ごしている間にでもあるのは慟哭ばかり」
それだけならまだよかった、だがジャンヌ・オルタが無自覚に発していたコトワリ。
ネロ・クラウディウスの獣性に引っ張られ。
達哉とマシュの慟哭を知り、さらには現状、愛しい人が死にかけるという体験を得て獣と成り果てた。
「違う違う違う!! 私はそんな終わってほしいなんて思って・・・」
「嘘を吐くな二人とも心の奥底から欲しがっているくせに、もう一人は嫌だ自分を含めて三人でずっと居たいと思っているくせに、そんな事さえ許さぬ状況に怒り狂っている癖に、去っていくかもしれない二人に必死に泣きべそかいて縋ってるくせに。現にマシュの事を隠していたロマニとダヴィンチ二人を縊り殺したくなったくせに、今達哉の事を想えばニャルラトホテプを殺したくなる、人理焼却も一向に楽になりはしない、真面なのは一部だけ後は驕り腐った過去の亡霊かあるいは理想家か憎悪を叫ぶ哀れな存在、全部消えてしまえと思っているくせに」
「そんな・・・ことは・・・」
「でなきゃ献身的な二人が死ぬ未来を予測できない筈がないでしょう。分かってるくせに」
「ちが・・・わない・・・」
何時も恐怖していた。
二人がいずれ自分の元から去ってしまうのではないかと。
だったら幸福があるうちに全て自分で幕を引いてしまいたいと思うのも無理のない話だ。
故に幸福なうちに終わらせるという人類愛を持って正規No持ちが皮肉にも愛を知ってしまったがゆえに本格駆動を始めた。
「これ以上は!?」
シャドウの在り様を知っているがゆえにある程度の容認をフローレンスはしていた。
だが目の前のシャドウは違うと会話で見抜いたのだ。
故にベリアルを呼び出し引きは引き離そうとした刹那、位相をずらされた。
「ようやく受け入れてくれたわね、私。では始めましょう」
シャドウが消える。アルカナが反転する。
人類愛を持って終わらせる獣が駆動する。
「いや!! 来ないで!! 来るなぁ、あっあああああああああああああああ!?」
オルガマリーの服装が変わる、側頭部両方から頭部後方に円形を描く様に伸びた角が出現し衣類が漆黒を基調とし金色のアクセントが加えられたドレスに変貌し。
胸元から漆黒の杭が出現、さらにはワイヤーテクスチャのように紫の燐光が全身を覆う。
それは達哉と同じようにリバース・イドの発現だった。
「シュレディンガー・リバース・イドォォォオオオオオオオオ!!」
此処に最後の獣の幼体が現出する
それは女性を模様した竜人のような存在。
何もかもを平等に終了させる。
愛しい人と眠りに就きたい。
ただ約束された眠りという死に中で。
以上を持って彼女のクラスは決定した。
その名をビーストⅦ/F
誰しもが望む有終の美を与える大災害である。
「だから言ったじゃない、否定とは試練である。だがしかしそれは誰もがクリアできるものではなく、時に間違った方へと進める諸刃の剣だと」
「お前は・・・いやアナタは」
「久しぶり、そしてお初目にお目にかかる。僕はケイオス、ファリア神父の反存在だよ」
何時の間にやら出現していたケイオスはそう真顔で言いつつ自己紹介する。
ケイオスの顔は似ても似つかないが雰囲気にはエドモンは覚えがあった。
そうファリア神父と似ている。
黒か白の違いでしかない。
そう自己紹介の通りケイオスはファリア神父と対になる存在だ。
早い話、ニャルラトホテプの化身がケイオスであるなら、エドモンに力を与えるべく行動したファリア神父はフィレモンの無自覚な化身なのだ。
「ケイオス、この仕込みはアナタが?」
まさか自分まで派遣しておいて全部掌の上だったのかとフローレンスが問う。
それにケイオスは肩を竦めつつ答えた。
「フロー、何でもかんでもボクのせいにしないで欲しいなぁ、仕込んだのはそこの復讐者だよ。試練という名の成長を即する場がこの監獄塔にね。結果、彼女はどちらかというと闇の存在だ。マシュあたりなら覚醒の一つや二つ出来たかもしれないけどね。それができない彼女は、塔を上るにつれてその獣性を育ててしまったわけだ」
そうこの監獄塔は基準世界でも試練場だった。
対象に対して試練を与え精神的成長を促す。
それがエドモンの宝具で改造されたこの監獄塔の真実。
逆に言えば精神的な物なら何でも成長を促してしまう。
それが獣性であっても。
記憶を失い、また取り戻していく最中で彼女の影たる獣性の成長を促してしまったということだ。
「さぁ僕に構っている暇はないよ、獣が駆動する」
そう嗤いつつ、ケイオスは姿を消した。
刹那、空間が消し飛ぶ。
宇宙空間に近い場所へと変貌する。固有結界に近いのか呼吸の有無は問題なかった。
だが空間が広大すぎる上に・・・
「ヴォイドフォール」
空間が組み替えられた。
エドモンはフローレンスを抱きかかえ回避。
危うく空間の歪で切断されそうになった彼女を救う。
「エ「黙っていろ!舌を噛むぞ!」ッッ!?」
エドモンはそう言うと時間停止ギリギリまで宝具を使って飛ぶ。
背後からはまるで歪に積み上げられたジェンガのように超圧縮され超質量を保持した空間が組み変わり襲い掛かって来ていた。
加えて、シュレディンガー・リバース・イドは遥か彼方だ。
この速度でも追いつけない。
否、空間を加工し、彼我距離を縮まない様にしているのだ。
これを超えるには、時間停止しかない。
「エドモン、宝具を使ってください、ついでに一瞬で良いです、隙を作ってください」
「だが「看護師を舐めないでいただきたい、今なら近づけさえすれば何とかなります」分かった」
時間停止は本人以外は下手すりゃ空中分解しかねない。
故に無理だと言おうとしたがそこは鋼の看護師。
気合と根性で耐えると遠回しに言いつつも切り札はまだあるという。
「クハハ!! ならば良し!! その鋼の意志に賭けてみるのも悪くはないか!!
フローレンスを抱えエドモンが飛ぶ。
時間が停止し流星の如き速度でだ。
暴走中のシュレディンガー・リバース・イドから見れば相手がワープしたかのように見えるだろう。
同時に目の前に出現したエドモンによって多角的に黒炎が叩き込まれるが。
「なに!?」
「ハァァアアアアアア・・・」
体表表面にヴォイドフォールで生成されたワームホールで防がれる
加えてエドモンたちの周辺に精製されたワームホールから黒炎がエドモン達目掛けて飛んできたものの・・・
「これだけ距離が近く時間が稼げれば十分です、
刹那黒炎をも掻き消す地獄の最下層の炎が炸裂し炎が騎士の姿を形成しフローレンスとエドモンを守る。
フローレンス本来の宝具である「
故に地獄の最下層まで繋げられ組み上げられた無価値の炎は極めて本体に近い効力を発揮する。
だがリスクも甚大だ。
フローレンスは人間としては成長している部類ではあるが、コトワリだとかクラス・ビースト持ちではない。
故に制御も困難、出力調整は不可能、速攻で相手を倒さねばガス欠に陥るか、ペルソナが暴走する。
そうなれば最悪だがオルガマリー自身の説得もしなければならない。
長期戦は覚悟の上、故に気合と根性に瘦せ我慢まで動員しながら、スキルの最大開放を行う。
シュレディンガー・リバース・イドの固有スキルはテクスチャ及び空間支配加工能力だ。
またそうして空間を加工され距離を開けられてはたまったものでないが故にだ。
「活動、形成、創造、流出!! 開けジュデッカ!!」
そして炸裂するのはナイチンゲールオブベリアルの固有スキルにして最大兵装。
ペルソナの大本たるベリアルに直接呼びかけ無価値の炎を最大出力で展開する。
ペルソナから翼のようにあるいはバオバブの大樹のように炎で形成された翼が伸びて、
周囲を無価値の炎で囲む。
「ッッ・・・!?」
「空間ごと腐滅させる出力です。これであなたは逃げられない」
ファイヤーウォール状に展開された無価値の炎から逃げようとするものの、
空間加工能力が通じなくなった。
まるで炎に触れている空間が腐滅しているように。
真っ向勝負するしかないとシュレディンガー・リバース・イドも思ったのか、右手で握った大鎌を振るいだす。
今度は空間ごと抉る斬撃だ。
しかも何十層にもわたり空間を身に纏う事によって無価値の炎を防いでいる。
振るわれる大鎌に対しフローレンスも迎撃を選択、無価値の炎で形成された
激しい鍔迫り合いのなかフローレンスが叫ぶ。
「終わってほしいというのはごく当たり前の感情です!! 私も何度も絶望しました。終わってほしいとも思いましたし。この負の連鎖が終わってほしいと今でも願っています!! アナタも私も一緒なのです!!」
そうフローレンスも痛感してきたことだ。
一体いつまでこんなことが続くのだろうと亡くなっていく患者や人々を見送りながら。
だから行動した。行動し続けたのだ。
其処に嘘はない。だからフローレンスがオルガマリーに見るのは嘗ての自分の影だ。
終わってほしいという願いそのものなのだ。
「だからといって終わらせるなんて本末転倒じゃないですか。死んだ後に残るのは生き残った者が抱く思い出だけなのですよ!!」
だからこそ、その愛には矛盾が生じる。
愛しい人と共に眠りたい、誰だって抱く感情だ。誰だって置いて行かれたくはないのだから。
死んだ後には何も残らないと叫ぶ。
「だったらどうすればいいのよ・・・この状況を」
「苦しくても生きなさい」
「いやよ、置いて行かれるのは」
「それも分かりますですが・・・」
フローレンスは一息置いて。
「自分の現実を思ったようにするには戦わねばなりません。世界は完璧じゃない、誰も勝利からは逃げられない、だからこの腐りきった現実を少しでも是とするために、少しでも望みどおりに変えるために」
「前を向けって?」
「はい、ですが時々後ろを振り返っても休んでも誰かに背を預けてもいいのです。それが現実と長く付き合うコツです。ならこの完璧じゃない現実を自分が思うような現実を変えるためにね? 走り続けられるのは極めつけの阿呆だけですから」
自分の歩幅で歩いて行って良いのだと。
確かに現実は醜く愛している人たちも死と隣り合わせ。
なら有終の美を飾って眠りに就きたくなるのも道理と言える。
だがそれは逃げだ。
現実から逃げただけに過ぎない。
だったらどうすればいいか?
コツコツ頑張ればいい。疲れたら休んだっていいし、後ろを振り返ってもいいのだ。
登山をフルマラソンで行うなんて極めつけの阿呆だけがやる行い故に。
完璧じゃないこの現実を変えるにはそれしかない。
誰も勝利からは逃げられない。
だが変える方法だとか戦う方法は人それぞれでいいのだ。
「勝利からは逃げられないか・・・」
「そうです」
「そうね、まず戦わなければ何も始まらない。ただ取りこぼしていくだけね・・・うん」
オルガマリーが納得したのかシュレディンガー・リバース・イドの大鎌を握った両腕が下げられる。
それに合わせてフローレンスも
「このくだらない現実を自分の納得のいく現実にするために私は戦うわ」
「そうそれでいいのです」
宇宙じみた空間が砕け、シュレディンガー・リバース・イドが砕け散り傲慢の間へと戻ってくる。
フローレンスもまた
それと同時にフローレンスが倒れた。
当たり前だ無理に無理を通したのだ霊基から既に崩壊しかかっている。
幾ら気合に根性に痩せ我慢と言っても限界がある。
「フローレンス!!」
「大丈夫です、私は影法師にすぎません、元の場所に帰るだけですから。ですが約束してください、決してあきらめないで、この現実を是とするために・・・それがアナタの勝利に繋がりますから・・・」
「うん・・・うん!!」
「よかった・・・一人救えました。心残りは在りません、ですがエドモン」
「なんだ?」
「彼女を導いてやってください、まだ彼女は歩き始めたばかりアナタの様な導き手が必要でしょう、憎悪がなんであるかよくわかっているアナタが」
「分かった」
「ならよかったです」
仰向けに倒れたフローレンスはオルガマリーとエドモンの言葉を聞いて安心したかのように一息ついて両目を瞑り粒子となって消えていった。
「さてこれで全ての試練は終了した」
「と言っても出口が見当たらないようだけれど?」
「それもそうさ、この塔は俺の自己満足で作られたのだからな」
「・・・エドモン」
「俺はファリア神父のような存在になりたかったのかもしれぬ」
そう言って互いに対峙する。
「だがふたを開けてみれば、フローレンスが導き手であったな、いやはや俺もまた見識が浅いらしい!!」
「・・・」
「安心しろ、お前は良い友にも恵まれている、勝てるさ故に」
刹那振動。
監獄塔はエドモンの宝具で成り立っている。
それは壊れた幻想の要領で爆破解体が出来るという事だ。
「クハハハ!!俺は見ているとしよう、お前たちの旅路を!!」
「エドモン!! 手を・・・!!」
崩れ行く監獄、瓦礫に飲まれていく両者。
手を伸ばすオルガマリー、それを見てほほ笑むエドモン。
「待て、しかして希望せよ」
エドモンのその言葉を最後に水中に放り投げられた感覚と共にオルガマリーの意識は途絶えた。
詰め込み過ぎた、なんか似たり寄ったりになりそうなので暴食と強欲の間はキンクリ。
因みに天草がなんでオルガマリーシャドウの捕獲を試みていたのは捕獲したオルガマリーシャドウを使って獣をコントロールする為ですね。
ビースト化した所長使って時空神殿乗っ取る気ですた。
話す前に巌窟王に瞬殺されたけど。
因みに本来ジャンヌは投入予定ありませんでした。以下フィレと四文字のやり取り。
四文字「ジャンヌいい子だから!! 次は失敗しないから!! たっちゃんにもセカンドチャンス与えたしいいでしょ!!」
フィレ「しょうがないにゃあ」
結果
フィレ「おい、最悪だったんだが?」
四文字「」(絶句)
ニャル「草wwww超えて森林wwwwwww」
所長は正規No持ちですが、本作では色々違う事をご留意ください。第二特異点書いてた時点で地球大統領も使徒だとは明かされてなかったので・・・
まぁ異星の神に成れるくらいだから正規No持っていいても可笑しくないと思ってください。
桜も持っていたんだから行ける行ける(白目)
想定外はそこらへんだけでしょうか、あとはまあ予定通りに進行中です。
ぶっちゃけカルデアスの黒幕はニャルが仕込んだ本当の黒幕に本作ではアゾットされる予定なので、はい。
因みに出す答えによってはたっちゃんもビーストⅦ/Fになっていたかもしれません。
コトワリ持ちはそれだけで強大なエゴの持ち主ですから・・・
スキル
トロッコ問題
ゲーム的に言えば無属性の単体特大攻撃&確率で即死。
ただし攻撃対象はCPUが選ぶのではなくプレイヤーが選択する方式な上、後でコミュやコープの好感度数値に影響が出る代物。
つまり自分が選べと言うえげつないスキルである。
ヴォイドフォール
シュレディンガー・リバース・イドの固有スキル兼権能。
空間&テクスチャ加工能力。
空間支配能力と言っても過言ではない。
オルガマリーが認識する空間やテクスチャを支配下に置くチート。
ただし空間そのものをあやふやにする達哉のユニオギアスや腐滅させるフローレンスの無価値の炎の最大開放スキルのジュデッカとは相性が悪い。
因みにフローレンスが切り札切って暴走を止めなかった場合、地球の自転を止められ人理オワタになっていました。
ファリア神父の正体は無自覚なフィレモンの使徒ですたのまき。
奴は与えるだけ与えて後は観察に入るからね、リセットボタンまで渡す始末ですしマーリンやプーリンよりもある意味悪辣です。
という訳でクハハさん無事、オルガマリーの深層心理に送り込まれた模様、無論婦長が責任取れと脅しをかけた訳ですが。
ニャルに植え付けられ独自に色を帯びてしまった所長の獣性をそのままにしておくわけにも行かないですからね。
所長はそんな莫大な獣性と一生向き合っていかねばという試練です。
次回からはマシュ&ロマニ、初めてのオガワハイム攻略。
パオフゥと織も合流するよでお送りします。
あと婦長は第五にも出て来るよ!!
医者に酒飲みすぎと言われているので酒飲むのを抑えるために次回も遅れます。