神さえも予測できなかった運命を辿る少女の物語   作:~時雨~

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2.決行の時間

「さて、一体何をしてくれるんでしょうねえ。」

「まずはこのビデオを見てもらいます。その後触手を破壊してから一斉に暗殺を始めます。」

「ヌルフフフ、上等です。」

 

緊張して来たな…。もし、これだけみんなで計画してきた暗殺が失敗したらと思うと、怖い。

 

「大丈夫、花音にできることをやりきればいい。」

『カルマ! …うん、頑張ろうね!』

 

流石カルマだ。私の不安を感じ取ってくれ、励ましてくれる。

 

「みなさん、準備はいいですか? 遠慮は無用。かかって来なさい!」

 

殺せんせーがそう言うと、ビデオが始まる。

作戦開始!

 

 

●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●

 

 

-1時間後-

「あぁぁ……死んだ、もう先生死にました…。あんなの知られて、もう行きていけません………ニュヤア!?」

 

そう、私達の作った、殺せんせーの恥ずかしいビデオに夢中になっている間に、海は満潮になっていた。そして、 昼間私たちの班がやった作業によってチャペルの床には沢山の水が入ってきているのだ。

 

「船に酔って、恥ずかしい思いして、海水吸って、だいぶ動きが鈍って来たんじゃないの?先生。」

「さあ、本番だ!」

「暗殺、開始です!」

 

100点を取った人達が約束通り触手を破壊し、それを合図に、外で待機している船部隊がチャペルの壁を引き剥がす。しかし、殺せんせーは驚いている暇はない。すぐに渚たちがフライボードで水の檻をつくり、ギリギリ当たらない軌道の弾を沢山撃ち、弾の檻で殺せんせーを囲む。

 

「花音ちゃん、今だよ!」

 

この頃にはさっき破壊した殺せんせーの触手はもう再生しているので、当たらない他の弾に紛れて何本かの触手を破壊する。その役目を請け負ったのは、このクラスの射撃3位の私。だから、トドメを指す攻撃の次に大切なこの攻撃、外すわけにはいかない…!!私はまだ、緊張すると弾道がぶれてしまうが、密集している触手の部分なら当たりやすいはずなので、なんとか緊張をほぐし、銃を撃つ。

 

「ニュヤア!?」

 

よし、当たった! そしてトドメは千葉くん、速水さんの射撃。先生はこの2人の射撃を警戒するだろうから、予めフェイクで気を別のところへ向けるようにしている。ちなみに、私もみんなにバレないようしているが、殺せんせーの気を《逸らし》ている。

その作戦は成功。海から突然出てきた2人の射撃が、殺せんせーに迫る。

 

「ゲームオーバーです♪」

 

そして、殺せんせーが爆発した。殺った……!?

今までの暗殺とは全く違う反応。先生に弾が当たったかどうかは見えなかったが、爆発が起こり、みんなは期待の表情を浮かべる。しかし、烏間先生がやって来て叫ぶ。

 

「油断するな! やつには再生能力がある。磯貝くん、片岡さんが中心になって水面を見張れ!」

 

みんなの表情が再び引き締まり、静寂が訪れる。

 

「あ、あそこ!」

 

その声に釣られ、水面を見ると、泡が出て来ていた。みんなに緊張が走る。しかし、

 

「……ふう。」

 

そんな気の抜けた声を発しながら、水晶玉のような殺せんせー(?)が浮かび上がってきた。先程とは違う種類の静寂。さすがに殺せんせーでも、顔だけが透明な膜に包まれ、体がなくなった姿には驚きが隠せない。

 

「ヌルフフフ、これは完全防御形態です! これになった先生は無敵ですよ!」

『なにそれぇ…。』

 

完全防御という、無茶苦茶な言葉にみんなが驚く。そして、その形態の間は動くことが出来ないという弱点についても先生はちゃんと計算していて、その間に宇宙に飛ばす、なんてことも出来ない。しかし、寺坂がいつもの様に、あまり考えていない様子で殺せんせーを掴みあげ、

 

「なにが無敵だ。どーにかすりゃ壊れんだろ、こんなもん。」

 

と言いながら、スパナで殴り始める。それでもキズ1つつかず、殺せんせーは私たちをなめた顔でニヤニヤとする。

さすがに、エネルギー結晶をスパナで壊そうとしても壊れないのはわかるが、核爆弾でも傷つかないという先生の言葉は私達の不安を煽った。

 

「そっかー、弱点ないんじゃ打つ手ないねー。」

 

突然カルマが何かを企んだ顔で近づいていく。

何をするのかと思ったら、カルマが携帯に殺せんせーの恥ずかしい写真を映して見せ、恥ずかしがる殺せんせーに海虫をくっつけて嫌がらせを始めた。

 

「ニュヤアア!? やめてください、カルマくん!?」

「あとさ、花音。この島の1番高い建物から落とそうよ♪」

『いいねー。地面に海虫敷き詰めた箱を置いとくともっといいかも♪』

 

すごく高いところから落とされた上に、落ちる先には大量の海虫! 最高w

 

「……取り敢えず解散だ。上層部と検討する。」

 

先生をおちょくって楽しむ私達を少しあきれたような顔で見ながら烏間先生は解散を告げた。先生が、私達は誇っていいと言っているが、みんなで協力して練りに練った計画が失敗に終わってしまったので、暗い顔をしている。

そして、疲れきったみんなはいつもより元気の無い様子でホテルへと戻り、テラスで休憩をすることにした。

 

「しっかし疲れたわ……。」

「部屋戻って休もうか…。」

 

それにしても、みんながぐったりしているような…?

 

「ねえ、なんか変じゃない? 幾ら何でもみんな疲れすぎじゃ…。」

 

渚も異変を感じたようだった。その時、みんなが急に倒れはし始めた。

 

「中村さん!? ………岡島くんも!」

「これは…? き、君! この島の病院はどこだ!?」

「すみません、なにぶん小さな島なので……」

 

気づいた烏間先生が来てくれたが、この島に病院は無いようだ。ど、どうしたら…。

大きな音が聞こえ、振り向くと、烏間先生が殺せんせーを机に叩きつけていた。

 

「くそっ……犯人から電話がかかってきた。1番背の低い男女2人だけでこいつを持って来いだそうだ…。」

 

1番低い男女…。私と渚だ。どうして私達二人を指定したんだろう…。

 

「まさか先生、本当にそうしないよね…? そんな危ないところに花音は行かせられないよ。」

 

カルマは私を心配をしてくれているようだ。でも、行かないとみんなが死んじゃう…!!

 

「どーすんすか、このままじゃ殺される…!? 殺されるためにこの島来たんじゃねえよ!?」

「落ち着いてよ。そんなすぐ死なない死なない。」

 

そうだ、焦っていたら何も出来ない。落ち着かなきゃ。でも、みんなの症状はいつ悪化するかわからないし、本当にどうしたら…。

 

「要求は全部無視して、今すぐ全員都会の病院に運べば…!」

「それは反対だね。本当にこのウイルスが自作のものならどんな大病院にも特効薬は置いていない。応急処置はしておくから落ち着いて取引に行くといい。」

「竹林…。」

 

竹林くんは家が病院だから、そういう知識があるんだろう。でも取引と言っても、こんな酷いことをする犯人なら薬は簡単には渡してはくれないかもしれない。

みんなが話し合っていると、殺せんせーが提案をした。

 

「いい方法がありますよ。元気な人は来てください。汚れてもいい格好でね。」

 

何をする気なんだろう…?

気が付くと、カルマが近くに来ていた。どうやら、カルマは冴えるが私に攻撃した時の怪我を心配しているようだ。確かに、怪我をしていたら迷惑をかけてしまうかもしれない。

話し合った結果、竹林くん、愛美ちゃん、私は倒れた人の看病に残ることになった。

 

『……カルマ、無理しないでね、頑張って。』

「大丈夫。心配しないで。」

 

みんなが出発し、私達は一緒に残った人たちの看病をし始めた。

 

『私、あんまり知識とかないけど、できるかな…。』

「それなら、買い出しをお願いしてもいいかな?氷をお願いするよ。」

『わかった、行ってくるね。』

 

 

●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●

 

 

「いらっしゃいませー。」

 

近くのファ◯マに来た。ここはこの島唯一のコンビニらしいが、あまり人はいない。

それにしても、コンビニは島に1個で病院は無いなんて、島って結構不便なんだなぁ。

 

 

●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●

 

 

『買って来たよ~。』

「氷はそこの水の中に入れてくれ。』

「お、お疲れ様です!」

 

あとは、私でもできることを手伝うだけかな…。みんな、無事だといいけど。カルマ、大丈夫かな…。

 

 

●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●

 

 

───その頃のカルマは…

 

(((怖くて誰も言えないけど…)))

「ぬ、多くね、おじさん?」

(((いった!?よかった、カルマがいて!)))

 

おじさんぬと対面していた。

 

 

●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●

 

 

しばらく看病をしていると、犯人の元に行ったみんなはヘリコプターに乗って帰って来た。

みんなは、それぞれの疲れですぐに眠ってしまったので、私も最近の寝不足を解消しようと眠った。

 

 

●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●

 

 

今何時だろう………。携帯で時間を確認すると、もう夕方だった。窓から外を見ると、みんなが浜辺に集まっていたので、私も向かう。

浜辺に着いて聞いてみるとみんなは、遠方の船の中に居るらしい殺せんせーをなんとなく見ながら話していたらしい。

 

「なんか、物凄い1日だったね。」

『私にとっては物凄い3日間だったよ…。』

「……?…まあ、ひとまず無事に終わってよかったよ。」

「渚が1番危なかったんだからね!?」

「あはは、ごめん。」

 

昨日の話を聞くと、渚とカルマは強敵に1人で勝ったらしい。2人は本当に凄いなぁ。

すると、起きてきたひなたちゃんが船をみて言う。

 

「おっはよー、って、そんな時間でもないか。今あの中に殺せんせーいるの?」

「うん、烏間先生が不眠不休で指揮とってやってるよ。」

『烏間先生って、疲れがたまらない化け物なのかな…。』

 

なんて、雑談をしていると、船が爆発した。でも、みんななんとなく、殺せんせーは殺せていないんだろうな、という空気で待つ。

案の定、殺せんせーはケロッとした顔で、元の姿でやってきた。

 

「ヌルフフフ、おはようございます、皆さん。」

「おはようございます。」

「やっほー。」

『おはようこざいます!』

「今回は先生の不甲斐なさから迷惑をかけてしまいましたね。すみません。…………しかし! 今からでもリゾートを楽しみますよ!!」

 

明日の朝には帰るのに、目一杯遊ぶ気だね、殺せんせー。

……ん? なんかみんなが一斉射撃始めてる…。

 

「今なら殺せると思ったんだけどねー…。」

『ホント、どうやったら殺せるのか……。』

 

それから、肝試しをしたり、烏間先生たもヴィッチ先生をくっつける計画をしたりして、あっという間にその日は終わり、また船に乗って帰るのだった。




余談。
本当は、カルマくんは期末テストによって成長し、おじさんぬと戦うんですが、この小説では、カゲロウデイズに巻き込まれたりした流れで成長した感じですね。
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