神さえも予測できなかった運命を辿る少女の物語   作:~時雨~

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5.泥棒の時間

夏休みが終わり、シルバーウィークも過ぎたある朝、カルマと登校すると、教室がざわざわしていた。

 

『おはよー。皆んなどうしたの?』

「おはよ。見ろよこれ。」

 

前原が雑誌を差し出してきた。

 

『えっと、Fカップ以上のみを狙う黄色い影?』

「そうそう、さっき皆んなで教員室行ったんだけどさ、証拠がどっさり。」

「正直がっかりだよ。」

 

みんなが教員室に行って先生を問い詰めると、机の引き出しに女性の下着が入っていたり、出席簿の女子の名前の横に胸のサイズが書いてあったりしたらしい。

こ、殺せんせーは何をやってるんだ……。

 

 

●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●

 

 

放課後。授業が終わると、殺せんせーはそそくさと教室を出ていった。一日中みんなから冷たい目で見られていたら、そりゃそうなるよね…。でも、本当にやったのかな?すると、カルマが口を開く。

 

「ねえ、みんな。仮に俺がマッハ20の下着ドロならこんなヘマしないけどね。こんなことしてたらみんなの中で先生として死ぬ事くらいわかってんだろ。」

「……そうだね。僕もそう思うよ!」

「わかったわ、偽殺せんせーよ!さっそく、皆んなで捜査よ!」

 

少年マンガ大好きな不破さんは、ヒーローもののお約束、偽物悪役を疑っている様だ。律もノリノリで探偵のコスプレを始めているので、これはみんなで動くことになりそうだ。

 

 

●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●

 

 

律の情報や不破さんの推理の元、私達はある建物に潜入することになった。潜入と言っても、やってることはフリーランニングを使った住居侵入……。

 

「ふふふ、体も頭脳もそこそこ大人な名探偵参上!」

『うう、見つかったら怒られそう…。本当に大丈夫?』

「犯人が次にここを狙う確率は高いので、仕方ないです!」

 

すると、向こうにの垣根に、泥棒の格好をした先生を見つけた。

もうこれは確定でしょ…。

 

『ねえ、やっぱり殺せんせーがやったんじゃない?』

「ま、まあ、様子を見てみようよ。」

 

そう言われてしばらく待っていると、黄色いヘルメットを被った長身の男性が下着を盗み始めた。しかし、すぐさま殺せんせーが出ていき、

 

「捕まえたー!さあ、顔を見せなさい! 手入れしてあげましょう!」

 

ヘルメットを脱がす。ヘルメットの下は…烏間先生の部下の人だった。

みんながびっくりしていると、殺せんせーを囲むように白い布が降りてくる。

 

「引っかかりましたね。国に掛け合って対先生物質でできたシーツの檻まで誘い出してもらったんですよ。」

 

そう言って出てきたのは、シロだった。今回の計画はシロのものだったらしい。

糸成くんが攻撃を仕掛ける。どうしよう、また殺せんせーが危なくなっちゃう……!

 

「糸成くん。先生だって学習するんです。先生が日々成長せずして、どうして生徒に教えることが出来るのでしょう。さて、布を片付けましょう。先生は、夏の経験を得て、触手の一部分だけを圧縮してエネルギーを取り出す技を学習しました。」

 

なるほど、触手だけを完全防御形態にするってことか。凄い…。それに、“ 先生が日々成長せずしてどうして生徒に教えられるのか”って。すごいかっこいいなぁ。

そして、殺せんせーは今回も攻略してしまった。

しかし。突然糸成くんが苦しみ出した。

 

「触手が精神を蝕み始めたか。ここいらが限界かな。」

 

そう言ってシロが居なくなると、糸成くんも飛び去ってしまった。

 

「先生、あいつの事は放っておいたほうが賢明だと思うけどねぇ。」

「それでも、先生は行きます。私は、どんな時でも自分の生徒から手を離さない。」

 

そうして、私達は殺せんせーと一緒に、糸成くんを探しに行くことになった。

 

 

●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●

 

 

クラスのみんなで手分けして糸成くんを探していたが、渚から電話がかかってきた。

 

【糸成くんがシロに捕まって、また利用しようとしてるみたいなんだ…。殺せんせーは先に助けに行ってるから、みんな来て! 】

『わ、わかった!』

 

見捨てるふりをして暴走させ、挙句の果てには完全に囮……。シロのやり方は許せない。あんな奴に殺せんせーを殺させない…!

そう考えながら、伝えられた場所に着くと、先生は例の光線で苦戦しているようだ。

 

「よし、みんな揃ったな。手分けして、木上の奴らとライトを壊そう!」

 

磯貝くんの指示でみんなが動き出す。私は、陽菜乃ちゃんと一緒にライトを倒して壊した。そして、殺せんせーは隙ができると、直ぐに糸成くんが拘束されているネットを壊してくれ、シロは居なくなった。

でも、まだ糸成くんの触手の問題が解決していない。触手を抜くのには執着をなくすことが必要で、そのために寺坂組が動き出した。……うーん、ちょっと心配……。

 

「まぁ、あいつらは馬鹿で無計画だけど、そんな一言はこういう時、力抜いてくれんのよ。」

 

というカルマの言う通り、危なっかしくも段々と執着がなくなってきているようだ。

 

「無理のあるビジョンなんて捨てちまいな。楽になるぜ。100回失敗したって、たった1回成功すりゃいいんだよ!」

 

寺坂も、たまにはいいこと言うんだなぁ。

そして、無事に糸成くんの触手は殺せんせーにやって取り除かれた。

明日から糸成くんはちゃんとE組の仲間になるらしい。また戦力も増えたし、頑張るぞ…!!

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