神さえも予測できなかった運命を辿る少女の物語   作:~時雨~

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6.目を伏せる話

糸成君の事で、すっかり帰宅が遅くなってしまった。キドさん、怒ってるかな……。

 

『ただいまです…。』

「カノン!どうしてこんなに遅かったんだ…?」

『すみません、色々あって…。』

「そうか…。次からはちゃんと連絡入れるんだぞ。」

 

迷惑かけちゃったなぁ…。これからは気をつけないと…。

すると、カノさんが何があったのか尋ねてきた。

 

『実は、殺せんせーの下着ドロ疑惑がクラスで出て、みんなで探ってたんですよ~。』

 

糸成君についても事細かに話すのは話しすぎかな、と思ったので、少し笑い話的な言い方をしてみる。思惑通り、カノさんはいつものように爆笑した。まぁ、確かにマッハ20の下着ドロっていう響きはなかなか面白い。

 

「ちょ、今は俺たちしかいないからいいっすけど、新団員も入ったんすからあの超生物の話はしないほうがいいんじゃ…。」

『あ……。』

 

しまった。アジトだからと安心していたが、そもそも殺せんせーのことを知っているのはキドさん、カノさん、セトさん、そしてマリーちゃんだけだった。反省、反省…。まぁ、ここには言いふらすような人はいないと思うけどね。

 

 

●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●

 

 

キドさんが取っておいてくれた夕食を食べ、部屋に戻って数学の勉強を始める。

しかし、今日は色々なことがあったせいか、あまり集中できなかった。そして、集中していないと余計なことを考え出してしまう。

考え事をしていると思い出す。冴えると戦った時に握った、本物の銃の感覚を。あの時は必死だったが、恐怖を忘れることは出来ない。それに結局、あの時奪ったハンドガンはまだ持っている。多分、これからも忘れることは出来ないだろう……。

なるべく考えないようにしよう。この一年が終われば、暗殺教室も終わる。そしたら、銃やナイフともおさらばだ。…地球がなくなって命もおさらばかもしれないけど。

本物の銃なんて使う機会はあっても今年だけだよね。

次からはもう、思い出しても《逸らし》ちゃえばいいかな…。

 

『……あんまり、使いすぎるのって良くないのかな…。』

 

普通は、能力を使って物事を忘れるなんてことは出来無い。私はたまたまこの能力を使えるけど、本当にいいのだろうか。

でも、忘れられるのなら忘れてしまいたい。それに、私はまだ制御ができていない。とても強く忘れたいと思ってしまうような出来事は、コントロール出来ずに忘れてしまう。

この能力とは、どのように付き合っていけばいいんだろう……。

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