神さえも予測できなかった運命を辿る少女の物語   作:~時雨~

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9.死神の時間

2日後、風邪は無事に治り、学校に来ることが出来た。

 

『おはよう。』

「花音、おはよう!風邪は大丈夫?」

『一応治ったけど、病み上がりで山登りはきつかった…。』

「そっか…。風邪の時くらい車で送ってくれる制度とかがあればいいのにね。」

「あんな道車で走ったら事故るよね!?」

 

隔離校舎がどうとかはまだしも、ここに来るまでが大変って、本当不便……。ゴンドラとか設置して欲しいなぁ。

 

「おはよー。あ、花音復活?治ったなら言ってくれれば行ったのに。」

『カルマおはよ! 朝熱が下がってるか分かんなかったからさ。』

 

治りそうって言って、やっぱりダメだったってなっても迷惑だろうしね……。

 

 

●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●

 

 

「イリーナ先生に動きがあれば連絡してください。先生はサッカー観戦に行ってきます。」

 

昼休みにみんなに教えてもらったが、色々あってビッチ先生はこの3日間学校に来ていないらしい。どうしちゃったんだろう…。

 

「公共の監視カメラなどにも姿がありません…大丈夫でしょうか…。」

「こんなんでバイバイとか無いよな?」

 

みんなは、律にも手伝ってもらってビッチ先生の行方を探している。

 

「それは無いと思うよ。彼女にはまだやってもらうことがある。」

「だよねー!」

「そう、彼女と君達の間には十分な絆がある。だから僕はそれを利用させてもらうよ。」

「「「…………ッ!」」」

 

教室に平然と入ってきた、知らない人。教室の空気に溶け込んで、私達に違和感を感じさせなかった。どうして、気づけなかったんだろう…?

 

「僕は死神と呼ばれる殺し屋です。今から君達に授業をします。」

 

 

●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●

 

 

世界最強と言われた死神は、さっさと説明をして去って行った。きっと、死神はビッチ先生を人質に私達を捕獲し、私達を人質に殺せんせーを殺す気だ。

 

『これで行ったら死神の思うツボかもしれないけど…。』

「ああいう奴じゃあ、先生に連絡してもすぐバレるだろうね。」

「だったら…これ、使うか?」

 

強化体育服を持って来て、言った。

 

「守るために使う、だよね?」

「そう簡単に計画通りにさせるか!」

 

そして、死神が指定した場所へと向かった。

 

「律、0時を過ぎて戻らなければ殺せんせーに事情を話して。」

「はい…どうかご無事で…。」

「よし、みんな行くぞ!」

 

扉をそっと開け、侵入する。すると、死神の声がスピーカーから流れ出し、

 

【みんな来たね、それじゃあ、閉めるよ。】

 

と言って、入ってきた扉を閉められる。閉じ込められた…。予想はしてたけど、やっぱり不安だなぁ。何処かにカメラとかあったのかも…。

 

「約束は守ったでしょ! 早くビッチ先生を返して…!」

 

突然、部屋が揺れだした。

 

『これ…部屋が下がってる!?』

「捕獲完了! こうやるのが1番効率がいいからね。奴が大人しく来たらみんな解放してあげるよ。」

「頭にきて俺たちを殺したりは…。」

「しないよ。」

 

殺されないんだったら……作戦開始!

みんなで壁の空洞を探し、竹林君の爆弾で破壊。奥田さんのカプセル煙幕で死神の視界を遮っている間に脱出!よし、成功……。

2班に別れて、片方はヴィッチ先生の救出、もう片方は死神を倒す。私は後者だ。

 

「よし、ここで迎え撃とう。多勢でかかればこっちが有利だ!」

「律サポートを………」

「やる気しねぇ……死神さんに逆らうとかありえねぇし。」

 

り、律がハッキングされてる…。ニートみたいになっちゃった…。そんな律に危機感を覚えたのか、磯貝君は私に、死神の目線を《逸らし》て隠れておくように言った。上手く隙を伺っていかないと。

そして、死神が現れた。……姿が見えない?靄がかかったように認識が薄れる。これが死神の暗殺スキルなの…?

あっという間に吉田、村松、木村君、カエデちゃんがやられてしまう。

 

「どいて、みんな…。僕が殺る。」

 

渚が立ち上がって、死神の元へ歩いていく。一瞬、渚が猫騙しを使ったのかと思った。しかし、倒れたのは渚だった。

 

「君やロヴロのでは単なる猫騙しだ。……これは、その先、クラップスタナーだ。」

 

みんなが倒され、カルマと私だけが残る。そんな、あの渚が何も出来ないなんて……。

でも、やるしかない。死神にはカルマしかいないように見えるだろう。

死神の目線をカルマへ《逸らし》ながら、スタンガンを持って近づく。

 

「ああ、そこの君。どうやってるのかはわからないけど、視線は上手く誤魔化せている。でも気配でバレバレだよ。」

『なっ…』

 

驚いた時にはもう、私は気絶していた。

 

 

●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●

 

 

目の前には目の赤い蛇がいる。直感でわかった。逸らすだ。

 

『えっと、これは私の意識の中?』

 

当然蛇は喋らないが、肯定するかのように地面を這って寄ってくる。

 

『そっか…。』

 

逸らすの存在を感知して、なんとなく、逸らすとの繋がりが強くなった気がした。

 

 

●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●

 

 

『……あれ、殺せんせー?』

「花音さん! 大丈夫ですか? あっ烏間先生! トランシーバーをオンに!!」

 

目を覚ますと、みんなと一緒に閉じ込められていて、何故か殺せんせーまで居た。

『えっと…何があったの?』

「死神が、俺らごと殺せんせーを殺そうとしてるんだ。でも、烏間先生は俺らの命の方が地球より重いってさ。今、死神を追いかけてる。」

『そっか…。』

 

私達が死ぬ代わりに、地球を救える。そんな条件を出されたら、やっぱり判断は難しいだろう。それでも、烏間先生は私達生徒を選んでくれたんだ…。

その時、上から大きな爆発音が聞こえた。

 

「やっとトランシーバーがつながった…。烏間先生、大丈夫ですか!? イリーナ先生も!」

「俺はいいが、あいつは瓦礫の下敷きだ。だが時間がない、死神を追う。」

「ダメ! どうして助けないの!? ビッチ先生まだ二十一歳だよ!?」

「助けてあげて、烏間先生。私達生徒が間違えた時も許してくれるように。」

「烏間先生、たぶん死神は目的を果たせずに戻ってきます。だから、そこにいて。」

 

そう。私達だって、これ以上死神の思い通りにはさせない。

今回の作戦は、ものづくり組が要だ。ここにある監視カメラは、上手く見えないところがあるらしく、菅谷くんのペイントで壁に同化する色を塗り、カメレオンみたいに張り付く。そうしたら死神には脱出したように見えるはず!そして、爆発する首輪は、簡単な構造だから、少しくらい乱暴に外しても大丈夫らしい。

やっぱり、死神のスキルがすごくても、E組の個人個人のスキルだってある!協力したら立ち向かえる!

 

「フフフ、殺せんせーは保護色になれるからいいけど、今素っ裸なんだよね。」

「もうお嫁にいけない…」

 

………ん、嫁?せめて婿だろ…。

まぁ、作戦は成功だ。

そして、烏間先生と死神が降ってきて戦闘を始めたらしい。実況下手な殺せんせーの実況を聞きながら、何とか理解していると、無事決着はついたようだ。

 

『あ、ビッチ先生が逃げようとしてる!』

「「「逃げるなー!!」」」

「殺す寸前だったのよ…?あんた達の事…。」

「たかがビッチと学校生活楽しめないで、うちら何のために殺し屋兼中学生やってんのよ。」

 

そして、烏間先生がビッチ先生に死神が持っていたバラを渡し、いいムードに…。烏間先生、かっこいいなぁ…。この二人、くっつくかも…♪

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