2日後、風邪は無事に治り、学校に来ることが出来た。
『おはよう。』
「花音、おはよう!風邪は大丈夫?」
『一応治ったけど、病み上がりで山登りはきつかった…。』
「そっか…。風邪の時くらい車で送ってくれる制度とかがあればいいのにね。」
「あんな道車で走ったら事故るよね!?」
隔離校舎がどうとかはまだしも、ここに来るまでが大変って、本当不便……。ゴンドラとか設置して欲しいなぁ。
「おはよー。あ、花音復活?治ったなら言ってくれれば行ったのに。」
『カルマおはよ! 朝熱が下がってるか分かんなかったからさ。』
治りそうって言って、やっぱりダメだったってなっても迷惑だろうしね……。
●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●
「イリーナ先生に動きがあれば連絡してください。先生はサッカー観戦に行ってきます。」
昼休みにみんなに教えてもらったが、色々あってビッチ先生はこの3日間学校に来ていないらしい。どうしちゃったんだろう…。
「公共の監視カメラなどにも姿がありません…大丈夫でしょうか…。」
「こんなんでバイバイとか無いよな?」
みんなは、律にも手伝ってもらってビッチ先生の行方を探している。
「それは無いと思うよ。彼女にはまだやってもらうことがある。」
「だよねー!」
「そう、彼女と君達の間には十分な絆がある。だから僕はそれを利用させてもらうよ。」
「「「…………ッ!」」」
教室に平然と入ってきた、知らない人。教室の空気に溶け込んで、私達に違和感を感じさせなかった。どうして、気づけなかったんだろう…?
「僕は死神と呼ばれる殺し屋です。今から君達に授業をします。」
●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●
世界最強と言われた死神は、さっさと説明をして去って行った。きっと、死神はビッチ先生を人質に私達を捕獲し、私達を人質に殺せんせーを殺す気だ。
『これで行ったら死神の思うツボかもしれないけど…。』
「ああいう奴じゃあ、先生に連絡してもすぐバレるだろうね。」
「だったら…これ、使うか?」
強化体育服を持って来て、言った。
「守るために使う、だよね?」
「そう簡単に計画通りにさせるか!」
そして、死神が指定した場所へと向かった。
「律、0時を過ぎて戻らなければ殺せんせーに事情を話して。」
「はい…どうかご無事で…。」
「よし、みんな行くぞ!」
扉をそっと開け、侵入する。すると、死神の声がスピーカーから流れ出し、
【みんな来たね、それじゃあ、閉めるよ。】
と言って、入ってきた扉を閉められる。閉じ込められた…。予想はしてたけど、やっぱり不安だなぁ。何処かにカメラとかあったのかも…。
「約束は守ったでしょ! 早くビッチ先生を返して…!」
突然、部屋が揺れだした。
『これ…部屋が下がってる!?』
「捕獲完了! こうやるのが1番効率がいいからね。奴が大人しく来たらみんな解放してあげるよ。」
「頭にきて俺たちを殺したりは…。」
「しないよ。」
殺されないんだったら……作戦開始!
みんなで壁の空洞を探し、竹林君の爆弾で破壊。奥田さんのカプセル煙幕で死神の視界を遮っている間に脱出!よし、成功……。
2班に別れて、片方はヴィッチ先生の救出、もう片方は死神を倒す。私は後者だ。
「よし、ここで迎え撃とう。多勢でかかればこっちが有利だ!」
「律サポートを………」
「やる気しねぇ……死神さんに逆らうとかありえねぇし。」
り、律がハッキングされてる…。ニートみたいになっちゃった…。そんな律に危機感を覚えたのか、磯貝君は私に、死神の目線を《逸らし》て隠れておくように言った。上手く隙を伺っていかないと。
そして、死神が現れた。……姿が見えない?靄がかかったように認識が薄れる。これが死神の暗殺スキルなの…?
あっという間に吉田、村松、木村君、カエデちゃんがやられてしまう。
「どいて、みんな…。僕が殺る。」
渚が立ち上がって、死神の元へ歩いていく。一瞬、渚が猫騙しを使ったのかと思った。しかし、倒れたのは渚だった。
「君やロヴロのでは単なる猫騙しだ。……これは、その先、クラップスタナーだ。」
みんなが倒され、カルマと私だけが残る。そんな、あの渚が何も出来ないなんて……。
でも、やるしかない。死神にはカルマしかいないように見えるだろう。
死神の目線をカルマへ《逸らし》ながら、スタンガンを持って近づく。
「ああ、そこの君。どうやってるのかはわからないけど、視線は上手く誤魔化せている。でも気配でバレバレだよ。」
『なっ…』
驚いた時にはもう、私は気絶していた。
●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●
目の前には目の赤い蛇がいる。直感でわかった。逸らすだ。
『えっと、これは私の意識の中?』
当然蛇は喋らないが、肯定するかのように地面を這って寄ってくる。
『そっか…。』
逸らすの存在を感知して、なんとなく、逸らすとの繋がりが強くなった気がした。
●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●
『……あれ、殺せんせー?』
「花音さん! 大丈夫ですか? あっ烏間先生! トランシーバーをオンに!!」
目を覚ますと、みんなと一緒に閉じ込められていて、何故か殺せんせーまで居た。
『えっと…何があったの?』
「死神が、俺らごと殺せんせーを殺そうとしてるんだ。でも、烏間先生は俺らの命の方が地球より重いってさ。今、死神を追いかけてる。」
『そっか…。』
私達が死ぬ代わりに、地球を救える。そんな条件を出されたら、やっぱり判断は難しいだろう。それでも、烏間先生は私達生徒を選んでくれたんだ…。
その時、上から大きな爆発音が聞こえた。
「やっとトランシーバーがつながった…。烏間先生、大丈夫ですか!? イリーナ先生も!」
「俺はいいが、あいつは瓦礫の下敷きだ。だが時間がない、死神を追う。」
「ダメ! どうして助けないの!? ビッチ先生まだ二十一歳だよ!?」
「助けてあげて、烏間先生。私達生徒が間違えた時も許してくれるように。」
「烏間先生、たぶん死神は目的を果たせずに戻ってきます。だから、そこにいて。」
そう。私達だって、これ以上死神の思い通りにはさせない。
今回の作戦は、ものづくり組が要だ。ここにある監視カメラは、上手く見えないところがあるらしく、菅谷くんのペイントで壁に同化する色を塗り、カメレオンみたいに張り付く。そうしたら死神には脱出したように見えるはず!そして、爆発する首輪は、簡単な構造だから、少しくらい乱暴に外しても大丈夫らしい。
やっぱり、死神のスキルがすごくても、E組の個人個人のスキルだってある!協力したら立ち向かえる!
「フフフ、殺せんせーは保護色になれるからいいけど、今素っ裸なんだよね。」
「もうお嫁にいけない…」
………ん、嫁?せめて婿だろ…。
まぁ、作戦は成功だ。
そして、烏間先生と死神が降ってきて戦闘を始めたらしい。実況下手な殺せんせーの実況を聞きながら、何とか理解していると、無事決着はついたようだ。
『あ、ビッチ先生が逃げようとしてる!』
「「「逃げるなー!!」」」
「殺す寸前だったのよ…?あんた達の事…。」
「たかがビッチと学校生活楽しめないで、うちら何のために殺し屋兼中学生やってんのよ。」
そして、烏間先生がビッチ先生に死神が持っていたバラを渡し、いいムードに…。烏間先生、かっこいいなぁ…。この二人、くっつくかも…♪