神さえも予測できなかった運命を辿る少女の物語   作:~時雨~

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11.正体の時間

期末を無事に終え、演劇発表会が終わった私達。あとは殺せんせーを殺すだけ!ということで、暗殺の作戦を立てていた。

 

「ここは、もっとこうした方が良くねぇか?」

「でも、それだとここが駄目だよ~。」

 

暗殺期限まで、あと3ヶ月。第二の刃を身に着けた私達は、このまま暗殺だって達成できる!……そう思っていたのに。突如響く爆発音。

 

「何…!?」

 

みんなで校庭に出ると、大きな穴から殺せんせーが出てきた。そして、それに続いて出てきたのは、カエデちゃん。しかし、驚くべきはそこではない。カエデちゃんの首から生えていたのは…触手。

 

「茅野さん、君は一体…。」

「ごめんね。茅野カエデは本名じゃないの。雪村あぐりの妹。そういったら分かるよね。」

 

雪村あぐり…。どっかで聞いたような名前。あ、そうだ。ここに殺せんせーが来る前に担任だった、あの先生だ。優しくて、私達に希望を持たせようとしてくれていた、ダサいTシャツの先生。あの人の妹だったんだ…。

 

「明日またやるよ、殺せんせー。場所は直前に連絡する。」

 

そう言うと、触手を使って跳び去ってしまった。

私は思い出した、前にシロが言っていたことを。触手を生やしている間はメンテナンスをしなければ地獄の苦しみを味わい、数日で死に至ると。カエデちゃんも、シロと手を組んでいたの?それとも……。

すると、三村君が私達に動画を見せながら言った。そこには、あるドラマのワンシーンが映っている。

 

「どこかで見たことあると思ったんだけど…。知ってるか?磨瀬榛名って言う天才子役。」

「言われてみれば、確かに茅野だ…。」

 

渚は言った。カエデちゃんは、自分のさっきを隠すために自分に近づいたのかも、と。

カエデちゃん…。本当に、1年間ずっと復讐するためにここにいたの…?

 

 

●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●

 

 

次の日、殺せんせーの携帯に、カエデちゃんから連絡があった。きっと、カエデちゃんの暗殺が始まってしまうのだろう。みんなで、指定された場所へ向かう。

そこにいたカエデちゃんは、薄着にマフラーをして、汗をかいていた。触手の副作用の代謝異常らしい。

 

「体が熱いなら、もっと熱くして触手に集めればいい!!」

 

そういって、カエデちゃんは触手を燃やし、暗殺が始まった。糸成君が言うには、数秒で精神が触手に浸食され始めているから、おそらく戦闘が終わってもすぐに死んでしまうかもしれないらしい。カエデちゃん……!!

その時、殺せんせーの顔が目の前に現れた。

 

『ひっ、生首…。』

「茅野さんの攻撃が激しすぎて、顔だけ伸ばして残像を作るので精一杯なんです!!」

 

びっくりした…。

カエデちゃんの触手を抜くには、何かで殺意を忘れさせなけらばならないらしい。しかし、時間をかけている余裕はないため、急所を突かせ、その隙に誰かが気を逸らさせることをしなければならない。

私の逸らす力じゃ……駄目だ。私の能力じゃ、自分以外に対する使用だと視線を《逸らさ》せる程度しか出来ない…!

私がそう歯がみしていると、渚が向かっていった。渚は何をする気なんだろう…。

 

「言わせないよ、茅野。全部演技だったなんて。」

 

そういってキスをした。

 

「「「『えええええーー!!!???』」」」

 

な、なな、渚が、カエデちゃんに、キスを……。

みんなが騒然とする中、カルマと莉桜ちゃんはカメラ構えてるし…。

とりあえず、渚の行動のおかげでカエデちゃんから触手を抜くことは成功したようだ。

 

「キス10秒で15ヒット、ってとこかしら。まだまだね。」

 

とビッチ先生は言っているけど、ヒットって何だろう…。なんかやばそう。

 

「俺なら25は堅いぞ。」

「もうやだこの教室…。私も20は行くけどさぁ…。」

 

前原とメグちゃんまで…。

 

『ち、ちなみにカルマは…?』

「ん?俺も20くらいかなー。なに?やってほしい?」

『い、いや、遠慮しておきます…。』

 

未知のセカイだった…。

すると、カエデちゃんが目を覚ましたようだ。

 

「茅野っち…。」

「……最初は、純粋な殺意だった。でも、E組で過ごすうちに、殺意に確信が持てなくなっていった。でも、そのころには触手に宿った殺意が膨れ上がって、踏みとどまることを許さなった。バカだよね…。」

「茅野が何を抱えていたとしても、1年間一緒にクラスを作ってきたことは変わらない。だから、一緒に、先生の過去を聞こうよ。」

 

そして、殺せんせーは、過去の話をしてくれた。

 

 

●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●

 

 

優れた殺し屋ほど、よろずに通じる。先生は、教師をするのは今年が初めて。では、なぜここまで滞りなくこなすことができるのか。それは、先生が殺し屋だったから。

スラムで生まれた先生は、殺し屋の道を選び、様々な方法で様々な人を殺す、天才だった。ついた通り名は、死神。

しかし、ある時弟子に裏切られ、捕まってしまう。送られた先は、ある実験施設だった。そこで行われる研究は、身体の中で反物質を生成するというもので、その人体実験の道具として、先生は使われた。

そんな中、研究者の婚約者だったE組の担任、雪村あぐりは、実験の補佐も行っていた。

先生は、そんな彼女を利用しようとコミュニケーションを取りに行った。

彼女と過ごすうち、先生は「みられる」とはどういうことなのかを理解し、心を開いていった。

しかし、ある問題が起こった。月で行っていた、ネズミを対象にした反物質実験の結果、爆発し、月の70%を消滅させてしまったのだ。つまり、放っておいても、先生は細胞分裂の限界を迎え、死ぬ。それを知った研究者は、先生を殺処分しようとするが、巧みに実験を誘導していた先生は、研究者を殺し、研究所を壊し、逃亡を試みた。

そんな、破壊生物になりかけた先生を止めたのが、雪村あぐりだった。

しかし、不慮の事故により、彼女は死んだ。そして、先生は後悔した。殺す力だって、誰かを救う力にできたはずなのに、と。

そして、彼女の願いである、E組の生徒の目に、光をす為、最高の成長をプレゼントする為、先生は教師になることを決めた。

その、先生が考え抜いた結果が、この暗殺教室だったのだ。

 

 

●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●

 

 

30分かけて説明された殺せんせーの過去は、驚くべきものだった。

先生の計画通り、私達は、この暗殺教室を通して、のびのびと成長できた。

しかし、私達の頭の中に、殺せんせーとの思い出が浮かび上がった。

こんなに良い、尊敬すべき先生を、私達は殺さなければいけない。そう。私達は恐ろしい難題に直面していたのだ。

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