渚の招集で外に出ると、珍しく、渚が提案をした。
「どうしても相談したいことがあるんだ。できるかどうか分からないけど、殺せんせーの命を助ける方法を探したいんだ。」
暗殺をして地球を救うのではなく、殺せんせーも含めて助ける。なるほど、平和な解決案だな…。
助けたいと考えている人は多く、みんなが賛成しだした。
しかし、莉桜ちゃんが口を開く。
「こんな空気の中言うのはなんだけど……私は反対。アサシンとターゲットが絆。だから、殺さなくちゃいけないと思う。」
暗殺を通して成長してきた私達。やっぱり、殺さなくちゃ、いけないのかな……。
前にカルマが言っていたのは、こっちの意見だ。私は………。
「才能あるやつってさぁ……なんでも自分の思い通りになるって勘違いするよねぇ……。」
「違うよ!もっと正直な気持ち!殺せんせーのこと、嫌いなの!?」
カルマと渚の喧嘩が始まってしまった。どうしよう……。仲がいい人通しの喧嘩って、悲しいな……。
「殺意を拭ったらこの教室拭ったらこの教室成り立たないからさぁ!!そんな殺せんせーの努力もわかんないの?頭まで小学生か…?」
どんどんヒートアップしていく。遂に、カルマが渚を押し、ネクタイを掴む。すると、渚が、足をカルマの首に巻き付かせた。寺坂は、飛び付き三角絞め、と言っている。そんな、技みたいなもの、身につけてたんだ……。
「僕だって半端な気持ちで言ってない!!」
「………こいつッ……!!」
『ちょ、カルマ…!』
殴り合いになりそうだった所を、磯貝くん、前原、杉野くんが何とか止める。……渚は、杉野君に軽々と止められていたが。
すると、殺せんせーがやってきた。
「中学生の喧嘩、大いに結構!しかし、ここは暗殺教室。この、ペイント銃とナイフで決めてはどうでしょう。」
ことの張本人が仲裁案を出してきちゃったよ……。先生が言うには、殺す派(赤)と殺さない派(青)に別れて、この山で勝負し、勝った方の意見をクラスみんなで尊重する、という事だった。
みんなが覚悟を決め、どちらかを選んでいく。
私は、どうしよう……。
どちらにせよ、クラスがまとまるならば、そこは考えなくて良いだろう。それに、殺すにしろ殺さないにしろ、最後には、成功させなければならない。だったら……。
『私は、殺せんせーの教育を尊敬しています。それに、このクラスだったら、どっちでも頑張れると思う。だから、私は……私の気持ちに正直に。……先生に生きていて欲しいです。』
カルマが殺す派で、少し引っかかるというか、言いづらかったけど、やっぱり私は殺せんせーが大好きで、生きていて欲しかった。
●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●
相手チームの旗を奪うか、全滅させた方の勝ち。フィールドはこの山全体。
「クラス内暗殺サバイバル、開始!」
烏間先生の合図と同時に、メグちゃんと竹林くんが千葉くんと凛香ちゃんに狙撃されてしまった。やっぱり、射撃技能1位と2位は凄いな……離れてる場所から、安定して当てられている。
私の射撃技能はクラス3位。だから、磯貝くんからは、狙撃を任されている。愛美ちゃんと一緒になって、旗の周りが見渡せる場所に待機する。
ちなみに、私の能力は、旗の周り40m圏内では使用を禁止されているので、狙撃をするなら基本、そこから外の方がいいだろう。
「や、やっぱり、千葉くんと速水さんの狙撃が厄介ですね…。」
『うーん……スナイパー対決になっちゃうかな……。』
あの二人より命中率が低いし、自信ないなぁ……。いざとなったら、サブで持ってるSMGタイプの銃で近接にしようかな?
と、考えていたが、どうやら千葉くん達は有希子ちゃんが殺ってくれたようだ。そういえば、オンライン戦争ゲームで鍛えてたんだっけ。
しばらくその場で待機しているが、まだ人は来ない。まぁ、まだ最初の方だし、いきなり旗を狙って来ることは無いかな……。
「……あっ、人面岩の影に、何人か居ます!」
『おー、その機会のメガネ凄いね…。あんな遠くまで見えるんだ。うーーん、当たるかな…。』
取り敢えず、愛美ちゃんにそのメガネを貸してもらい、狙う。見えると言っても隠れているので、本当にたまに様子を伺うために少し出る程度だった。
よし、心を落ち着かせて……というより、緊張を《逸らし》て……。撃つ!!
『やった、当たった!』
村松に当てることが出来た。ってことは、あそこにいるのは寺坂達の可能性が高いな…。なので、通信気を使ってみんなに伝える。
そうしている間に、向こうのチームの残りはカルマ、岡島、菅谷君、寺坂、吉田、莉桜ちゃん、凛香ちゃん、糸成君、三村君となっていた。一方、こっちのチームは磯貝君、前原、桃花ちゃん、原さん、渚、愛美ちゃん、そして私だ。
少し、不利かも……。
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カルマside
俺は今、殺す派チームの指揮をとっている。岡野と木村に奇襲に行かせたが、一撃離脱と言ったのに先走って原さんにやられてしまった。
「描くとおりに動かないねぇ、人ってやつは……。」
その様子を見ていた中村さんが口を開く。
「しゃーないねぇ。この副官様が決めに行ってやりますか。三馬鹿使っていーんでしょ?1人はやられたみたいだけど。」
「流石、分かってるね。よろしくー。」
互いの戦力が半分を切り、そろそろ互いの旗を取る戦略を考える頃だ。
三村の偵察で、花音の居る位置は分かってたけど、まさかあそこから村松に当てるとは思わなかったな……。能力もあるし、処理しておいた方がいいか……。
花音が殺さない派を選びそうなことは、分かっていた。付き合ってるから、敵対したくないだとか、そういうことは考えない。俺達は、そんなにヤワな関係じゃない。
そう考えているうちに、速水さん達と磯貝達が交戦を始め、中村さん達が突入しようとする。
策は積むだけ積み上げた。あと不気味なのは、三村でも発見できなかった渚くんぐらいか……。
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花音side
戦況は進み、凛香ちゃん達と磯貝君達が戦い始める。おそらく、今向こうのチームの居場所は4箇所。カルマ、寺坂達、凛香ちゃん達、岡島達。カルマは多分指揮だとすると、そろそろ寺坂が岩の影から旗を狙って出てくるだろう。
……でも、そこには…
「キャーー!!」
渚が居るんだよなぁ……。渚は、審判である烏間先生の陰に隠れ、大人数を殺せる瞬間を待ち、今降りてきた。結果、莉桜ちゃんや寺坂、吉田を倒すことが出来た。
「よし、磯貝君達のサポートに行こう。」
「はい!」
少し前から、ちょっとずつ右側に移動しながら警戒していたが、その必要はなくなったので、走って移動する。岡島と菅谷君がどこにいるか分からないから、一応警戒………と、思ったそばから、愛美ちゃんが発見した。
『愛美ちゃん。能力を使うから、あんまり離れたり、音を立てたりしないようにね。』
「はい……。どうするんですか?」
『出来れば、やり過ごして他の人と合流したいけど……。無理だったら、不意打ちで倒そう。』
しかし、私達は、岡島が手に持っていた物に気づかなかった。それは……カメラだった。
私達の居る少し後ろに連射したたまが飛んでくる。
もう、声が聞こえる距離だ。
「お、本当にこの辺りにいるっぽいぞ。それにしても、カメラの写真で居場所を確認するなんて、考えたよな。」
「まあな。確認している間に移動されちまうし、見当違いなところを撮っても意味無いからそこまで便利って訳じゃないけどな……。」
なるほど、そんな手があったのか……。確かに、キドさんの目を隠す能力だって、監視カメラなどには写ってしまうので、私の能力もそうだったのだろう。
『狙撃で岡島を撃つ。当たっても外してもバレちゃうから、そしたら突っ込むよ!』
「はい!」
撃つと、岡島のカメラに当たった。あれ、これどうなるんだろう?
すると、烏間先生からアナウンスが入り、岡島のカメラは使用禁止になった。
そして、愛美ちゃんが拳銃タイプの銃を持って突入していく。愛美ちゃんの弾は岡島に当たったが、菅谷君にやられてしまう。そして、菅谷君はこちら側に向かってくるが……
『残念。もうそっちにはいないんだよなぁ。』
愛美ちゃんに向かって意識を《逸らさ》せ、その隙に場所を少し移動したのだった。あれ、なんか、これって対象に注目させてるから、なんとなくモモちゃんの目を奪う能力と似てる…?
ということは置いておいて、私がいると思っている場所へ向かう菅谷君を後ろからナイフで刺した。
弾は無限じゃないから、出来る時はナイフでやっとかないとね。
「な、お前、いつの間に移動を……。」
『愛美ちゃんに気を取られてたでしょー。』
まぁ、そうさせたのは私なんだけど…。
一段落したので、他の状況を確認するために通信機に話し掛ける。
『今、誰が生き残ってる?』
【僕は大丈夫。でも、後はいないみたい。】
『……まぁ、あの様子だったら君は大丈夫だよね、渚。私は糸成君を狙いに行くよ。』
【了解!】
多分、カルマは渚を狙ってるだろうし、岡島達が来たということは、糸成君も向かわせてくるだろう。今から場所をとったりする時間は無いから、SMGタイプを取り出す。
走り回って撃つのは苦手なんだよなぁ……。
と、考えていると、やっぱり来た。使ってるのはARタイプか…。
お互い撃ち、避けながら走る。しかし、当たってしまった。
『はぁ、はぁ……や、やっぱり息が切れると、照準が、ズレちゃうなぁ……はぁ……。』
糸成君の目からは、ナイスファイト、という気持ちが感じられたので、笑って返した。
倒された人が集まる場所へ行くと、ほぼ全員がいた。
「残ったのは、渚とカルマだけか……。」
殺せんせーが言うには、最もプレイヤーの目に入らないのは審判。それに目をつけ、更に最大人数を殺せる瞬間を待った渚は、正しく殺し屋のセンスを持っているらしい。
すると、不意にカルマが叫ぶ。
「渚くーん!銃を置いておいて出てこいよ!ナイフで決めようぜ!」
そうか、この戦いは、みんなに納得させるような勝ち方が重要だ。だから、一方的に撃ったり出来ない。そして、渚はカルマの挑戦を受けなきゃ行けない。近接戦は、カルマの方が有利かな……。
私達は、2人の戦いを近くで見るために移動した。
「なんかさ、殺したくないのは変わらないけど、凛香を殺せた達成感、まだ手に残ってる。殺せんせーを殺せた時も、こういう思いが残るのかな……。」
「もう、どっちが勝っても文句はねぇよ。こんだけ色々人材がいりゃ、どんな難題もクリアできるかもしんねぇ。」
桃花ちゃんと寺坂が言った。
戦いを通して、みんなの強さ、弱さが分かり、みんなの意見が一貫しなくなってきた。
そして、渚とカルマが動き出す。
「カルマ君の格闘技術は、ナイフを当てるまでの流れを優位に運べます。一方、渚君はナイフをもう一本携えている。」
「そっか、猫騙し!」
「しかし、当然カルマ君も気づいている。武器も考え方も対極にある殺し屋2人。どう決着に持っていくか、注目ですよ!」
2人が、ナイフを振る。タックルをする。殴る。蹴る。技をかける。2人とも、あんなに戦えたんだ……。
そして、渚が転ばされてしまい、カルマがナイフを持って飛びかかる。
『渚っ!』
思わず声を出してしまったが、逆に、地面に刺さったナイフを蹴り、ナイフを奪った。しかし、カルマも渚に攻撃を仕掛け、ナイフを奪う。
渚はナイフをもういっぽんもっているが、隙を作らないカルマの猛攻で、なかなか抜くことが出来ない。
「カルマ君は過程を重んずる戦闘暗殺者です。駆け引きや戦略の先にあるのが彼の暗殺です。片や渚君は純粋に、勝利に繋がる一撃を探し、攻撃をする。それを堂々と受けることで、カルマ君は敗北を認めさせようとしていますね……。」
しばらく2人の殴り合いが続き、遂に渚が倒れてしまった。カルマがナイフを取りに行き、誘うとする。
すると、予想していなかった音が聞こえた。渚の猫騙しだった。ここでやるのか……!!
しかし、カルマは舌を噛んでダウンを防いだ。この戦いは、どうなるんだろう……。
ナイフで仕掛けるのかと思ったら、技をかける。
「肩固め!?」
「渚君は、決め技に、カルマ君の得意な格闘技を選んだ。」
2人とも、同じことを考えてるんだ。お互いが、納得させようと、必死に。
「キブ。降参。俺の負けだよ、渚……。」
「そこまで!赤チームの降伏により、青チーム、殺さない派の勝ちとする!!」
な、渚が勝った……。殺さない派の勝ちだ!!!!
そして、渚とカルマは仲直りをしたようだ。良かった……。
もう既に空は夕焼けに染っていた。
助ける方法を探す期限は今月一杯まで。その間も他の勢力は殺せんせーを殺そうとすると、烏間先生は言った。そして、1月の結果がどうなろうと、2月から先を全力で暗殺に費やすことを約束し、教室へ戻った。
●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●
「普通に考えてみよう。各国の首脳は、殺せんせーを殺すことしか考えていないのかな。僕は違うと思う。だって、目的は地球を救うことなんだから。」
なるほど、確かに竹林くんの言う通りだな……。しかし、その情報は最高機密で、ただの暗殺者の一端である私達には、その情報は知らされないと烏間先生は言う。でも………
「プロジェクトのデータベースに侵入しました!オンラインで繋がっているPCなら、大体入れます。」
律なら出来ちゃうんだよなぁ……。エネちゃんも大概だけど、律もやばい……。
そして、世界中の研究についてをみんなで読み解くと、アメリカ班が、国際宇宙ステーションで行われていることが分かった。
そんな所でそんな所で研究してるんじゃ、交渉にも行けないよなぁ……。
すると、殺せんせーは烏間先生達に席を外すよう言った。何するんだろう?
「さて、君達の望みは、宇宙から戻ったデータがアメリカに渡る前に、覗き見をすることですね。そこでです!近々、有人ロケットの試験発車が行われるのを知っていますか?」
殺せんせーは、宇宙ステーションをハイジャックし、実験データを盗む。そう言ったのだ。
この先生、相変わらず滅茶苦茶だな……。
戦闘描写書くの楽しかったです(?)