神さえも予測できなかった運命を辿る少女の物語   作:~時雨~

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4.初めての大会

「花音、今度開催される大会にはエントリーするの?」

 

『大会?』

 

「あれ、知らなかった? パラプラの前だから、それに向けて参加するアイドルもたくさんいるんだよ」

 

『パラプラ?』

 

「花音、何も知らないんだね……」

 

……うん。今の会話で私もそう思った。プリパラなんて、ずっと名前しか知らなかったしなぁ。

 パラダイスプライズ、通称パラプラは新人アイドルしか参加できない大会で、1年間で数回開催される大会らしい。そこで優勝するたびに“パラダイスコーデ”という特別なコーデをパーツごとに獲得出来るというシステムだそうだ。

 

『そっか、新人時代に1度だけか……。じゃあ、出て置いた方がいいのかな』

 

「ちなみに、私達は出るつもりだよ」

 

『でも、そういう順位が着くやつはまだやった事ないからなぁ……』

 

「それこそ今度の大会に参加して感覚を掴めばいいんだよ!」

 

 競い合う場でライブが出来たら、きっと色々学べることもあるだろう。

 

『うん。じゃあやってみようかな。……でも自信ないや』

 

「花音はデビューしたばっかりだもんねー。……あ! メイキングドラマ作ったら?」

 

 

●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●

 

 

 レッスン室に移動した私達だったが、ダンスの練習をしている2人を横目に、私はノートを開いていた。

 聞けば、大事な勝負がある時に新曲、新メイキングドラマを用意するのはよくある事らしい。そうでなくとも、私はまだオリジナルのメイキングドラマを持っていない。だから、ひとまず私はメイキングドラマの作成に集中することにした。

 

『と言っても、メイキングドラマってどんな風に作ればいいのかな……』

 

 私がそう呟くと、2人は練習を中断して近寄って来た。

 

「メイキングドラマは、自分の伝えたい事とか、気持ちを表現するの」

 

『伝えたい事……』

 

「思い出とか、体験した事とかで作ることもあるよ!」

 

 今まで見たことがあるもので言うと、かなめちゃんの「フレッシュバナナバスケット」は、かなめちゃんの好きなものとかを表現しているんだろ。そして、りんねちゃんの「はばたけ、レインボーテール」は、多分りんねちゃんの気持ちが込められている。

 

「あと……アイドルの自分をアピールするものでもあるから、花音らしさも大事だよ」

 

 みんなに伝えたい事。私の思い。最近よく考える事……。

 

『……うん、なんか作れそうかも』

 

「おぉー! どんな感じ?」

 

『それは、大会の時のお楽しみということで!』

 

 

●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●

 

 

 そして、あっという間に大会当日。私達がプリパラに入ろうとすると、ちょうど凛ちゃんと花陽ちゃんも来た所だった。

 

「凛達も大会でるの?」

 

「わ、私はちょっと……」

 

「かよちんがこんな感じだから、凛も出ないよー」

 

「でも、応援してるよ……!」

 

 花陽ちゃんは、プリパラに行くようになって少し自信がついたみたいだったけど、まだライブをする気は無いらしい。まぁ、プリパラはアイドルをする場所じゃなくて、楽しむ場所でもあるから何も問題はないんだけどね。

 みんなで会場へ向かい、しばらく待機していると、司会のめがねぇさんがステージに登場した。

 

【さて、始まりました。“ソロアイドル スプリングライブ”! 早速、1人目のライブに行きましょう!】

 

 めがねぇさんがそう言うと、現れたのはかなめちゃん。そう、かなめちゃんはトップバッターを引いていたのだ。

 かなめちゃんが今日着ているコーデは、いつも通り右と左で天使と悪魔モチーフのものだけど、悪魔の方がゴールドになっていて特別感がある。

 

♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪

 

「♪ねぇ、なぜユメはいつも、追いかけると直ぐ消えるものなのかな? 教えて欲しい。ねぇ、どうしてココロは過去にこだわるの? 今日より明日の自分、信じていたい。ねぇ、涙は必ずいつかは乾く!?  Shall We Go?!♪……メイキングドラマ、スイッチオーン! バナナを食べて! 元気ひゃくばーい! フレッシュバナナバスケット!! ……サイリウムチェンジ! ♪空の彼方、飛び出して行こう!♪」

 

♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪

 

 

●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●

 

 

 あれから、りんねちゃんや他の人のライブが過ぎて行った。

 

【今日最後の出演者は、花音さんでーす!】

 

 そして、最後の私の番である。……かなめちゃんがトップバッター、私がトリを偶然にも引いた時は、3人とも驚いて盛り上がった。

 気を取り直して、ライブに集中しなくちゃ。初めて作ったメイキングドラマ。みんな、楽しんでくれますように……!

 

♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪

 

『♪おしゃれなあの子マネするより、自分らしさが1番でしょ。ハートの輝き感じたなら、理想探しに出掛けようよ♪メイキングドラマ、スイッチオン! 世界には……こんなに楽しいことがあふれてる! プリパラマジック!』

 

 プリパラもそうだけど……世の中には、私の知らない楽しい事がたくさんあった。こんなに、可愛くて素敵な場所があるなんて、前までは知らなかった。そんな、最近の思いを表現したメイキングドラマだった。

 

『♪誰だって叶えられる。プリパラ プリパラダイス♪』

 

♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪

 

【いいねが集まり、がんばり研究生にランクアップです!】

 

 歌い終わって会場の裏に戻ると、これから結果発表のため、出演者が集まっていた。

 

「お疲れ様~!」

 

『かなめちゃん、りんねちゃんもお疲れ様!』

 

 それにしても、結構ドキドキしたなぁ……。ただ楽しくライブすれば良いという訳では無い分、緊張感が凄かった。

 すると、めがねぇさんの声が聞こえて来た。

 

【それでは、結果発表です! 3位は……久里須かなめさん! 2位は……梅宮花音さん! 1位は……荊りんねさんです!】

 

 結果は、なんと2位。しかも、私達が上位3人となった。

 

「わー、やったね!」

 

【……それでは、上位3人はチームを組んでもらいまーす! ステージに上がってください!】

 

『……え? ど、どういうこと?』

 

 困惑していると、プリパスで何かを確認していたりんねちゃんが、私達に画面を見せてくれた。

 

「ここ……小さく書いてあった」

 

「えっと……本当だ!」

 

『こんな、小さな所に……』

 

 そうしていると、時間も押しているからと、落ち着く間もなくステージへ連れ出されてしまったのだった。

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