気がついた時には、カルマの姿はどこにもなく、プールサイドに私は横たわっていた。
そこからはあまり覚えていないが、ふと周りを見たら公園のベンチに座っていた。カルマは、どこに行ったんだろう? E組に戻りたくないなぁ。
……あれ、なんかフラフラするし、目が、熱い。
「あれ、どうしたんですか!?」
『?』
「まさか、あの能力が……? だ、団長さんに連絡しないと!」
私の意識はそこでなくなった。
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キドside
今俺の目の前には、可愛らしい少女が眠っている。セトがいうには、公園のベンチに座っている少女がいきなり倒れたかと思うと、目が赤く染まっていたらしい。
目が赤くなる、というとバカにされるかもしれないが、俺達……メカクシ団には心当たりがある。
そして、少女が目覚めた。
『えっと……ここどこ?』
「ああ、少し複雑でな。順を追って説明する。まあ、誘拐とかではないから安心しろ」
『はい……?』
まあ、誘拐でないと言われても信用はできないかもしれないが、気休めだな。
とりあえず自己紹介からするか。
「俺はキド……木戸 つぼみだ。……キドと呼んでもらえると助かる」
『あ、私は梅宮 花音です』
やはりつぼみと名乗るのは恥ずかしいな。俺には合わない……。
おっと、とりあえず能力のことを聞き出すか。
「いきなりですまないが、お前は周りの人と比べて、自分が異質だと感じたことはないか?」
『……いや、多分ないです』
「そうか」
まあ、キサラギの話を聞いた限りだと、能力の目覚めた直後らしいからな。
「俺はあるんだ。ある日、姉と死んだ日から、みんなから俺の存在に気づいてくれなくなってしまった。そして、そういう時はいつも目が赤くなるんだ」
『え……?』
「……答え辛いかもしれないが、最近、誰かと死にかけたことはあるか?」
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花音side
『…………あ』
どうして、 忘れてたの…!? カルマは何処に行ったの? どうして? 私は死んだんじゃ……?
怖い。自分と周りに、何が起こっているんだろう。とりあえずこの人は信用して、大丈夫そうかな……?
『あります……』
「そうか。よし、お前には詳しく話したいことがある。他にもメンバーがいるから、集まるまではゆっくり休むといい」
『はい』
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「さて、みんなに集まってもらったのだが、花音、とりあえず自己紹介をしてくれ」
『あ、はい。梅宮 花音です』
「最近あれに巻き込まれたらしい。とりあえずみんな、自己紹介してくれ。ああ、花音は聞きたいことがたくさんあるかもしれないがとりあえず聞いてくれ」
あれってなんのこと……?
「団員No.2のセトっす」
「団員No.3のカノだよー」
「えっと……団員No.4のっ、マリー、です」
「だ、だだだ団員No.5のき、如月モモです!」
「団員No.6、スーパープリティー電脳ガールのエネちゃんでーす!」
「団員No.7シンタロー」
緑のフードつきのジャケットを着た少年。黒いパーカーを着た猫目の少年。白く長い髪でふわふわしたかわいい少女。変なパーカーを着た少女。携帯の中の水色の少女。赤いジャージを着た少年。
「まあ、聞きたいことは順番に答えていくから、聞いてくれ」
『えっと、さっき言っていたあれって何ですか?』
「それはだな……。」
説明されたことをまとめると、ある条件を満たしている人が誰かと2人で死んだ時、カゲロウデイズと名付けられている世界に迷い込んでしまい、どちらか片方だけが特殊能力を持ち、その世界での記憶は出てくる時に失って元の世界に戻って来られる。 出てきていないもう片方の人は今の所こちらに戻ってくる術は見つかっていない。ということらしい。
つまり、カルマと私がそれに巻き込まれた……? じゃあ、カルマは帰ってこられないの……?
『なんか、難しい話ですね……。団員ナンバーって何の事ですか?』
「それは今の話とつながるな。実は今ここにいるやつは全員巻き込まれていてな。向こうの世界から戻ってこれない人たちを助ける為の方法を探ったり、俺たちと同じような、能力を持った人たちと協力するチームを作ったんだ」
「その名はメカクシ団! キドが団長で、団に入った順番に番号をつけたのが団員ナンバー!」
「私はこの団に入ったおかげでずっと悩んでいた能力を制御できるようになったんだ!」
「わ、私も! 能力があっても外は怖くないよって教えてくれたの!」
「だから……お前も入らないか? メカクシ団に」
私みたいな人でも、入れてくれるの……?だったら……。カルマのことを絶対助けたい……!
『入ります! 私でも、受け入れて、くれますか……?』
「もちろんだ。よろしくな、花音。いや、カノン」
『はい、よろしくお願いします!』
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「え、カノンは中学校でいじめられてたんっすか!?」
『いじめと言うより……いじめっ子に仕立てられたと言いますか……』
「それは、カノンは悪くないんだろ? そのクラスのやつらと仲直りとか、ないのか?」
『そりゃしたいです。でも、私のことを信じてくれた律っていう子がいるんですけど……あ』
律は暗殺のために転入してきた機械の子。暗殺に関係してるから他の人に言っちゃダメな気がするけど……。まあ、暗殺のことを言わなければ大丈夫かな……? うん、最悪烏間先生に頼んで記憶を消してもらおう。
『えっと、私のクラスにはエネちゃんみたいな機械の子がいるんです。その子は見てたので信じてくれてたんですけど、その子も色々されちゃって……』
「カノン、よかったら、俺たちは仲直りに協力するぞ?」
『あ、ありがとうございます』
「……ちなみに、カノンは何処の中学校に行ってるんだ?」
『椚ヶ丘中学校ですけど……』
「え、そこってたしか有名な進学校じゃなかったっすか?」
あ、そうきたか。まあ、表のE組のことだけいっておけばいいか。
『まあ、私たちは成績、素行不良者の落ちこぼれクラスなんですけどね』
「でも普通の中学生よりかは頭いいそうっすね」
「お前地味にすごいんだな」
私は、社会と数学以外の教科は上の下くらいで、そんなに頭がいいわけじゃない。カルマとかメグちゃんに比べたら結構悪い……。なんとか数学で差を埋めて頑張りたいけど、社会がなぁ……。
「あれ、皆んなまだリビングにいたの? カノンに部屋の説明とかしなくちゃいけないんだし、今日はおひらきにしたらー?」
カノさんがお風呂から帰ってきたみたいだ。
「おい、モモ、そろそろ……あ。キド、モモが寝ちまったみたいなんだが、今日は泊まっても良いか?」
「カノンに貸すから部屋はないが、リビングでいいなら構わないぞ」
「おう、サンキュ」
「カノンは学校の関係で親戚の家の近くで一人暮らししてるって言ってたよな?」
『はい。親戚も見に来てくれたり、親もお金入れてくれるので、それで』
「ここはシェアハウスの役割もしてるんだ。なんなら、これからここに住むか?」
『え、いいんですか? じゃあ……よ、よろしくお願いします!』
一人暮らし、寂しかったしね……。親戚とかには誤魔化しちゃお!
そして、部屋に案内してもらい、今日はすぐに寝ることにした。