「あっ真姫ちゃん居たにゃー!」
凛ちゃんが真姫ちゃんを見つけると、小走りにしては速いスピードで近寄り、手を握った。やっぱり運動神経良いんだな……。私達が近づいていくと、真姫ちゃんは嫌な予感がしたのか、少し不安げな顔をした。
「何か用?」
「とぼけても、凛は忘れてないよー?」
「そうそう! プリパラに行くって約束だったよね!」
と、かなめちゃんが続いた、そう。私達は、中間テストの前の約束を実行するために、真姫ちゃんを探していたのだ。
「わ、私は別に興味ないわよ!」
「行ってみたら案外楽しかったりするかもしれないよ?」
「でも……」
私も少し押してみようかな……。
『もし気に入らなかったらすぐ帰ってもいいしね。……それに、この2人はもう、すごく乗り気だからこのままじゃ止まらないかも……』
それを聞くと真姫ちゃんは、自分の右手と左手のそれぞれを握りながら目を輝かせて迫る2人の顔を見た。そして、あきれたような顔をしながらも少し楽しそうに、
「わかったわよ」
といった。そうして、少し無理矢理になってしまったが、6人でプリパラに向かった。ちなみに、逃げないようにするためか、凛ちゃんはプリズムストーンに入るまで真姫ちゃんの手を放さなかった。
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外に居るめが姉ぇに真姫ちゃんに似合うブランドを教えてもらい、先に真姫ちゃん以外で中へ入った。みんなで入り口の方を向いて待っていると、入り口が光り、人影が現れる。姿が見えるようになった真姫ちゃんは……とてもかっこよかった。思った通りクールタイプらしく、クールかつセクシーで、きりっとした目の綺麗な顔の真姫ちゃんにとても似合っている。
すると、目を輝かせた花陽ちゃんが興奮気味に話し出した。
「真姫ちゃん! そのブランドPrismRoseだよね!? 最近人気のデザイナーさんが作ってるPrismシリーズの中でもクール系のブランドで、私達のPrismStar、PrismBeat、PrismHeartとかと同じシリーズなんだよ!」
私も来ているこの服のブランドはそういうものだったんだ……。確かに、みんな「Prism」って付いてるし、まさか全部同じ人のデザインだったとは……。
それにしても、流石プリパラ好きな花陽ちゃん。そういう情報をたくさん知ってるんだなぁ……。
『じゃあ、これからどうし……』
と言いかけたとき、りんねちゃんのお腹が小さく鳴った。
「あ……ごめん。お腹空いた……」
『そっかぁ。じゃあ、カフェ行こうか?』
プリパラのメインストリートを歩いて、いつも言っているカフェに向かっていると、真姫ちゃんが足を止めた。
「綺麗な街ね……」
入り口を入ると大きめのフラワーゲート。その先に続くメインストリートの目の前には、飛びぬけて高いプリパラヒルズ。メインストリートの中心にある、キラキラ輝く噴水広場。
『可愛いよね。女の子が好きそうな要素がたくさん詰まってる』
ホログラメーションでいろんな天気にも出来るし、もうこれは別世界って言えるのだろうか……。なんちゃって。そもそも異世界なんて無いだろうし、人間の手でそれが作れちゃったら少し怖いよな……。
カフェに着くと、みんなそれぞれお気に入りのメニューやおすすめを頼む。私は、プリパラ限定の煮オレがお気に入りで、可愛いグラスに加えてフルーツそのものが付属してくる。
「食べ物までオシャレなのね」
『うん。……ほら、プリパラって楽しいでしょ? 歌やライブだけじゃないんだよ?』
私がそういうと、真姫ちゃんは少し困った顔をした。
「別に、私は音楽嫌いじゃないわよ? むしろ、ピアノや歌は得意」
『え?』
「でも、勉強しないとだし、やめようと思ってたの」
そうだったのか……。通りの良さそうな良い声だし、歌ったら綺麗だろうな……と想像する。そして、少し前までの自分を思い出した。
『私も、1年くらい前までは、頑張って勉強して、それ以外の事は考えない様にしないとって思ってたの。でも違った。世の中には楽しいことがたくさんあって、それを楽しむことは決して怠けてるんじゃない。全部繋がってて、どんなことでも一点張りじゃだめなの。これは、私の恩師に教えてもらったことなんだけどね』
ハッと気付くと、真姫ちゃんだけでなく、みんなが私の言葉を聞いていた。なんか、語っちゃったみたいで恥ずかしいな……。
「花音、良いこと言うにゃー!」
「花音の言う通り! やっぱり、たまには気分転換も大事だよね!」
「すごく心に響く声だった……」
「素敵な先生だね。」
凛ちゃんとかなめちゃんに続いて、花陽ちゃんとりんねちゃんも共感してくれた。素敵な先生か……。うん。殺せんせーはとっても素敵な先生だった。
「……そうね。好きなことを封印してたら、駄目なのかも。……私、これからもプリパラに来ようかな」
「真姫ちゃん、珍しく素直にゃー!」
「う、うるさいわね!」
……凛ちゃんと真姫ちゃん、良いコンビだな。
そうして話していると、突然プリパラにアナウンスが響き渡った。
「プリパラパンポーン。いよいよ今週末、ミステリーパラダイスプライズ、略してミスプラの第1回が開催されま~す」
ミステリーパラダイスプライズとは、新人の頃に一度だけ挑戦が許されている、ミステリーパラダイスコーデを手に入れるための大会だ。シューズ、ティアラ、ドレスの3つからなるコーデで、それをゲットした者は必ず神アイドルになっているらしい。例年は普通のパラダイスコーデだったのだが、奇跡を起こしてそれを光らせた人が居たので、マイナーチェンジバージョンに変わったらしい。
「いよいよだね」
「BLACK☆STARsは出るの?」
「うん、そのつもり」
神アイドルを目指すなんて想像も出来ないことを目標にするより、まずはパラダイスコーデを手に入れようといって目標にしたが、それでも大きな目標だ。何故なら、新人とはいえ実力派のチーム達と戦い、勝たなければいけないからだ。それも3度。
『気合い入れないと……!』