神さえも予測できなかった運命を辿る少女の物語   作:~時雨~

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16.本物のアイドル

中間テストと同じように期末テストが過ぎ去り、少し久しぶりにいつものメンバーでプリパラに来た日のこと。といっても、あれから花丸ちゃんとルビィちゃんとも仲良くなり、いつのまにかその2人を加えた8人でよく一緒にいるようになっていて、前よりも人数は増えている。ルビィちゃんは人見知りだが、フレンドリーにたくさん話しかけてくれるかなめちゃんや、振る舞いが優しい花陽ちゃんとはもうかなり打ち解けているようだ。

 

『プリパラチェンジ、完了!』

 

ゲートからプリパラに入ると、直ぐ近くに人だかりができていた。

 

「あの人だかり、なんだろう?」

「人が多くて見えないずら……」

 

仕方がないので、私達も人混みに近付くことにする。

 

「だから……が……」

 

声が聞こえてくるので、もしかしたら誰かが話していて、しれを聞いている人達が集まっているのかもしれない。

すると、凛ちゃんが近くにいた人に声をかけた。

 

「あの、これってなんの集まりなんですか?」

「私も詳しくはわからないんだけど、アイドルの姫石藍寧がいるみたいなの! プリパラのじゃなくて、本物のアイドルよ!」

 

本物アイドルって……モモちゃんみたいな感じなのかな?その姫石藍寧という人を私は知らないので、とりあえず聞いてみようと知っていそうな花陽ちゃんの方を振り向くと……固まっていた。

 

『は、花陽ちゃん? その、姫石藍寧って……?』

「あ、藍寧ちゃんは今人気のロックアイドルで、子供達がプリパラに行き始める様な歳よりも前から密かに注目されてたらしいの!! ……そんなすごいアイドルが、なんでプリパラに……!?」

 

あんまりよくわからないけど、大人気アイドルってことなのかな……?

すると、その姫石藍寧がもう1度話し始めた。

 

「もう1度言うわ! ……みんなトモダチ、みんなアイドル? 友達同士で遊んでいるだけなら私は何も言わない。でも、プリパラで手軽にデビューしたアイドルなんかより、努力してデビューした本物のアイドルの方が素敵だと思わない?」

 

私はそれを聞いて、衝撃を受けた。プリパラをそんな風に嫌っている人が居るなんて、思ってもいなかったから。聞いている人の中には、その発言に納得していないような人も居たが、一方で共感し、歓声を上げている人も居る。……プリパラを否定されるのは少し悲しいな……と思っていると、かなめちゃんと凛ちゃんが飛び出して行った。

 

『ちょ、ちょっとかなめちゃん!?』

「凛ちゃん!」

 

そうして私達は結局、姫石藍寧の目の前まで来てしまった。

 

「プリパラを悪く言うのはやめてよ!」

「そうだよ! プリパラにだって、人気のアイドルはたくさんいるにゃ!」

「へぇ、じゃあ、あなたはどれだけ凄いアイドルなの?」

「そ、それは……」

「それに、何その語尾。安っぽいキャラ作り?」

 

姫石さんがそう言うと、真姫ちゃんまで飛び出していってしまう。

 

「凛の語尾はキャラ作りなんかじゃないわよ! あなたねっ……」

 

どうしよう、このままじゃ喧嘩になっちゃう……。

 

『ス、ストップ!』

 

私は、咄嗟に能力を使った。真姫ちゃん達の意識を私に向かって《逸らし》つつ、私の赤くなっている目には意識が行かないように二重に使ったが、上手くいったようだ。

 

 

『1回落ち着こう……?』

「で、でもこの人……」

『人には人の考えがあるし、一旦落ち着こう? 私達は私達で頑張ればいいんだよ』

 

そう言って、花陽ちゃん、花丸ちゃん、ルビィちゃんでなんとか宥めながら、遠くまで連れて行った。

 

「あのアイドル私も好きだったけど、今日で嫌いになった! プリパラのアイドルが努力してないだなんて、全然わかってないよ!」

「かなめ、落ち着いて……。それに、そろそろライブの時間……」

 

と、りんねちゃんが言った瞬間、ライブの予定を知らせる、プリパスのアラームが鳴った。

 

『プリパラが嫌いなら、来なければいいんだよ。ほら、切り替えてライブ行こ?』

「うん、そうだね……」

 

 

●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●

 

 

「みんなー! 今日もありがとう!」

 

歌い終わり、舞台袖に戻ろうとすると、突然ステージに人が登ってきた。さっきの姫石さんだ。

 

「あなた達、さっきの人よね。……1番ランクが上のあなた、私と勝負しなさい!」

「「『……え!?」」』

 

姫石さんの指している人差し指は、私の方を向いていた。

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