『はぁ……いきなり勝負しろなんて言われてもなぁ……』
昨日のライブ後、突然勝負しろと言い、そのまま立ち去って行った姫石さん。その後寮に戻り、みんなで話しているところに、プリパスにメールが届き、日時や場所を指定されたのだった。
『っていうか、私はまだデビューして全然経ってないし、プロのアイドルと対決なんて、出来ないよ……』
「デビューしてからの期間なんて、関係ないさ。」
後ろから突然声が聞こえ、驚いて振り返る。
『ひ、ひびきさん! お久しぶりです……』
「アイドルの姫石藍寧とライブ対決をするんだってね」
『耳が早いですね。……でも、勝てないと思います』
「……そんなに自信がないなら、ひとつ、テクニックを教えてあげよう」
『テクニック……?』
そうして、ひびきさんは私を黒い車へと案内した。
●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●
行き先はパラ宿だった。そして、まずはひびきさんが実際に見せてくれるらしい。
ひびきさんのライブを見るのは初めてだけど、きっと凄いんだろうな……。
♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪
「♪君、儚くも強いその心に今革命乗せたら。君、戸惑わず揮う正義の中にある未来をご覧過去は忘れて♪︎」
とてもかっこいい歌や演出で、私は“王”のようなイメージを連想した。
「純・アモーレ・愛。咲き誇れ美しい華、紅く猛るマグマ、カサブランカに。♪……メイキングドラマ、スイッチオン! 行くぞ! 僕が守る! サファイア革命、純真乱舞!!」
すると、ステージの上では普段と違うことが起こった。いつも通りにマイクを掲げると、サイリウムチェンジと同時に背中から大きな羽が生えたのだ。そして、歌を歌いながら、会場を飛び回る。
「エアリーチェンジ! ゴールドエアリー! ♪しかし僕等は愛が故にここにいる ♪」
♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪
「どうだったかな?」
『す、すごかったです……。あれは何だったんですか?』
「君ならできるよ」
『え、は、はい……』
あんなのをいきなり出来るのかな……。でも、期待されてるなら、やれるだけやってみよう、かな……?
「じゃあ行こうか」
『はい……って、どこにですか?』
「映画鑑賞だよ。一流の芸術に触れてインスピレーションを得るんだ」
インスピレーションを得る……。なるほど。練習だけじゃなくて、そういう部分も大事なんだな……。
その後、ひびきさん主演の映画を見に行ったり、クラシック曲、美術などの鑑賞に連れて行ってもらい、普段はあまり出来ないような体験をすることが出来たのだった。