神さえも予測できなかった運命を辿る少女の物語   作:~時雨~

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19.合宿

姫石さんとのライブ対決を無事に終え、私達は夏休みを迎えた。王蓮寺学園付属高校は全寮制だが、夏休みの過ごし方は申請すれば自由だ。夏休み中も寮で過ごすもよし、短期間だけ自分の家に帰るもよし、夏休みの全てを自分の家で過ごすもよしだ。私は、準備が出来次第メカクシ団のアジトに行こうと思っていた。だったけど……

 

「花音、りんね! プリパラのイベントに当たったよ!」

「『イベント?』」

 

そんなかなめちゃんの言葉で、久しぶりのメカクシ団のアジトは、お預けになってしまったのだった。

 

 

●○●^・ω・^●○●^・ω・^●○●

 

 

かなめちゃんの言っていたイベントというのは、全国の各プリパラから選ばれた何チームかが他の地域のプリパラに行き、ライブなどをしたりして親睦を深めたり知名度を上げたりする、という内容だった。各プリパラから数チームしか選ばれないというのに、私達が選ばれたのは凄い確率だ。……私達はまだデビュークラスなのに、大丈夫だったのかな……。

 

「いやー、それにしても、よかったね!」

「うん。……っていうか、これはプリパラ側の準備が悪かった」

『ひびきさんに感謝だね……』

 

私達が行くことになったのは、なんと、パラ宿のプリパラ。今年は神アイドルグランプリが開催されているし、個人的にも知り合いが何人かいる所に割り振られるとは……。しかし、問題があった。それは、プリパラ側は宿泊する場所を用意してくれない、ということだ。……準備不足過ぎない?

巡ヶ丘市とパラ宿はそれなりに離れているので、短期間で何回も行き来する、というのも難しい。かと言って、ホテルに泊まったり……というのも難しい。そこで、ダメ元でひびきさんに連絡を取ったのだ。結果、ひびきさんが快く泊まるところを用意してくれたのだった。ひびきさんって、どんなこと頼んでも、了承してくれるかはともかく、実行は出来そうな気がする。パプリカ財閥の御曹司でお金持ちだし。天才だし。

ということで、寮の手続きを済ませ、準備をして電車でパラ宿に向かい、今はメールに添付されていた地図の場所へ向かっている。

 

「あ、あれかな?」

 

そう言ったかなめちゃんの指した指の先には、ホテルというか、別荘のような建物が建っていた。パラ宿のプリパラからそう遠くない場所なのに、ここの周りはビルも少なく、騒がしさはあまり感じられない。

建物に近づいていくと、スーツを着た男女2人が立っていた。

 

「梅宮様、久里須様、荊様でございますね。紫京院ひびき様からお話は伺っております」

「私達はここの管理人の、ぺぺ・カルボと」

「ロンチーノ・カルボと申します。これから、ご案内いたしますね」

 

そして、私達はこの数週間で宿泊する場所を案内してもらった。その時の会話で、ぺぺさんとロンチーノさんは姉弟だと教えてもらった。ぺぺさんは落ち着いていて、クールな大人。ロンチーノさんは優しそうで柔らかな印象だ。

 

「では、何かございましたら、お呼びください」

 

そういって、2人は去っていった。豪華な雰囲気に驚いていたのか、かなめちゃんはここまで静かだったが、私達だけになって気を抜いたのか、案内された部屋を見まわして探検し始める。

見た所、大きく分けて、リビング、寝室、浴室、お手洗い、それと1つの大き目の部屋があるようだ。寝室にはベッドが3つ並んでいて、寮の3人部屋と比べると、かなりの差がある。

 

「おぉ~……。広いね!」

「……そういえば、この3人で一緒の部屋に寝るのは初めて?」

『確かに、そうだね』

「これって……Black☆STARsの合宿みたいじゃない!?」

 

合宿か……。夏休み中に、チームメイトで数週間、泊りがけで活動をする。確かに、そういってもいいかもしれない。

 

『あの向こうの部屋って何だろう?』

「あぁ、あの大きい部屋? ちょっと行ってみよう!」

 

そういって、寝室から移動し、かなめちゃんがドアを開けた。ピアノ、大きな鏡、スピーカー……などなど。壁は、防音の素材のようだ。

 

『歌とかダンスの練習が出来る場所……?』

「みたいだね」

 

準備がいいなぁ。練習はプリパラの中とかでも出来るのに。でも、私達専用の練習場所を時間に制限なく使えるというのはとても魅力的だ。

 

「折角だし、早速練習する?」

「……まずは、荷物の整理とかしなきゃだよ」

「そうだった……」

 

という感じで、私達の数週間のパラ宿生活が始まったのだった。




ぺぺ・カルボとロンチーノ・カルボ。ペペロンチーノとカルボナーラを適当に組み合わせてみました。
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