「では、夏休みのしおりをくばる前に、今回の件の話をしたいと思います。」
「今行方がわからない赤羽くんのことはこちらでなんとかする。」
『烏間先生、カルマのことは私がなんとかします。……アテがあるんです。詳しくは、カルマが帰ってきてから、話します。』
「しかし……「烏間先生、取り敢えずは様子を見ましょう。」はあ、わかった。海瀬さんの事は理事長とも相談して夏休み中には決める、ということにする。」
「では、しおりを配ります。一人一冊です。」
修学旅行の時よりも分厚い夏休みのしおりが出てきた。
『本って分厚くなるとこうなるんだ…。』
「出たよ、過剰しおり。」
「アコーディオン見たいだな……。」
「さて、これより夏休みに入るわけですが、みなさんにはメインイベントがありますねぇ。本来はA組に与えられるはずだった特典ですが、今回、君たちは貰える資格は十分にあるほどの結果を出した。」
私は数学で単位間違えるとか言う、泣きたくなるような間違い方をした。ホント、ケアレスミス多いんだよなぁ……嫌になっちゃうよ((((
「夏休み椚ヶ丘中学校特別夏期講習沖縄リゾート二泊三日、期間は8月16日から!!!」
「「「『いやっほー!!!!』」」」
『えっと、確か触手壊す権利は合宿中に使うんだっけ?』
「そうだよ。しっかり使わなきゃね!」
「君たちも、侮れない生徒になった。……椚ヶ丘中学校3年E組暗殺教室、基礎の一学期、これにて終業!」
さて、メカクシ団のアジトに帰るか。
そう言えば、キドさんはなるべくアジトの場所がばれたくないって言ってたな。アジトの近くになったら能力使って、人に見られないように帰ってみようかな。
……能力が、勝手に嫌なことを忘れちゃうのって、やっぱりモモさんが言ってた暴走ってやつなのかな……。私もはやく、ちゃんとコントロール出来るようにならないと!!
そんなことを考えているあいだに、駅に着いたので、アジトのある方面への電車へ乗る。前と同じ方面でよかったなぁ。
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よし、改札でたし、能力使ってみよう。
能力を使い始めると、少し変な動きをしても、見られてる感じがしなくなった。よく考えたら、これ上手く使えて無かったら恥ずかしいやつでは……。
『うわっ…すみません!』
人にぶつかっちゃった……。そっか、向こうから私のことは視認しないから、ちゃんと私がしっかり避け無きゃいけないのか。これからは気をつけないと…。っていうか、大通りを歩くのはやめておいた方がいいのかも。
そして、その後は無事アジトのある路地へと帰ることかできた。
『ただいま戻りましたー。』
「あ、おかえりっす。」
あれ、セトさんしかいないのかな?
「あ、キドとカノは夕飯の買い出しに行って、マリーは部屋で造花を作ってるっす。」
『セトさんはバイトじゃないんですか?』
「今日は休みっす。」
『そうだったんですか…あ、作戦、成功しましたよ! ちゃんとE組のみんなと仲直りできました!』
「キドからも聞いたっす、よかったっすね。」
『ありがとうございました! じゃあ、部屋戻りますね。』
◆そして時はたち、8月13日
『じゃあちょっといってきまーす。』
コンビニにお菓子を買いに行こうとドアを開けたら、なんと、殺せんせーが歩いていた。
『う、わああああ!!! こ、ころ、殺せんせー!?』
「わあああ……って、花音さんですか。………いやいやいや、なんでこんな所にいるんですかあ!?」
「カノン、どうしたんだ? って、な、なんだ、この黄色い変な生き物は!?」
はい、なんかめっちゃめんどくさくて、大変なことになりましたとさ。
てか、殺せんせー、いくら人気がない所だからって、ちゃんと変装してよ……。今思えば、私は学校のことを自分の暮らしてるところで言えなくて、暮らしの方は学校で言えない様な、立場にいるのか…。
「「説明してくれないか(ませんか)?」」
『えーと、先ず、殺せんせー、国家機密は教えちゃっていいんですか?』
「見られてしまった以上は仕方ない。ただし、他言無用ですよ。」
『次に、キドさん、メカクシ団のこととか、能力のこととか、カルマのこととか言っていいんですか?』
「ああ、別にそのことは言ってもいいんだが、メカクシ団のことは言ったらそいつもメカクシ団に入ることになるぞ?」
『じゃあ任務以外のことを言いますね……』
だって嫌だもん! 殺せんせーがメカクシ団に入るなんて! メカクシ団団員No.9、殺せんせーとか嫌だもん!
『えーっと、じゃあ、説明します……。』
そして、私は殺せんせーに、前にカルマと体験したことや、ここでみんなに聞いた、カゲロウデイズの話についてを話した。
『それで、私はそれに巻き込まれたんです。実は、カルマが居ないのも、そのせいなんです…。』
「そして、それに巻き込まれて戻ってこられた片方の者は特殊能力を手にすることができる。…《隠す》。」
キドさんが能力を使う。やっぱり、急に居なくなるように見えるなぁ。時空が歪む的な事が起きれば、少しは見分けつくのに…。
そして、キドさんは殺せんせーの後ろに回ってから脅かしただけなのに、殺せんせーは結構離れた。マッハで。やっぱり、後ろは取られたくないんだね…。
そうだ、メカクシ団のみんなに暗殺協力してもらえば、早く殺せるんじゃない?まぁ、色々とダメだろうけど…。
「まぁ、こんなところだな。」
「花音さんも、こんなのを持っているのですか?」
『はい。……殺せんせー、私はみんなとは違う力を持ちました。E組のみんなに嫌われてしまったりするんでしょうか……」
「大丈夫です。こんな、地球を滅ぼす超生物でも、受け入れてくれているじゃないですか…。花音さんは、その能力を悪用せず、自分らしく生きれば大丈夫です!」
やっぱり、殺せんせーはちゃんと受け入れてくれている。いい先生だな…。でも、やっぱり、E組のみんなに言うのは怖いな…。
「それより、カルマくんのことです! まさか、2人がそんなことに巻き込まれているなんて…。何か掴めたら、連絡してください。先生も協力します。」
『いいん、ですか?』
「先生が生徒を助けるのは当たり前です!」
『じゃあ、よろしくお願いします…。』
「そっちの話は片付いたようだな。で、その黄色いタコはなんなんだ?」
『こないだ月を破壊した超生物らしいです…。』
キドさん、結構驚いてるな…。カノさんはそこまでかな。多分、彼は面白がっていると思う。
うーん、殺せんせーってよくタコって言われるけど、触手8本どころじゃないよね、これ…?
「ニュヤッ!先生、これから限定スイーツを買いに行く所でした!では、先生も独自に調査してみます。さようならー。」
そして、マッハで飛んでった。
「なんか、すごい生物だな………ん? マリー、どうしたんだ?」
「はわわ、い、今の、なに!? 黄色いおばけ……!」
あらら……説明めんどいなー。よし。
『カノさん、あとはよろしくお願いしまーす。』
「え!?人任せ!?」
私もいつの間にか、メカクシ団の雰囲気に馴染めてきている気がする。それに、毎日どんどんメカクシ団のことを好きになってるな…。
『フフッ……』
「どうしたの?」
『これからもよろしくお願いしますね!』