超越頭脳と花姫のヒーローアカデミア   作:ツメナシカワウソ

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24時間テレビで賑わっていますが、僕は24時間テレビを見るなら24時間ゲームをする派です。


第10話『緊急会議』

ヴィラン連合襲撃・・・というより鋭華の暴走事件があって数日。臨時休校が続いていた雄英高校に、例年の行事が迫っていた。しかし、ほぼ一瞬で鎮圧されたとはいえヴィランが襲撃してきたのは事実であり、警備がなってない状態で開くのは如何なものかというのもり、教師陣による緊急会議が開かれた。勿論、鋭華も呼ばれた。

 

「・・・結局のところ、私は中止したほうが賢明だと思う。生徒達の将来にとって重要な機会だというのも承知の上だが、将来というのは命あってこそだ。下手に開催して襲撃され、万が一生徒が殺されたりしてみろ。目も当てられないぞ」

 

会議が始まって開口一番、鋭華はそう言った。開催云々というのは言うまでもなく、毎年開催される『雄英体育祭』についてだ。以前の時代におけるオリンピックに勝るとも劣らない注目度を誇るこのイベントは、生徒達の個性を使った動きを全国に生中継することで、プロヒーローに見てもらい、将来の相棒(サイドキック)候補として考えてもらうという意味合いもある。

 

「確かにそうだが、本当に襲撃が起こると思うか?それもあそこまで大規模な。お前が怒り狂って暴れまくったんだからもう全滅しててもおかしくないと思うんだが」

 

いつもの調子とは一転し、大真面目な発言をするひざし。大事な生徒の命に関わるような事なので、それもその筈だ。

 

「ハァ・・・キミ、本当にヒーローか?常に最悪の場合を考慮するものだと思っていたが・・・まぁいい。単刀直入に言うが、あのクソ野r・・・失礼。死柄木とかいうのと黒霧とかいうのは逃げた。怒りが収まらないから神経毒を叩き込んでやったが、あれだけ大規模なヴィラン共を集められるなら、その中に解毒系の個性があったとしてもおかしくはない。そしてまた準備を整え、襲ってくるだろう」

 

鋭華の言ったことに誰もが黙り込む。生徒達の為にも体育祭は開催したい。しかし、またあの襲撃が起こったら、今度は多くの一般人が犠牲になるかもしれない。

 

「なら、こういうのはどうだろう?」

 

その沈黙を、ネズミのような外見をした教師・・・根津が打ち破る。

 

「なんですか校長?」

 

「敢えて体育祭を開催することで、こちらの警備体制は盤石だと示すのさ。しかし、鋭華君の言う通り襲撃が起きるかもしれないから、今年は警備をより厳重にする。悪い意見ではないだろう?」

 

「却下だ。不確定要素が多過ぎる。仮にそれが実現出来たとして、相手がそれを上回る数で攻めてきたらどうするのです?それに一般人の避難誘導も考えて、戦えるヒーローは全体の役5、6割になるのですよ?加えてワープゲートまであるんですから、増援はいくらでも来る可能性もあります。多勢に無勢だ」

 

「ふむ・・・鋭華君」

 

「なんです?」

 

「君は少々、話の次元が跳躍する節があるね。もし向こうが人海戦術で来るにしても、相手は我々と同じ・・・まぁ私は違うが、人間だ。君はあまりにも強すぎる個性を持っているから、敵もそれと同じレベルで強い個性の者がいることを警戒しているのだろう?気持ちは大いにわかるが、人間は君のように世界を簡単に破壊してしまうような個性を持つ者は少ない。だから、少しはその警戒を解いてみても、いいのではないかな?」

 

「・・・否定はしません」

 

その後も会議は続き、終わった頃には日が暮れていた。

 

「随分と話したね。では、雄英体育祭は例年通り執り行うが、プロヒーローをなるべく警備に参加させ、本来の警備の量も倍に増やす。あとは、何も起こらないことを願うしかないね。それでは解散!」

 

根津のその言葉と共に、各々は帰路に着くなり、酒を飲むなりをした。




次回、雄英体育祭編スタートです。

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