これは、姫花達1年A組が個性把握テストを受けた日の夜の話。某所の人気の少ないバーに、女性が二人。一人は小柄で童顔。一歩間違えれば警察沙汰になりそうな姿だが、きちんと成人しているので何ら問題はない。もう一人は妖艶な美女。付けているメガネの奥に見えるマリンブルーの目には色気を感じさせる。
小柄な女性・・・鋭華がバーテンダーに出されたカクテルを一口飲む。
「・・・美味しい」
「そうでしょ〜?ここ、最近見つけたばかりなの」
普段娘達と話す時以外はthe無表情の彼女が笑みを零しているということは、彼女と共にいる女性はそれほど信頼に足る人物なのだろう。
「にしても驚いたわ鋭華。あれだけヒーローを批判してた貴女が雄英の教師になるなんて」
「なってはいけませんでしたか?睡(ねむり)先輩」
「そんな訳ないじゃない」
かの美女の名は香山(かやま) 睡(ねむり)。その正体ははプロヒーロー(ヒロイン?)として活動している『ミッドナイト』である。だが、今は只の後輩である鋭華を可愛がる先輩でしかない。
「ねぇ鋭華。覚えてる?貴女が相澤君をしょっちゅう捕まえて模擬戦してたこと」
「よく覚えてましたね。アレはお互い良い経験になりましたよ。おかげで私の個性が無効化されることはなくなりましたし」
思い出話に花を咲かせ、少しづつ酔いが回ってくる二人。次第に大人としての尊厳が崩れ始め、自分らの生徒達のような話題に発展する。
「そう言えば気になってたんだけど・・・姫花ちゃんに咲いてる花って触るとどんな感じなの?」
瞬間、鋭華がフリーズする。
「・・・え?もしかして聞いちゃいけなかった?」
「別に先輩の事ですから聞いても実際にやろうとは思わなそうですし、いいですよ」
「ゑ」
瞬間、今度は睡がフリーズする。
「・・・やっぱりやめます?」
「いえいえ。聞かせてちょうだい?」
「では・・・私も彼女と風呂に入った時に一度だけ触ったぐらいなので不確かですが、普通の花とあまり変わりないですね。ただ・・・」
「ただ?」
そこまで言うと鋭華は言うのをやめようか迷ったが、睡の是非とも聞きたいといったような目に観念して話すことにした。
「触ったときに蜜が出ますね」
「そうなの?」
「ええ」
そう言いつつ鋭華は手を睡の下腹部に回し、耳元で囁く。
「こ・こ・か・ら❤︎とっっても甘い蜜が❤︎」
酔うとはなんと恐ろしいことだろうか。普段人間が巧妙に隠している本性をこうも簡単に引きずり出してしまうのだから。
「・・・味見って、出来る?」
「駄目ですよ。私のものなんですから。それに、教師が教え子に手を出すのはどうかと思いますよ?」
「あらぁ?それを言うなら母親が娘に手を出すのもよろしくないんじゃない?」
そこまで言うと、二人の酔った女は互いに笑い合った。そして夜の雰囲気に飲まれ、到底ここでは書き記せないものも行った。勿論、然るべき場所で。
因みに数分後、一部始終を聞いていた全身が黒いモヤのようなもので出来たバーテンダーが鼻(と思しき部分)から血を出して倒れているのを病的に痩せた男が発見してしばらくバー内が騒然としたのを、彼女達は全く知らない。そして、翌日酔っていた時のことを思い出してお互いの顔を見て赤面するというのも知る由もない。
書いてて自分でも思ったけど年齢制限大丈夫かな・・・