手に持つM600スピットファイア軽機関銃を鉄血の戦術人形群に向け掃射する。M249とM60を足して二で割った様な外見を持つこの軽機関銃は、標準弾薬に7.62mm NATO弾を採用しており戦術人形相手にもしっかりと損害を与えれる。反動も少なく装弾数の多いコレを持って来たのは正解だった。
「FS、採掘状況は?」
軽機関銃で鉄血をなぎ払いつつ自らのタイタンに採掘の進捗を確認する。
『現在98%、あともう少しです。パイロット、気を抜かずに行きましょう』
FSからの報告に満足し接近してきた二本の単分子ナイフを装備した戦術人形を蹴り倒す。
突然の奇襲に少々驚きはしたが、敵の規模はそれほど大きくなく、戦闘能力もあまり高くないためFSと手分けして丁寧に処理している最中だ。
ジェットパックを吹かし、廃ビルの壁を利用しウォールランへと移行。
高所へ移動し、こちらに主砲を向ける多脚型戦車に、青白く塗装されたアークグレネードのピンを引き抜き投擲する。
投げ放たれたグレネードは寸分の狂いなく戦車に接着、命中し、電撃と共にEMP効果を発揮した。
EMPにより動きが止まった隙を見逃さず戦車の上部に取り付き、スーツのパワーアシストにより強化された身体能力で装甲板を引っぺがし、露出した機関部に軽機関銃の銃口を押し付けて引き金を引く。
銃口から放たれた無数のライフル弾が機関部に突き刺さり戦車を沈黙させた。
「大物は大体片付けたかな。……ミランの奴は大丈夫かね」
戦車の残骸の上でクーパーは一人別地点で採掘作業を行っているであろう友人に少し意識を向ける。
『彼もまたSRSトップクラスのパイロットです。信じましょう』
「そうだな。心配しすぎか。さて、残りを片付けようか」
『了解です』
周囲に散乱する戦術人形と戦車の残骸を踏み越え残存勢力を排除すべく再び壁に手を添え走り出した。
AR-15と名乗る戦術人形とドア越しに問答してから大体三十分くらい経過しただろうか。
未だに彼女は姿を見せてはくれないが。まあ、鉄血の戦術人形がそこらをうろつき周っている様な危険地帯に自らが隠れてる場所に迷いなく向かってくる奴など怪しさ満点過ぎるから当然か。
私ならば問答などせず、真っ先に撃っているかもしれない。
「貴方はどこかのPMCに所属している……のよね?」
「……まあ、そんなところだ」
彼女の疑問に端的に答える。
ミリシアは元々入植者たちが結成した組織なので強ち彼女の指摘は間違っていない。厳密に言えば少し違うが訂正する必要はないのでそのまま通す。
……そろそろ採掘作業も完了している頃だろう。
接触は最低限にと言われたが、長いこと話し込んでしまったものだ。
『MB、採掘作業は?』
『はい、完了しました。回収部隊を要請したので直に帰還できるかと。ミラン、そちらはどうですか?』
ヘルメット内無線を利用してAR-15に聞かれない様に電子会話によるやりとりにより情報を共有する。
『……あまり人と話すのは得意じゃないんだ。あとは察してくれ』
『コミュ症の中学生ですか貴方は』
『やかましい』
最近FSやBTとの情報リンクにより変なことを覚えた相棒にツッコミを入れ、彼女をどうするか思案する。
戦闘員であるパイロットの仕事ではないが、このまま彼女をここに置き去りにしてもいいものか。
本来なら助ける必要はなく、相手もまた見知らぬ誰かにほいほいついて来るとは思えない。
しかしアンダーソンが言っていたグリフィンやAR小隊といった単語から察するに、彼女を助ければグリフィンと呼ばれるPMCと接点を得ることができるだろう。
あとは私の良心が痛むという理由もあるが。
およそ一介のパイロットである私がどうこう決めていいものではないため、
『MB、データを纏めて転送する。アンダーソンに繋いでくれ』
『了解です。リンクを実行します』
先ほど頭の中で纏めた情報をMBに伝えアンダーソンに伝達する。
その後直ぐに新たな通知が届いた。
タイタンフォール用語解説
アークグレネード
青く塗装された接着式EMPグレネード
着弾地点にくっつき半径10mほどの電撃波を発生させる
タイタンやパイロットすら一時的にスタンさせられるほどに強力な代物
スピットファイア
外見はM60-E3を彷彿とさせる軽機関銃
弾薬に7.62mmを採用している
ちなみに頭文字についていたM600はApex legendsのものを使用しました
ジャック・クーパー
タイタンフォール2キャンペーンモードにおける主人公にして髭面のお兄ちゃん
元々は一般歩兵であるライフルマンだったがストーリーを通じてパイロットとしての才能を開花させていくこととなる
ジョークや皮肉をよく飛ばす