押しカプを地元に召喚して遊ばせてあげたい……
なんて一心で書いてました。作中に出てくる件の唐揚げ、実際に食べたことあるんですが意外とイケる、と思った自分に罪悪感を覚えるほど衝撃的な見た目です。味は……この二人の気持ちになって実際に確かめに行ってみてはいかが?
名古屋においでよ。
とある休日、俺とあやせは日帰りで名古屋まで来ていた。
鷲逗市がある地方とは別の地方でも広く広報活動を行っていくために、といった内容の仕事があやせに与えられ、俺はもともとあやせの護衛という目的で付いて来たのだが思ったよりも早く仕事が終わり、自由時間という名のデートを俺たちは楽しんでいた。
「わぁ……、ここが大須商店街」
「商店街なのにどデカい門があるな……、神社かここは」
と、二人で感嘆の声を漏らしていた。
俺たちがやってきたのは名古屋の中央部に位置する"大須商店街"、まぁそのまま商店街なのだが他のそれとは規模が違う。かなり入り組んでいて広い商店街だった。
「今日は休日だからそれなりに人が居るな……。ほら、あやせ。俺からはぐれないように、な?」
「あっ……、うんっ。ありがとう」
少し頬を染めてあやせはそっと指を絡ませてくれた。
それから俺とあやせは2人で商店街を散策した。
色々と食べ歩いたり、名物のお土産を買ったり。
俺は止めるよう言ったのだが小倉クリーム唐揚げ? とかいう名前からしてゲ○モノなグルメにあやせは果敢にも挑戦しに行ったのだが、
「……あれ? 意外と悪くないじゃない?」
なんて言い出したので正気を疑って小突かれたり(本当に意外とイケたのが何とも言い難かった)。
更には……
「へぇ、ここが大須観音か……。結構大きいお寺なんだな。」
「ねぇ暁、お金はもう払ったからそこの硝子戸から小皿を一枚出してみて?」
「? 、まぁ構わないがうぉぉぉぉあ?!」
注意書きの通りに硝子戸を閉めた途端、俺の肩や背中、ついでに頭には大量の鳩鳩鳩。
叫んでも軽く体を揺すっても彼らは去っていく気配もしない。時すでに遅し。小皿が乗っている俺の右腕には鳩の塊で出来た球体が形成されていた。
「ふふっ、あっはは!! 暁すっごい顔してる!!!」
「ちょっ! あやせ……、見てないでコイツらどうにかしてくれよ!!」
こんな数の鳩に囲まれる経験なんて滅多にできないだろう。内心複雑だったが、あやせの大爆笑につられて思わず俺も笑ってしまっていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
気付けば時間はどんどん過ぎ、辺りはほんのりと薄暗くなり、観光客の数も減ってきた。
「あやせ、今日は楽しかったか?」
「うんっ、とっても」
一輪の花が咲いたような、眩しい笑顔で答えてくれた。この笑顔に何度惚れさせられたことか。若干言葉に詰まってしまう。
「じゃ、じゃあそろそろ時間だから。駅に向かわないとな」
「あっ……、待って暁。最後にいっこだけ――」
と言ってあやせが軽く背伸びしたあと、俺は頬に柔らかくて温かい感触を感じた。
驚いてあやせを見てみると、真っ赤な顔で上目遣いがちにこう放った。
「さっ……、暁のこと、どえらーーーいっ、、好きだがや……?」
このときの俺は一体どんな顔をしていただろうか、一つだけ言えるのは、頭のてっぺんまで熱くなっていたことは確かだ。