ONE PIECE エピソード・オブ・スターライト 星の国と風の少女 作:ハマT
新世界スターライト王国
首都ミーティアに存在する巨大な城ミーティア城。観光名所の一つである城だが城壁はボロボロ、辺りの兵士も傷だらけだ。その城の中の一室、玉座の部屋では王と思われる人物が一人の女性にタオルにつつんだ何かを渡している。
それから数時間後、その女性はスターライト島沖合いにいた。王様から渡されたタオルに包まれた何かを優しく抱き締めながら離れていく島を悲しい目で見つめていた──。
それから月日は流れ、十二年後の首都ミーティア
星の国と呼ばれるスターライト王国。その名前の通り夜空に浮かぶ星はきれいに輝いている。その星空に見とれる国民達、その間を一人の少女が走っていた。その後ろには二人に兵士がいる。
「そっちだ捕まえろ!!」
「ごめんなさい、通して!!」
青い髪をした少女を追いかける兵士。少女も捕まるまいと人混みをかき分け必死に走る。
「逃がすな!!」
目の前の人混みからも現れる兵士。それに気づいた少女は、一気に飛び上がるとそのまま空中を走り町外れへと向かっていく。
「……逃げられたか」
「逃げ足の速いやつだ……反乱軍リーダー、エアリー……」
早朝スターライト島沖
「お、島だ!!」
太陽を象った海賊船、サウザンド・サニー号の上から麦わら帽子を被った少年ルフィが島を見つけ叫ぶ。
──麦わらの一味、船長のルフィを始め、ゾロ、ウソップ、ナミ、サンジ、チョッパー、ロビン、フランキー、ブルック。彼ら九人はかつての海賊王、ロジャーの宝であるワンピースを求め冒険を続けていた。
「港もあるみたいだし丁度良いわね。次の島に向かうための準備をしましょ」
ロビンの一言で上陸を決め島に近づく一味。島が近づき準備の為に中に入ろうとした瞬間、甲板に何かが落ちてくる。すぐに落ちた所を見ると、青い髪をした少女がいた。
「なんだぁ?」
「……えっと、船?ご、ごめんなさい!!」
辺りを確認し、自分が落ちた所に船あることを理解して謝り出す少女。
「にしても島からはまだ距離があんだろ?どうやったら空から落ちてこられるんだ?」
「……あの、強風にあおられて……」
少女曰く、港に向かう途中に風に飛ばされてサウザンド・サニー号に落ちたらしい。
「……もし良ければ港まで一気に連れていって差し上げますよ」
その言葉に喜び、是非とお願いするルフィ達。その言葉を受けた少女はマストと自身の体をロープで結ぶとそのまま飛び上がる。やがて帆と同じ高さまで飛び上がると左手を前に突き出す。それと同時に風が吹き、サウザンド・サニー号が加速する。
「……ねぇあなたもしかして能力者?」
「は、はい。私はエアリー……ヒュルヒュルの実の能力者です」
悪魔の実。食べると泳げなくなる代わりに色々な能力を得ることのできる不思議な実。その少女──エアリーも実を食べた能力者だった。
「スッゲェェェ!!!なぁ、俺も飛ばしてくれよ!!」
「ごめんなさい……これは飛んでるんじゃなくて風で足場を作ってるんです」
ヒュルヒュルの実を食べたエアリーは風を操る事ができる。足元に気流を作りそれを足場にして浮いているのだ。要は見えない足場に立っているだけ。その足場をちゃんと踏めれば他の人でも飛べるが、会ったばかりのルフィ達がそれを踏むのは難しい。その事を説明するエアリー。それに一応ルフィも納得したものの、何処かまだ諦めていない様子。そんなことを話している内に、もう島の目と鼻の先まで近づくサウザンド・サニー号。それを確認したエアリーはロープを切ると、そのまま島へと向かって駆け出す。
「あ、ちょっと!!」
「ここまでくればもう大丈夫です。あ、言い忘れていましたが、この島は海賊も海軍も関係なく観光できるので隠れて船を止めなくてもいいですよ。それでは皆さん良い旅を!!」
そう告げるとそのまま港に向かって駆け出すエアリー。
この時ルフィ達はまだ知る由もなかった。彼女と意外な形で再開する事、そして大きな戦いに巻き込まれる事を……
同時刻???
「スターライト王国?」
『ああ。少し調べてみたがドラゴンさんの思った通りだった……』
「……で当てはあるの?」
『反乱軍No.2のアネッサ。彼女なら何か知ってると思う』
「……そう。あの国は普通の法が通用しないらしいから気を付けてね……サボ君」