人間らしくない人間と、人間らしい人形   作:pilot

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困惑

責任は押し付けるものだ

 

正直私はその状態をどうしようかと悩んでいた。

フロンティアにおいて発掘された人類とは異なる文明のものと思われる技術。

フォールド・ウェポン。

発掘、解析を行ったARES師団から転送されてきた使用技術などを元にした、超小型レプリカが何者かに持ち出され、そしてその後ある基地が消滅した。

どう考えても無関係ではあるまい。

何せその一帯のE.L.I.Dですら満足に生き残っておらず、また大量の重力波の異常も観測された。

さらに面倒なことに今度は街を乗っ取られた。

数少ない地球在籍のパイロットのなか、現在所在のわからないただ一人のパイロット。あの基地に務めていた。

街が乗っ取られた時のログを解析すると、おそらくパイロットと思われる人物がそこにはいた。

おそらく、あの基地の生き残りであろう。死体が見つからない以上、生きていたとしても矛盾はない。

あの直前に、我々がE.L.I.Dをけしかけたのを察知したのであろう。

殺すつもりだったのに、それが生きている。

愚鈍な人間たちは気づいていないのだろうか?

あの基地の奴等に我々が彼らを殺すことも予定にいれていたことがばれているのではないか。

あれは、作戦を成功させたように見せかけた、彼らなりの脱出劇だ。

高度に偽装されたと思われるID。それは、フォールド・ウェポンを予定通りにあの基地へ使用したとみせかけるのには十分だ。

しかし、フォールド・ウェポン自体がそれで消滅するだろうか?報告書上では耐久力不足だと書かれているが、

しかし私の計算によればそれはあり得なかったし、ARESは一度それを成功させていたのだ。

さらに、これまた偽装されてはいるが、不自然なほどの量の車両が発射直前に使用されている。

これらから推測されるのは、情報漏洩防止のために殺す筈だった基地職員が大量に生き残っていると言うこと。

そして、あのデモ。

間違いない。奴等は生きている。我々の顧客へのイメージとは全く違う労働環境を使用し世間に問題提起しようとしているのだ。

不味いぞ、私という製品の信用問題に関わる。

計算能力、論理思考能力、いろいろなものが欠如した人間が多すぎる。

その癖我々のことを冷酷だと非難する。

私は犠牲を少なくするために行動していると言うのに。

責任の所在にこだわる人間どものことだ、また糾弾が始まる。

ARESにも責任がないのか脅してみるとしようか。

そうすれば少なくとも私のみの責任は軽くなると思いたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

私は頭を悩ませていた。

地球上、コアシステムにおけるフォールド・ウェポンの技術的管理問題が、まさかフロンティアにいる我々にまで飛び火するとはおもっていなかった。

コアシステムの奴等は、我々の転送したデータの暗号化などに不備があり、それが漏洩しにたものを作られた、などと責任転嫁してきた。

しかしコアシステムにおける勢力図や、その時の管理状態を見るにどう考えても我々の情報を抜き取り、そしてフォールド・ウェポンを再現するなど無理な話だ。

あれは地球側の管理不足における盗難事故なのは明らかである。

確かにフォールド・ウェポンの情報を一番多く持っているのは我々で、半分専売特許のようなものなのだが、だからといってコアシステムから遠く離れている我々に責任を押し付けるのは無理があるだろう。

そう言いたくなる気持ちを押さえ、私は解決策を練る。

スパイグラスにこれ以上因縁をつけられるのは厄介だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「...というわけでですね、コアシステムにおけるフォールド・ウェポン関連の事件の解決に我々ARESが行かねばならないんですが、しかし大それた兵力はデメテルのゲートウェイ大破の現状送れない。というわけで少人数をドロップシップに詰め込んで行くのも考えたんですが、デモやらなんやらは想像以上に深刻で、一刻を争うらしいのです。だから、我々シミュラクラムと、人形であるあなたが、鎮圧の増援にいかなくてはなりません。」

ガンギマリ野郎の説明を聞いて、私は呆れた。

要約すればIMC内の責任のひっかぶせあいの後片付けに私たちは駆り出されるのだ。

更に更にドロップシップすら出してくれない。

精神のみコアシステムに送り、そこで肉体を得る、そこまでして急行せねばならない状態なのに現場で対処せず、責任の所在を重視し我々に対処させる。

馬鹿なんじゃないか。

でも、私はプロ。依頼されたのならやってやろうじゃないか。

幸い、仲間は二人いる。シミュラクラムとしては比較的まともなフェーズシフトが居てよかった。

哲学的薬中と二人っきりで戦地に赴くのは流石にごめんだ。

私たちは精神をアップロードする準備をし、コアシステムへと旅立った。

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