自分は役に立つことが好きだ。もうそれしかないくらいには。
でも今はどうです。なにもしてないじゃないですか。
この前の大規模抗争でもそうでした。
リーパーを倒して次の活躍の場を探している時にパイロットたちの急襲を受けチャンスを全て逃してしまったではないか。
つらい
いいやまだやるべきなのだ。
というかなんだか最近私以外の人形たちがやたらと気分良さそうにしている。
そういった連絡がきた。
あのPKPさんですら浮わついている。
どうやら指揮官と、以前よりも仲良くなれたらしい。
羨ましいことです。
無条件に人に必要とされるのはとても恵まれている。
自分の指揮官は、わたくしの強さをかってくれただけで、それはわたくし自身の価値に直結しない。
強くなければきっと見限られてしまう。
この指輪も特別な意味があるというが実際はただの後付け権限解放だ。
わたくしのもそうにちがいない。
もっと頑張らなければ。
結局わたくしたちはあのあと彼女らに着いていかず、汚染されていない地域に定着することにした。
ここにも人はたくさんいる。
やっと、IMCから逃げて隠れれる所を見つけたのだ。
というよりも、彼らにはさほど価値がない場所と言うことか。
それでもわたくしたちはここで生きる。
そしてわたくしはここの人たちに必要とされる人形になってみせる。
例えなにがあろうとも。
ある一人の戦術人形が見つけたその情報は、一行に危機感を抱かせるには十分なものだった。
自分たちを殺しかけたパイロットが生きている。しかも、それが無差別に人口密集地を攻撃しているのだ。さらに、そこに鉄血も絡んでいるらしいとなれば、むしろ危機感を抱かない方がよっぽど能天気だ。
いつも陽気なAA12の指揮官も、冷静沈着なKSGの指揮官も、まるでこの前の抗争直後のように戸惑っている。
「諸君......実はさらに悪い知らせがある。」
重々しく口を開いたリーダーのパイロット。
その言葉は彼らしい明るく希望に満ちた鼓舞でも激励でもなく、追い討ちするようなこれからの悪い予想だった。
「人口密集地の攻撃されたルートから算出すると、おそらくこれからしばらくすれば、私たちのかつての仲間たちの集落が標的となる確率が高いことがわかった。
いや、わかってしまった。」
恐ろしい予想だ。外れればいいと思ってしまうような予想だ。
だが現実なのだ。それは逃れ得ない事実なのだ。
かつての仲間たちが死の危険へと曝されてしまうのだ。
無視は、できない。
「もちろん......今後我々が何をすべきかは皆、わかっているな?」
厳粛な雰囲気のなか、それぞれがそれぞれの方法で肯定の意を示す。
頷き、サムズアップ、返答......
皆の心は一つ。
もう一度、生き残るために戦う時が来たのだ。