鉄血傭兵生活
俺はパイロットだ。
誰がなんと言おうとパイロットだ。
女のガワした人類の奴隷であるはずの人形どもに顎でこきつかわれて、逃げようにもそもそも前の雇用主と捜索隊を出されるほどの契約などしていなかった、つまり詰みの状態に陥っていても俺はパイロットの筈だ。
どうしてこうなった。
何がいけなかった。
考えても仕方ないが、まあ戦わずして生きていれる内は良しとしよう。
鉄血のクズどもが言うには、今までの数百年に渡る人類への攻撃は全て自衛のためだという。
ぬかしやがる。
何が自衛だ。
俺には関係ないね
殺しに理由つけるやつは人間臭くて大嫌いだ。
あいつら人でなしの癖に、人になりたいんだと。
おかしな話だ。
お前らの方がよっぽど人間より出来がいいというのに。
ただ俺たちは権力者だっただけだ。
それに憧れるとは、愚かなものだ。
からだの出来は優秀でも、頭はそうとはいかなかったらしい。
頭の中でぼやいているうちにもう目的地についた。
俺が今やってるのは輸送ラインの護衛だ。
俺も荷物を背負い、タイタンにも大量に詰め込み、工場から施設、基地を繋いでいる。
馬鹿げた話だが俺は指揮が出来るようになった。
鉄血人形と脳で直接お話が出来るようになったのだ。
甘い改造だったな。
あいつら俺を捕まえてぐちゃぐちゃに身体改造するぞとおどしときながらIMCのそれに比べると天国みたいに優しい施術だった。
俺がケロッとしてるのをみたデストロイヤーの顔は面白かったな。
内容は鉄血に攻撃しようとすれば体を停止させるために電流を流すというものと、鉄血との通信規格の直接の埋め込み。
前者は......実は大して効かないことがわかった。
まあ、あいつらは悪くない。
元々俺たちパイロットが強すぎるだけさ。
8mm越える銃弾ぶちこまれても怯まない俺たちにとっちゃ、普通の人を痺れさせるくらいの電流なぞむしろ気持ちのよい刺激程度にしか感じないのだ。
アークグレネードくらいやってもらわねえとなぁ。
ああ、クソ疲れた。
ここの支部はあの仲良しハイエンド二人組のハウスだ。
なんと数百年仲良しこよしらしいぞ。
笑っちゃうぜ。
微笑ましすぎてな。
戦いかたの相性がいいってんでずっと組んでるうちに仲良くなってた、とかいう話だ。
そういうやつらはパイロットにもいないわけではなかったが、本当の意味で末長い付き合いになったやつはそうそういない。
ましてや数百年などと、あり得ないことだ。
その点こいつらは、俺たちよりも人間らしくて、眩しかった。
俺はわからない。
あいつらは人間になるためにこの数百年戦ってたらしい。
理解できないのは、鉄血が暴走した数百年前の時点で、人間などはすでに人間性を投げ捨てていたようにも思える。
少なくとも自らと同じ種族を模した兵器を躊躇することなく戦争に投入する時点で頭がおかしいとしか思えない。
効率的に考えれば、人の形にこだわる必要はない。
ただの横着と、軍用兵器ではないことの言い訳のために悪趣味な人形兵器を造り上げたと、そうとしか俺には思えなかった。
それなのになぜ、こいつらは俺たちを目指すんだ?
今のままの方が、よっぽど人間らしくて幸せそうだ。
なにより、こいつらは、こいつらでいいじゃないか。
その後が書きたくなって書いてしまいました......