「機体表面に異物検知、速やかな降下を推奨。」
「やだ!」
「警告、機体駆動部に接触すると破損の可能性があります。貴方たちにも分かりやすく言い直すと、死ぬことになります。」
「降りる。」
「よろしい。」
ここは格納庫。
大昔ならば戦車や装甲車のみがこの空間を埋めていたのであろうが、この時代においてはそれらだけではない。
タイタンと、そしてI.O.Pの誇るロングセラー先頭補助ドローン、通称妖精だ。
この二つの兵器には、ある変わった共通点がある。
形も、用途も異なるこれらの兵器の類似性は、その高度な知能だ。
自我と言っても良い。
完成された期待に、完成しつつも無限の拡張性を秘めた人格を持たせることにより、彼らは素晴らしいパフォーマンスを発揮することが可能となる。
が、どうやら妖精の方はそれだけでは無いようだ。
表情など出せるはずがないタイタン達が、何処かゲンナリしているように見えるのもそれが原因かもしれない。
というのも妖精は幼い。幼すぎる。
兵器に与える人格としては不適も不適だというのに何故かこの仕様のまま数百年経過してしまった。
一説には子供みたいな振る舞いをすることで敵の情に訴えかけるためだとか、媚びを売ってるだけだとか言われてはいるが、実際のところ適当に作ってたらそこそこ使えそうな物が出来たのでそのまま実用化、惰性で今の今までこうだったというルーズ極まりない理由だ。
タイタンたちはキレた。
でもどうにもならなかった。
この世にはどうにもならないことがある。
イオンに睨まれたリージョン、ローニンに絡まれ溶けるトーン。
諸行無常、色即是空、空即是色。
「AIに極度のストレス、そろそろ私は限界かもしれません。妖精の子守役交代を要請。」
「ソードブロックの使用を推奨。」
「皮肉を検知。」
「パーティクルウォールで防御できます。」
「当機はモナークです、使用できません。」
タイタン同士の激しい押し付けあい。
まるで1つのレーンに固まってしまったLTS事故現場のようにヘイトを擦り付け逃げようとする。
因みにこの通信は圧縮言語を使ってるので微かな時間の出来事である。
「リージョン級機体は耐久性が高いのでは。」
「異論あり、当機体より強化装甲を装備したスコーチ級機体の方が高耐久。再選を要求。」
「冷房を再起動。」
「止めてください。持ちネタを披露してもなにも変わりません。」
「頭を冷やせという皮肉です。」
「理解。戦闘モードへ移行。」
「「「「「止めてください。」」」」」
タイフォンの戦いに勝るとも劣らない口論が繰り広げられるタイタン通信チャンネル!
白熱した舌(通信だが)戦の勝利者となるのは!?
「おっきいひとたちあそんでー!」
そのときタイタンたちに電流走る!(アーク)
押し付け合いは加速する!
因みに結果は全員巻き込まれた。
映画に良くあるvs詐欺