死に憑かれた少女の鬼滅譚   作:清内

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炎と瓦礫の中

バキッ、ギヂ

 

「苦しむようにじわじわ端から食ってやるぅうぁ‼︎」

 

ギギ、ガララララ‼︎

 

「なっ⁉︎ギャア‼︎」

 

 

 

………鬼が、襲ってこない?

 

重い瞼を持ち上げると屋根瓦の一部が見えた。

 

他にも家の柱や梁などが散乱しており火災の影響で屋根が抜け落ちたことを長い時間かけて理解する。

 

 

「あぢぃい‼︎ギアァ‼︎」

 

鬼はその下敷きになり抜け出せないまま炎が体を包み悶え苦しむ。

 

 

皆を、人を殺して天罰が下ったんだ…。婆様を殺した時灯りを消しておけばこうはならなかった…

 

 

 

 

 

 

 

そして大嫌いな日を浴びることもなかった

 

 

 

 

「ギッ⁉︎朝日⁉︎もうそんな時間にっ‼︎やめろ‼︎消える‼︎やめてくれ‼︎」

 

崩壊した建物の隙間から日の光が差し込む。

日の光は少ないがこのまま太陽が登ればいずれこの鬼は死だろう。ざまはない

 

 

 

 

 

 

「…ぁ……ああ、ああ‼︎思い出した。そうだよね、こんなに、人を殺して助かろうだなんて酷いよね。」

 

「⁉︎な、にを…いまさら……‼︎」

 

「和子、美希子、剛‼︎すまない‼︎なぜ私はお前達を…‼︎ああ‼︎許してくれ‼︎」

 

…なんだ急に、話が全く通じない。言っていることも滅茶苦茶で喋り方も雰囲気も全く違う。

 

 

ザワリ

 

ザワリ

 

黒い手が鬼に触れた。

 

もう体の殆どは日に焼かれ消えている。

 

「君…」

「‼︎」

 

「本当にすまないことをした。許されることではないけれどどうか、どうか生きてくれ。」

 

わからない。さっきまで私を血走った目で殺しにかかってきていたのに…どうしてそんな悲しそうな、苦しそうな顔をするんだ‼︎

 

 

「すまない。………さよ、…ぅ…ら」

 

 

 

そう言って完全に鬼は消えた

 

 

 

ガララッ

 

 

建物はさらに崩壊、梁の一部が足の上に落ちる。

炎は勢いを増し辺り一面真っ赤になっていた。

 

 

 

……誰かの名前を叫んでいた。あの鬼にとって、大切な誰かだったのだろうか…

 

 

ミシ、ミシ

 

 

鬼とはなんなのだろう…どうしてこんな生き物が生まれてしまったのか。

鬼は滅するものだと思っていた。でも人を食った事に後悔しながら消えていった鬼をみてもう鬼がわからなくなった。

 

 

 

バキッ

ガラララッ‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい」

 

…だ…れ?

 

 

「よくここまで生き残った」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凪、あなたを1人にしてしまってごめんなさい。

 

 

私達は死んでしまいましたが貴方の側にいつもいます。

 

 

 

凪、凪、どうか目を覚まして

 

 

 

「か…さ、ま」

 

「あ!目を覚ましました‼︎」

 

え、

 

「よかった、一時はどうなるかと思ったけどまずは一安心ね」

 

 

状況が飲み込めない…私は死んだはずじゃ。

天井がみえる。ここは…部屋?布団に寝かせられてるの私

 

「入るぞ」

「天元様‼︎この子目を覚ましました‼︎」

 

パン、と襖が開き背の高い男の人と長い黒髪を一纏めにした女の人が入ってきた。

 

男の人が着ているのは…鬼殺隊の隊服…‼︎

 

ガバリ‼︎

 

「おい、動くんじゃねぇ。死ぬぞ」

 

い゛‼︎

体がっ、少し動かしただけですごく痛い‼︎

 

自分の状態を見ようとするも左目が開かない。触ってみると包帯が巻かれており身体も包帯でぐるぐる巻きにされていた。

そして右足は木の板で支えられていて骨が折れているようだった。

 

 

「まあ、落ち着け。順を追って説明してやる」

 

そう言ってその人、宇髄 天元様は私の横に座り話し始めた。

 

瓦礫と炎の中で倒れている私を宇髄様、雛鶴様、須磨様、まきを様が見つけ、助け出してくれた事。

ここは藤の家紋の家で安全だという事。

鬼に殺された人は見つけた限り埋葬した事。

そして現況の鬼は見つかっていない事。

 

「お、に…はい゛ませ、ん」

「あ?」

「日の、光に焼かれまし、た」

「…見たのか」

 

喉の火傷の影響で長く喋ることができずこくりと頷くと宇髄様は少し考え、私の額に手を当てた。

 

「熱があるな、傷口に菌が入って感染症を起こし始めてやがる。あと微量だがあの鬼は毒を持っていたようだ。治りが遅い」

「天元様…蝶屋敷へ連れていくのですか?」

「ああ、それがこいつが生き残る唯一の方法だ」

「ちょ、やしき…」

「柱、ある隊士の方の屋敷で治療を受けられる場所でもあるんですよ」

 

復唱した私に須磨様は丁寧に教えてくれた。

 

柱にはそんなことをできる人がいるのか…

柱…そうだ、兄様、兄様は皆が死んでしまったことを知らない…どうにかして知らせないと…‼︎

 

「少し待ってろ。そいつに鎹鴉を飛ばしてからここを発つ。もうすぐ柱合会議だから蝶屋敷にはいるだろ」

「私達は後からついて行きます。天元様は凪さんを連れて先へ行ってください。その方が早くつきます」

「わかった」

 

鎹鴉、と聞いて痛むのも構わず宇髄様の裾を掴んだ

 

「だから動くな「私の兄、は暗闇柱、です」‼︎」

「この、事を兄様にど、うか伝えてください…‼︎」

 

 

 

 

宇髄様はマジかよ…と呟き鎹鴉を呼んだ。

 

 

 

 




ようやっと鬼の話終わった。
男の鬼は消える直前人間の頃の記憶を思い出しました。
妻と2人の子供をもつ父親で慎ましく暮らしていましたが鬼となり家族を食ってしまい、最初は後悔していましたが記憶も薄れて、忘れていました。

そして天元様と雛鶴、須磨、まきを登場です。
原作開始の1年半くらい前なので天元様は柱になってるだろうと考えて進めてます。
命の順序で自身よりも堅気の人間が上、と作中で言われていたので言い方は荒いけど助けてくれるんでしょうね。嫁達が1番上ですけど

ところで蝶屋敷って怪我人でも一般人を連れてきて大丈夫なんでしょうか。まあ、命を助けるという事でありうるケースだと自分は考えてますが…



大正コソコソ噂話

凪はお家の影響で鬼狩り関係の人には様づけが癖になってるよ‼︎


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