夏野林太郎は勇者部顧問である   作:うりぼーノック

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ポケモンたーのしー。(殴


それはそれとして今回は難産でした。無理矢理に形にはしてみましたが……。
とりあえずお出しします。後々修正を加えるかもしれません。


ちなみに活動報告欄でリクエストを募集しております。書いていってくれると嬉しいです。


本作では「ワタシ」と「アタシ」は「私」に集約させていただいております。よしなに。



ゆゆゆい - 5

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、勇者部の部室は重苦しい沈黙に包まれていた。

その沈黙の中心にいるのは国土亜耶。そして彼女の手の中には、一通の手紙があった。

 

 

「……亜耶ちゃんに……亜耶ちゃんに……!」

 

 

伊予島が震える声で言う。

 

 

「亜耶ちゃんに、ラブレター……!?」

 

 

そういう事なのである。

 

 

 

 

 

 

国土亜耶。防人組のサポートを務める巫女。

 

 

神樹様への信仰心は篤く、その心は清らかにして純粋。凡そ悪意というものとは無縁な少女である。

 

 

その性質故か、様々な人物に慕われたり可愛がられたりしており、私も密かに心が癒されたりしている。

 

 

生徒に癒しを求める教師って……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ラブレターと言えば私の出番ね!」

 

 

等と考えていると、突如部長が立ち上がった。

唐突な展開に防人組は「え?」という風に戸惑い、残りのメンバーは「またか」というように苦笑する。

まぁ、私も予想はしていましたよ。

 

 

「そう、アレは助っ人でチア――――――」

 

「お姉ちゃん?」

 

「なぁに?いつ……き?」

 

 

例の鉄板ネタを語りだそうとした部長を遮り、犬吠崎が、にっこり、と微笑む。

固まる部長。部室に走る謎の緊張感。怖い。

 

 

「座ってて?」

 

 

犬吠崎が静かに言った。

 

 

「え、でも」

 

「話がややこしくなるから、ね?」

 

 

それでも食い下がろうとした部長だったが、再び犬吠崎ににっこりと微笑みかけられると、見る見る萎れていき……。

 

 

「……はい」

 

 

項垂れながら静かに着席。そして犬吠崎は言った。

 

 

「それで亜耶ちゃん、そのお手紙はもう読んだの?」

 

「あ……はい。目は通しました」

 

 

最早自身の姉の事はどうでもいいらしい。あぁ!あんまりな扱いに部長が涙目になっている!

……一応、フォローしておくか。

 

 

「部長」

 

「……何、先生?」

 

「部長が後輩の力になろうとしたことは、私が解っているから。 あんまり気に病むな……」

 

「先生……!」

 

 

私が声をかけた事で感極まったのか、部長が抱き着いてきた。相変わらず変な所でメンタルが弱いな、などと考えつつ頭を撫でる。

それにしても犬吠崎は逞しくなったなぁ……姉の後ろに隠れていた内気な少女の頃が、何だか懐かしく思えるよ……。

 

 

 

 

 

 

閑話休題。再び国土のラブレター問題へと話題は戻る。

 

 

 

 

 

 

犬吠崎や伊予島、楠と山伏までもが加わって検証した結果、国土が貰った手紙は紛れもなくラブレターである、という結論に至った。

 

 

「亜耶ちゃんにラブレターなんて……まぁ、共学なら何れはある事だろうと思っていたけれど……!」

 

「何処のどいつだぁ!? うちの国土に手ぇ出そうとしてんのは!」

 

「メブもシズクも落ち着こうよ!?」

 

「それでも由々しき事態には変わりありませんわ……!」

 

 

荒ぶる防人組。山伏に至っては人格が変更されている……。

ちょっと過保護過ぎない?

 

 

「先生は危機感が薄すぎます!」

 

「うおっ、どうした伊予島!?」

 

「亜耶ちゃんは純粋なんです! もしそのラブレターの主が悪い男だったらと思うと……!」

 

 

自身の妄想にやられたのか伊予島が身悶え始めた。

私は土居へと視線を向ける。首を振られた。じゃあ、もう放置しておくしかないね!解決!

 

 

「……あ!ラブレターの最後に名前が書いてある!」

 

 

ラブレターをしげしげと眺めていた結城が声を上げた。隣にいた東郷もそれを見る。

 

 

「本当ね、友奈ちゃん……えーと……誰かしら?見覚えのない名前だわ」

 

「先生は解りますか?」

 

 

結城が例のラブレターを差し出してきた。

うーん……生徒が受け取ったラブレターを、教師が読んでもいい物なのか?

 

 

「先生なら構いません。 どうか私にお力をお貸しください」

 

「それにこれは教師ではなく、勇者補佐のお役目の範疇だと思いますよ?」

 

 

ぺこり、と国土に頭を下げられ、続けて上里がフォローを入れてきた。

ここまで言われたら、仕方がないのかなぁ……等と思いつつ手紙を受け取る。

すぐに名前の人物に思い当たった。

 

 

「……ああ、彼の事なら知ってるよ」

 

「本当ですか!?」

 

「いったい、何処の誰なんだ!?」

 

 

言うや否や、楠と山伏が身を乗り出してきた。圧が凄い……!

 

 

「二人とも落ち着きなさい! 夏野さんが面食らってるじゃない!?」

 

 

三好が二人を引き剥がしてくれた。感謝。

 

 

「それで、手紙の差し出し主は誰なんですの!?」

 

 

身を乗り出しこそしなかったが、妙な迫力で弥勒が先を急かしてくる。

過保護すぎる……。

 

 

「男子剣道部の主将だよ。 ほら、この間、乃木若葉と手合わせをした」

 

「ああ、若葉ちゃんにボコボコにされた人ですね?」

 

 

上里の言い方ァ!もっとオブラートに包めないものかね……。

ともあれ私の答えに、関係者が件の人物に思い当たったようである。

 

 

「あー、そういえば先週ぐらいにそんな事があったらしいわねー」

 

「女子剣道部との稽古の最中に、突然乱入してきたとか……」

 

「あー、そんな事があったわ」

 

 

白鳥と藤森の言葉に、三好が思い出したかのように頷いた。

 

 

「男子剣道部の精鋭だか何だかか、私達に、勝負しろ!とか言ってきたのよねぇ」

 

「ああ!そんな事もありましたわ!」

 

「不躾かつ、手ごたえのない相手だったわね……」

 

 

弥勒と楠も思い出したらしい。と言うか、皆辛辣過ぎる……。

そう言われても仕方がない相手ではあったのだけども。

 

 

 

 

 

 

先日、女子剣道部から勇者部に、稽古をつけてほしい、という依頼があった。

その依頼に出向いたのは、乃木若葉、三好夏凜、楠芽吹に弥勒夕海子の武闘派メンバー。それに加えて上里ひなたに国土亜耶、そして私がいた。

女生徒からの人気も高い彼女たちを見に、そこそこギャラリーも集まった中で稽古に励んでいたのだが……。

 

 

「突然、体育館にずかずかと乗り込んで果たし状とか突き付けてきたのよ? 頭おかしいんじゃないの?」

 

 

稽古に熱が入っていた最中、突然現れたのが件の男子剣道部。彼らは乃木若葉達に果たし状をたたきつけにきたのだ。

その不躾な態度を思えば、三好が吐き捨てるように言うのも無理はないだろうと思う。

勿論最初は勇者部の部員達も無視を決め込んでいたのだが。

 

 

「大声でまくしたてるわ、露骨に煽ってくるわ……剣士の風上にも置けない奴らだったわね」

 

 

楠の言った通り、男子剣道部の振る舞いには目を覆うものがあった。

最早この状況では稽古どころではない。乃木若葉たちの堪忍袋の緒が切れた。

 

 

 

そんなこんなで勇者部の数名と男子剣道部の数名が立ち会う事に相成ったのである。

 

 

 

 

 

 

結果、男子剣道部は勇者部の面々にボコボコに伸された。

大勢のギャラリーの前で、プライドをバッキバキに折られた彼らの心情は如何なるものであっただろうか。

まぁ、動機なるものは想像がつくのだがなぁ。

 

 

「良いカッコをしたかったんだろうな……」

 

「? どういうことですか?」

 

 

私の呟きに東郷が首を傾げて言う。

やはり察してはもらえない彼らの動機を考えると、思わず苦笑が浮かぶ。

 

 

「勇者部の部員は総じて美少女揃いだからね。格好いいところを見せたくなったんだろう」

 

「びっ……!?」

 

 

私の答えに奇妙な沈黙が部室を包んだ。

あえて気づかないフリをするのが処世術!話を続けてしまおう。

 

 

「それに乃木若葉たちには女生徒のファンが多いから。 そういう子たちにも格好いいところを見せたかったんだろうね」

 

「……つまりあの人たちは、モテたかった、という事ですか?」

 

「そういう事だろう」

 

「バッカじゃないの?」

 

 

秋原が吐き捨てるように言った。酷い……けど言い返すこともできない……。

 

 

「まぁ、男の子なんてそんなものなんだよ」

 

「夏野さんもそうだったんですか?」

 

「どうだったかな」

 

 

三好の問いに、私は答えをはぐらかす。あまり中学生時代の事は話したくはないのだ。

 

 

「そうですか」

 

 

そしてそれを察してくれたのか、三好もそれ以上は踏み込んでこなかった。春信から何かしら聞いていたのかもしれない。

 

 

「……で、その男子剣道部の主将が、何故亜耶ちゃんにラブレターを?」

 

「立ち合いの後に男子剣道部の手当てをしたのが切欠かもね」

 

「……手当て?」

 

「はい! 芽吹先輩たちが稽古に戻った後に、私と先生で男子剣道部の方々の手当てをしたんです」

 

 

首を傾げる犬吠崎に私が説明すると、楠が首を傾げる。

そんな楠に国土は状況を説明した。

 

 

「……成程にゃー」

 

「? 今ので雪花は何か解ったのか?」

 

「その主将さんが如何にちょろいのか、という話ですよ。 ね、先生?」

 

 

総てを理解した様子の秋原に、いまだに得心がいかない様子の古波蔵。

二人の反応の差異に、私は少し面白みを感じてしまう。

 

 

「それで正解だと思うよ。 飴と鞭。キッツイ鞭の後に、慈愛という飴をもらったわけだ」

 

「え!? でも怪我をした方にやさしくするのは当然の事では?」

 

「うんうん。 あややはその心を持ち続けてね」

 

「?」

 

 

加賀城の言葉に、尚も首を傾げる国土。眩しい。

それはさておき国土は、このラブレターにどうこたえるのだろうか?

 

 

「お断りするつもりです」

 

 

国土がはっきりという。

 

 

「今の私は神樹様にお仕えする身ですし……そもそも男の方と付き合うなんて想像もつきません」

 

 

それに、と国土ははにかんだ笑みを浮かべて続けた。

 

 

「今は、勇者部での活動が楽しいですから!」

 

 

天使かな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、国土はラブレターの差出人に、自身の答えを伝えた。

 

 

差出人の剣道部の主将は、素直にそれを受け入れた。男として最低限の矜持はあったようで良かったと思う。

 

 

……等という結末は全て一部始終を見届けた勇者部全員から聞いた話である。

 

 

やっぱり過保護過ぎだよ!

 

 

 

 

 

 

 





亜耶ちゃんエミュ難しすぎ……コレジャナイ感が凄い……。
でもラブレター先輩ネタを書けたのでとりあえず良しとします。(えー

前書きにも書きましたが、活動報告欄でリクエストを募集しています。
ジャンル問わずに受け付けておりますので、気軽に書いていってくださいな。


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