キャラはロイド故障中様から頂いきました。
勝敗は完全に私の独断と偏見です←
↓キャラ募集版
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=221467&uid=156950
「はぁ………………。」
1面真っ白な銀世界に私のため息が響き渡る。
「ため息なんてドミノらしくない。」
「仕方ないじゃない………………ですか。誰のせいでこうなってると思ってるんです?」
「今は二人しかいないんだから敬語はやめて。」
「…………。誰のせいでこうなってると思ってるのよ。」
「さて誰かしら。」
「はぁ。最近その性格までバカピエロに影響されてきたんじゃないの?」
「そんな事ないって。あたしはあたし。」
「そういうところが特に。」
「自覚はないわ。」
「だとしたら相当タチ悪いわよ。」
「引きこもりには言われたくない。」
「…………。」
ド直球に自分の痛いところを突かれてグウの音もでなくなった私は言葉の代わりに抗議の視線を隣に向け、反発の意を示した。
そんな私の視線も気にする素振りすら見せない熾天使の少女、ユー・フォルティーナ・サヴィラスは自身のポケットから取り出した携帯端末にピコピコと何かを打ち込みながらふと思い出したように声を出した。
「あっと、忘れるところだった。そろそろ次の相手が転移してくる頃だから後よろしく〜。あたしは
「また変なやつなんじゃないでしょうね?」
「変って。そんな何度も何度も同じような相手と戦わせるわけないでしょうが。」
「じゃあ違うタイプなのね?」
そういった直後。
いつものように少し離れた位置の空間に歪みが生じ始め、空間転移の前兆が発生する。
そして、ぱっくりと割れた空間から真っ白な光がゆっくりと降り、地表面ギリギリのところで人の形へ収束した。
「……結構珍しい転移方法使ったんじゃないの?ユーちゃん。この転移方法使ってるところ私初めて見たんだけど、と言うかそもそもこれの存在自体初めて見るんだけど、私。」
「転移に珍しいも何も無いでしょ。あっちからこっちに移動出来れば万々歳ってね。」
そう両手で物を動かす仕草をするユーに私は確かにと相槌を打ちながら1歩前に出る。
………………そして、3歩後ろに下がった。
何故なら……。
「む。自分の能力以外で移動したのは初めてだったが、変な感じだな。というか、体を粒子化させたこと自体初めてだ。」
「来たわね。ちゃんと五体揃ってる?」
「無論だ。」
「ならアンタは運がいいわね。………………あれ?どうしたの?ドミノ。そんな顔を真っ青にして。」
「ま、まさか…………。」
間違いない。
血のように紅い瞳。
白と黒の半々に彩られた肘までの長髪。
その髪の色に合わせるかのような白いコートと黒いインナー。
首から下げた十字のネックレスは、その目つきの悪さも相まって怪しい光を反射していた。
そして、高身長という恵まれたガタイの背中に背負われた巨大な魔剣が印象的な残虐非道という言葉がお似合いの大悪魔が姿を現したのだ。
そう、名前は…………。
「いかにも。オレはジーク。ジーク・バアルモントだ。」
「なんで……こんなやつがここに?」
僅かに声を震わせる私とは対照的にケロリと何食わぬ顔で欠伸をかましながら後頭部をポリポリと掻くユーに若干の苛立ちを覚える。
知らない訳では無いはずなのだ。
この男の実力を。
街程度であれば軽く燃やし尽くして更地に返すことなどその気になれば一瞬の時間すらもかからないと言われている程の高火力を有する炎の能力。
人の命をなんとも思っていないような冷酷さを兼ね備えている。
そんな男が今ここにいるのだ。
というか、
過去に天使と悪魔の全勢力が集結した大規模戦争の時も最も苦戦を強いられた悪魔のうちの一人が今ここにいる。
「ユーちゃん!なんでこいつを連れてきたのよ!」
「なんでって、ここに連れてくる理由なんてひとつしかないじゃない。」
「1つって…………まさか。」
僅かに目を細める私にユーはさも当然だと言わんばかりに軽く頷いた。
「当然。今日の対戦相手よ。」
「…………。」
その一言で私はいつもとは違う緊張を感じながら気合いを入れ直した。
※
「ふむ、久しいじゃないか。逆手剣の主天使。」
「へぇ、私の事覚えていたんだ。」
「たまたま記憶に残っていただけだがな。」
「バカにしてくれちゃって。あの時負けた借りはきっちり返させてもらうわ!!」
そう意気込んで構えたその刹那。
「いや、お前の相手などしている暇は無い。」
不意にジークが今まさに走り出そうとしていた私を右手で制してから軽く腕を組んだ。
「どういう意味。」
露骨に眉を寄せながら私は反論する。
「この場にはお前よりも強いやつがいるだろ?」
「私より強いやつって…………まさか。」
「あぁ、どう考えてもお前の方が強いよなぁ!!!熾天使のお嬢様よォ!!!!」
ニヤリと嬉しそうに口角を吊り上げながらジークが視線を私の後ろで片手をポケットに手を入れながら携帯端末をピコピコいじくっていたユーに向けた。
「〜♪ん?え、あたし?」
いきなりの指名にユーが珍しくキョトンとしていた。
「え?いや、なんであたし?そもそも話が違…………。」
「そんなものは関係ない。何人たりとも俺の上にいることは俺が許さん。」
「んな無茶苦茶な……。」
「悪魔とはそういうもんさ。」
「ユーちゃ…………サヴィラス様とジークが?あ、いっすねそれ。」←(他人事)
「よくない!趣旨が変わる!」
「そんなことはどうでもいい。貴様を倒せばオレが最強だという証明になる!」
「あたしはあんたを倒してもメリットがないの!」
「はっ!このオレ様を前にしてよくそんな余裕でいられるものだな!」
ニヤリとしたジークの挑発じみた口調に若干眉を動かして反応したユーちゃん。
「(ピクン)………………」
彼女もジークの実力は恐らく熟知しているだろうが、そういえばユーちゃんが戦っている姿って昔からあんまり見たことないかもしれない。
もしかしたらちょうど私のタイミングが悪いだけなのかもしれないけど。
「あぁ!もう!わかったわよ!やればいいんでしょやれば!そしたらちゃんと約束は守ってもらうからね!」
ユーちゃんは少し苛立ちを表に出しながら後ろ頭をガリガリと掻きながらゆっくりと私を軽く押しのけて前に出た。
「そう来なくては面白くない。」
「はぁ、御託はいいからかかってきなさいよ。そこまで言うってことは自信があるんでしょう?」
「口の減らないやつ。いいだろう!お前を倒すのは………………このオレだということを分からせてやる!!」
片手を腰にあてながらため息混じりに喋るユーちゃんとは対照的に身体中から殺意とともに魔力を溢れさせるジーク。
私もそこから少し下がってゴクリと生唾を飲み込んだ………………その直後。
グン!!
「(うわっ!?)」
ほんの一瞬だけ、体に違和感が突き抜けた。
その違和感は直ぐに現実であることを私に突きつけてくる。
あの一瞬のうちに数メートルは離れていたであろうユーちゃんとジークの距離が0距離にまで短縮していたのだ。
私にはその刹那の時間の中でかろうじて見て取れたのは魔剣を振り下ろすジークとそれを軽く半身になって避けるユーちゃんの姿だけだった。
斬り裂く対象のいなくなった魔剣が大地に大きなクレーターを残す。
その衝撃波は離れて見物していた私の方にまで届いてきた。
グン!!
「(っ!?)」
そして再びあの感覚……………………飛びそうになる意識をかろうじてつなぎ止めた私が見た光景に私は言葉を失った。
その光景は………………。
先程と場所を入れ替えたユーちゃんがジークの腹部へ深々と霊力で生成した霊剣をめり込ませている光景だった。
「かっ…………は…………。」
「その程度であたしに勝つ気だったなんて、笑止千万。出直してきなさい。」
いつものユーちゃんからは想像も出来ないような熾天使としての一面を垣間見た私は文字通り言葉を発することが出来なかった。
これが、自分よりも階級が3つも上の天使、『熾天使』という階級を持つ者の実力なのか。
「はぁ、さて、勝負はあたしの勝ちよ。それにこれはヒールが付与された霊剣。刺されたところでダメージは0。どう?それでも続ける?」
ユーちゃんは突き刺した霊剣をフッと粒子に変え、ため息混じりにジークの体力を全回復させた。
私には一体何が起こってこうなったのかなんて全く持って理解できないのだが、結果だけを見るのであればユーちゃんがジークを圧倒した、ということだろうか。
しかも、殺傷力が0の霊剣を使用していたあたりユーちゃんにとってこれは本気の戦闘をするほどのものでもなかったということでもある。
確かにジークも相当な実力を兼ね備えた魔界における大悪魔だ、それをいとも簡単にあしらうことが出来る存在、それが…………熾天使。
私たち天使の頂点に君臨する存在の実力か。
あの大戦ではまだユーちゃんも熾天使としての力は開花していなかったり、その熾天使も最後の砦として実際の戦場には参戦していなかったもしていたのだが、もし参戦していたら………………。
何故だろう。
少しだけ寒気がする。
「…………クッ…………まさか、これほどまでとは。」
「熾天使、甘く見ないでもらえる?」
「今のを破られたとなると………………打つ手無し、か。かなり不服ではあるが。」
「ユーちゃn…………いや、サヴィラス様はこれほどまでにお強かったのですね。」
「さっきから言葉にトゲが感じられるんだけど?ドミノ。」
「気の所為じゃないですか?」
「しかも敬語に戻ってるし。」
「それは私たち以外の第三者がおりますゆえ。ご理解を。」
「はぁ、まあいいわ。そういうことだから、約束は守ってよね。それじゃ、あたしは戻るから後はよろしく。」
そう言い残してユーちゃんは溜息をつきながら自身の能力で歪めた空間内に消えていった。
残された私たちは再び正面から向き合う。
ただ、ジークの方は軽く自身の衣服のシワを軽く直しながらであったが。
「ふむ、こうなってしまっては仕方ないか。やるしかあるまい。」
「私としてはすっごい複雑な気分なんだけど。」
「奇遇だな。オレ様もだ。」
そう言いながら2人同時にため息をついた。
「でも、私は手加減はしないわよ。」
「抜かせ、手を抜かれたら勢いでお前を殺してしまうだろ。全力でこい。」
「それはどー言うことかしらぁ?」
「言葉通りの意味だ。」
わなわなと肩を震わせながら私はどうにか反論を返す。
確かに昔は1度負けている過去が存在するが、それはもう昔の話。
私だってこの数百年間で成長をしている。
簡単に遅れを取るほど落ちぶれてはいないはずだ。
…………言ってて自信がなくなってくるのは恐らくこれこそ気の所為というものなのだろう。
私は即座にショートブレードを顕現させ、紫電をまとわせることで臨戦態勢へと移行した。
「その意気や良し。」
ジークもいつの間にか拾い直していた魔剣に魔力を溜めながらゆっくりと構えた。
次の瞬間。
両者同時に地面を蹴って空中へ飛び出したことで決闘の火蓋が切って落とされた。
しかし。
その勝負は思いのほか…………というか本当に呆気なく勝敗は決してしまった。
………………覚えていることといえば……。
私が地面を蹴ったその瞬間再び先程のようなグンと来る違和感が体をつきぬけたその直後、背中に形容しがたい程の重い衝撃が打ち付けられ、そのまま地面へと叩き落とされてうつ伏せのまま息を詰まらせた。
かと思えば、何が起きたのかを確認する暇もなく訪れたまたしても背中のど真ん中を………………少々大きめの刃物で思い切り貫かれたような衝撃が突き抜けていく。
具体的に言うならばようはジークの魔剣で背中のど真ん中を貫かれたのだ。
「がはっ…………っク…………。」
体の中心を貫かれた激痛の中で最後に見たものは、軽く鼻を鳴らしながら自分を見下ろすジークの姿だった。
「ふん。どう足掻いたところでお前はこのオレの時飛ばしには勝てん!」
そこで私の意識はブラックアウトした………………。
決着
ドミノ・ヴェイルパース VS ジーク・バアルモント
勝者
ジーク・バアルモント
さて4戦目が終了しましたね←
ようやくです……フゥ。
の割には呆気ないと思ったかもしれないですけど、理由は一応あるのですよ←
まず1つ目は、単純に今のドミノの実力では全く持ってジークの足元にも及ばない、ということ。
一応キャラ募集版には下克上的な理由で挑んだと書いてありましたが、どう考えてもドミノの方が実力は下にしか思えなくてですね、その点は少し変えさせてもらいました。
そして2つ目の理由としては、こちらは出来れば秘密にしておきたい理由ですね←
のちのちのおたのしみみたいな←(笑)
そんな感じです。
感想とか質問とかその他諸々あれば感想欄もしくはフィードバック版にお願いします←
では、次の更新はいつになることやら………………。
気長に待っていてくれるとありがたいです←
それでは〜♪