ソードアート・オンライン 〜The Parallel Game〜 《更新凍結、新作投稿中》   作:和狼

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 あい。今回は本編ではなく幕間……急遽思い付いたネタです。ですので何時もより短いです。

 最後らへんでシリカのキャラが少々崩壊しま〜す。ご覧の方はご注意下さ〜い。ご注意下さ〜い。


Interval:シリカの悩み

 

 

 皆さんこんにちは。あたしシリカって言います。……って、あたし誰に対して自己紹介してるんだろう?

 

 あたしには、とある大きな悩みが有ります。それは……あたしの実のお兄ちゃんであるカミヤお兄ちゃんが、他の女の人に盗られてしまうかもしれない…という事についてです。

 

 お兄ちゃんは少し無愛想で、とても謙虚で、暗い性格をしているけど、それでも根は優しくて、責任感が強くて、かっこよくて、いざという時には頼りになる、あたしの自慢のお兄ちゃんです。

 そんなお兄ちゃんに好意を抱いている人が、あたしが把握している限りで二人居ます。

 

 一人は、お兄ちゃんやあたしと最初の頃から一緒に居るサチさん。

 初めて会った頃からお兄ちゃんの事を意識している様で、あたしも薄々ですが気付いていました。ですが、ただお兄ちゃんの事を意識しているだけで、特に何かをする様な気配は有りませんでした。

 けど、第一層のボス攻略の前の夜に何かが有ったみたいで、その日急に行動を起こして、お兄ちゃんと一緒のベッドで寝ようとしていました。サチさん曰く「怖くてで眠れないから」との事で、それ以降も事あるごとにお兄ちゃんと寝ようとする様になりました。そしてそれは大分戦闘に慣れて来た今でもそうで、抜け駆けされるのではと思うと毎晩気が気じゃありません。

 更に、攻略やクエストなんかに出掛ける時は大抵お兄ちゃんと一緒に行動する事が多くて、その為にと必死でレベルを上げている様なのです(勿論あたしもです)。その甲斐有ってか、あたしとサチさんのレベルはギルドの中でも上位に入るくらいまでになり、幾つかの戦闘用スキルの熟練度も大分高くなりました。

 

 閑話休題。

 

 それだけじゃなくて、ある日からサチさんは急に《料理スキル》を上げる様になって、お昼ご飯は殆どサチさんが作ったお弁当を食べる様になりました。しかも、お弁当を皆に配る時は決まってお兄ちゃんが一番最初です。お兄ちゃんの心を掴む為には先ず胃袋から……という事なのでしょう。なのであたしも負けじと、キリトさんに手料理を振る舞おうとしているシノンさんと一緒に、日々頑張って料理スキルを上げています。

 

 そしてもう一人は、元・《スリーピング・ナイツ》のメンバーで、今では同じ《十六夜騎士団》のメンバーのアスナさんです。

 アスナさんは《アインクラッド》中でも五本の指に入ると言われている程の美人さんで、その上剣の腕も強いという、まさに才色兼備な人です。

 そんなアスナさんですが、何もサチさんみたいに最初っからお兄ちゃんに好意を抱いていたという訳じゃありません。初めて会った第一層ボス攻略の会議の時は、お兄ちゃんに対して興味を持っている様子なんて全く見られませんでした。それがどういう訳か、ボス攻略が終わった直後に、何やらお兄ちゃんに親しげに話し掛けているじゃありませんか! しかも、それからは事あるごとにあたし達の前に現れては一緒に行動をする様になり、しかも、会う度にお兄ちゃんに親しげに話し掛ける回数が増えていく様になりました。それを危険だと判断したあたしはサチさんと同盟を組んで、一緒にアスナさんの事を警戒する様になりました。それでも、あたしとサチさんが敵同士だという事は変わりません。

 そんなある日、アスナさんがスリーピング・ナイツに入ったという事を知り、これでアスナさんがあたし達の前に現れる事は少なくなるだろうと、あたしとサチさんはとりあえず一安心しました。……ですが、第二十五層のボス攻略が終わってから三日経ったある日、アスナさんは急にあたし誰黒猫団と合併しようという話を持ち掛けて来ました。攻略の事も考えていたとは思いますが、恐らく一番の理由はお兄ちゃんと一緒に居る為だと、あたしとサチさんは思いました。その証拠に、お兄ちゃんが合併の話を受け入れた時、アスナさんは目に見えて嬉しそうな反応をしていました。強敵(アスナさん)が復活した事に、あたしは強く戦慄したのでした。恐らくはサチさんもでしょう。

 勿論、アスナさんもあたし達同様にお兄ちゃんとよく一緒に行動して、加えて元々上げていたという料理スキルも、本格的に上げて来る様になりました。

 そんなアスナさんに対して、実は一つだけ優位に立っている事が有ります。それは、夜…お兄ちゃんと一緒に寝る事です。ずっとあたしとサチさんだけの秘密にしていたのが見付かった時は、アスナさんも攻め込んで来るのではと二人で警戒していたのですが、未だにその様な気配は見られません。ですが、見付かった時に凄く羨ましそうな顔をしていたので、恐らく何時かは攻め込んで来る事でしょう。なので油断は禁物です。

 

 と、そんな二人の強敵が相手ですが、あたしだってお兄ちゃんの事が大好きなんです! 絶対に負けません! 血縁関係? そんなの愛さえ有れば関係有りません!

 ……そりゃあお兄ちゃんだって何時かは好きな人が出来て、その人とお付き合いする事になるかもしれないけど……それまではお兄ちゃんはあたしのものです! 誰にも渡しません!

 それに、新しくギルドに加入した、あたしと同じお兄ちゃん大好きっ娘の《コガネ》ちゃんが言ってました――

 

 

『妹は最強! 妹こそが最強! お兄ちゃんと妹の間には、誰も入る事は出来ない!』

 

 

 ――と。

 ふ、ふふふ……。そうです、そうですよね。妹こそが最強なのですよね。誰が相手……たとえそれが才色兼備のアスナさんだろうとも、妹には勝てないのですよ! 古今東西…妹こそが最強の種族なのですよ!

 

 ふふふ…ふふふふ……。

 妹の強さ・凄さ・恐ろしさ……特と味あわせてあげますよ――!!

 

 

     ◆ ◆ ◆

 

 

「ッ…!?」

 

 な、何だ!? 今一瞬…背中に物凄い寒気を感じたんだが…!?

 

「ん? どうかしたのか?」

 

「あ、いや、大した事じゃない。……ただ一瞬…得体の知れない恐怖を感じただけだ……」

 

「! ……奇遇だな。俺もだ……」

 

「「…………」」

 

 と、新しくうちのギルドに加入した、俺と何かと気の合う男性プレイヤー《カナツグ》と二人、さして寒くもないはずの迷宮区を背中を震わせながら進んで行くのだった。




 という訳で、今回はシリカにスポットを当ててみました。

 ウン。ブラコンシリカ恐ルベシ。
 ドウシテコウナッタ…?

 にしても、実際のブラコンってどんな感じなんだろ? ↑これは流石に無いかもしれないけど、やっぱりお兄ちゃん(or弟)にべったりなのかなぁ?

 さて、次回は今度こそ本編を投稿したいと思います。
 内容は……もうクリスマスイブ行くか?

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