世界観、設定、解釈、キャラ及びその性格言動、描写
等原作ゲームと異なる点がございます。ご了承ください。
申し訳程度の戦闘描写が入ります。又、地形に関して描写もしていますが、分かりづらいのはご了承ください。では、どうぞ。
「2人とも、準備はいいか?」
「私はオッケー、ヒーロー準備は良い?」
「う、うん多分オッケー」
少年はコックピットの様な座席に座り、その時を待つ。実際にあのロボットに乗っているわけでは
ないが、それでも緊張はしてしまう。
そのロボット、人型兵器エアリアルに乗っている当事者である女の子、ヒカリはモニター越しにも
わかるほど、気合の入った表情で待機中だ。
少年がいるのは「リアライド・システム」室と呼ばれる部屋だ。この部屋は正面が大きなガラス張
りで今にも出撃中のエアリアルが見えるだけでなく、コックピットの様な座席と大きな画面、それ
と右手の届く範囲にある小さなモニターがある部屋だ。
何故コックピットと思ったか。それは座席にはただのひじ掛けではなく、スイッチのついたレバー
や様々なボタンが付いていたからだ。これに関して何か違和感を感じた少年だが、特に詳しい説明
もされず座らせらた。座った後、皆が部屋を出て行った為今は1人だ。
しかし、その事に少年は不安を感じていなかった。違和感を感じるものの自分のやるべき事は分か
っている。そう感じたからだ。
そも、遡る事30分前。
「私達ならできるよ。絶対に!」
「ヒカリ、それはどういう事です?」
突然のヒカリの言葉に、レイカが疑問を口にする。
「えーと、つまりー…よくわかんないけどヒーローの力が必要だって事だよねタイチョー」
ヒカリはどうやら自分で説明出来ないのか、目を泳がせた後、隊長に話を振る。
「そうだ、というのは何か違う気がするがヒカリの言う通りだ。この作戦には彼が欠かせない」
「彼が?…まさか」
「そのまさかだ。………リアライド・システム」
その言葉にナギ、レイカが反応する。
「しかしあれは前回のテストで使えない事が判明したのでは」
「いや、あれは確かに僕たちでは使えなかったんです。そう、僕たちでは」
レイカの言葉に対してそう言い、ナギは少年を見つめる。
「あの、何がどういう事なのか、説明してもらえませんか」
その後、
エアリアルという機体を動かすには、2人必要だという事。
他ならぬ自分がその内の1人である事。
エアリアルを操縦するが、基本的にはヒカリが動かし、少年は自分の出来る操作に集中してよいと
いう事。
「リアライド・システム」を使うから実際には機体には乗らず、安全だという事。
を説明され時間がない、という事もあり意思表明する暇もなく今こうして座っているのだった。
「良し、ルートは確保できた。サブモニターを切り替えてマップを確認してくれ」
言われ、少年はヒカリの映っていた小さいサブモニターに触れ、マップに切り替える。
すると、簡易的な地図が表示された。
地図には、山の様な起伏が5つほどあり、その5つの起伏の周りに赤い点が複数表示されていた。
「簡単に説明するとそのマップが新規に発見された採掘場だ。調査ポイントは全部で5つ。既に全部のポイントに大量のマグが集中している。そのマグの排除、破壊が今回の目的だ。だが忘れるな。採掘場にはおそらく見張りのエアリアルがいるはずだ。遭遇した場合、可能な限り戦闘は避け、マグの排除に専念するんだ」
「え、でもせっかくヒーローがいるのに」
「馬鹿者!ぶっつけ本番でエアリアル戦等させるか!今回はあくまでフルドライブを確実に使用する為のリアライド・システムだ」
「フルドライブ?」
少年は新たな単語に質問を挟む。
それに対し、ヒカリが声のみで答える。
「フルドライブっていうのはね、こう、ギューーンって一気に加速してバッとあっという間に辿り着いちゃうんだ。すんごく気持ちいんだぜ」
「気持ちいい?」
「まあいい。フルドライブをするには君にも操縦桿を握ってもらう必要がある。こちらでもガイドを出すからその通りレバーを動かしてみてくれ」
「わ、わかりました」
「大丈夫だよヒーロー、私に任せて」
「さ、いくぞ。エアリアル『ソリディア』出撃!」
隊長の合図に合わせ、がくん!と機体がハンガーに吊るされ、揺れるのが見える。するとそれに合
わせて少年の座っている座席にも衝撃が伝わってくる。
「!!!今、席が揺れて」
「さあヒーロー、手を出して」
そんな少年の驚きを誰も気にも留めず、マップが消えサブモニターにヒカリが表れた。ヒカリは画
面越しに手を伸ばしている。
「っ、うん!」
少年は揺れに動揺しながらも不思議と自然に手をサブモニターへと伸ばした。
画面を挟み、二人の手が重なる。
「よし、行くよヒーロー!」
そして、少年とヒカリは空の世界へと翔び出した。
座席に体を押し付けられる。
景色が後ろへと流されていく。
空が、世界が、何もかもを置き去りにした、空の世界。
翔んでいるんだ。本当に。
「リアライド・システム」のおかげであると少年は知っていた。けれど、こんなにも空を感じられ
るなんて、初めての経験だった。
「どう?ヒーロー空を飛ぶのって楽しいよね!」
「うん、すごく楽しい!」
ヒカリの声もより近くに感じられ、まるで2人並んで生身のまま空を翔んでいるかのようだ。
「そういえば、名前聞いてなかったね」
「僕の名前は、」
名前は、
「僕の名前は『ツバサ・ソラ』」
「ツバサ・ソラ…ツバサ・ソラ!すごい!私と同じだね。私もヒカリ・ソラって言うんだよ。2人とも同じ『ソラ』の名前がついてるなんて素敵だね、ツバサ」
「そうだね…僕は、ツバサ・ソラ。改めてよろしく、ヒカリちゃん」
「よろしくね」
少年、ツバサ・ソラはこのフルドライブにより記憶を取り戻しつつあった。
自分が「ツバサ・ソラ」を名乗っていた事。
これと同じ「ゲーム」をプレイしていた事。
そして、そのゲームにおいて自分は「スターウィング」になっていた事。
なにより、その時のパートナーであるアズワンが「ヒカリ・ソラ」である事。
その証として今ツバサの手元にはスターウィングのバッジを持っている。これは昇格時にもらった
大切なものだ。
何故ゲームの世界と同じ体験をしているのか、どうして都合よく自分がアズワンとしてパイロット
になっているのか、ツバサには些細な問題だった。ただ今この時の体験が全てに思えたのだ。
空を翔んだ事と記憶が戻った事に感動をしつつ、ツバサの頭は冷静に状況の把握を始めた。
FD(フルドライブ)中にも出来る事はある。今回の目的はマグ狩りと言われたが、武装は積んであ
るはずだ。サブモニターを切り替え確認すると、そこには、
1st ファイアサイス
2nd ラゼル
表記されていた。
サイスとラゼルか。
ツバサの星翼のプレイスタイルはマルチロールだ。
星翼をプレイするには編成で機体と武器とロールを選択しなければならない。
機体は文字通り乗るエアリアルの編成。頭、腕、胴、翼、足の5つの部位に分かれており、それぞ
れに性能が大きく出る。
武器の編成は片手武器と両手武器に分かれる。片手であれば右と左があり、1度の出撃で1stと
2ndで2つの組み合わせまで使用する事が出来る。
そしてロール。ロールというのは役割であり、アサルト、ヴァンガード、サポートの3種類がある。
このロールによって動きや機体の特性、又は使える武器が変わったりする。基本的には使うロール
に合わせ機体を決め、使うロールごとに武器を決める。
多くのプレイヤーは3種類のロールの内、2種類を主に使うと決め、それに合わせた機体の組み合わ
せや動きの練習をする。
だがツバサはアサルト、ヴァンガ、サポート全てに対応した機体編成でその時の戦況やチームメン
バーによってロールを切り替えている。又その判断も的確な事で他のプレイヤーからも信頼を得て
いる。
ファイアサイスとラゼルはいずれも強力な両手武器。だがそれ故細かい取り回しや臨機応変な対応
には向いていない、クセのある武器だ。
だが、マグ狩りであれば、この2つの武器でも問題はない。時間はないとは言っていたが、ツバサ
であればこの2つを使い時間制限があってもマグを全滅する事は容易いだろう。
いよいよFDが終わりが見えてきた。マップに戻ればその端に青い弾丸の様なマークが表れた。これ
がツバサ達の乗っているAR(エアリアル)、ソリディアのはずだ。
弾丸マークという事はゲームと同じであればロールはアサルト。速攻に特化した特性を持つロール
だ。今回は守る拠点もない為非常に良い選択だろう。
「採掘場に着いたね」
「そうだね。今はマップの右端にいるからFDが切れたらそこからスタートして反対の左側へ。FDが可能になったら中央を一気に抜けて、あ、でも今持ってるのはラゼルとサイスだから中央と端の山の間の谷に降りよう。そこから見える範囲をラゼルで掃射。残ったマグはサイスで確実に潰していこう」
「なんか、ヒーロー雰囲気変わった?」
「え、そう」
「うん、急によくしゃべりだしたというか、さっきまでとは違うみたい」
「僕、思い出したんだ。自分の事」
「え、思い出したの!」
「うん。まだ全部はっきりしたわけじゃないけど、少なくともこのARに乗る事は得意て、事みたい」
「じゃあツバサに任せてどんどんいくよー!」
「オッケーヒカリちゃん!」
ちょうど会話の終了と同時にFDが終了する。落下地点は先程ツバサが提案した山に挟まれる谷だ。
「見えたね」
「うん」
メインモニターに山の整地された土地にマグが降り立ち、何かしているのが映っていた。こうして
みるとマグも意外とデカい。ゲームの中だと粒にしか見えないマグも比較対象があると存外大きく
見えるものだ、とツバサは思った。
「1機だけだね」
「そうだね。他のマグは上?いや、いないな。てヒカリちゃん?」
「よーし、ならこうだ!」
ヒカリが操作したのだろう。ソリディアが空中へ跳び、ファイアサイスを構え、マグ1機に突撃する。
「てやーーー!」
ファイアサイスの格闘技であるビーム鎌による斬撃が繰り出され、マグを切り裂いた。
1機相手にはオーバーキル過ぎる攻撃だが、マグは爆発し、跡形もなく消えた。
すると、爆発音に反応したのか、山の至る所からマグが出てきた。
マグの両脇に添えられたビーム砲がソリディアに一斉に向けられ、発射する。
「ヒカリちゃん回避!」
「まっかせてー!」
複数の方向から撃たれ流石に全部は躱せず被弾するがマグによる攻撃ではエアリアルはびくともし
ない。
ツバサはヒカリの回避行動に合わせて標準があった瞬間にファイアサイスによる射撃を行う。
百発百中とまではいかないものの、視界に見える範囲のマグは全て破壊した。
「やったねヒーロー」
ヒカリちゃんの操作によってソリディアが器用に片足を上げて両手でピースサインを取る。しかも
そのままくるくると回転までしだした。
「よし、この調子だ。操縦はヒカリちゃんに任せていいんだね」
「一応そっちでも操作できるけど今回は私が操作するね。だから攻撃は任せきゃ、」
「うわ、なんだ」
回転するソリディアの脇を何かが高速で通過する。
「ヒカリちゃん、すぐに隠れて!奥の山から見えないように」
「わ、わかった」
その感覚にすぐに気が付いたツバサはヒカリに指示を出した。ソリディアはなんとか姿勢を崩しか
けながらもマップの奥にある山から隠れるように移動する。
「何が起こったの」
「今のは多分、」
そう、高速で通過したその正体は、ビーム兵器の一撃。
「多分、『ブランキアル』による狙撃だ」
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回はぶつ切り、3話に後半として続く、様な終わりになっています。
物語としては、まだまだ戦闘描写少なく、まらここからは増やしていければなー…と。
書きたい戦闘シーンがあるので、そこまでお付き合いいただければ幸いです(もちろん完結を予定しています)
さて、今日解説するワードは「リアライド・システム」について。
公式の引用ですと、「プレイヤーをデータ化し、宇宙の遥か彼方へと伝送する「リアライド・システム」。
異星の文明によって開発されたこのシステムにより、プレイヤーは宇宙の果てへと送り出されることとなる。 」となります。
つまり何かというと、この「星と翼のパラドクス」というゲームの筐体の事を指しています。
そして設定ではこの筐体を通して、プレイヤーと巡星にいるアズワン達を繋いでいる、ということになります。
この作品においても「リアライド・システム」は主人公とアズワン達を繋ぐ大切なもの、と思っています。設定もほぼゲーセンにある筐体をイメージしていただければ結構ですので実際に見に行ってみるのはどうでしょう。もちろんやった事ない人はそのままプレイしていってもいいんですよ!!!(チュートリアルであればネシカ不要、100円と大変お得です)
そうそう、投稿感覚についてですが悩みましたが、固定曜日を設けるのではなく、私が実際に星翼を遊んだ日に投稿する、というので行きたいと思います。
なので、投稿時間も極力揃えるつもりですが、まあ細目にチェックしていただけると………
ま、ここまで全部独り言ですけどね。
では、巡星で会いましょう。