世界観、設定、解釈、キャラ及びその性格言動、描写
等原作ゲームと異なる点がございます。ご了承ください。
前話から間隔があき、申し訳ありませんでした。
前回からの続きです。3話と投稿しましたが、実質2話の後編としてお読みください。
なお、3話にはオリジナルモブアズワンが出ます。ご了承ください。
「2人とも聞こえるか」
ブランキアルによる狙撃から身を隠した所で、隊長から連絡が入った。
「タイチョー」
「今こちらでも確認できた。そのマップには敵エアリアルがいる。気を付けろ!」
「こちらのマップでも見えました」
ツバサはサブモニターのマップを確認した。見れば5つある山の内マップの左上、自分達のいる対
角線上に赤い弾丸のマークがあった。
これはつまり、敵ARのアサルトタイプがいる、という表示だ。
「これって」
「しかもこの敵AR、機体はサイトヘッド。以前我々が奪取されたそのものだ」
「え」
「やっぱり…」
ツバサには初耳だが、ヒカリには心当たりがあるらしい。
「奪取って盗まれたんですか」
「今その話は後だ。とにかく敵ARが出てきた以上、これ以上無理はさせられない。2人とも撤退を」
「「それはダメ!!」」
隊長の言葉にツバサとヒカリの言葉が重なる。
「だって、あれは………あれはイサドラのエアリアルだもん!」
「そうなの?」
「そうだよ!それを…放っておけない!取り戻す!」
「ヒカリちゃん…」
ツバサの知っている
手に入るが、それでも自分の機体パーツが減る事はなかった。ツバサにはそれが許せなかった。
「隊長、僕も撤退は出来ません」
「何?」
「確かに僕には今一この状況は分かっていません。いきなりソリディアを操縦しているし、記憶も、全部は思い出せていません。けど、奪われた機体は取り戻したいし、このまま撤退なんて許せません」
だって僕は、
「本物の、スターウィングになりたいんです!」
ツバサは確かに記憶を断片的にしか思い出していなかった。しかし、そのSW(スターウィング)
の証であるバッジには大切な想いが詰まっている。それを敵AR1機相手に撤退するという事はそ
の想いを汚されるようで嫌だったのだ。
「…二人の気持ちは分かった。だが、あれがイサドラのARであるという事は武器はブランキアル超超距離狙撃武器だ。何も対策せず近づけば撃ち抜かれて終わりだ。どうする?」
「それは、この地形を利用して…いやだめだ、途中までなら行けるけど近づいた時ブランキアルの狙撃から隠れられる場所がない。何か相手の隙をつければいいんだけど…」
ツバサは悩んだ。自分の思い出した記憶の中ではブランキアルは長距離、かつ高威力を持った狙撃
武器だ。さっきは当たらなかったが、もし当たっていればソリディアであれば一撃で撃破されてい
ただろう。
悩むツバサに対し、ヒカリが何か閃いたかのように提案する。
「ねえヒーロー、あれをやろうよ」
「あれ?」
敵パイロット、サイトヘッドに乗っているアズワンは焦っていた。今回の任務は翔握戦ではなく、
採掘場の襲撃及び制圧。完璧な奇襲だった為敵ARは間に合わず、占拠が完了するはずだったのだ。
なのに敵AR、ソリディアが接近してきたと連絡が入り、急遽この奪取したARで出撃したのだ。
「なんだってんだ、ったく」
モニター越しに狙撃武器「ブランキアル」のサイトを覗く。先程は焦って外してしまったが、敵
の場所は分かっているのだ。出てきた所を慌てずに撃てばいい。
例え外したとしても、この距離を詰めてくる間にあと2発は撃てるはずだ。ブランキアルの威力を
考えれば十分なチャンス。その間に採掘場の占拠が進んでしまえば任務完了だ。
サイトヘッドに乗ったアズワンはそう思っていた。だが、
「…出てこないな」
いや、出てこないならそれに越した事はない。しかし、何かがおかしい。そう思った時それに気づ
いた。
「…!そんないつの間に!」
そう、ブランキアルのサイトをずっと覗いていたせいで気づくのが遅れたが、サイトヘッドに影が
差していた。ちょうどエアリアル1機分の影が。
ブランキアルを降ろし、見上げるとそこには、
ラゼルを構え、見下ろすとそこには、ブランキアルを降ろしこちらを見上げる敵AR、サイトヘッ
ドの姿があった。
「いっけえええええ!ツバサーーーー!」
「うおおおおお!!!」
ラゼルを構え渾身の力で握ったレバーのトリガーを引く。ラゼルを使ったのはものすごく久々だ
ったツバサはラゼルの反動に思わず手を取られるが、レバーを離さない。
ラゼル。その強力な両手武器はブランキアルとは対照的で、長時間放つことができる極太のビー
ム武器だ。トリガーを引き続ければその間、エネルギーが切れるまで攻撃が続く。
完全に隙をつかれたサイトヘッドは回避もすることなく、そのビームを全て受ける羽目になった。
「―――――!」
ツバサもラゼルは初心者の頃よく使っていたが、ここまで鮮明に残る使い方は初めてだった。
長くも感じたラゼルの攻撃も、数秒経ち、エネルギーが尽きた。
エネルギー切れのラゼルを持ったまま、サイトヘッドの所まで降りていく。
そこには、事切れたのかぐったりと倒れたサイトヘッドの姿があった。
「やった!やったねヒーロー!」
「うん、ヒカリちゃんのおかげだよ」
「ねえヒーロー、あれをやろうよ」
「あれ?」
「そう、フルドライブ。フルドライブなら一気に近づけるでしょ」
「なるほど、その手があったか」
隊長も腕を組み、頷く。
「…?」
ツバサにはいまいちピンと来ず、頭を傾げた。
「でも、敵もそれは思いつくはず…?」
「それがね、ツバサ。私たちのフルドライブは絶対に向こうには分からない、はずだよ」
「そうなの?」
「エリアルはそもそも『リアライド・システム』を使ったアズワンと実際に機体に乗るアズワンによる疑似複座型、というのはわかるな?」
「はい」
隊長の説明にツバサは返事をした。
「だが現在、この『リアライド・システム』はヴ・レード、ア・スレッガ共に運用できていない。何故なら『リアライド・システム』を起動できるアズワンがいなかったからだ」
「それは。けど、それとFDがどう関係しているんですか」
ツバサは理解できずさらに尋ねた。
「フルドライブ。これを使うにはフルドライブ時にルートを計算し、『機体のバランスを制御する操作』と実際に機体を『ルート通りに動かす操作』が必要になる。その為にエアリアルは2人のアズワンが乗る複座型なんだ」
「あっ」
「つまり今フルドライブが出来るのは私とツバサの2人だけ、なんだよ」
「まさかFDをするのに2人で操縦しなきゃいけないなんて」
ゲームでしか操作経験がないツバサにはその知識と常識が全くなかったのだった。ツバサは改め
て、今起こっている事がゲームでもましてや夢の世界でもないと感じたのだった。
「それよりまさかパイロットの人、死んでないよね」
現実の問題としてツバサはその事が気になった。あれだけビーム兵器を当て続けたのだ。もしこ
れが現実なのだとしたら中にいたパイロットはとても口では言えない状態になっているのでは。
「大丈夫だよ、ほら」
ツバサの不安に対し画面越しのヒカリが指さすと、サイトヘッドのボディが開き中からパイロッ
トらしき人が出てきた。
その人物はソリディアに怯えるように逃げ出した。すると、山陰から大量のマグが現れ、その内
の一つに飛び乗り、全てのマグを連れて去っていった。無論、追撃するつもりは無かったので、
ソリディアに乗ったままそれを見送る。
場所は変わり、ジ・オーダー本部、食堂。
「ではでは、任務の達成と『サイトヘッド』の奪還と、それから新しく私のヒーローの歓迎を祝してーーー、カンパイ!」
ヒカリのカンパイに続き乾杯、と声が一斉に上がった。
「言っとくがなヒカリ。まだお前専属のアズワンに決まったわけじゃないからな」
「えーーーーーなんで!ツバサはもう私のヒーローだよね!そうだよね!」
「ヒカリ、彼はそもそもまだアズワンになれると決まったわけではないのです。けど、もしアズワンになれるのなら、私とも…」
「なあなあヒカリと一緒に出撃してサイトヘッドを取り戻したって本当なのか!くう、実際に見たかったぜ。すげーなおまえ!」
「カズマ、その映像でしたら後で見れますから、あまり顔を近づけては失礼でしょう」
「ふん、出撃できたのはシャーリーのおかげでもあるんだから感謝してよね」
「お姉さんはサイトヘッドを取り戻してくれて嬉しいわ。お礼にな・ん・で・も・してあげちゃうわよ?」
「え、えっと…」
採掘場からア・スレッガのマグが全部撤退したのを確認し、ヒカリとツバサ、ソリディアは帰還し
た。又、採掘場を守っただけでなく、奪われていたエアリアル「サイトヘッド」を取り戻した思わ
ぬ戦果にこうして、祝賀会を上げていたのだった。
祝賀会には6人のアズワンと隊長、それにツバサが参加しツバサは皆に囲まれてしまった。
皆から一斉に話しかけられ返事を返せずにいたが、落ち着いた頃、今度はツバサから質問をした。
「あの、僕、出撃の間に自分の事を少し思い出したんです。それで、ここは地球ではないんですか。僕は、日本に帰れるんですか」
ツバサの質問に盛り上がっていた一同が口を閉じる。
短い沈黙の後、答えたのは隊長だった。
「結論から言おう。君の住んでいた地球には今は帰れない」
その言葉にツバサは胸がきゅう、となった。
「だが、現在地球へはキザナが技術開発を進め、向かう計画を立てている。それにはこの
隊長のサングラスがツバサを見つめる。
「君はアズワンとしてエアリアルに乗るか?」
「僕は、」
そこでツバサは言い淀み、6人のアズワン達を眺める。彼らはツバサの応えに期待と不安と希望を
もった眼差しを返した。最後にヒカリと目が合い、
大丈夫、いっしょに翔ぼう、ヒーロー
ふと、そう言われた気がした。
「僕は、なります。この巡星でも、「スターウィングのアズワン」として」
こうしてツバサはこの巡星初の「スターウィングのアズワン」として空を翔び、自ら翔握戦へと飛
び込むのだった。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
いや、申し訳ありませんでした。前回のあとがきで「投稿はゲームをプレイした日に行います」って言ってから何日たったんですかね。まぁそういうことですはい。次回以降は気を付けます。
さて、本編に登場した敵AR「サイトヘッド」ですが、公式の設定では専属アズワンは「イサドラ」となっております。当然ながらモブアズワンも敵に奪われる設定も妄想ですのであしからず。
機体自体ですが本編で描写がなかったので補足を。
カタログスペックは
型式番号XIS-005
全高40.2m
本体重量224.2t
出力22.700kw
総推力271.100kg
開発チームイドム・ドッド
となっています(公式サイトより)。ちなみにこちらも説明がなかったソリディアですが、
型式番号XZM-011
全高40.5m
本体重量209.5t
出力21.200kw
総推力266.000kg
開発チームゾーイ・バーサス
比べると数値にはそれほど差はないように思えます。まぁフレーバーなので実際のゲームでは意味は持ちませんが。
で、サイトヘッドですが、見た目はグリーンベースであり、その外見的特徴は翼。プロペラが取り付けられており、継続的な移動を可能とする、といった所でしょうか、
また、頭がスコープを模した見た目をしており、狙撃武器「ブランキアル」とのビジュアルはまさしく、スナイパー然として非常に魅力的なのではないでしょうか。
今回の戦闘は話的にもゲーム的にも正式な戦闘ではないので参考にはなりませんが、いずれは「翔握戦」も書ければ、と。
ではこの辺で。
巡星で、会いましょう。