セクシーコマンドーはありふれているのだろうか   作:桐原

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 時系列とかは割と適当です。
 結構頑張ったと思う。
 










第二話

 □天空城カナタ

 

 昼休み。

 それは昼食の時間、人によってはその前の休憩時間に昼食を食べる人もいるが。

 セクシーコマンドーを布教することも兼ねて隣の席の南雲くんと一緒に昼食を食べようとしたんだけど………………

 

 「南雲くん、なんだその食事は」

 「え、栄養は摂れているから問題ないよ」

 

 そう言いながら干物ようになったパッケージを見せてくる。

 まさか、いつもこうなのかと思いつつも事実確認のために尋ねた。

 

 「今日だけではなくいつもこんな食事を?」

 「まあ、うん」

 

 高校生でこれはひどい、よく観察して見ると前世の職場で似たような奴がいたが、この年で仕事をしているとは考えにくいからバイトか何かしているのだろう。

 恐らく眠いから昼休みをほとんど睡眠に費やすつもり………………完全に昼夜逆転生活だな、高校にしてはあり得ないほどの何かしらの特技、技能を持っているのだろう。

 手を見る限りではプログラマーか漫画家、またはその両方か。

 

 「南雲くん、もしかして君の両親はプログラマーか漫画家なのかい?」

 「!?そうだけど、どうして分かったの?」

 「いや、知り合いに似たような人達がいてね、フーミンさん、もしくはモエモエさんって人は知っている?」

 「父さんと母さんの職場でそんな渾名の人達がいたけど………………まさか」

 「ああ、フーミンさんのこと藤山起目粒さん、モエモエさんのこと北原ともえさんは二人とも僕の先輩、わかめ高校のOBでセクシーコマンドー部の部員だったのさ」

 「意外な繋がり?!えっ?!あの人達わかめ高校が出身校でセクシーコマンドーをやっていたの?!」

 

 何やら凄く驚いていたが、こちらもまさか共通の知り合い、しかも師匠と同じわかめ高校セクシーコマンドー部初代部員のメンバー、それも二人も知り合いとは………………最早、南雲くんをセクシーコマンドーに誘えという天からのお告げなのかもしれない。

 ん?気のせいか教室がさっきよりも静かになったような………………気のせいか。

 

 「まあ、フーミンさんは選手だったがモエモエさんはマネージャーだったけど」

 「そ、そうなんだ(もしかしたら、モエモエさんはまだまともな可能性が………………)」

 「そういえば、セクシーコマンドー部の通称がヒゲ部になったのは、モエモエさんの提案だったなぁ」

 「………………(そんなことなかったか)」

 「話が脱線したね、そんな食生活では体力がつかないぞ。何よりプログラマーにしろ、漫画家にしろ、結構な体力が必要だ、それなのにきちんとした食事をしなければ将来に支障が出るぞ」

 「うぐ、でもお金とは(趣味に使って)無いし、母さんに頼む訳にはいかないし、勿論僕も料理できないよ」

 

 そう言って目を逸らす様子からこちらが言っていることは理解しているようだ。

 ならば、と思い、自分の弁当を机において箸を忘れた時のための割り箸をスッと南雲くんに差し出す。

 

 「食べな」

 「え、別に大丈夫だよ、天空城くんの弁当でしょ」

 「弁当は二つある。遠慮するな、それに代わりといってはなんだがこの学校のことを色々教えてくれないか」

 「(あ、結構食べるんだな)…ありがとう」

 

 最初は遠慮していたものの、お礼言い弁当を食べ始めた。

 なんてことのない野菜多めのハンバーグ入り弁当、好評なようで何よりだ。

 自分の作ったものが美味しく食べて貰ったのを見て、嬉しく思いながら自分ももう一つの弁当を開けて、ご飯を食べながら考え事をする。

 

(さて、渾名はどうしようか、『なっくん』が良いか、それともどこからか受信した『ハーレム』が良いか)

 

 「ふむ、南雲くん」

 「なんだい天空城くん」

 「渾名を付けよう思ったんだけど…」

 

 すると、急にむせたのかゴホゴホとしている、器官にご飯でも入ったのだろうか。

 やはり、普段の食事を疎かにしているせいであまり噛むといったことをしなくなったのだろう。

 少し心配になってきたので声をかける。

 

 「大丈夫?器官にご飯でも入ったのかい?」

 「いや、渾名なんてつけて貰ったことが無かったから驚いて」

 「そうなのか!じゃあ、『なっくん』と『ハーレム』のどっちが良い?」

 「んんん?『なっくん』は苗字(南雲)から考えたと思うけど、『ハーレム』はいったいどうしたら出てくるの?」

 「よく分からないが何かを受信したかのように急に『ハーレム』という単語が浮かんでね」

 

 そう言うと何故か顔を上げて僕の頭の方を見て遠い目をしているが、いったいどうしたんだろうか。

 まさか、マッスルの神様のような神様でも見つけたのかもしれない。

 これは益々セクシーコマンドー部に入って欲しい逸材だ、早くも部員第一号を見つけてしまったな。

 

 「まあ、流石に『ハーレム』にするわけにもいかないから無難に『なっくん』かな」

 「…あ、うん。それでいいよ」

 「じゃあ、これからよろしく!なっくん」

 

 こうして昼休みが終わったが、カナタとなっくんは気付いていなかったが彼らの会話の一部始終を観ていたクラスメイト達は色々な事を思った。

 とある不良たちは、あいつ大人しくしていただけで実はヤバイ奴だったのか、となっくんに対して恐れを抱いて今後、接触はできるだけ避けようと決める。

 とある恋する乙女は、共通の話題かぁ、セクシーコマンドーはなんか怖いけど南雲くんと一緒になるならセクシーコマンドー部は悪くない選択かも、とカナタにとっては大歓迎、なっくんに対して酷い勘違いをしていた。

 とある女剣士は、セクシーコマンドー、天空城カナタ………………やはりあいつか、と意味深な思考を巡らせて、南雲ハジメ………………まさか彼もセクシーコマンドーの関係者なの?この教室にいたなんて、と友人と同じくなっくんに対して酷い勘違いをしていたりする。

 えっ?誰か忘れている?………………誰だろう?

 ゴホン、次は数学であるが、そこで事件は起こった。

 まさかあんなことになるなんて………………当時を知る人達は口をそろえて言う、あれは我々が理解できるものではない、そして必ずしも常識は正しい訳ではない、と。

 

 

 

 

 五時間目 数学

 

 「(チラッ)えー、これは………………」

 「「「………………」」」

 「(チラチラッ)そのようにして………………」

 「「「………………」」」

 

 カナタを除くクラスの生徒たちの目は死んだ魚のようで無心になって黒板の内容をノートに書き写す。

 そして、真面目な常識人と学校で有名な数学教師の髙橋先生は目をきょろきょろしていた、右前前左後後後一席飛ばして右右左………………と。

これはどういうことかというと、アホ毛の移動である

 何を言っているか分からない?それは数学が始まった時刻に遡ろう。

 

 

 授業開始の鐘の音がなると同時に数学担当の教師である髙橋先生が入ってきた。

 さあ、授業が始まるというところで髙橋先生は気付いた、なんか肩に変な物体とヒゲを付けた学ランの生徒がいることに。

 変な物体やヒゲは、大方昼休み中にふざけてつけていたのだろうと思い、

 

 「授業が始まるから肩のやつとヒゲを外しなさい」

 

 そう、カナタに注意した。

 

 (((正論だぁー!!!)))

 

 クラスメイト達はこの日、何度目か分からないがまた心を一つにする。

 逆に何で午前中の内に他の先生方に注意しなかったのか?なんてことは無い、変な物体は学ランの付属品でヒゲは自前だろうな、だってわかめ高校から転校して来たんだし、と納得?していたからだ。

 ちなみにわかめ高校のことは高齢の先生方ほどよく知っている。

 後にこの回答を聞いた生徒、若い先生方はわかめ高校は魔境だと思われたが、強ち間違いでは無い。

 さて、話を戻すがクラスメイト達は、天空城カナタが髙橋先生にどんな返しをするか手に汗を握った。

 クラスメイト達にとって熊と猟師、警察とマフィアが互いに出会った場面に遭遇したようなである。

 それに対してカナタは、

 

 「あ、そうですね。わかめ高校とは違いますし、すみません」

 

 そう言って、肩の物体とヒゲを外して鞄にしまった。

 同時に、クラスメイト達が再び心を一つにして、えっ⁈素直に外すの!?と内心ツッコミを入れている。

この時肩に付けていた物体が小さくなり、あれ程自己主張していたアホ毛が肩の物体を外した瞬間にペタンと元の髪に紛れたのを教室にいたカナタを除く全員が目撃した。

 髙橋先生と大多数の生徒は肩の物体は最新のテクノロジーでできた何かで、アホ毛は風が吹いていたからだろうと思い、残りの一部の生徒はオカルトじみたナニカだと思うが授業が始まると直ぐに意識を切り替える。

 この時皆はこう考えるべきだった、何故わかめ高校では肩の物体を付けて良かったのかと。

 

 

 

 数分後

 

 

 

 

 朝からヒゲと肩におかしな物体を付けているのが、急に普通の学ラン姿に戻ったので最初は違和感を覚えていたのだが、数分も経てば授業に集中し始めていた。

 が、そんな時、クラスのマドンナである白崎香織の頭部にピン!とアホ毛が立ったのだ。

 それに一番初めに気づいたのは髙橋先生で、それはもう見事な二度見であり、二回目のギョ!はギャグのよう、それに釣られて皆気付き始め、ようやく本人が気付いて驚きの声を上げる………………前にアホ毛が消える。

 ほっと、一安心という空気が広がるかと思いきや、今度は別な人の頭部にアホ毛が立つ。

 当然ながら教室はざわめきだすがこれに注意を促す者がいた。

 

 「みんなどうしたの?授業中だけど」

 

 元凶(仮)であるカナタであった。

 これには髙橋先生とクラスメイト達はツッコミを入れようとしたがここで空気が読めないことに定評がある天之河が、

 

 「天空城くんの言う通り、みんな授業に集中しよう!」

 

 アホ毛がまだ風か物理的な何かの所為だと思っているのでそんなことを言う。

 すると、クラスカーストのトップの言うことなら、とみんな言いたいことはあったのだが授業に戻る。

 そして、こうなったのだ。

 これは授業が終了して、カナタが謎の物体(カナタ曰く、チャームポイント予備)を付けるまで続き、この事件以来学校では授業中にチャームポイント予備を付けていても何も言わないという暗黙のルールができたのである。

 ついでにヒゲも。

 

 

 

 

 

 




 ギャグ書くのは難しい。
 次は異世界召喚かな、たぶん。
 キャラ救済は考えているけど、キャラ崩壊、もはや誰?って感じになりそう。
 ………………実際何名かは確定しているし(震え声)、次は未定。
 

ヒロインは?

  • 八重樫 雫
  • 園部 優花
  • オリジナルヒロイン
  • 別にいらない
  • 続きが読みたい

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