セクシーコマンドーはありふれているのだろうか   作:桐原

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 チャームポイント予備は花中島マサル師匠からのチャームポイントの予備であったが、マサル師匠がカナタにプレゼントしたのでカナタのものになったというストーリーがあったが番外編を書く余裕があったら書いてみようかな。
 番外編のネタもいくつかあったりする。





第三話

 ある日、とある高校であるクラスが異世界召喚された。

 異世界召喚、それは文字通り異世界に召喚されること。

 それは当然ながらオカルトじみた、この場合はファンタジーのような体験であり、まずこのような経験した人間は普通いない。

 だが、異世界召喚された側の大多数、つまり今回の場合、生徒たちはそんな理解不能な出来事を体験したにもかかわらず、ほぼいつも通りの反応………………まあ、落ちついていたとも、またかよ、という諦めにも似た様子で、とてもパニックに陥っている様子には見えずどこかこのような意味不明な現象(出来事)に慣れているようだった。

 それもその筈、ヒゲと肩に変な物体を付けた格好で転校して、その後セクシーコマンドー部(通称ヒゲ部)を設立したり、肩の変な物体(チャームポイント予備)を外せばオカルトともファンタジーとも言い難い超常現象(アホ毛の移動)が起きたり、その所為で今まで普通だったクラスメイトが急にキャラが濃くなっていたりなど、事件()を挙げれば限がない。

 そんな訳で召喚直後に本人を除くほとんどの生徒が思った。

 

 (((ああ、また天空城(カナタ)(くん)が元凶(原因)か)))

 

 内心ではそう思うが口に出さない、口に出したら出したで話がこじれて余計に疲れるからだ、しかしながら、せめてもの抵抗として見事なジト目を向けていた。

 実際には冤罪なのだが、今までの経験上そう思うのも仕方ないだろう。

 誰かが何か話そうと口を開こうとしたがその場にいた一番偉そうな老人が一歩前に出てきた。

 

「コホン、よろしいですかな。ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」

 

 (((あ、すっかり忘れてた)))

 

 カナタは、この感じはなんか中学時代以来だな、と思っていた。

 そして、妙にヒゲのクオリティがいいな、とも周りを見て感じていた。

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 豪華で広いと素人のような感想がそのまま当てはまる大広間にカナタたちは案内される間、カナタは途中何度もまるで奇妙なモノを見る視線を感じた。

 同じセクシーコマンドー部の部員達や他の生徒たちに向ける視線とは全く異なるもので、一度なっくんや他の部員にこっそりとその様な旨の事を話したが、気にしなくてもその内無くなるよ、とやけに実感の籠った言葉を貰い渋々納得する。

 一体どういうことなんだ、と思いながらヒゲを変えながら移動するのであった。

 

 全員が着席するとメイドが入って来た。

 それを見るや否やクラスメイト達がビクッと肩を揺らし、更に美女・美少女メイドだと分かるとまるで神話生物でも相手にするかのように警戒する。

 メイドたちは困惑した、えっ?なんで私たちそんな警戒されているの?と、普通だと男の邪な視線を向けられていたのだがこのように危険生物を相手にするかのように警戒されることはなかった。

 あるメイドは偶然にもこんな言葉を聞き取る。

 

「大丈夫だよ、なっくん。少なくてもこのメイドさんたちの中身は人間だから

 

 少なくても中身が人間ってなんだ

 言葉の意味を理解する間も無く、次の言葉が続く。

 

「いや、そう言ってマドカさんがあれだったじゃないか!?」

「え、でも四割ぐらいのメイドは中身が人間で容姿がいいとアレだよ。残りの六割だって………………まあ、色々」

「何その不安を煽る色々は凄く怖いんだけど?!」

「今も昔も本職で容姿がいいメイドは基本アレだから」

「………………現実は無情だね」

 

 この会話は他のメイドたちにも聞こえたらしく、何人かは表情に現れるほど動揺していた。

 今気が付いたが召喚された女子陣からは恐怖、憐み、同情のといった視線が向けられている。

 そんな感じで飲み物が行き渡るとイシュタルが話し始めた。

 

 つまりは人間族と魔人族が長い間戦争をしていたが、魔人族が何らかの手段でパワーアップ、なのでこちらも対抗策として勇者召喚を行ったのか、カナタはイシュタルの長々とした話をこのようにまとめた。

 不意に中学時代にマサル師匠や他のセクシーメイトたちと共に巻き込まれた事を思い出す、正体不明の存在が多数の異世界から何かしらのエキスパートたちを集めてその力を奪おうとした事件。

 黒幕は僅か数分で倒されたけど帰還方法に手間取って結局一ヶ月ほどかかった。

 その事件で出会った人たちに革命家や冒険家、ボディビルダー、メイド………………とにかく色んな人が「おい」いたけど「おい!」今何しているのだろうか。

 

「おい!!」

「ん?何どうしたの」

 

 何故か青筋を立てた天之河くんがいた。

 周りも何故か苛立った人、ジト目を向けている人が多く、一体どうしたというのだろうか。

 すると、

 

「話を聴いていなかったのか?!」

「あ、何か話していたのかい?ごめんごめん、つい考え事をしていてね」

「吞気なことだな、どうせヒゲかセクシーコマンドーのことでも考えていたのだろう?」

 

 口元を引きつらせながら言う天之河くん、セクシーコマンドー部を設立してから妙に話しかけてくるようになったのだが、セクシーコマンドー部に遠まわしに入りたいのだろうか思っていて、この前はっきりとそう訊いたが違うと言われたので、なんで話しかけて来るのか、その答えが最近ようやく分かった。

 ヒゲについて語り合いたかったのだ。

 部員たちと同じヒゲをプレゼントしたらやや嬉しそうに受け取っていたし、なんか分からないけどなっくん、ユッキー、マイケル、サッキー、ルイルイも同じものを持っていると言ったら見るからに顔色変ったからなあ。

 

「いや、全然。そろそろ帰るの?もうとっくに昼休み終わっているし。数学の髙橋先生も異世界召喚されていましたって言えばそんなに怒られないでしょ、なんだかんだいってあの先生チャームポイント予備についてとか一番に理解してくれたからね」

「………………本当に何も聴いていなかったんだな」

「まあ、うん」

「帰れないんだよ」

「はい?」

「だから!帰れるためには、世界を、みんなを救うためには戦うしかないんだ!!」

 

 そう叫ぶように言う天之河くん。

 

「なんでそうなるの、チャームポイント予備を使えば時間は少しかかるけど帰れるよ」

「「「………………えっ?」」」

「えっ、何知らなかったの?」

「「「知るか——————!?」」」

 

 一気にその場が混沌となる。

 当たり前だ、帰れないと思っていた矢先に帰還できる希望が出てきたのだ。

 それがオカルト、SF、ファンタジーが合成されたビックリ人間といっても過言ではない天空城カナタから出てきた『帰れる』という言葉は、そこはかとなく不安を感じるがみんなは不思議と信頼できた。

 

「しかし、それは本当にできるのですか」

 

 だが、冷や水をかける者がいた。

 イシュタル・ランゴバルドである、それもそうだろう折角扱いやすそうな戦力を召喚した(厳密にはエヒトらしい)のにさっさと帰られてはさぞかし困るだろう。

 

「今からでもできるけど、誰から帰る?」

「お、俺から」

「あ!ずるいぞ」

「わ、わたしも!」

 

 次々と手を挙げてカナタに押し寄せる何人かの生徒たち、いきなり戦争なんて実感が湧かないし、当然ながら不安に陥っていたので一刻も早く帰りたいのだろう。

 

「えっと、取り敢えずそこの四人はその場を動かないように」

 

 適当な男子四名をカナタは選び、その場を動かないように指示を出して何かいかにもそれらしい魔法陣を描く。

 

「えーと、確かこれがこうでアレだったはず………………あっ、違うこれはこのマークだった」

 

 どこからか取り出したメモ用紙を見ながら

 もう誰も何も言わない、というよりはこれくらいでは動じなくなったというべきか、まあ、現地の異世界の人たちは、どこからメモを出したんだ?と疑問に思っているが。

 なっくんは少し気になってメモを覗き込んだが、明らかにカナタの字では無く別の人がかいたものだな、そして右下にカナタがよく描くヒゲのマークとは別のものが描いてあるから、多分カナタの同類が描いたんだなと思う。

 少し時間は掛かったが魔法陣は完成、するとカナタは聞いたこともない言語で呪文らしいことを唱える。

 ………………魔法陣に変化は起きない

 

「やはり、失敗ですかな」

 

 イシュタルは嫌味のようにそう言うが、誰も反応していない。

 いや違う、正確にはカナタが肩に付けているチャームポイント予備と呼ばれる不思議な物体を注視していた。

 それはなんか物凄い光を発していたのだ

 言葉では表せないとても不思議な光、それは明らかにエネルギーをチャージするかのように高まって………………その場でとどまっていた四人に二本の極大ビームが発射された

 

「「「え——————??!!」」」

 

 その二本のビームはまるでアニメの合体攻撃のように一つのビームとなって、硬直している帰還予定の四人を何の反応も許さないかのように吞み込んでしまった。

 

「いやいやいやいや、カナタくん何やっている?!」

「どうしたなっくん、そんなに慌てて」

「どうしたじゃないよ!何あのロボットアニメでも中々無い、いかにも必殺技的なビームは?!」

「何って、アレが帰還だけど」

アレ(ビーム)が?!」

アレ(ビーム)が」

「なんか当たった場所が焦げてプスプス音を立てているけど?!」

「大丈夫、大丈夫。演出だから」

 あははは、と笑うカナタを見てクラスメイト達は

 

(((物凄い不安だ)))

 

 久しぶりに強烈なものを見たクラスメイト達はちょっと遠慮したいなと思った。

 

「ふむ、しかしながら本当に帰還できたのでしょうか」

 

 やはりというべきか、またしてもイシュタルが嫌味ったらしく言うが魔法とかがある異世界においても意味不明な現象を見て頬を引きつらせている。

 その様子を見て、頑張るなあ、とクラスメイト達は思う。

 

「確かにそう思う人もいるか、よし」

 

 その場にいた全員がその掛け声に嫌な予感がした。

 またもやカナタが聞いたこともない言語で呪文らしいことを唱える。

 突如、震える空間、現れる巨大な暗黒の球体、場に走る緊張………………球体に皹が入り、時間とともに皹が大きくなっていく。

 そして、暗黒の球体から………………数学の髙橋先生が現れた。

 

「「「………………」」」

「えっと、ここは一体どこですか」

「髙橋先生、向こうに送った四人はどうですか」

「ああ、また天空城くんの仕業ですか。教室に着いても誰もいないと思ったら急にどこからか檜山くんたちが現れて………………」

「四人とも無事ですか」

「まあ、無事ですが、そんなことより…(シュバッ)」

 

 一瞬チャームポイント予備が光って髙橋先生が消えた。

 カナタはいかにも、やり切ったぜ!みたいな感じの雰囲気を出していたが、沈黙が場を支配する。

 

「ふっ、これで帰還方法の安全性が証明されたね」

「「「………………」」」

「ん?反応が無いな」

「「「………………」」」

「えっ?何この空気、一体誰の所為だ?!」

「「「お前だよ!!!」」」

 

 綺麗にシンクロしたツッコミが広間に響き渡った。

 

 

 

 

 

 




 次回!
 色々あって帰るのに時間が掛かるカナタ達、身分証明書代わりにステータスプレートを得る。
 しかし、そこに表示されたのは驚愕の職業と技能!
 おい、一体お前はどうしたんだ?!
 
 なっくん、まさかの職業と技能!

 「えっ?!僕?!それと語呂が悪い!?」








 



 茶番はさておき、察している方もいると思いますが不良たちは退場となります。
 原作と違い、とある事情で不良から不良(笑)もしくは更生しているので、不良という個性を失ってしまいました。
 別な個性でも付けようかな、と思いましたが良い個性が思いつかなかったので。
 もしも、皆様からの復帰を希望する声が多い場合は何かしらの方法で再登場するかもしれない。
 次回はステータスプレート回です。











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