十話からこんな加速していいのかなあ( ´-ω-)
少しの間に起こった出来事を嘘を交えながら伝えた。反応は様々で、特に面白かったのは古風谷早苗だ。
私の実質的なペットの爬虫類に腰を抜かし、アーチャーにしがみついて足を震わせて泣き出す。
中々に楽しかったが、私はやることがあるため今度は普通に帰った。
「イワン、家族が増える………あの靴跡はにとりの物だったのか?その情報に間違いはないか?」
「ない……」
「そうか」
「旦那、俺は適当に寝とくぜ。流石にあの量を食べて、後に歩いたから疲れた。
なんかあったら起こしてくれ」
「解った」
T-002αにも自由にしていいと伝え場を後に、検査室へと入り、鴉天狗を手術台の上に吐き出す。
逃げられても困るので、直ぐに両手両足を固定させて逃げれないようにした。
「交渉の時間だな。おい、起きろ」
肩を強く叩き、起こした。目を覚ました鴉は体を跳ねる位に驚いた。
顔がだんだん私を睨みだし、殺気が向けられる。どこか痛いところがあるのか?
利用する前に支障が出るのは困るのだが。
「貴方は……なぜ生かした」
「罪は裁かれることはない、貴様のような人材にとって、死ぬことは罪を懺悔するための場所だろう。
それで鴉天狗、罪を認めるか?」
「…………ええ。貴方に取り込まれたとき、貴方の過去と、見てきたものを見た。確かに、私が間違っている。だがどうしようと、過ちは治らない。
いっそのこと殺してくれた方が楽だった」
「ならば、償うか。償うのなら、私の元へと来い。そうすれば償いとして、新たな人生を歩める」
「なら、なる」
「いい子だ」
成功だ。大分精神が磨り減ったようで、虚ろな目をしながら答えてくれた。鴉は私の過去を見たと言っていたので、当たり前の反応なのである。
正直、私でも過去を振り返りたくない物だ。
鴉天狗、射命丸 文だったか。彼女にはハンクのように優秀な存在なってもらう。射命丸の肉体は私が取り込んだ中で、私の力を生き写しした。
彼女の肉体は、私と同じような状態だ。体は食べたのだから、新しく私が作る。その方法で生きているように見えているだけ。
だから、生きているとは違う。私より極端に劣化しているだろうが、身体脳力が上がったゾンビ兵。
操り人形。それが正しい名所だろうな。
簡単に言えば、彼女の体は私の細胞で作り出した体に移し変えられた。たったそれだけ。
それに、精神がやられてるから支配しやすい。
「ククッ……」
▼
▷ ◁
▲
「なあ、妙な匂いしないか?鉄臭いと言うか……これじゃまるで戻ったみたいだ」
「まさか………、ジル、レオン。構えておけ、もしかすると、奴等が居るかもしれん」
「はあ、もう懲り懲りなのに」
指示をだし、構えさせる。この匂いは、嗅ぎ慣れた血の匂いだ。
ゆっくりと花畑を花を踏まないように進んで、臭いの元を探る。そのとき、景色が変わった。
「これは………今までのは幻術の様なものだったのか?まるで、今までと同じだ」
「おいおい、流石の俺でも嫌になるぞ」
「子供の死体が散乱していたなんて……、体半分食べられたようにえぐられているのも有るわよ」
「説明は止めてくれ、くそっゾンビよりひでぇ」
血が花に覆い被さり、赤く濡れ。そこかしこに子供の死体が置かれている。まるで、ここだけ別世界として区切られているようだ。
空気も違う。鉄の味が混じっている。
「………クリス、もしかしたらこの死体、ウィルスに感染してるかも。傷口のところが膨れ上がってる」
「なんのウィルスだ?」
「多分、T-Abyssね。この肌を見るだけであの事を思い出すわ。取り合えず、長時間ここに留まってると空気感染するかもしれないから来た道を戻りましょう」
「俺も賛成、こんなところ長時間居たくない」
「そうだな。ここがどういう場所なのか把握できてもいない。撤退しか無さそうだ」
三人満場一致で、来た道を戻った。一定の場所で、綺麗な花畑に見え始めたので、あれは半径が決まっているらしい。此方から干渉しない限り、何も起きないようだ。
ここが幻なのか、彼方が幻なのか、よく解らない。しかし、まさかウィルスが有るとは思っても見なかった。
「解毒剤すらない今、噛まれたりされたら終わりだ。もしゾンビ達が出ても、無闇に先行しないでくれ」
「ええ、解ったわ」
「了解、犬死にはごめんだ」
奴等が現れることは無く、戻ってきた。これからどうするか、と三人で考える。のだが、意見が出るはずもない。
考えられるのはせめて、ここがどこか。それは心当たりはある。確信はないが、あの空は見覚えがある。
幻想郷……なのだろう。昔、一度来たことがある。この事は今ままでだと相手にもされない嘘話と片付けられるから、誰にも言ってはいなかった。
今なら言っても信憑性はあるし、手懸かりかもしれない。話すべきだ。
「聞いてくれ、俺はもしかしたら、ここに来ているかもしれない」
「ここにか?」
「ここ……と言うよりかは、土地だな。幻想郷、忘れ去られた存在が集まる不思議な地だ」
「今なら信じられるわね、それが本当なら、誰かが忘れたウィルスが流れ込んだかもしれない。
それかウィルスを持ったB.O.W.」
「信じられねえが、信じるしかないな………感覚的にだが、ここは普通じゃない。
あと、人が住んでるところは無いのか?」
「無論。だが、ここからどう行くかは解らない。舗装された道がある筈だ、探すぞ」
「あら、お困り?」
「誰だ!」
レオンが拳銃を声の方に向ける。
誰も気が付かなかった。いつの間にか、緑女の女性が傘を指しながら笑いかけてくる。レオンが拳銃を向けても可笑しくはない、こんなにも黒く、深淵のような者に恐怖をしても。
相手は手を出してこない。協力的なのか?
「そうカッカしないでくださる?私、これでも強いわよ?そんな豆鉄砲では勝てませんわ」
「その反応、妖怪だな。レオン、下ろせ」
「ジャパニーズ妖怪?わお、始めて見た」
「妖怪………なの?」
「そうです。私の名前は風見幽香。幽香とお呼びくださる?
里に行く次いでに、途方にくれている貴方方を誘おうと思ったのよ」
助けてくれるようだ。俺達は怪しみながらも着いていくことにした。嫌な予感の知らせは止まない。
風見幽香は何者か、妖怪は妖怪。それで終わりなのに終わらない。裏がある、それは勘でしかない。
警戒は解くことが出来ないな。
▼
▷ ◁
▲
最近、私の屋敷に博士がやって来て、戦力提供をしてくれている。私は望んでいないけど、彼方は善意。今の壊れた彼女を断れば、何があるのか。想像したくない。
ペット達は無事。されど危険、いつかは排除しないといけない。彼女は危険だ。
「失礼します」
「どうしたの、お燐」
「それが………あの博士、やらかしました」
「やらかしたとは?」
「収容違反を促すだけではあきたらず、外の世界に干渉を続けています。裏には賢者が」
「とんでもないバックね、警戒だけにしておきなさい。今、反乱されたらたまったものではないわ。
彼女を殺せる者が来るまで、耐えるしかない」
この幻想郷には来ている。彼はもう導かれている。始まっている。
前の異変の第2幕、主人公さん、早く気付きなさいな。貴方は、救いたいのでしょう?
「お燐……貴方は逃げなさい。貴方だけでも、彼をここへ案内するのです。例え、私が居なくても」
「え?」
「私は始末されるでしょう、あのウィルスはそこまで進化してしまった。
人を選別するまでになってしまった。あの狂った博士は、私を殺せる」
「……………解り………ました」
「行きなさい、遅れる前に。
それと、一つ。緑巫女の所に居る褐色の男に伝えなさい。
聖杯は、起動している」
「では…………すみません」
お燐は言い残し、扉を開けて、ゆっくりと出てから扉を閉めた。お燐は泣いていた。泣かせたくはなかったけども、お燐は死んじゃいけない。
「こいし、どうせ見てるんでしょう。
貴方にお願いしたいです、地下にある脳観測式疑似召喚機を使いなさい。
あの転生者は、ここで使えます。彼の脳から私の能力を付与した機械で、物語の人物をコピーする。
主人公の助けを、カルデアの希望を……。ここを、我々の亜種特異点とするのです」
本来現れる筈のない人物を呼び足し、歴史を少し弄れば希望は来る。
世界は、救われなければならない。この世界を除いたとき、結末を私は見た。滅亡の世界。
未来は未来。今から変えればいい。滅亡と絶望、悪意が振り撒かれた世界なんて、私は認めない。
認めてなるものですか。滑稽ですね、作られたレールが神となろうとした者に壊されようとしているのですから。世界を作った神様は、きっと生命を。
「解ったよ、お姉ちゃん。
行こキャスター」
「ええ、マスター。
いやはや、この私が現界して異世界から人物のコピーを呼び出せるようになるとは。何が起こるか解りませんねぇ、幻想郷は。
彼にもである……、私はいいマスターに出会えましたよ。この
転生者はただの一般転生者で、速攻で捕まって実験台にされて、装置に組み込まれた哀れな子です。所謂モブ。
最後のキャスター、悪魔の一言で解るかも?幻想郷は何でもありですからね。
例えこの世全ての悪すらも受け入れそうな勢い。
うちの幻想郷、おかしいかな(;`・ω・)
SCP-682 - 不死身の爬虫類 -
執筆者:Dr Gears
http://ja.scp-wiki.net/scp-682