良心的な逸般人ウェスカーの幻想入り   作:カンダム

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今回はウェスカー単身。そして今回から型月要素が増えてくる。

型月一本で異変ができてしまうから控えなければ…。


diary11 月夜

 夜になり、私は少しだけ煙草を吸いたくなり、外に出歩いた。皆は疲れていたのか自然と寝てくれた。

 引き込んだ射命丸から情報を聞きだし、地理も覚えた。現状の幻想郷さえも。

 

 妖怪の山のことも教えてもらった。現在、白狼天狗達が重症を負い、一部を除いて活動ができないらしい。

 しかも、重症の筈なのに、生きているのだと言う。下半身が無かろうとも、体の八割が無かろうとも。

 その現象はあろうことか、B.O.W.に似ている。もしかすると、あのにとりが仕出かした事なのだろう。

 できるのは私か、彼奴ぐらいだ。

 

「スゥ………フゥ。

 今日はやけに霧が濃いな、月もより近くに見えてしまうほどくっきりと浮き出ている。

 何かの予兆か?」

 

 霧、それ事態はごく最近現れた物だ。射命丸が吐いていたのだが、この霧は私が妖怪の山に来てからだと言う。私にはこの切りに関して何も知らない。

 にとりめ、何を仕出かすつもりだ。

 

「どうやら、お困りのようだ。

 今日はいい夜だね、人間」

 

「誰だ?」

 

 足音をたてながら、一人の薄暗そうな男が歩いてくる。肌は青白く、伸ばした黒い髪を掻き上げ、その瞳を輝かせた。

 何だこの男は、なんと言うか。影が薄そうな人外っぽい男。どこか胡散臭い。

 

「貴様は?」

 

「ちっ……人間じゃないか……。あーいや、こちらの話だ。俺は殺すのが趣味に近いんだ、彼奴にも言われてるしな。

 始めようか、人外どうしで」

 

 男は殺意を露にさらけ出す。

 捕食者か、激しい思い込みか。完全に私を見下して、侮っている。慢心だと私は思うが、相手はそれが普通のように振る舞っているので、いつもそうだったのだろう。

 この男は、何人も殺している。そんな匂いを漂わせている。

 

 月明かりが増した気がした。霧は私達を中心として微妙に薄くなる。どうやら、戦わなければならないらしい。

 意思を持つように霧がそう言っていると、解ってしまう。戦いは、必然的に起きた出来事のようだ。

 

「そうか、その敵対行動。公開するなよ」

 

「はっ。どうかな?」

 

「貴様は勘違いをしている。君は喰らう側だと思っているようだが、それは───」

 

 まだ半分も吸っていない煙草を男に頬り投げ、懐に入り込んで顎から腹へと叩き込み、吹き飛ばす。

 

「──この私だ」

 

「面白いな……ああ!!面白い!!」

 

 男も私に程遠いが、力強く地がずいて私の心臓を貫いた。ほう、いまのはガードしていても貫通していたな。これは気を抜けん。

 

 心臓を貫かれた、その追い討ちとして心臓が潰される。その光景に男は舌で唇をなめて頬を赤らめさせる。その顔は正に、変態。

 

 流石の私でも引くわ。

 

「ハハハッ!!何がこの私だ(キリッ)だ。

 てめえの舞台演説は終わりかぁ?終わりなら口からドブガエルみてぇな声だして死にな!

 ゆっくりと抜いてやる………あ、喋れねえか!ほーら、イーチ、ニー……」

 

「フッ」

 

 油断しているところ悪いが、私は生きている。心臓を別の場所から再生させ、まだ動かせる両腕で血に濡れた男の腕を掴む。

 

 なかなかに硬い。一見ただのパッとしない男だったがれっきとした人外だったようだ。

 

「サっん?生きているだと!?

 くそっ!抜けねえ!!その汚ねえ手を離せ!」

 

「どうした?笑え、ピエロのようにな」

 

「ぐっあ、貴様ぁ!!モブの癖に!」

 

「モブ?すまないが私はそんな名前ではない」

 

 驚愕、その中に囚われていながらも男は指していない腕を振り上げ、私の顔を殴る。

 拍子に刺さった腕が抜けそうになったので、掴む腕を捻り、もぎ取ってやった。

 

 血が回転しながら吹き荒れ、ブチブチ音が鳴った。その痛みからか、男は苦痛の声をあげる。後退り、五歩めで止まり、声をあげる

 

「あぁアアアウアッ!!」

 

「どれ、味見してみるか。旨いのか?不味いのか?何れにせよ食べることに変わりわない。

 言っただろう、私は喰う側だ」

 

「なん……だと?!ぐっ………きぃさま!!」

 

 驚き、目玉が飛び出る幻覚が見えるほど驚く男だが、私はそれに構わずかぶり付く。

 頭に細胞の旨味が流れ込み、濃厚な鉄の味が口いっぱいに広がる。正直旨い。

 しかも、おまけで身体能力が向上した感覚がする。おまけが本体のようだ。

 

 一口だけで満足したので、腕は適当に頬り投げた。落ちた先は河、綺麗に放物線を描き着水し、赤く汚く染め上げる。

 

「恵まれた食材だ、百点満点中百点だ。ただ……0点になるだろう、なぜか?

 それは、貴様が私の至福の時を奪ったからだ」

 

「ぐげぇ!!??ああぁぁぁ……」

 

 私は右腕から触手を素早く生やして貫いた。男の声は遠退くように小さくなって行き、霧に包まれ消えていた。逃げたように見えたが、手応えはあった。

 応急処置をしても数日、なにもしなければ数分で絶命するだろう。

 

「舞台………か。奴はどこから来たのやら」

 

 私は至福の時間を堪能することにした。やさき、煙草を口に加えようとした瞬間、煙草を短剣が通過し真っ二つにされる。またか。

 

 今度来たのは修道服を着た黒髪ショートカットの女性が、霧の中から現れた。右手には巨大な銃器を、左手には短剣を三本。

 連戦させる気か、この霧は。

 

「死徒を追っていたら、新たな死徒とで会う。まるで黒光のアレのように、一匹居たら何匹も湧き出すは笑えませんね。

 死徒はさっさと地底の牢獄に囚われていなさい、答えは聞きません」

 

 私を使途と呼んだかこの女は。奴の細胞を取り込んだことが原因だろうか。まあ、たしかに身体能力が向上し、視力聴覚が鋭く研がれた剣のように凄まじく調子が良いのだ。

 

「使途と言われる物は知らん、聖職者よ。

 そもそも使途の意味は金銭の使い道……だった筈だ、それを追えるのか?」

 

「……まさか己を理解しない死徒が蔓延るとは、となれば理解するための知能が無い青二才。

 今ここで、生えた芽は潰しておきましょう」

 

「っ!」

 

 三本の短剣が、私の心臓と頭に向かって投擲される。これは避ける、避けることが女の思惑でも構わない。

 いつも弾丸を避けるように私は避ける。

 

 身体能力が向上したからか、何時もより調子がよ良すぎる。一歩踏み出せば女の後ろまで行けるレベル。

 加減しなくては私が知りたいことが聞き出せないため、必然的に手加減するようになっていしまう。

 

「はあ、今回は面倒です。

 帰ったらカレーにしましょう、具在は………スーパーで買えばいいですね」

 

「カレー……聖職者?はて、聞いたことがある」

 

 カレーを食べる、聖職者。私は聞き覚えがあった、今思い出した。たしか、聖堂協会に所属しているカレー好きのヤバい奴が死んだと。

 

 転生でもしたのか。聖堂協会ならやりかねない所業のため疑わしい。

 

「貴様、聖堂協会の者か」

 

「……そうですね、答える義理はありませんがすぐに消える新参ものには優しくしましょう。

 私はシエル、埋葬機関所属。

 では、さらばです」

 

「野蛮だな」

 

 巨大な機銃、それを構えるシエルと名乗った聖職者。形状から、恐らくパイルバンカー。

 弾丸が数発撃ち出されると同時に短剣も投げられ、絶対に殺す意思が見える。

 

 しかし私に当たる事はなく、余裕で避けきれる。右、左、テンポよくムカつくほど、それはもう綺麗に。

 

「ええい、ちょこざいな!!」

 

「どうした(笑)」

 

「うぎぎぎぎい!」

 

 挑発に乗ってくれたので、油断している内に近付いて横から顎に向かって蹴りあげる。しかしそれは避けられてしまった。

 更に、避けたと言うのに弾丸を一発だけ発砲。その玉は私の足を撃ち抜けた。

 

 シエルは発砲による威力が殺せないために、少しだけ後ろに押されるのだが、サマーソルトをして立て直した。とんぼ返りで立て直しすって何だ。

 

 人間の芸当ではない、あれだけの大きさを誇る銃器があるというのに。

 

「燃え尽きろ!!」

 

「っ?!」

 

 地面に突き刺さっていた短剣が燃え盛った。その炎は舞い踊り、私めがけてあらゆる方向から襲い掛かる。

 その手数の多さに、流石の私も厳しい。

 

 飛び下がり、普通の拳銃を取り出して炎を産み出し続ける短剣を弾丸で壊していく。

 発生源である短剣は駆除できたが、炎は残ったまま。炎には物理的な攻撃は効かない。

 

 そのため、私は河から水を掬い上げて水をかけて消した。初歩的な、冷静的行動。

 その水は私を覆い隠すほどではないが、少しの目そらしはできる。水に視線が被った瞬間に、斜め右に動き、真横から発砲。

 

 弾丸は銃器に防がれた。流石にそこまで甘くはないらしい、カレー聖職者の名は伊達ではないか。

 

 

「まちなさああああいい!!」

 

 

「ぬ?」

 

「な?!」

 

 突如、大声をあげながら私とシエルの間に、金髪の女が割ってはいる。

 

「アーパー吸血鬼!邪魔すんな!」

 

「それには従えられないわね、救難信号を受けて来てみればこれよ。

 地球が悲しむし、もう夜明けよ?さっさと霧に戻りなさい」

 

「………そうですか。

 では、良い舞台休憩を」

 

 吸血鬼と呼ばれた女の言葉に納得したシエルは霧に消え、霧もだんだん晴れてくる。

 この女、何者だ?

 

「何者だ、女」

 

「私?うーん、何て言ったらいいのかなあ。

 あの子の名前を使ってもいいけど、それじゃあ物足りないし。そう、そうね。

 私の事はファンタズムーンと呼びなさい!」

 




今回の流れ



影薄い人〈人間じゃねえなら死ねや

ウェスカー〈ガブっ!旨いけどタバコ吸うの妨害したから死ねや

↓

シエル〈死徒はさっさと消えろい!

ウェスカー〈タバコ吸うの邪魔するな

↓

ファンタズムーン〈夜明けぜよ!

シエル〈グッバイ

ウェスカー〈なにこれ


みたいな感じです。以外と纏めると凄い短縮出るなこの話。実は最後のところは凄い悩みました。

当初の予定では出てくるのは朱い月でしたし、もっと戦わせて消耗させるつもりですた。

恐らく後々にはブラッドボーンも入れる予定。月に獣と朱い月が居てもいいじゃない。
俺はそう思う。あれ、そしたら幻想郷、大丈夫か?なんにせよ、今後も色々なキャラを出します。

風呂敷は気にしない方向で。最後は決まっていますので。
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